4人のたまねぎ剣士が光の戦士となり、世界を覆う闇を払う

『FFIII』はファミコンでリリースされたシリーズ最後の『FF』作品。続編となる『ファイナルファンタジーIV』からはスーパーファミコン用ソフトとなった。
本作の物語は、ウルの村に住む4人の少年が“祭壇の洞窟”を探検するところからスタートする。モンスターと戦いながらダンジョンの最奥にたどり着き、初のボス戦後に語り掛けてきたのは、風のクリスタル。

クリスタルから光の戦士に選ばれた4人の使命は、世界を覆う闇を払うことだ。彼らが光に包まれると、BGM『オープニング・テーマ』のイントロとともに本作のOPが挿入される。いまではテレビアニメなどでも見かけるようになったこのアバンタイトルの演出により、当時のプレイヤーたちは心をわしづかみにされたことだろう。

こうして故郷を飛び出した4人は、序盤にもかかわらずシドの飛空艇に乗ることに。ただし、この飛空艇はしばらくして壊れてしまうのだが……。飛空艇を使って近隣のクエストをこなした後は、ネプト神殿や炎の洞窟といったダンジョンをいくつも巡り、一行は大陸を隅々まで探索していく。

筆者が序盤でもっとも心を打たれたのは、光の戦士たちが新たな飛空艇に乗り込み、地上世界に降り立つシーンだ。飛空艇で浮遊大陸の端まで進むと画面が暗転し、地上世界のマップに切り替わるのだが、先ほどまで広大だと思っていた浮遊大陸が中央に小さく表示されているではないか!
どこまでも広がる地上世界の大海原と、じつは小さかった浮遊大陸。その対比が見事で、ここから始まるさらなる冒険にワクワクが止まらなかった。

さて、新たなマップは陸地の大部分が海に沈み、人々が石にされ、より強力なモンスターが闊歩する世界。闇の力が蔓延するこの地で、4人は多くの出会いと悲しい別れを経験することとなる。

実際、『FFIII』にはシリアスな展開が多く見受けられる。だが、主人公たちはまさに闇を照らす光のようで、彼らの明るく前向きな発言がプレイヤーの気持ちを浮き立たせてくれるのだ。各地で発生している問題を解決して4人が街や村へ戻ると、BGMの『勇者の帰還』が流れる点も自然と気分が高揚する要因だろう。

本作が楽しげな雰囲気を醸し出しているのは、ピアノに合わせて踊り出す住民や倉庫代わりの“でぶチョコボ”など、ユーモラスなキャラクターの登場によるところも大きい。なかでも楽しませてくれるのが、アムルの町で出会う“4じいさん”。彼らは自分たちこそが伝説の戦士だと思い込み、光の戦士たちに張り合おうとする。


肝心の戦闘シーンについては、なじみ深いコマンド入力タイプのターン制が採用され、ジョブごとの特徴を活かしたバトルが楽しめた。召喚魔法を用いれば、バハムートやオーディンといったシリーズ初登場となる召喚獣たちによるダイナミックな攻撃をくり出すこともできた。


なお、バトルの難度は高め。通常攻撃で増殖するモンスターや全体攻撃を放つボスの存在がそれを際立たせている。ダンジョン内ではセーブができないため、光の戦士たちの育成と装備やアイテムなどの準備も欠かせなかった。とくに、ラストダンジョンのクリスタルタワーの攻略にかかる時間の長さは語り草になるほどで、苦戦したプレイヤーも多いのではないだろうか。


前述のジョブについてだが、『FF』シリーズの多くで採用されているジョブチェンジシステムの導入は本作で初となる。最序盤の祭壇の洞窟クリアー後のジョブはたまねぎ剣士、戦士、モンク、白魔道師、黒魔道師、赤魔道師の6種類で、最終的には22種類から転職できた。
ちなみに、ジョブはいつでも好きなタイミングで切り替えられる仕様で(※)、たとえば鍵のかかった扉に行く手を阻まれたなら、4人のうちひとりをその場でシーフに転職させれば解錠できた。この非常に画期的なシステムによりパーティー編成が楽になったのはもちろん、ジョブを中心に据えた強敵への攻略法も試しやすかった。

2006年には、グラフィックを一新したニンテンドーDS用の3Dフルリメイク版がリリース。現在はPC(App Store/Google Play/Steam)からも購入可能だ。




















