そんな中、約1年の企画・制作期間を経て、アトラスのRPG『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』(以下、『P5R』)とのコラボが2026年5月22日11時から開催される。
シナリオのみならずUIから演出まで、全面的にアトラスが監修を行い、大ボリュームのオリジナルストーリーが展開されるこのコラボ。
今回は、週刊ファミ通で『ペルソナ』シリーズの歴代作品を担当してきたライターがコラボストーリーイベントの前半をプレイ。『P5R』プレイヤー目線でインプレッションをお届けする。
【コラボの注目ポイント】
- アトラス全面監修でこだわり抜いて作られたシナリオ、UI、構成
- アニメ版にも引けを取らないボリュームでジョーカーのボイスを収録
- 『ヘブバン』のバトル戦術を変える(かもしれない)『P5R』由来のスキル、アビリティ
ジョーカーもしゃべる! アトラス全面監修のシナリオに注目
メインとなるコンテンツはKeyによる書き下ろしコラボストーリーイベント“Operation Takanawa Mementos ~Wake Your Heart~”。こちらは本編とは独立した“番外編”となっており、メインストーリー第一章をDay6まで終えるとプレイ可能になる。
また、CASUAL、ADVENTURE、PROFESSIONALの3段階の難易度設定が用意されていて、ゲームの進行を問わず楽しめるようになっていた。

『P5R』からは、ジョーカー(主人公、声:福山 潤さん)のほか、モナ(モルガナ、声:大谷育江さん)、クイーン(新島真、声:佐藤利奈さん)、ヴァイオレット(芳澤かすみ、声:雨宮 天さん)がストーリーイベントに参戦。
もちろん『へブバン』ということで、ストーリー中の会話はすべてフルボイスで展開する。とくにジョーカーは、ゲームの出演では過去最多と言っても過言ではないほどのボイスが用意されているので、楽しみにしていてほしい。


本コラボストーリーイベントは、なんと1年も前から準備を重ね、アトラスの全面監修のもと制作されたそう。スタッフ間でも『ペルソナ』シリーズのファンが多く、なみなみならぬモチベーションでこだわりが注ぎ込まれているようだ。
ストーリーイベントのトップページからも気合の入りようがわかる。いきなりこの画面を見ると「お、おれは違うゲームを立ち上げてしまっていたのだろうか……?」と勘違いしてしまうほど、『P5R』に寄せた構成になっているのだ。
アイコンや各要素の配置もバッチリ。「ちゃんと作られているな!」と確認できて、まだ1秒もプレイしていないのにすでに気分は上々である。
ということでさっそくプレイスタート。
『P5R』を彷彿とさせるBGMとともに、見覚えのある光景が……。


ベルベットルームならぬ、おタマルーム! そう、『ペルソナ』シリーズは決まってここからストーリーがスタートするのである。その主はイゴールではなく國見タマ。双子の看守(ジュスティーヌ&カロリーヌ)のポジションには姉妹の水瀬いちご&すももの姿が……。
さらに、BGMもよく聴いていくと何だかちょっと違う。ベルベットルームのBGM『全ての人の魂の詩』のようなそうでないような……タマ(声:古賀 葵さん)がコーラスを歌唱する、専用の楽曲になっているのだ!
しかもこのシーン、これだけ手の込んだ作りになっているからにはストーリー上の貴重な情報が得られるはず……と思いきや、何もない。ただ、『ペルソナ』シリーズのお約束を再現しただけのもののようだ。……何という時間とお金のムダ遣い! オトナたちの全力の悪ふざけに、筆者は感動を隠せなかった。
UIからイベント演出、BGMまで『P5R』リスペクト要素だらけ


今回のストーリーのおもな流れは、高輪ゲートウェイ駅の異変調査に訪れた茅森月歌、東城つかさ、アイリーン・レドメインの3人が異世界から来た“心の怪盗団”と出会い、“シャドウ”とキャンサーが合わさった存在“シャドウキャンサー”を始めとした異変に立ち向かっていく……というもの。




シリアスなメインストーリーと、ギャグ満載の日常会話による“緊張と緩和”が続くストーリー展開。『ヘブバン』と『P5R』にはそんな共通点があるように感じられるが、そのせいかコラボストーリーの会話のテンポにはとくに違和感がなかった。もっとも、『ヘブバン』側はややボケが強めなので、貴重なツッコミ役であるモナが忙しそうだったが……。
奇人変人・トラブルの類に不自由しない環境にあるせいか、セラフ部隊はもちろん司令部の面々も、異世界からの客人というイレギュラーにじつに冷静に対処していた(一部を除く)。その一方で、モナがクルマに変身したときは、淡々とした七瀬七海までもが驚きを見せていたのがおもしろかった。




セラフ部隊と比べると、常識人揃いのメンツである心の怪盗団だが、ところどころで原作ネタを放り込んでくる。茅森をも恐れさせる健啖家に、今回は登場していないのに話題に上がる美少女怪盗など、キャラクターの強さもアピールしていた。
モナ、クイーン、ヴァイオレットの3人はストーリー中だけでなく、コラボスタイル(プレイアブルキャラクター)としても登場する。
コラボストーリーイベントをDay1までクリアーすると“SS[黎明の魔術師] モナ”が手に入り、期間限定ガチャではクイーンとヴァイオレットのスタイルが排出され、入手後はバトルで使用できるようになる。



また、『ヘブバン』からも『P5R』のキャラクター風衣装をまとったコラボスタイルが登場するようで、イベント前半時点ではパンサー(高巻 杏)の怪盗服姿の東城が実装される。

心の怪盗団のメンバーは“ガルダイン”や“マハラクカジャ”といった、『ペルソナ』シリーズではおなじみのスキルが用意されているほか、固有アビリティで“総攻撃”、限界突破後にはアビリティ“1MORE”が使用可能となっている(“1MORE”のみ、東城のコラボスタイルも使用可能)。



アクティブスキルで敵の弱点を突くと、行動終了時に自身に追加ターンが回ってくる“1MORE”を活用し、すべての敵をブレイクして超強力な“総攻撃”をかましてやれば、とんでもないダメージを与えられるのだ。
おなじみの演出も、『ヘブバン』オリジナルで新たに描き下ろされている。これまでになかったスキルやアビリティが加わったおかげで、少し違った戦いかたができるようになるので、コラボ期間終了後も存分に楽しませてくれそうだ。
なお、『ヘブバン』の世界は心の怪盗団にとっては“異世界”であるようで、メメントスの外に出ても変身は解けず、モナも2頭身の姿のまま。ただ、原作と違い仮面を外せるようで、怪盗服+素顔というこれまで見られなかった姿が見られるようになっている。

そして、コラボイベントオリジナルの要素であるシャドウキャンサー。どうやら『P5R』のシャドウと異なるもののようで、現実の人間の“歪んだ心”が生んだものではなく、シャドウでもキャンサーでもない“何か”がセラフ部隊の知らない攻撃を仕掛けた可能性があるのだとか……。これがストーリー最大の謎となっている。



ほかにもプレイ中に気になったのは、場面が切り換わった際に皆で歩いてカットインするところから始まる、『ペルソナ』シリーズでよく見られる演出が取り入れられているシーン。

今回は事前にテスト版を用意してもらっていて、制限時間のある中でプレイをしていたためにやや“巻き”で進めなければならなかったのだが、随所にこういった『ペルソナ』シリーズファンならつい手を止めて見てしまう要素が盛り込まれており、予定時間を少しオーバーすることになってしまった。すみませんでした。
そのほか、イベントを彩るBGMとして、『P5R』より19もの楽曲が登場する。怪盗団がオタカラを盗む決行日に流れるBGMとして有名な『Life Will Change』は、『へブバン』の劇中バンド・She is Legendがカバーする“SiL Ver.”も収録。ストーリー、ビジュアル、UI、演出、サウンド……1ヵ月で終わらせるにはもったいないほどの作り込みである。

『ヘブバン』らしさはそのままに、とてつもない熱量とコストをかけて『P5R』要素を落とし込んだ今回のコラボイベント。『ペルソナ』シリーズのファンで、『ヘブバン』をプレイしたことがない人も必ずや楽しめる内容になっている。しかもボリュームもすごい。ストーリーを楽しむだけなら、難しい戦術も要らないのでぜひ遊んでみてほしい。















