2026年5月2日、中国の上海にて『ドールズフロントライン』の10周年記念イベントが開催された。

『ドールズフロントライン』はサンボーンが開発する、“人形”と呼ばれるアンドロイドのようなキャラクターたちが活躍する作品群。文明が崩壊した世界を舞台に、苛烈な戦いの物語が描かれている。
イベントでは、現在までにリリースされた『ドールズフロントライン』、『ドールズフロントライン:ニューラルクラウド』、『ドールズフロントライン2:エクシリウム』、『逆コーラップス:パン屋作戦』の4タイトルのブースが展示されたほか、大規模な音楽イベントが開始され、ユーザーを楽しませた。






そのイベントにて、シリーズ最新作となる『リコーラップス:F』と『ドールズフロントライン:ブルーコブナント』(※)が発表。シリーズの次代を象徴するタイトルとして開発中となっている。
※どちらも仮題
『リコーラップス:F』

『ドールズフロントライン:ブルーコブナント』
本稿では、プロデューサーである羽中氏にインタビューを実施。『ドールズフロントライン』シリーズの過去と未来、そして最新作のゲーム内容など、さまざまな質問へ回答いただいた。
謎に包まれた最新作ではどういったゲーム体験が楽しめるのか。サンボーンが仕掛け広げる『ドールズフロントライン』の未来に注目しよう。
羽中氏(ウチュウ)
サンボーン(上海散爆網絡科技有限公司)のCEO。『ドールズフロントライン』と『逆向坍塌』シリーズでは、プロデューサーを務める。
10周年を経て“日常”へと溶け込んだ『ドールズフロントライン』
――『ドールズフロントライン』は10周年を迎え、上海でイベントを開催されました。イベントやこれまでの歩みを振り返っていかがでしょうか。
羽中
これまでもさまざまなイベントを開催してきましたが、今回の『ドールズフロントライン』10周年記念イベントは、私にとって非常に感慨深いものとなりました。会場では、初代『ドールズフロントライン』から10年間支え続けてくださっているベテランの方々から、『ドールズフロントライン2:エクシリウム』や『ドールズフロントライン:ニューラルクラウド』からシリーズをプレイしてくださった方々まで、あらゆる世代のプレイヤーにお会いすることができました。このようにひとつのIPに長年注力し、プレイヤーの皆さまとともに成長していくことの意義を、改めて深く実感しています。
――イベントは、10周年にふさわしいかなり大規模なものでした。
羽中
昼の部は“10周年の軌跡と記念”をテーマに、時の回廊(シリーズの回顧録)やメッセージウォール、歴代作品の象徴的なシーンを再現したエリアを設けました。10年という時間が積み上げてきたコンテンツの厚みと、情緒的な雰囲気を肌で感じていただけたのではないでしょうか。夜の部で行われたコンサートでは、10年の歩みを振り返る特別なオープニングとクロージングのセレモニーを執り行いました。プレイヤーの皆さまにとっては、単にイベントを楽しむだけでなく、ともに歩んだ歳月を記念し、シリーズの成長と未来を見届ける場になったのではと感じています。




――そのほかにも、この10周年では上海を中心にラッピングバスや大型ビジョンでの広告展開など、かなり大規模なプロモーションを展開されています。こちらについても、手応えをお聞かせいただきたいです。
羽中
企画者の視点からお話しすると、今回の『ドールズフロントライン』10周年イベントに合わせた一連のオフライン活動は、単なる散発的なプロモーションではなく、都市空間全体を利用した“体系的な感情の浸透”を目指したものです。たとえば、上海交通カードとのコラボでは、毎日の生活に『ドールズフロントライン』を溶け込ませました。また、人通りの多い場所を走るラッピングバスは、動く街の風景としてSNSでも大きな話題になり、プレイヤーによる痛車展示は公式とファンがいっしょにイベントを作ることで作品への愛着をさらに深め、各地の大型ビジョン展開は遠くのファンにもお祭り気分をお届けできたと考えています。
――『ドールズフロントライン』を日常的に体験できるような施策だったんですね。
羽中
今回、非常に大きな盛り上がりを作ることができました。このように、公共施設や街のシンボルを“『ドールズフロントライン』の世界”とつなぎ合わせたことで、10年間の想いをゲームのなかだけでなく、実際に見て触れられる形として皆さんにお届けすることができたと感じています。
――そういった施策もありつつ、10周年イベントのクライマックスでは、新作タイトルが発表され、大きな歓声が挙がりました。まさか一度に2タイトルも発表されるとは。
羽中
新作発表時には私たちのこれまでの歩みを振り返る映像も流れたのですが、会場から熱烈な拍手と歓声が沸き起こったとき、我々制作チームは自分たちの仕事の価値を直に感じることができました。プレイヤーの皆さまに喜んでいただけることは、長い開発期間で困難を乗り越え、品質を磨き続けるための大きな支えであり原動力です。
――制作チームの皆さんとしても、非常に喜ばしい体験だったんですね。
羽中
このイベントは制作チームが自信を深め、情熱を再燃させるすばらしい機会でした。スタッフ一同にとって、大きな励みとなっています。
――日本では、2025年に秋葉原でオフラインイベントを開催いたしました。今後日本でもアニバーサリーイベントなどを開催する予定はあるのでしょうか。
羽中
2025年のイベントでは、日本のプレイヤーの皆さまにゲームを愛していただけていることを実感するとともに、現地の熱い盛り上がりにたいへん感銘を受けました。秋葉原のイベントはまだ第一歩です。アニバーサリーなどの重要な節目に向けた日本でのオフラインイベントも、現在積極的に企画検討中です。日本の皆さまと直接お会いできる機会をさらに増やせるよう努めてまいりますので、今後の公式発表にご注目いただければ幸いです。
――日本のファンからは、今回のような音楽イベントの開催も望まれていると思います。今後、実施される構想はあるのでしょうか。
羽中
じつは2019年に、東京で“人形×彼岸花”というオフラインオーケストラコンサートを開催したことがあり、現地のプレイヤーの皆さまと非常に貴重な思い出を作ることができました。今回の上海での10周年音楽イベントもたいへん多くの温かい反響をいただきましたが、日本のコミュニティーからも期待の声が寄せられていることは、私たちのもとくにしっかりと届いています。日本でふたたびこうした音楽イベントをお届けできるよう、現在チーム内でも実現に向けて前向きに話し合いを重ねているところです。いつかまた音楽を通じて、現地のファンの皆さまと再会できることを心より願っています。
――ぜひ、楽しみに待たせていただきます! シリーズとしては10周年を迎えた『ドールズフロントライン』ですが、ここまでシリーズ運営が継続できた理由については、どのように考えられていますでしょうか。
羽中
IPが発展し続けるためには、絶え間ないコンテンツ制作が不可欠です。この10年間は、形を変えてさまざまな作品を展開してまいりましたが、どの作品もそれぞれ独自のアプローチで『ドールズフロントライン』の物語を紡いできました。長年積み上げてきたストーリーとコンテンツがあるからこそ、プレイヤーの皆さまにはこの世界観が単なる“物語”ではなく、現実と地続きにあるリアルな存在であると感じてくださっているのだと思います。その積み重ねがIPへの深い信頼と愛着につながり、いまの活力ある姿を支えてくれています。これこそが、IPが長期にわたって活力を維持し続けられる、非常に重要な理由であると考えています。
――10周年イベントにもつながりますが、『ドールズフロントライン』をリアルな日常として接してもらえたことが、シリーズが続いてきた理由だと考えているんですね。シリーズの展望や目標についてもお聞かせください。
羽中
『ドールズフロントライン』は単なるゲームシリーズに留まらず、時間が経っても色あせない息の長いIPに育てていきたいと考えています。それは単にゲームという枠組みだけでなく、キャラクター・物語・音楽・そしてその世界観のすべてを包含する存在としてです。今後私たちは、『ドールズフロントライン』をさらに拡張し続けていきますが、その核となる精神は変わることはありません、私たちの中心にあるのは、つねに“キャラクター・感情・希望”です。より深い文化的背景を持ち、時代を超えて愛され、何世代にもわたってプレイヤーの皆さまに寄り添い続けるような存在を目指してまいります。


新作2タイトルはともにマルチプレイPvE!
――続いては、イベントで発表された『リコーラップス:F』と『ドールズフロントライン:ブルーコブナント』についてお聞かせください。『リコーラップス:F』は、『逆コーラップス:パン屋作戦』(※)のゲーム内容を引き継いだ内容と考えていいでしょうか。
※:『ドールズフロントライン』の30年後を描くシミュレーションRPG作品。羽中
まず、『リコーラップス:F』と『ドールズフロントライン:ブルーコブナント』は『ドールズフロントライン』シリーズの続編ではなく、同じ世界観を共有するIPの新たな展開となる新作です。両作品ともに核心となる設定を共有していますが、ゲームとしての形態はまったく異なります。




――世界観としては『ドールズフロントライン2』の少し先の年代でしょうか。
羽中
はい。『ドールズフロントライン2』の時間軸は2054年から2076年ごろの物語となっていますが、『リコーラップス:F』は“第一次南極戦争”が全面的に勃発した近未来を舞台としており、『ドールズフロントライン2』よりも先の時代にあたります。どちらかと言えば『逆コーラップス:パン屋作戦』との関連性がより強く、当時の時間軸や技術水準、勢力図、そしてキャラクターの配置などを踏まえながら、その時代ならではの物語を描いています。
――『リコーラップス:F』は“4人協力型TPS・PvE”のゲームとなるようですが、シリーズとしてはこれまでにないジャンルとなっています。ゲームの特徴や魅力となる部分について、詳しく教えていただけますでしょうか。
羽中
『リコーラップス:F』のコアとなるゲームプレイの特徴として、私たちはおもに3つの要素を設計しました。まずひとつ目は、“高いランダム性を持つ戦闘体験”です。プレイヤーが出撃するたびに、地形や敵の構成がランダムで生成されます。つぎに何が起こるか分からないため、毎回状況に応じて戦術を組み直す必要があり、新鮮な緊張感と戦略性が得られます。
――通常の面クリアー型ではなく、ローグライクとしてのゲームシステムも内包するんですね。
羽中
非常に高いリプレイ性が特徴です。各戦闘がランダム生成であることに加え、シーズンごとに新たな敵・フィールド・武器・任務を追加します。これによりアップデートのたびにプレイ体験が大きく変わり、ほぼ全コンテンツを“新作のような感覚”で遊び直すことができます。従来のPvEゲームでありがちな数回周回すると頭打ちになる問題を根本から解消し、長期間楽しめるゲームを目指しています。
そしてふたつ目の特徴は、“多次元の火力対決”です。巨大ボスとの戦闘では、生身での撃ち合いだけでなく、超大型砲台の建設や巨大メカの召喚など、火力投射を拡張できる仕組みを用意しています。ここは、私たちがかなり挑戦的な取り組みを行った部分です。3つ目は、勢力選択と集団的ストーリーテリングです。ゲーム内には3つの勢力が存在し、プレイヤーはそのいずれかに所属します。サーバー全体のプレイヤーが勢力ごとの任務を進め、その達成度によって物語全体が分岐し、異なる結末へと進んでいきます。
――プレイヤーがストーリーに干渉できるのでしょうか。
羽中
そうです。大規模な“TRPG風の没入感”を味わえる内容になっています。ストーリー展開は、全プレイヤーの選択によって左右されます。プレイヤーひとりひとりが自分の意志で物語を動かしている実感を得られるように設計しており、固定されたシナリオ以上に、プレイヤーの心を揺さぶる物語体験が生まれることを期待しています。
――プレイヤーがこれまで以上にストーリーを楽しめるタイトルになりそうですね。PVを観ると、人形のような女性キャラクターに加え、ガスマスクをつけたキャラクターも確認できます。このガスマスクのキャラクターが主人公(プレイアブルキャラクター)となるのでしょうか。



羽中
いいえ、そのキャラクターのみを操作するゲームではないんです。本作は、プレイヤーの皆さまの好みに合わせて操作キャラクターを選択してプレイできます。本作に登場するキャラクターには複数の“種族”が存在し、それぞれの種族ごとに操作の傾向やプレイスタイルが異なる仕様となっています。
――能力差があるキャラクターから、プレイヤーキャラクターを選択できるんですね。さきに拝見した資料によると、“人類、人形、シュライク等の4大種族が登場”とあったのですが、これがお話いただいている“種族”となるのでしょうか。
羽中
そうです。各種族の能力や戦闘特性は、それぞれ異なる強みや特徴を持っています。現在はまだ開発段階にありますので、詳細についてはぜひ今後の公式発表や続報にご注目いただければ幸いです。



――世界観としては、『ドールズフロントライン2:エクシリウム』よりもさらに自然環境が劣悪になっているように感じます。また、人知を超える存在のような姿もPVでは示唆されていますが、どういったストーリーとなるのでしょうか。
羽中
『リコーラップス:F』の物語は、“三女神計画(※)”を基盤とした世界観の上に構築されています。三体の女神はそれぞれ“過去・現在・未来”を象徴しており、時空が歪み、科学レベルや時間の流れが乱れた亜空間と呼ばれる領域が存在します。人類はこの亜空間を排除するために、3つの異なる時間軸から遠征軍を送り込みましたが、すべて失敗に終わりました。遠征軍は女神の力によって侵蝕され、人間から歪んだ異形の存在へと変質してしまったのです。プレイヤーは最後に亜空間へ突入する遠征部隊の一員として、歴史の歪みを修正し、かつては人類であった変異した敵と戦うことになる……というのが『リコーラップス:F』のベースのストーリーになります。
※:『ドールズフロントライン』シリーズの根底にある遺伝子操作実験羽中
また、プレイヤーが対峙する脅威は、大きく分けて3つあります。女神の力に侵蝕され変異した遠征軍、巨大な敵対存在、超自然的で正体不明の神秘的存在です。ゲーム内には三女神に対抗する3つの勢力陣営が存在し、プレイヤーはそのいずれかに所属できます。所属勢力に応じて専用の戦闘支援効果が得られ、勢力ミッションを達成するとその勢力の影響力が拡大し、物語の展開にも直接影響を与えるという仕組みになっています。
――そういった形でストーリーに介入できるんですね。
羽中
本作のストーリーは固定された一本道ではありません。物語の展開は、全プレイヤーによる集団的な選択によって分岐し、形成されていきます。プレイヤーのひとつひとつの戦闘や選択が、世界の歴史そのものを形作ることになる。これこそが、私たちが本作で仕掛けようとしている大きな挑戦になります。
――『ドールズフロントライン』のストーリーがとくに好きというプレイヤーには、堪らないゲームになりそうですね。そのほか、『リコーラップス:F』の注目点があれば教えてください。
羽中
現在ご紹介している内容以外では、映像がどれだけ進化したのかにぜひ注目していただきたいです。ゲームエンジンにはアンリアルエンジン5を導入していますが、サンボーンはゲームにおける芸術的表現力の限界をふたたび突破することを目指しています。専門的な用語で言うと、本作では“NPR(※1)”と“PBR(※2)”を融合させたハイブリッドレンダリングをベースに、「ファンタジー・サイエンス」という独自の美学を追求しました。
※1:ノンフォトリアリスティックレンダリングの略。実写のようなリアルなものではなく、アニメのような非実写的なグラフィック
※2:フィズィクリィベースレンダリング。物理ベースレンダリング。光の反射などを物理法則に基づいてグラフィックを描画することで、リアルさを演出できる羽中
終末世界のSFを舞台とした三人称視点シューティングというコンセプトに合わせ、アンリアルエンジン5によってグラフィック、モデルの精度、そして質感を全面的に刷新しています。これは単に技術を新しくしただけではなく、次世代のゲーム体験を目指した大きな挑戦でもあります。こうした取り組みを通じて、サンボーンのアート表現を世界のAAA級シューティングゲームと肩を並べる水準へと引き上げたいと考えています。




――サンボーンとしても、新たな挑戦となるタイトルなんですね。続いては『ドールズフロントライン:ブルーコブナント』についても質問させてください。本作は『リコーラップス:F』と同じマルチプレイ TPS PvEのゲームとなるようなのですが、どういった差別化がされるのでしょうか。基本的なゲームシステム、ゲームルールについて教えてください。


羽中
まず、両タイトルは大枠ではどちらも三人称視点のシューティングゲームですが、コアとなるゲームプレイの方向性は明確に差別化されています。『ドールズフロントライン:ブルーコブナント』は、よりライトで単一キャラクター操作を中心としたプレイスタイルを採用しています。爽快感のある高性能アクションと、4人協力プレイで短時間のうちに激しい交戦を楽しめる点が特徴です。全体のテンポが速く、操作の敷居も低いため、スキマ時間でも遊びやすい設計になっています。
――MMORPGなどのように長期スパンで楽しむ『リコーラップス:F』と対照的に、『ドールズフロントライン:ブルーコブナント』はもっとカジュアルに遊べるゲームなんですね。
羽中
『リコーラップス:F』は、より幅広いロールと深い戦術性を持つゲーム構造となっています。通常の敵との戦闘に加え、大型・巨大・超巨大ボス級ユニットとの戦闘が1プレイ後半の大きな柱となっていて、戦闘の重みや奥行きが大きく異なります。体験としては、『ドールズフロントライン:ブルーコブナント』はこれまでに登場したキャラクターを操作したり、爽快に楽しめる協力プレイの要素に重点を置いており、『ドールズフロントライン』シリーズの世界観を手軽に楽しみたいプレイヤーに向いた作品です。それに対して『リコーラップス:F』は、より戦術的な深みと長期的なプレイを求める層に向けて設計されており、多様な敵種や複雑な戦場、とに巨大ボス戦における火力投射と戦略的駆け引きが大きな魅力となっています。
――まだお話いただけることは少ないかもしれないですが、『ドールズフロントライン:ブルーコブナント』のゲームの基本ルールなどは、どういったものなのでしょうか。
羽中
本作は4人のプレイヤーがリアルタイムに協力して敵と戦うPvE TPSです。プレイヤーはフレンドまたはランダムマッチで小隊を編成し、大量の敵に挑みます。各プレイヤーは1体の人形を操作し、火力制圧・シールドによるヘイト管理・機動スキルを使った背後攻撃など、役割に応じて分担しながら連携します。戦闘は三人称視点のシューティングで、操作は直感的かつ分かりやすく、射撃・回避・立ち回り・スキル使用をバランスよくこなす形式です。プレイの時間は短く、スキマ時間にもフィットする設計です。

――大量の敵と戦う爽快感のあるバトルが楽しめるんですね。
羽中
戦場には数百体規模の敵が出現し、敵人形、重装装甲車両、大量のクリーチャー、さらには巨大ボスが登場します。プレイヤーは戦闘中に臨時構築物を建設することが可能です。たとえばオートタレット、エネルギーシールド発生装置、戦術補給ステーションなどになります。また、広範囲火力支援や高火力ストライクを要請することもできます。戦局に応じてこれらの戦備を使い分けることで、圧倒的な火力で押し切ったり、劣勢を逆転したりと、毎回異なる攻略の体験が生まれ、強いリプレイ性につながっています。物語面では『ドールズフロントライン』の終末世界観を継承し、プレイヤーは指揮官視点から物語を体験できます。シリーズおなじみの人形たちも順次登場する予定です。
――これまでに登場した人形を自分で操作できるというのが魅力ですね。世界観のテキストに“巨獣”というキーワードがありますが、本作は巨獣と戦うようなアクションシューティングとなるのでしょうか。
羽中
世界観における“巨獣”は確かに重要な背景設定のひとつですが、『ドールズフロントライン:ブルーコブナント』のコアとなるゲームプレイは4人マルチプレイTPS PvEであり、手軽で爽快な操作感と小隊での連携を重視しています。 巨大な敵との戦闘も体験の重要な一部ではありますが、本作は巨獣の狩猟に特化したゲームではありません。人型ユニットや装甲車両、そして押し寄せる怪物の群れといった、バリエーション豊かな敵との戦闘こそが、本作におけるバトルの基本になっています。
――「アタッカー、タンク、フランカーなど役割を分担して戦うと資料にありますが、本作は性能やロール(おもな役割)の異なる人形を使いわけて戦うことができるゲームになるのでしょうか。
羽中
はい、まさにそのとおりです。それこそが本作のチームプレイにおける核心と言えます。 それぞれの人形は、専用の銃器と独自のスキル、そして明確な役割を持っています。たとえば、範囲攻撃や継続的な火力による制圧を得意とするアタッカー、シールドの展開や回復能力で味方のダメージを肩代わりするサポート、あるいは高い機動力や行動妨害スキルを駆使して背後から奇襲を仕掛けるフランカーといった具合です。 プレイヤーは、任務の内容や自身のプレイスタイルに合わせて、異なる役割の戦術人形を自由に組み合わせることで、攻守のバランスを整えたり、攻勢をかけたりといった多彩な戦術を構築できます。
マルチプレイでは、4人のプレイヤーがそれぞれ2体のキャラクターを選択して出撃します。必ずしも緻密な連携を強制するものではありませんが、プレイヤーどうしでスキルや装備を戦略的に組み合わせることで、より効率的かつ強力なシナジーを生み出すことが可能です。
――両タイトルともに、『ドールズフロントライン』の可能性を広げるタイトルになりそうですね。
羽中
『ドールズフロントライン:ブルーコブナント』は、より手軽に遊べて爽快感のある戦闘に重点を置き、さらに『ドールズフロントライン』本編で描かれてきた大型戦役の再現を目指しています。プレイヤーはシリーズでおなじみの敵勢力と戦うことになり、これまで物語で語られてきた大規模な戦闘を、みずから人形を操作しながら体験できるようにしたいと考えています。そのため、全体的なバトルはよりライトでテンポがよく、爽快な遊び心地を重視した形です。
対して『リコーラップス:F』は、新たな世界観を基盤としており、作品全体のトーンや厚みがより重厚なものになります。本作には、人類、人形、ボーラー、遺跡など、複数の種族が登場し、それぞれ固有の陣営やプレイスタイルを持っています。ゲームとしての密度や深みも『ドールズフロントライン:ブルーコブナント』より高く、戦闘スタイルやバトル体験もより多彩なものになります。
また、敵のデザイン面でも両作には大きな違いがあります。たとえば『ドールズフロントライン:ブルーコブナント』では、中型や装甲系の敵との戦闘が中心となり、敵のサイズもそのあたりが上限に近い形になります。一方、『リコーラップス:F』では、大型・巨大・超巨大ボス級がゲーム中盤から終盤にかけての大きな見どころとなります。敵味方のインタラクションや戦闘の構造そのものが、大きく異なる体験になると考えています。



――シリーズファンにはどちらのタイトルのリリースも楽しみですが、両タイトルの開発進捗や、日本でのリリース時期などについて教えてください。
羽中
『ドールズフロントライン:ブルーコブナント』については、2026年内にプレイヤーの皆さまにテストをしていただき、より多くのコンテンツをお見せできればと考えています。ゲームの基本となる部分はほぼ完成しており、今後は中身をさらに充実させ、リリース時にはプレイヤーの皆さまが興味を持つ要素をより多く体験していただけるように準備を進めています。『リコーラップス:F』に関しては、現在はゲームプレイの検証段階にあります。こちらもゲームのベース部分はすでに動作しており、今後は遊びの面で大きな飛躍を目指しています。『ドールズフロントライン:ブルーコブナント』は2026年内のリリースを予定しており、『リコーラップス:F』は2028年のリリースを目標としています。
――両タイトルの開発についての意気込みを教えてください。
羽中
まず初心についてですが、サンボーンがシューティングゲームを作ろうとしているのは、決して一時的な思いつきではありません。『ドールズフロントライン』は、もともと軍事・銃火器という題材との結びつきが非常に強い作品です。プレイヤーの皆さまが『ドールズフロントライン』を好きでいてくださる大きな理由のひとつも、銃という要素や、それを扱う人形そのものに魅力を感じていただいているからだと思います。そういったシリーズですから、プレイヤーの皆さまは自分の手でキャラクターや乗り物を操作して、実際に戦場に立ちたいと望んでいるのではないでしょうか。
ですが、なぜ我々がこれまでにシューティングゲームを作らなかったのか。理由は大きくふたつあります。ひとつ目の理由は、まず物語をしっかり描いて世界観を構築して戦略性の高い作品を作ることを優先したからです。そしてふたつ目の理由は、2010年代当時は技術的な環境やチーム規模が十分ではなく、本格的なシューティングゲームを成立させるのが現実的に非常に難しかったためです。
――シューティングゲームを作りたいという想いは、もともとあったんですね。
羽中
そうです。そして2026年のいま、会社の規模や技術力が一定の段階に到達し、プレイヤーの皆さまに受け入れていただけるクオリティーのシューティングゲームを制作できる土台が整いました。サンボーンはこれから、シューティングゲームのジャンルに、本格的に挑戦していきたいと考えています。
つぎに決意についてです。『リコーラップス:F』には、すでに100億円以上の開発費を投じています。目指しているのは、世界で楽しまれているAAA級PvEシューターに匹敵する作品です。『ドールズフロントライン:ブルーコブナント』では、まずライト寄りのTPSとして基礎を固めながら経験を蓄積し、その後『リコーラップス:F』で、より大規模で深いシューティング体験に挑戦していきます。本格的にシューティングゲームの開発を始めたのは2023年になりますが、『リコーラップス:F』の制作に入るころには、シューティングゲーム作りの一連の流れを把握し、各段階で何をすべきかもしっかり理解できるようになりました。開発は段階的に着実に進めています。
――サンボーンとして、かなり集中した開発を行っているんですね。
羽中
もちろん、この規模の作品を作ることは非常に難しい挑戦です。ですが、私たちゲーム開発者が挑戦を避けてしまえば、成長はありません。両プロジェクトには明確な目標があり、私たちはそれを実現できると確信しています。
――今後の両タイトルの開発や情報公開に期待したいと思います。最後に、『ドールズフロントライン』シリーズのプレイヤーに向けて、メッセージをお願いいたします。
羽中
いつも応援してくださり、本当にありがとうございます。『ドールズフロントライン』の物語を、今後ももっともっと楽しんでいただければうれしいです。また、私たちの最新作にもぜひご注目ください。これまでとは異なる新たな形で、より多彩でひと味違った物語を紡ぎ、皆さまにさらなるゲーム体験をお届けできるように尽力してまいります。