独特の浮遊感がたまらない

1984年に稼動していたアーケードゲーム『ボンジャック』の続編にあたる作品で、ファミコンのオリジナル作品として登場した。当時は「いかにゲームセンターと同じ内容を再現するか」を命題にしていた作品が多かったと思うが、前作の『ボンジャック』は移植せずに、家庭用向けにオリジナルの進化を遂げた続編『マイティボンジャック』をいきなり発売したのがユニークな試みだった。
同じテクモ作品では『アルゴスの戦士』もアーケード版は純アクションゲームだったにも関わらず、ファミコン版は成長要素が加えられアクションRPG風の作品に仕上がっていたのが思い出される。

『マイティボンジャック』と言えば、よゐこの有野晋哉さん扮する有野課長が出演するゲームバラエティー『ゲームセンターCX』での激闘エピソードも有名だ。昨年2025年7月に開催されたリアルイベント“ゲームセンターCXシンフォニー2025”内でも、約20年ぶりに腕前を披露したのだとか。
ストーリー的にはプレイヤーは正義の味方“ジャック”となり、魔王ベルゼブルにさらわれたパメラ王女たちを救い出すため、魔のピラミッドへと乗り込む。内部では無数の爆弾と罠、そして欲深い者を容赦なく幽閉する“拷問部屋”が待ち受けていた。ジャックは一族に伝わる“マイティコイン”の力を借り、ピラミッド最深部へと到達できるのか……といった内容だった。
印象深かったのは、独特な浮遊感を伴うジャンプアクション。当時の作品でジャックほどのジャンプ力を持った主人公は少なかったので記憶に残っている人も多いんじゃないだろうか。
Aボタンを連打することで、滞空したり降下速度を調節したりできるアクションは、ほかのゲームでは味わえないユニークな操作感を生んでいた。空中制御を駆使しながら、敵やトラップをすり抜けるテクニカルなプレイが本作の醍醐味だったと言えるだろう。

ジャックは直接的な攻撃手段をいっさい持っていないが、攻撃に代わる手段として“マイティコイン”によるパワーアップ(変身)があった。拾ったマイティコインを消費することで体の色が変化し、段階的にパワーアップしていく。
青(1枚消費)になると宝箱を開けられ、橙(2枚消費)なら横から触れるだけで宝箱を開けられるようになる。最終段階の緑(3枚消費)なら、敵を5秒間金貨に変えてスコアを獲得できるといったもの。また、“パワーボール”を取得しても敵を金貨に変えることができた。要するに『パックマン』のパワーエサに近い感覚かな。

恐ろしかったのは“拷問部屋”の存在。ゲーム内のルール(アイテムの取りすぎなど)を破ると拷問部屋と呼ばれるペナルティーエリアへと強制連行されてしまうのだから、当時のゲームキッズたちはトラウマ的なものが植え付けられてしまったに違いない。
拷問部屋からは規定の回数ジャンプすることで抜けられるが、敵が大量にいたりパワーアップが封じられたりするなど脱出するのも一苦労だった。
当時の偏差値教育ブームの影響なのかわからないが、本作には“ゲーム偏差値(GDV)”なるものが搭載されていた。さまざまな要素から総合的に算出されるようで、パッケージにも「君の真の能力を、総合的に評価するぞ!」といった文言が記されていたのがおもしろかった。
筆者的にゲーム偏差値が高くなるようにゲームプレイをがんばった記憶はないが、自身のプレイ内容を数値化する試みは幼心にも画期的と感じたようで、強烈なワードとしていまでも記憶に刻まれている。


『マイティボンジャック』は、Nintendo Switch Onlineの“Nintendo Classics”にて配信中。手軽にプレイできるので、40周年の機会に高難度なこの作品にチャレンジしてみるのもいいんじゃないだろうか。


















