2026年4月21日にリリースされることが発表された新作スマホ向けタイトル『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』。本作は、簡単操作ながらに爽快感のあるバトルが楽しめるローグライトRPG。 本インタビューでは、「ドラゴンクエスト」シリーズの生みの親である堀井雄二氏と開発チームを迎え、開発のきっかけから堀井氏がアドバイスしたポイント、クローズドβテストを受けての改修点などをおうかがいした。

堀井雄二 氏(ほりい ゆうじ)
「ドラゴンクエスト」シリーズの生みの親。1986年に『ドラゴンクエスト』をリリースして以降、外伝作品『トルネコの大冒険』シリーズを含め、今日までさまざまな「ドラゴンクエスト」作品の開発に携わる。(文中は堀井)
――まずは、『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』とはどんなゲームなのか、ご説明いただけますでしょうか?
開発チーム
『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』は、まものの群れをぶっとばす、爽快感ぶっちぎりな冒険が楽しめる「ドラゴンクエスト」の新作スマホゲームです。スマホ縦持ち・指1本のシンプル操作のアクションバトルと、ダンジョン挑戦ごとにランダムに獲得する“冒険スキル”によって、“脳汁感あふれる”プレイが楽しめる、ローグライトRPGです。現在は事前登録受付中で、もう間もなく、グローバル同時での正式サービス開始を予定しております。


――カジュアルに楽しめる一方で、実際にゲームに触れてみると、パーティ編成やボス攻略、マルチプレイなど、非常にしっかりしたRPGだという印象も持ちました。
開発チーム
はい、カジュアルに楽しめるゲームプレイがある一方で、「ドラゴンクエスト」シリーズのスマホRPGとして、安心してお楽しみいただけると思います。ストーリーを読み進めながら世界を冒険し、転職や装備編成で3人のキャラクターをカスタマイズして自分なりのパーティを作り上げ、強力なボスやダンジョンに挑んでいったり、リアルタイム通信のマルチプレイに参加して、最大4人のプレイヤーで協力バトルに挑戦することもできます。


――『スマッシュグロウ』というタイトルは、どういう意味合いでいつ決定したのでしょうか?
開発チーム
タイトルは、ゲームのふたつのコンセプトを表現しています。“スマッシュ”に関しては、操作が簡単で敵を吹っ飛ばす爽快感のあるアクションバトルという意味で。“グロウ”は、冒険スキルを重ねていくことで、毎回ゲームプレイに成長がある、という意味になっています。
じつはこのタイトルは堀井さんに命名していただいたんです。最初は『ドラゴンクエストスマッシュ』というタイトル名だったのですが、何かが物足りなくて堀井さんに相談したところ、「グロウはどう?」と。
堀井
『ドラゴンクエスト』というタイトルもそうだったけど、ドラゴンに、当時はまだなじみのなかった“クエスト”という言葉をつけたんですよ。『スマッシュグロウ』もスキルを積み重ねるという意味で“成長”のGrowをつけたんです。あとグローバル配信されるので、グローバルという意味も込めていますね。
開発チーム
そうだったんですか? それは初耳でした(笑)。でも、その意味も込めていただいたおかげで、グローバルのファンへ届けられる作品に仕上がっていると思います。
――開発初期からグローバル展開しようと決めて動き出したのですか?
開発チーム
はい、開発するからには、国内の方はもちろんのこと、海外の方にもゲームを届けたいと考えておりました。運営開発を担うKLabGamesは海外配信の知見も深いため、最初からグローバル展開を見据えて作っていきたい、と堀井さんにもお話しました。
堀井
最近はコンソールのタイトルでも海外へ同時リリースするようになったので、海外でもシリーズを楽しみにしてくれているプレイヤーたちがたくさんいるのを感じています。スマホでも同様にグローバルへ届けていけるのはいいよね。
――堀井さんがタイトルをつけるときは、どのようなことを考えてつけるのですか?
堀井
語感だったり言いやすさですね。『スマッシュグロウ』も略せば『スマグロ』で言いやすいなと。最初は「ん?」て思っていても、だんだんそれがなじんでくるんだよね。
開発チーム
「ドラゴンクエスト」シリーズの呪文名などもそうですが、やはり堀井さんの言葉の感覚がいいなあと思います。
堀井
メラ、ギラ、バギとか。擬音だけどね(笑)。
――ロゴに吹っ飛んでいるスライムがいるのも、ゲーム性がわかっていいですよね。
開発チーム
そもそも『ドラゴンクエスト』の後に2単語が入るというタイトルがこれまでほとんどなかったので、スマッシュの後にグロウをつけるという発想がなかったんですね。最初は『スマッシュ』というタイトルでスライムを吹っ飛ばしていたのですが、そこにグロウが入り、グロウの部分にスライムをぶつけることで、いいロゴデザインになったんじゃないかなと思います。

――『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』(以下『DQスマグロ』)は、どのような経緯から開発が動き始めたタイトルなのでしょうか?
開発チーム
本作はスクウェア・エニックスとKLabGamesの2社で共同開発しています。2社でいっしょに新しいゲームを作れないかと話す中で、KLabGamesのチームのスマホのアクションRPG開発の経験をもとにして、企画を出して堀井さんに提案したのが始まりです。
――最初から現在のようなゲームシステムだったのですか?
開発チーム
はい、ゲーム性は当初から近いものはありました。当時はローグライトという言葉もいまほど世の中で知られていないころで、私たち開発チームでは、アクションRPGという表現をしていました。昔からカードゲームのスキル選択のような遊びとハクスラ系のバトルを組み合わせたゲームがありましたが、それに「ドラゴンクエスト」(以下、「DQ」)を合わせるとおもしろくなるんじゃないか? というスタートでした。
――では堀井さんに企画提案したときは、ゲームシステムはある程度確立されていたのですね。
開発チーム
はい、ゲームの形としてはできていました。
堀井
そのときには少しプレイできる形になっていて実際に試したんだけど、遊びやすいゲームだなというのが最初の印象かな。
――堀井さんはローグライト系のゲームはどう感じていますか? そもそも“ローグライト”の定義も難しいとは思いますが……。
堀井
僕も最初に聞いたときは「ローグライト? ライトって何だろう?」と思っちゃって(笑)。ローグライクだと『トルネコの大冒険』シリーズがあるじゃないですか。当時は、死んだらすべて最初からやり直しというゲーム性と「DQ」をどう融合させようと考えましたね。ローグライトの場合、死んでもたとえばレベルとか強さの一部は残るじゃないですか。やればやるほど成長はしていくので、「いまは勝てなかったけど、つぎは勝てるんじゃないか」という気持ちになりますね。
――「DQ」は、『ドラゴンクエストウォーク』や『ドラゴンクエストタクト』などいろいろなジャンルに適応していますが、その中で「DQ」らしさとして大事にしていることは何でしょうか?
堀井
やっぱりわかりやすさですね。ゲームって、何をしていいかわからない、というのが辛いんですよ。ちょっと変な言いかたですけど、「こういうゲームなんだ」と理解すれば、最初はあまりおもしろくなくてもついついプレイしちゃうんですよね。とくにスマホゲームだと、ちょっとした空き時間にプレイできるから、徐々におもしろさに気づいてきてのめり込んでいく、という。
――それが「DQ」らしさ?
堀井
そうですね、第一にわかりやすさ。そしてシンプルな操作性。でも何が起こるかわからない。「こうしたらどうなるんだろう?」というワクワク感とかを大事にしています。
――“ワクワク感”。いい言葉ですね。
堀井
やはり驚きがないといけないので、ずっと大事にしていることですね。
――HD-2D版『DQI&II』と『DQIII』、『DQVII Reimagined』でも、プレイヤーを驚かせたいというお話がありました。それはスマホゲームでも変わらないものですか?
堀井
変わらないですね。『DQスマグロ』はアクションで、いろいろな攻撃で派手な演出も多くてワクワクしますし、そこに気持ちよさを感じてもらえるんじゃないかと思いますね。


――ローグライト系のゲームだと、どういった点を大事にしたいと考えたのでしょうか?
開発チーム
私たち開発チームはやはり気持ちよさが大事だなと思っています。敵を吹っ飛ばすという気持ちよさもありますが、いくつものスキルを積み上げていって攻撃が派手で強力になる、いわゆる“脳汁体験”がすごく重要なんじゃないかなと思います。
――『DQスマグロ』の必殺技でスマッシュして敵が画面にぶつかってくるような演出なども、気持ちよさを追求していく中で生まれたアイデアなのですか?
開発チーム
そうですね。敵を吹っ飛ばすというのは、タイトル名も決まっていく中で演出が重要だよね、というところで生まれました。
――スマホで遊ぶ「DQ」としての魅力はどこにあると思いますか?
堀井
手軽にできるのはいいよね。コントローラで遊んでいた昔の「DQ」タイトルがスマホでも遊べるけど、最初からスマホ用に開発されたゲームは操作性なども徹底的に追求して作られるから遊びやすいんだよね。スマホゲームとして「DQ」を世界同時配信できる、というのも魅力的に思っていて。『DQスマグロ』がどう受け入れられるのかは気になりますね。
開発チーム
はい。「DQ」で言うと、スマホゲームでは日本版がリリース後、少し遅れて海外に発売されるというケースが多いんです。今回は最初からグローバル配信ということで、ユニバーサルな感じで楽しめるように開発がスタートしたのは、我々としても新しいチャレンジです。
――国内向けとグローバルに展開する際の違いや気を付けるポイントは何でしょうか?
開発チーム
やはり直感的に遊べるかどうかが重要になってくると思います。
堀井
感覚的にわかるかどうかは本当に大事ですよね。
――堀井さんは、いまの開発段階の『DQスマグロ』をプレイされているのでしょうか?
堀井
テストプレイはしていますよ。やっぱり気持ちいいですね。失敗しても「つぎやればうまくいくかな」という気持ちが湧いてくるので、そこはうまくいったかなと思っています。
――リトライしやすいのもいいですよね。先ほど『トルネコの大冒険』の話も出ましたが、堀井さんはこのジャンルのゲームはけっこう遊ばれていたのですか?
堀井
そうですね。『トルネコの大冒険』を作ったのもありますが、ほかには『Rogue(ローグ)』(※)はけっこう遊んでいましたね。どこまで行けるかを競ったりと、楽しいですね。
※1980年にPC向けに公開された、ダンジョン探索型RPG。ローグライクというジャンルの語源になっている作品でもある。
――堀井さんは、ローグ系ゲームのおもしろい部分はどこだと思いますか?
堀井
RPGはレベルアップして強くなっていくのが楽しいじゃないですか。でもだんだんレベルアップしなくなってくると、おいしいところだけをくり返すようになります。それがいいか悪いかは置いといて、それはそれでRPGの楽しさかなと。ローグ系はランダム要素やイチから始められるというシステムなどのおかげで、RPGで言うレベルアップして強くなるという部分を延々と楽しめるというのがいいですよね。

――ローグライトという言葉がメジャーでなかったころに開発がスタートしたということですが、そのあいだに『ヴァンパイア・サバイバーズ』が発売されました。これを機にかなり人気のあるジャンルになってきたと思うのですが、これまでに発売しているローグライト系のゲームと『DQスマグロ』での違うポイント、『DQスマグロ』らしさというものを教えてください。
開発チーム
やはり「DQ」らしいRPGとの掛け合わせという部分が大きいです。開発チームがまず大事にしたいと考えたのは、物語の主人公になって世界を冒険していくところでした。だから自分のキャラクターを作って、そこに仲間が加わりパーティを作り、育成や編成などでカスタマイズしていく遊び、これをローグライトのゲームプレイと融合させたのが『DQスマグロ』らしさでしょうか。
RPGならではのじっくり育てる要素と毎回リセットのかかるローグ系のふたつのバランスを取ることはとても難しいお題です。「DQ」の深いカスタマイズ要素や運営サービスとしての拡張性を残しつつ、一度失敗しても、次やれば成功するかもしれないというステージプレイでの試行錯誤の楽しさを用意したいと考えていました。育成や編成を楽しみつつ、毎回のランダム性や積み上げを楽しむ、ここのバランスをどう取るかというのはすごく悩みました。
結論としては発想の転換をして、「死んで何度もリトライする」よりも、クリアーすることを前提にして、たとえばスコアで成績がでたり、クリアースピードが速まったり、その中で試行錯誤の結果が出るようにしようと考えました。そこが『DQスマグロ』のオリジナリティになっているかと思います。
――すぐ死ぬような難しさというのはあまり「DQ」っぽくないですものね。
開発チーム
はい。ですのでモードを分けていますが、よりローグライトらしさを感じるコンテンツとして高スコアを目指す“まものラッシュ”や”強敵マッチ”というものがあります。こちらもクリアーを前提としつつ、その中で試行錯誤していく形になっていて、ローグライトのジャンルの中でもわりと新しいゲームデザインが作れたのかなと思っています。
堀井
スコアは重要だよね。スコアを見て、ここはこうすればよかったとか反省点が生まれて、つぎのプレイに活かしたり、新たなチャレンジが生まれるようになる。
開発チーム
はい、苦労したかいあってこのゲーム独特の楽しさにつながったと思います。あと、パーティ編成でステージ開始時からスキルを持ち込むことができますが、ここもほかのローグライト系にはあまりない要素ではないかなと思います。
――『DQスマグロ』はマルチプレイにも対応していますよね。これも気軽にマルチプレイが楽しめるスマホゲームならではの要素でしょうか?
堀井
昔はネットワークゲームの敷居が高かったけど、最近はネットワークゲームがすごく気軽に楽しめるようになりましたよね。マルチの要素もガッツリ関わるんじゃなくて、「ほかのプレイヤーも遊んでいるな」という気配がわかるだけでうれしくなることがあります。そういう部分を楽しむ意味では、よくできているんじゃないかと思います。
開発チーム
『DQスマグロ』のマルチプレイはリアルタイムで進行するので、ほかのプレイヤーといっしょにやるとわちゃわちゃして楽しいだろうな、ということで導入しました。ローグライト系とリアルタイムマルチプレイを合わせるのはチャレンジでもありましたが、シングルプレイではありえない量のスキルを積み上げられたり、だれがいちばんダメージを与えられたかも数値として表示され表彰されたりもします。獲得スキルの運などで毎回大きく結果が変わるというのも、ローグライトとしても楽しめるマルチプレイになったのかなと思います。

――「DQ」らしくシンプルな操作でクリアー前提に作られながらも、上を目指したい場合はとことんやり込める設計になっているのですね。
開発チーム
プレイヤーを殺す前提のバランスだと、めちゃめちゃ重いゲームになってしまいます。「DQ」っぽくもないと思います。もちろん、ゲームをやりこむ先にはそういうコンテンツも必要で、実際そういうステージもあります。
――ゲームバランスを設計されているときに、堀井さんからアドバイスはあったのでしょうか?
開発チーム
堀井さんに企画提案した際、あまり重いゲームにならないように、手軽に楽しめるゲームじゃないとダメだよ、という助言はいただきました。あとは、リセットされずに少しずつ積み上がっていく要素をしっかり入れないといけないと。『トルネコの大冒険』を作られていたので、さまざまなアドバイスをいただけましたね。
堀井
やっぱり「DQ」ユーザーは強くなることに慣れているから、リセットされてすべてイチからとなると「え? 何!?」となっちゃうよね。
――レベル上げたり装備を集めたり、こつこつ遊ぶのが好きな方が多いですよね。
堀井
そうですね。やり直しにはなってもいいけど、何かしら積み重ねたものは残してプレイした時間が反映されるようにはしたいなと伝えましたね。やっぱり全部リセットされちゃうと寂しいからね。
開発チーム
堀井さんと最初にそういうことを話したのは、開発の初期、先ほども触れたようにローグライトという言葉がメジャーじゃないころのお話です。いま振り返ると、あのときおっしゃっていたことはまさにローグライトというジャンルが軸にして発展していった仕組みですから、すごいなと思います。

――ローグライト系は画面がごちゃごちゃになって自分が何をしているのかわからなくなる可能性があるゲームとは思うのですが、『DQスマグロ』は非常に画面が見やすいですよね。
開発チーム
じつはある時期の『DQスマグロ』はパーティメンバー全員が戦っていたのですが、画面が煩雑になり過ぎてしまったんです。そこでフィールドに出るのはひとりで、切り替えながら戦うというシステムになった経緯があります。
操作性についても、通常攻撃はオートというシンプルさですが、任意で発動できる必殺技を入れたことで、仲間の切り替えと必殺技の発動というふたつのコマンドが生まれました。操作は簡単で間口は広いのですが、やり込んでいくとギリギリの戦いでは仲間の切り替えや必殺技のタイミングなどが重要になる、奥深いバトルシステムになったんじゃないかなと思います。
あと『DQスマグロ』にはオートプレイも導入されています。「アクションなのにオートプレイ?」と思うかもしれませんが、どちらかというとオートアシスト的な位置づけになっています。というのも、オートプレイ中にも、自分が介入したいところは自分で操作可能なんです。
堀井
動かしたいときにだけちょこっと動かせて、またオートで勝手にやってくれるのはいいよね。
開発チーム
はい。必殺技もオート任せや任意発動など選べるので、“基本はオートで進めてもらい、自分が楽しみたい部分だけ介入する”という遊びかたもできます。そういう意味では、アクションが苦手な人も楽しめる、すごく間口の広いアクションバトルになってると思います。
――「DQ」のIPを使うということで、間口の広さはやはり大事なのでしょうか?
開発チーム
そうですね。さきほどもお話しましたが、死んでリセットすることを前提に難易度を高めるのは「DQ」ではありませんし、アクションゲームではありますが、そこに難しさやテクニックを求めていくのも違います。
堀井
アクションゲームではあるけど、だれでも簡単に遊べるアクションになっていますからね。小さなお子さんでも楽しめると思いますよ。


――ここからは昨年2025年の10月に行われたクローズドβテストについて開発チームに質問させていただきます。公式Xにもレポートなどが発表されていましたが、とくに重点的に改善しないといけないと思われた部分はどこですか?
開発チーム
まず、クローズドβテストに参加してくださった方々ありがとうございました。アンケートに関しては、マルチプレイや“全力組手”などすごくいい評価をいただけました。ですが、奥に進むほどそういう楽しいコンテンツがあるのに、序盤がすごく単調でスキルも味気ないものが多いという意見が多くありました。
じつはここに関してはあえてそうやっていたというところがありました。これまでのシリーズとはまったく違うゲーム性だったので、最初から多くの仕組みがありすぎるとわかりづらくなってしまうのではないかと思い、わざと抑えていました。そこはうれしい誤算と言いますか、遊んでいただいたプレイヤーの皆さんから最初からもっとガンガンきてほしいという意見が多くありました。じゃあもっと最初からアクセルを踏もうということで、全面的にバランスを調整しています。再構築といってもいいくらいで、リリースに向けての大きな改修ポイントになっていますね。
――「DQ」として間口は広く誰でも楽しめるようにしないといけない。でもプレイを続けていくうちにユーザーもプレイヤーとしての経験値が貯まっていくわけで。そうなったときに何を用意するのかというバランスも難しいですね。
開発チーム
そうですね。そういった点に関しては、さきほどもお話したスコアの仕組みを取り入れました。クローズドβテストのときも、エンドコンテンツに関してはものすごく盛り上がっていました。プレイヤーさんの中にはとんでもない数値を叩き出していて「どうやってるんだこれは?」と開発チームでも話題になっていました。
そういう意味で奥行きの部分に関してはある程度クリアーできているかなと思っていたのですが、そこに至るまでの部分に物足りなさを感じてプレイをやめてしまいそう、という方もたくさんいたので、そこをパワーアップしていこう、という感じでした。
――冒険スキルに関してですが、配信版では"メラつぶて"や"デインソード"など「DQ」シリーズの呪文由来の名前が数多く登場するようになりました。クローズドβテストの冒険スキルはまったく違う名称でしたが、なぜでしょうか?
開発チーム
前提としまして、「DQ」にちなんだ名称のスキルは、アップデートでイベントステージや、武器などで増やしていこうと考えていました。ただ、さきほどもお話したようにクローズドβテストでは全体的に抑えめに作っていたこともあり、冒険スキルには火や風などの属性を入れず、極力シンプルにしようというところから冒険スキルの名称を決めていたんです。属性が入ると悩ませてしまうかもと思いました。
ですが、アンケート結果を見て物足りなさを感じた意見が多かったので、プレイヤーも受け入れてくれていることだし、最初から冒険スキルにも属性を入れていこう、ということで属性にちなんだ呪文名を使うことになりました。冒険スキルはこのゲームのバランスの基礎部分なので、ここを調整するとゲーム全体を調整しなおさないといけなず、たいへんだったのですが、ぐっと「DQ」らしくなったと思います。

――スキップ機能に関して、各ステージで3回ずつ可能になりました。これはどういった意図での調整でしょうか。
開発チーム
スキップの利用回数については、クローズドβテストでも多くの意見がでていました。クローズドβテストでは1日に10回まで、という設定でしたが、もっと欲しいという意見がたくさんでました。プレイを楽しむゲームでもある反面、コツコツ育成するゲームでもあるので、サクッと済ませたいタイミングがどうしてもありますから。新しい設計では、スタミナがある限りステージごとに1日に各3回までスキップできます。
もちろん、コンテンツによってはスキップができないものもありますが、1日3回のスキップを使い切ったあとや、スキップできないところを周回するためにオート周回機能も新たに実装しています。限られた時間やスタミナをどこに使うか、自分なりに考えて効率のいい進めかたを探す。そういう試行錯誤も、RPGのひとつの遊びかただと思うんですよね。

――マルチプレイですが、クローズドβテストでは各プレイヤーが最大4人集まり、城門をモンスターの群れからまもりぬく“防衛戦”が楽しめました。ほかにも違ったルールがあるようですが。
開発チーム
はい、リリース直後から開催予定の“殲滅戦”では、1プレイヤーは1キャラクターを選んで参加して、モンスターの軍勢を倒すルールになっています。クローズドβテストでは、パーティ全員を持ち込んだルールでしたが、1キャラクター持ち込みのルールになると、ひとりひとりの個性や、体力が尽きたキャラクターを助ける助け起こしの頻度が上がったりして、より連携感が楽しめると思います。マルチプレイには、いろいろなルールの遊びを入れていきたいと思っています。マルチプレイはイベントも含め、メインコンテンツの一角として、どんどん更新していきますよ。
――それは楽しみです!
開発チーム
クローズドβテストを経て、冒険スキル、ステージ構成やコンテンツの構成もすべて見直しています。クローズドβテストにあった全力組手は“まものラッシュ”、“スーパーまものラッシュ”というコンテンツに変わっています。なぜ変えたかというと、もっと手前でローグライトっぽい楽しみに触れていただくタイミングを作ったほうがいいだろうというのが理由ですね。
もともと全力組手はイベントとして運用する予定だったのですが、それをスーパーまものラッシュという名前に変えて、そこへの入門編という形でまものラッシュという通常コンテンツを入れました。それをメインクエストに絡めて交互にプレイしてもらうように調整しています。クローズドβテストからブラッシュアップされているので、ぜひ『DQスマグロ』を遊んでもらえたらうれしいです。


――堀井さんは、『DQスマグロ』を「DQ」経験者、未経験者含めどのように楽しんでほしいと思っていますか?
堀井
『DQスマグロ』はすごく敷居が低いゲームだと思うんですよ。スマホって横画面にするだけでも「ゲームやるぞ!」って感じがして敷居が上がるんですけど、これは縦画面でできますし。ちょっとした空き時間でできて、「気持ちいいじゃん!」ってやり込めるゲームなので、とにかくまずは少しでも触れてプレイしてほしいですね。
――本日はありがとうございました。