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『サイレントヒル:タウンフォール』インタビュー。ポケットテレビは懐かしく、昔だから少し不安定で信頼しきれない。ノスタルジーとゲーム体験を結びつけるこだわりを語る

『サイレントヒル:タウンフォール』インタビュー。ポケットテレビは懐かしく、昔だから少し不安定で信頼しきれない。ノスタルジーとゲーム体験を結びつけるこだわりを語る
 2026年9月24日にコナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)より発売予定の『SILENT HILL: Townfall』(『サイレントヒル タウンフォール』)。対応ハードはプレイステーション5、PC。
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 本作は精神を蝕むような恐怖を描く『SILENT HILL』シリーズ最新作。開発はスコットランドのScreen Burnが担当している。

 本記事では試遊会で実施された、メディア合同インタビューの模様をお届けしよう。
『サイレントヒル タウンフォール』インタビュー。ポケットテレビの懐かしさで心を掴み、そして“悪用”する。ノスタルジーが生みだす効果と、ゲーム体験を結びつけるこだわりとは
会場の様子もお届け。霧や赤色に包まれて、恐怖感満載の会場に。
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中央にはゲームにも登場するモニュメントが置かれていた。
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舞台となるセントアメリアの看板も、おそらく実物大。
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参加したメディアに配られたグッズ類。CRTV(ポケットテレビ)型のケースが印象的。
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軽食もあり、スコットランドになじみのあるお菓子が用意されていた。
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瓶の飲み物もあった。これはゲーム中に空き瓶を投げて活用することがあることに掛けて用意されていたんだなと。
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スコットランドのショートブレッドというお菓子のほか、ポテトチップスなども。ポテチはなんかすごい知らない味がしてビックリした。

岡本 基 氏おかもと もとい

コナミデジタルエンタテインメント所属。『SILENT HILL』シリーズプロデューサー

ジョン・マッケラン 氏

Screen Burn所属。『SILENT HILL: Townfall』ライター&ディレクター

物語と体験を強く結ぶ、シリーズらしさ

――過去作で特徴的だったラジオが、CRTVに変わった理由や狙いを教えてください。

ジョン
 本当の最初期の段階ではラジオを考えていて、そのときからチューニングしたりする要素はありました。ただ、ラジオは受動的に発動するもので、受け手になるしかありません。Screen Burnとしては、自分から積極的に使っていくものにしたいと考えていました。そこから、音だけでなく映像が出るデバイスを開発初期から採用することにしました。ゲーム性も広がりますし、演出面でも活用できるので、さらに広がりが出るだろうと考えたのです。

 それに加えて、Screen Burnはちょっと古めかしいアナログ的な技術ですとか、そういったガジェットが好きです。実際に試してみると、やはりこういうものが自分たちにいちばん合っていると感じたのも理由です。

――たしかにScreen Burnは古いガジェットなどが特徴的だと思いますが、『SILENT HILL』シリーズにどのような効果があると考えていましたか?

ジョン
 そういったものを採用するのは“ノスタルジー”の部分が大きいです。古くて昔は使ってきたものに触れると、懐かしいという気分になります。チームとしてはその懐かしいと感じる気持ちを逆手に取り、プレイヤーの心をつかんだうえで“悪用する”ことを心がけています。

 昔のアナログなものって、少し不安定でいまいち信頼性がなく、頼りない部分があると思います。そこに着目して、どこか不安定で頼りなく、ガジェットに頼っていても助からない、すがることができないような要素を本作で描こうと考えました。
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――これはCRTVじゃないと実現できなかったな、という要素はありますか?
 
ジョン
 初期から採用が決まっていたので、システムから演出面にいたるまで、CRTVがあるという前提で作っています。そのため、CRTVだからこそできた、というよりは、「CRTVならばどんなことができるだろうか?」と考えながら作り続けていましたね。
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――ゲーム全体で、初期段階から現在に至るまで変わった部分はありますか?
 
ジョン
 先ほどのラジオとCRTVの話もありますが、プロジェクトがスタートした当初から大きく変わった部分はありません。どのような作品を作るべきなのか、KONAMIと協議しながら詰めていきました。そのため、作ったものをKONAMIに見ていただくときも、当初に決めたことから逸脱していないか、間違っていないか注視しながら開発を進められました。

――『SILENT HILL: The Short Message』は主観視点のゲームでしたが、開発会社間でのノウハウの共有や影響はありましたか? また、主観視点で『SILENT HILL』らしさをどのように強調したのでしょうか。

岡本
 両タイトルは開発会社も違い、開発時期も異なり、偶然ふたつとも主観視点で作ってみようと決まったものです。ですので、そういった共有的な部分はありませんでした。

ジョン
 『SILENT HILL : The Short Message』と直接的な接点はなかったので、皆さんと同じようにいちファンとして楽しませていただきました。『SILENT HILL: Townfall』としては、主観視点ではないとできないCRTV(ポケットテレビ)の遊びです。

 ほかにも主観になったことでゲーム性なども変わった部分は多々ありますが、そういった要素がありつつも『SILENT HILL』らしい演出や雰囲気作りに心がけています。きっと、『SILENT HILL』らしい作品だと感じてもらえるはずです。

――シリーズ作品でも敵クリーチャーがかなり強いな、と感じました。ステルス重視のゲームバランスを目指したのでしょうか?

ジョン
 プレイヤーが取れる選択はいくつかあると思います。戦闘することもできますし、ステルス重視で行きたい場合はより注意深く進めていくことも可能です。さまざまな選択肢があるので、そこに合った行動をプレイヤーが模索して、困難を突破してほしいです。それがうまくいくのか、いかないのか、試しながら進むようなゲームになっています。

――本作は赤と黒のカラーが印象的です。選んだ理由はありますか?

ジョン
 赤と黒が、いちばんいい色だと感じたからです。また、ゲームを進めていくとこの色が象徴的だということが段々とわかってくるはずです。物語を読み進めると、なぜこの2色なのか。その理由が見えてくるでしょう。
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――マルチエンディングとのことですが、UFOエンディングなどはありますか? また、どのような分岐をしますか?
 
ジョン
 UFOエンディングがあるかどうかですが、隠しエンディングは存在します。どういった内容なのかは、回答を控えさせていただきます。エンディングの分岐についてですが、単純な2択などで決まるものではありません。プレイヤーの行動を細かく経て、決まります。それまでどのような選択を取ってきたのか、その結果に応じてプレイヤーが納得するエンディングになるようにしています。

岡本
 基本的にすべてのエンディングには1周目から到達できます。ただし、隠しエンディングのみ2周目以降から到達できます。『SILENT HILL f』のように、何度も周回する前提で作られた物語ではなく、『SILENT HILL 2』などのような形だと思っていただければと。
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――舞台がスコットランドになった理由を、改めて教えてください。
 
ジョン
 Screen Burnはスコットランドの会社ですから、自分たちが生まれ育った土地ですので、いちばん描きやすい舞台だったというのが理由のひとつです。慣れ親しんだ土地だからこそ、より緻密に精密に納得のいく世界観を作るには、自分たちがいちばん熟知している場所を選ぶべきだと思いました。

 我々がたとえばアメリカを舞台にしたゲームを作るよりも、プレイヤーに細かく見せたいものをしっかり見てもらえる環境を作るために、自分たちが育ったスコットランドを選ばせていただきました。
『サイレントヒル タウンフォール』インタビュー。ポケットテレビの懐かしさで心を掴み、そして“悪用”する。ノスタルジーが生みだす効果と、ゲーム体験を結びつけるこだわりとは
岡本
 現在『SILENT HILL』シリーズは世界各国の開発会社と、ゲームを作っています。各地の文化や特性が混ざり合うことで、いろいろと新たな体験が生まれるのでは? といった考えも根本にあります。

――自分たちが生まれ育ったスコットランドが、『SILENT HILL』のような凄惨な舞台になることに思うところはありましたか?

ジョン
 皆さんご存じかわからないですが、スコットランドはもともと霧が深い地域であり、クリーチャーがいるかもしれないと噂になるほど、凄惨な物語の舞台にしやすい、適した土地なんですよ。霧が出ると、それを写真に撮って「今日は『SILENT HILL』だね」なんて投稿したくなります(笑)。

――スコットランドの方々は、本作の舞台を見て「スコットランドらしい!」と思われるものなのでしょうか?

ジョン
 古い時代を描いているので、Screen Burnの若いスタッフでもピンとこない場合もありました。たとえば謎解きのひとつに“チャージ式の電力カードが必要”というシーンがあります。実際にスコットランドでは当時、そうやって電力を供給していたんですよ。ですから若いスタッフほど「そうなの!?」となった場面もあります。

 そういった部分もありましたが、基本はスコットランドらしいと思えるものになっています。わからないと思いますが、家屋の中を見れば台所のレイアウトやデザイン、家具の大きさなどなど、屋内の細かいところまでスコットランドらしくなっています。
『サイレントヒル タウンフォール』インタビュー。ポケットテレビの懐かしさで心を掴み、そして“悪用”する。ノスタルジーが生みだす効果と、ゲーム体験を結びつけるこだわりとは
――Screen Burnはこれまで中小規模のゲームを作っていましたが、『SILENT HILL』にどのような恩恵をもたらしたと思いますか?
 
ジョン
 Screen Burnとして約11年間、数々の作品を作り続けてきて、ストーリーとゲーム体験をうまく融合させることをとくに意識してきました。これが本作においても、強く影響を与えた部分かと思います。何かが起きたら、必ず物語に関わるように作られていますので、単なるゲーム的な仕掛けはありません。おそらくそこの部分が、本作においていちばん知見を活かせた部分だと思っています。
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――発表の2022年からしばらく経っての発売ですが、開発はいつごろから始まりましたか?
 
岡本
 具体的な時期は申し上げられないのですが、2022年より前のどこかになります。

――本作に込めた想いも教えてください。

ジョン
 自分がこの状況になったときどうするのか、何を感じるのか、どんな行動を取るのか考えてほしいです。そこを本作を通して、ぜひ感じていただきたいです。
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