2026年2月27日より、『学園アイドルマスター』(以下、『学マス』)とSCRAPのコラボによるリアル脱出ゲーム“人狼潜む文化祭からの脱出”東京公演が、東京ミステリーサーカスで開催されている。本イベントは『学マス』初のリアル脱出ゲームで、東京公演の後は大阪、名古屋でも開催予定だ。
※本記事では物語や謎解きに関する直接的なネタバレはありませんが、イベントの内容には触れているので、何も知らない状態で楽しみたいという方はご注意ください。
“人狼潜む文化祭からの脱出”は、アイドルたちの通う初星学園の文化祭で、彼女たちが演じる劇中劇“初星村からの脱出”に一般客として参加しつつ、ときに“プロデューサー”としてアクシデントを解決するという、二重構造が楽しめるリアル脱出ゲーム。
訪れたプロデューサー(『アイドルマスター』シリーズのファンのこと)は、それぞれ担当アイドルを選んで、1対1でのコミュニケーションを取りながら、物語の最後に待ち受ける儀式(ライブ)へ向けて謎を解き進めていく。
ライブパートでは、スペシャル楽曲『SEARCH RIGHT』が披露される。さらに『学マス』の3DCGライブでは初となる5人同時で立つステージだ。リアル脱出ゲームとして謎解きを楽しみながら、『学マス』らしい高品質なライブも楽しめるという豪華なイベントとなっている。
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画像は“人狼潜む文化祭からの脱出”公式サイトより。
そんな本イベントについて、制作陣にインタビューを敢行。SCRAPより企画担当者とバンダイナムコエンターテインメント(以下、「バンダイナムコ」)より本案件担当である岩井優樹氏にお話を伺った。
「『学マス』が好きだから、コラボがしたかった」リアル脱出ゲームだからこそ表現できる“初星学園の実体験”
──このコラボ自体は、どちらから提案されたものなのでしょうか。
SCRAP企画担当
SCRAP側からという形ですね。もともと私が『学マス』をリリース当初から遊ばせていただいる大ファンでして。「現実で彼女たちといっしょに歩む体験ができたらすごくうれしいだろうな」という気持ちから企画書を書かせていただきました。
岩井
それが2025年の2月か3月ぐらいでしょうか。元々『学マス』という作品と“リアル脱出ゲーム”の親和性みたいなところには可能性を感じていたので、弊社としてはぜひと。自分は学生時代、謎解きゲームの制作サークルに所属していたこともあったので、小美野(元『学マス』プロデューサーの小美野日出文氏)から担当として指名された形です。
──なるほど。SCRAPさんは、以前に『アイドルマスター シンデレラガールズ』(以下、『シンデレラガールズ』)や『アイドルマスター SideM』(以下、『SideM』)ともコラボ されていたので、そこのつながりがあったのかなと思っていました。
岩井
それも、もちろんあります。以前からとてもいいイベントを作っていただいているので。
──今回の「文化祭で人狼の劇をやる」という設定は、最初の企画書通りなのでしょうか。
SCRAP企画担当
いえ。いちばん最初に提出させていただいた企画書では、けっこう違う内容になっていました。当初はSCRAPの施設に初星学園の生徒たちが営業に来て、その公演にプロデューサーとして参加してもらう……みたいな形だったんです。
プロデュースシナリオのひとつ“N.I.A”中に営業があるじゃないですか。ああいったものの一環としてSCRAPに来てもらう、みたいなイメージでした。
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『学マス』における“N.I.A”のワンシーン。営業として担当アイドルたちをお仕事に送り出している。
──……少し話から逸れるのですが、冒頭の「『学マス』が好きだから企画書を提案した」というエピソードや、いまの営業の例えなど、もしかしてかなりプレイされてらっしゃいますか?
SCRAP企画担当
そうですね。リリースされて3日後ぐらいからやり始めて……少しプレイしていない時期がありますが、ほぼ毎日ログインしています。いちおうPLvは75(取材時は75がPLvの上限だった)で、コンテストはグレード7です。
──なるほど。納得の解像度……。
SCRAP企画担当
自分ではまだまだだと思っています(笑)。それで、バンダイナムコさん側から「リアルイベントとしてやるならもっと違うことをやってみたい」と言われまして。
じゃあ、いちばんおもしろく体験してもらえるものは何かと練り直したのが、いまの“イベントに参加者として加わりつつ、その裏でプロデューサーとしても奔走している”という二重構造の形でした。
岩井
最初にいただいたものは、よくあるタイプの謎解きになっていたんです。やっぱりそういうものよりは、『学マス』でしかできない世界観であったり、この作品だからこそ作り出せるものをやりたいと。
──いちファンとしても「『学マス』は凝ったことをしてくる」という印象があるので、なるほどという感じです。テーマとして“文化祭”や“人狼”が出たのもそこから?
岩井
2稿目として二重構造の形が上がってきたタイミングで、ちょうど「文化祭と称していろいろ企画を考えよう」という話が社内で上がりまして。だったらこの謎解きの施策はちょうどいいんじゃないかと思い、こちらから「文化祭というテーマはどうでしょう」とご提案させていただきました。
そうしたらSCRAPさん側からさらに「“人狼”というテーマはどうか」とご提案をいただき、人狼と文化祭がくっついて、いまの形になっています。
SCRAP企画担当
元々の“SCRAPへ営業に来てもらう”という案でも、SCRAPオリジナルの人狼をモチーフにしたイベントに出演してもらうことを考えていました。改めて案を練り直す中で、バンダイナムコさん側から文化祭というワードをいただけたので、それなら 文化祭と人狼を合体させてしまおうと。
──これまで実施された『シンデレラガールズ』や『SideM』は、“リアルプロデュースゲーム”になっていましたよね。でも今回は“リアル脱出ゲーム”にしているというのは、そこもこだわりや意図があるのでしょうか?
岩井
そうですね。というのも、今回ユーザーに届けたいのはプロデュース体験だけではないんです。
──もう少し詳しく伺えますか。
岩井
『学マス』が好きな方の中には、「なんとなくキャラクターを知っている」、「ぬい(ぬいぐるみ)やアクスタは収集するけど、ゲームはプレイしていない」といった、ライトに楽しんでいるユーザーさんもいらっしゃいます。
そういった方々に『学マス』の世界観へ入っていただき、アイドルたちと会話をしながらいろいろな物事を進めていって、物語の最後には自分たちの行動が実を結んで、アイドルたちが最高のライブをする。そして、彼女たちから感謝される。こういった一連の体験を楽しんでもらうことによって「あ~、『学マス』の世界っていいな」と思ってもらいたいんです。
リアル脱出ゲームを入り口に初星学園、引いては『学マス』という世界をよりたくさん楽しんでほしい。ここで楽しかったらゲームを始めてほしいし、ライブにも来てほしいし……というような『学マス』への入り口になってもらえたらという想いも込めています。
もちろん、『学マス』 をがっつりプレイしてくださっている方にも楽しんでいただける内容になっています。
──なるほど。『学マス』のプロデュース体験だけでなく、“初星学園のとある一日”みたいなものをリアル脱出ゲームにしてしまおうと。
岩井
「本当に初星学園で生きるんだったら、きっとこんな感じなんだろうな」というのを体験していただきたい。それなら、このリアル脱出ゲーム、引いては謎解きというものは相性がいいなと。今回のコラボを実施した理由には、そういった背景もあります。
──“リアル脱出ゲーム”だからこそ表現できることがあると。
SCRAP企画担当
やはり“直接体験できる”ことは大きいと思います。直接彼女たちを助ける感覚が味わえたり、プロデューサーの苦労を理解できたり……ゲームのアプリ上で見ているアイドルとのやり取りやコミュというのをリアルの空間で、五感で感じてほしいです。
SCRAP広報
実際、けっこう忙しいですからね。基本的には座って謎を解いていただくことになりますが、会場内のいろいろな場所を見に行く必要もありますから。
岩井
僕もテストプレイで何周もやっているんですけれど、毎回へとへとになります(笑)。でも、へとへとなぶん、「やりきったぞ!」という気持ちになれて、最後に見るライブですごく心を動かされるんです。忙しさをバネにして、テンションをグッと引き上げられるというか……SCRAPさんには本当にすばらしいものを作っていただいたなと。
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会場を動き回りながら解く謎も。
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SCRAP企画担当
シナリオの大部分をバンダイナムコさんに担っていただいているんですけれど、アイドルたちのがんばりがものすごくって。やり取りしながら「こんなにがんばっているんだったら私もがんばらなきゃ」と、どうにかライブを成功させてあげたいという気持ちになれるんです。
リアルで遊ぶことによって、「作中では描かれていない部分で、ゲームの中のプロデューサーもこういう気持ちで、こんなやり取りをしているのかな?」みたいなことを想うことができるんじゃないかなと思います。
岩井
劇の舞台の上に立って何かを演じているアイドルを見ながら、そこに紐づいたアイドルの物語を体験できるのってなかなかないですし、かつプロデューサーという目線で“自分が見る”というのは、本当にこの公演でしかできない唯一無二の体験になるのではないかと。ストレートエッジ様の協力もあり、シナリオには自信を持っておりますので、ぜひお楽しみいただければ。
SCRAP広報
これまで他ブランドで実施させていただいていた、“リアルプロデュースゲーム”のほうがSCRAPとしてはかなりイレギュラーなものなんですよね。やはりうちとしてはリアル脱出ゲームとして、何か設定の上でひと波乱が起きて、そこからの脱出や解決を目指す……という展開がいちばん得意なところではあって。
今回の『学マス』では、満を持して“リアル脱出ゲーム”としてコラボさせていただけたと思っています。
──逆にSCRAPさんとしては、どういう思惑を持ってコラボされたのかもお聞きしたいです。
SCRAP広報
うちとしては、「脱出ゲームってこんな感じなんだ」というのを知っていただければうれしいなと。やっぱり「知識がないと解けないんじゃない?」とか「謎解きってクイズでしょ?」みたいに思われている方も多いと思うので、これを機に楽しさを知っていただければありがたいですね。
──それこそ、謎解きは好きだけど『学マス』を知らない人と、逆に『学マス』は詳しいけれど謎解き初体験の人が誘い合って来るとかもいいかもしれないですね。
SCRAP広報
そうですね。『学マス』をまったく知らない人のために、最初に“初星学園とは?”ということなどをしっかり紹介するパートも用意していますので、そのような形になってくれるとうれしいです。グッズもたくさん作っているので、イベント中にお気に入りの子が見つかったら、そのままグッズを身に着けてアピールしていただければと。
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“初星村からの脱出”は正史。よりゲーム内とリンクする体験を
──初期案から人狼の要素があったというお話でしたが、ほかにもいろいろ選択肢はあったはずですよね。そもそもなぜ、人狼だったのでしょう。
SCRAP企画担当
初めてアイドルたちに会う方もいると思うので、そういう方でもすぐに13人のキャラクター性が理解できて、それでいてワクワクできるようなモチーフを考えたんです。RPGとか魔法世界とかの案もあったのですが、最終的には役職もありつつ、ミステリーという要素が伝わりやすいことからも人狼という形に落ち着きました。
──なるほど。人狼自体が一般に浸透しているというのもありますよね。詳しくない人でも「誰かこの中に1人は犯人がいて、騙そうとしてるんだろうな」というのがなんとなくわかりますし。
SCRAP企画担当
リアル脱出ゲームをやるうえでも、相性のいい世界観だと思います。
──そうなると、気になるのが配役です。たとえば燕が鷹匠というのは、イメージ的にはなんとなく納得がいく反面、かなり職業としては突飛ですよね。
SCRAP企画担当
役職のベースは、“人狼村からの脱出”という、弊社が行っていたオリジナルの公演からです。その中に出ている役職がそれこそ鷹匠だったり、踊り子、シスターみたいなのがあり……その中から「じゃあこの配役だったらどの子が引き受けるかな」、「プロデューサーだったら自分の担当アイドルにどの役をあてがうかな」と考えて決めていきました。
──つまり鷹匠は元からいた、と。
SCRAP広報
そうですね。なぜかうちの人狼ゲームには、元から鷹匠がいたんです(笑)。
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画像は“人狼潜む文化祭からの脱出”公式サイトより。
SCRAP企画担当
ただ“人狼村からの脱出”だと役職が8個しかなかったので、これをベースにしつつ、足りない分は「この子だったら……」という感じで新たに配役を考えていきました。もちろんバンダイナムコさんともすり合わせをしています。
──すり合わせをしていく中で、役職が変わったアイドルなどはいたのでしょうか。
SCRAP企画担当
パっと思いつくのは佑芽ですかね。
岩井
佑芽ですね。最初はけっこう知的な役だったのですが、「佑芽はもっとパワーで解決するタイプでは?」と弊社のほうからご提案をして、いまの郵便配達という形に。
それ以外にもお互いアイデアを出し合いました。広が発明家で、ちょっとスチームパンクっぽい服になっているのはこちらから出させていただいたアイデアですね。
──服装と言えば、全員獣耳や尻尾がついてますよね。あのビジュアルを見ると「全員人狼なのでは?」と思ってしまうのですが。
岩井
明言はしていないのですが、裏設定としてはアイドルたちが“初星村からの脱出”のメインビジュアルを撮影した”という設定に基づく衣装になっています。人狼の公演っぽさを出すために、それぞれの役職にプラスして人狼っぽい要素を追加したような。
なので、メインビジュアルがあのようになっているからといって、全員が人狼というわけではありません。
──フレーバー的なものなんですね。
岩井
そう解釈をしていただければ幸いです。
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画像は“人狼潜む文化祭からの脱出”公式サイトより。
──設定の話で言えば、そもそも劇中劇である“初星村からの脱出”の脚本は“初星学園の先輩が作ったもの”という立て付けがありますよね。これはつまり、『学マス』のシナリオチームもしっかり関わって設定を作られているんでしょうか。
SCRAP企画担当
そうですね。「先輩方が作った伝統の脚本を今年の生徒会メンバーがアレンジして再演しましたよ」という設定は、シナリオチームの方々が考えてくださったものです。
──こういうコラボだと、設定含め“その場限りの物語”として書かれるイメージがありますが、本公演はそうではないと。
岩井
この公演自体、裏テーマ的には“真夏のサマーライブ・フェス” などの、アプリゲームの『学マス』の季節イベントをイメージしています。楽曲があるというところも含めて「あのようなイベントを現実でやるとこうなる」みたいなイメージを持っていただければ。
──つまりこの公演はほぼ“正史”のような。
岩井
はい。じつは2026年2月27日から開催される(※)“ライブツアーイベント 渋谷編”のコミュ内でも、ちょっとした言及があります。
※本インタビューは、“ライブツアーイベント 渋谷編”開催前に実施。 このコラボは言ってしまえば外部施策ではあるのですが、脱出ゲームでの思い出を“実際に自分が初星学園で体験したこと”として受け取っていただければと思い、細かいところまで作り込ませていただきました。
──それはすごい。コラボであれば夢落ちや、パラレルワールド的にしたほうが素人目には楽に思えますが……。
岩井
実際にコミュを見て「自分はこれに参加したんだ」と思っていただけるのが、会場まで足を運んで、時間を使ってくださったプロデューサーさんたちに対してお返しできる“体験”になるかなと。
この公演を遊んだという思い出が『学マス』世界の内側にちゃんとあると受け取れるよう意識しています。
SCRAP企画担当
私も“ライブツアーイベント 渋谷編”のコミュを見るのが楽しみです。「リンクしてるじゃん!」って(笑)。
岩井
ぜひプロデューサーの皆様にも、リアル脱出ゲームを体験したあとに、改めてもう一度見ていただきたいですね。
全員いなければ『学マス』じゃない。13人の個別シナリオを実装した理由
──本イベントはリピート参加も可能となっていますが、どのような違いがあるのでしょうか?
岩井
まず、本公演では日によってパフォーマンスメンバーが違います。5人ずつ、3つのチームでわかれていて、それぞれのメンバーに掛け合いが用意されているので、そこはお楽しみいただけるかと。
──本イベントでは、担当アイドルを自分で選ぶシステムですよね。そこの会話内容もアイドルによってかなり違いがあるのでしょうか?
岩井
そうですね。13パターンあります。
SCRAP企画担当
起こる事件の内容はいっしょですが、アイドルごとにしゃべっていることやプロデューサーの接しかたなどは違うものになっています。同じパフォーマンスメンバーでも、リピート参加時に違う担当アイドルを選べば新鮮な気持ちで遊んでいただけるかと。
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担当として選択したアイドルと会話が楽しめる。
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──13人全員分のシナリオとなると、制作はかなり難航したのでは。
岩井
たいへんでしたね……。
SCRAP企画担当
何回もげっそりしながら終電で帰りました(笑)。
──やはり難しかったのは個別のシナリオでしょうか。
岩井
いや、逆にシナリオの共通部分です。たとえば、事件を起こすとしても、アイドルそれぞれの個性が強いので、「一番星(プリマステラ)である星南はそんなミスしないだろう」とか、「ふつうの高校生なら手に負えない問題だけど、広の知識量なら突破できてしまうのでは?」というように、物語の整合性を取りつつも、アイドルたちの個性を違和感なく表現するのに苦労しました。
SCRAP広報
毎晩おふたりで話されていましたね。「ああでもない、こうでもない……」と。
SCRAP企画担当
膝を突き合わせて、ずっとやっていましたね。
──そこまでたいへんなことがあっても、13人全員を出したかったと。
岩井
実際、人数を絞って実施する案もありましたが、プロデューサーさんに貴重な時間をいただいてこのイベントに参加してもらうにあたって、どうしたらいちばん楽しんでもらえるかと考え、やはり13人全員出すべきだろうという結論に至りました。もちろん、担当アイドルを選ばない形にすることもできましたが、せっかくやるならとことんやりきろうと。ただ、実際に制作を進めてみると、あまりの作業量の多さに昨年10月ごろは、その選択をしたことをめちゃくちゃ後悔していました(笑)。
SCRAP企画担当
社内でも「本当に13人でやるの!?」と驚かれました(笑)。
SCRAP広報
実際、リアル脱出ゲームのコラボシナリオとしてはあまりない規模だと思います。
岩井
本当に莫大な工数でしたが、「楽しんでいただきたい」という思いで、最終的に全員にとって違和感がなく、ちゃんとそれぞれのアイドルが輝けるようなものができたので、いまはその選択をしてよかったと心から思っています。
──体験できる日が楽しみです。ちなみに複数人で参加する際も、それぞれが担当アイドル選べるのでしょうか?
SCRAP広報
もちろんです。それぞれ自分のスマートフォンを使ってアイドルと会話をしながら進める形になっているので、担当アイドルは個別に選べます。ちなみに担当アイドルが違っても謎は同じですし、イベント中は隣の人としゃべってはいけないみたいなこともないので、複数人で参加される方は、ぜひ協力して進めていただければと思います。
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──それこそ、ひとりで参加していても隣の人と担当アイドルがいっしょだったとかで、それをきっかけに話してみるのもいいかもですね。
岩井
ぜひ! ここで仲よくなっていただき、イベントが終わった後にカフェなどで『学マス』の話題で盛り上がってもらえたらありがたいです。
SCRAP広報
併設されているカフェではコラボドリンクも販売していますので、それを見ながら「ああ、よかったな」と語り合っていただけると非常にうれしいですね。ぬいぐるみを撮影するための“ぬい撮りスペース”も1階にありますので、ぜひともお楽しみいただければ。
──せっかくのリアルイベントですし、そうやって交友関係を増やすのも醍醐味ですよね。
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“東京ミステリーサーカス”1階にあるぬい撮りスペース。
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“謎解き”だけどメインはライブ。感情曲線をどう作るか
──今回のイベントのいわゆる脱出成功率といいますか、難易度はどれぐらいを想定していますか?
SCRAP企画担当
ふつうというのが妥当でしょうか。簡単過ぎず、難しくはし過ぎず、というラインになるよう調整をしています。ヒントキットもありますので、「解けなくて楽しめないかも」というようなことは心配いただかなくても大丈夫かなと思っています。
SCRAP広報
リアル脱出ゲーム全体として、いわゆる“脱出成功”に至る確率は平均して2割ぐらいなのですが、それよりはもう少し高くなるのではないかと予想しています。
謎が解けないとアイドルたちとのコミュも先に進まなくなってしまうので、もし詰まるようであれば積極的にヒントを見て、気持ちよく進めてほしいです。
──こういうイベントだとヒントを見るのを躊躇してしまいがちですよね。でも、企画している側としては、ガンガン見てほしいと。
SCRAP広報
そうですね。今回のイベントでは、最初に司会として登壇するスタッフからも「どんどんヒントを見てください」と案内しています。イベント中も「●●まで解けていない人はいますぐにヒントを見てください!」とアナウンスが流れるので、参考にしてください。
岩井
じつは、最初に上がってきた謎はけっこう難しかったんです。なので弊社から「ちょっと簡単にというか、もう少しわかりやすくはなりませんか」とご相談しました。
今回のイベントのメインは、あくまでも最後の3DCGライブなんです。だからこそ、「謎を解いた!」という達成感を得るのがゴールではなく、謎を解いた先にあるライブで感動してほしい。謎を解いてライブに至るというところが、ちゃんと一連の体験として楽しめるような難易度に調整してほしいということをお願いさせていただきました。
(SCRAPさん側のほうを見つつ)……その説は、本当に調整にご協力いただき、ありがとうございます。
SCRAP広報
いえいえ。岩井さんが謎解きに詳しいおかげで、さじ加減をかなり細かく見ていただけたのでありがたかったです。
──やっぱり、調整はたいへんでしたか?
SCRAP企画担当
そうですね。けっこう謎自体を作り直すこともあったので……たいへんではありました(笑)。ただ、最終的には脱出ゲームに初参加の方も、経験者の方も楽しめるような、美味しいとこ取りができる謎になったのではないかなと思います。
岩井
論理パズルやひらめきなど、謎解きにもかなりの種類があると思うんですけど、最終稿ではそれぞれがすごくいい塩梅で入っていて、「さすがSCRAPさんだな」と思わされました。
──ちなみに謎が最後まで解けていなくても、ライブにはテンションを上げて参加はできるのでしょうか?
SCRAP企画担当
それはもちろん。最後は皆さんいっしょにちゃんと気持ちよくライブを見られるような構造になっているので安心してください。とはいえ、解けているほうがより楽しく参加できるとは思いますので、がんばって解いていただきたいです!
SCRAP広報
ライブの直前には、改めて「ここまでどういうことが起こっていたのか」という答え合わせのような時間もあります。それを見たうえで、ライブ直前の担当アイドルたちと会話するような流れになっていますので、全員が「よし、これからライブだ」という気持ちで楽しめるようにはなっているのではないかと。
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直前のやり取りは、『学マス』でいうところのPアイドルコミュ3話のようなイメージを持っていただけると想像しやすいとのこと。
5人ライブは『学マス』史上初。感動のフィナーレをぜひ会場で!
──あとお聞きしたいのは、やはり楽曲についてです。今回のスペシャル楽曲『SEARCH RIGHT』は、最初から書き下ろすことが決まっていたのでしょうか。
SCRAP企画担当
いえ、バンダイナムコさんからご提案いただきました。最初は人狼というテーマに合った楽曲で、既存曲の中から何かないか探していたんです。人狼っぽさを考えて、『仮装狂騒曲』などを候補としてあげていました。
岩井
元々文化祭にあわせて曲を作りたいという構想自体はあったんです。ただ何に紐づけたものにするかは固まっていなくて……。そこで今回のお話をいただいて、それならこの公演の最後にある儀式(ライブ)に合わせて曲を作ろうと。
そもそも明確な“劇中劇の曲”というのがいままでの『学マス』にはなかったんです。「コンセプトをガチガチに決めたような曲を作るということは、初星学園としての楽曲の奥行きも広がるな」と思い、弊社のほうから「曲を作りたいです」というようなご提案をさせていただきました。
SCRAP広報
今回のために書き下ろしてもらったというよりは、ちょうどバンダイナムコさんが考えていた企画に合流できたという感じです。
岩井
楽曲の方向性としても、『仮装狂騒曲』とはまた違った形になるよう調整しました。また、楽曲には「代々引き継がれていたが、ここ数年はなぜか披露されていない」というバックグラウンドストーリーもあるのですが、この"なぜか"に関しては、ぜひリアル脱出ゲームに参加して解き明かしてください。
SCRAP企画担当
今回の楽曲、及び歌詞も謎に絡んできますので、聞き込んでおくと何かいいことがあるかもしれません。
岩井
この楽曲は“リアル脱出ゲームとのコラボ曲”で終わらず、今後もさまざま活用していくつもりはありますので、今後の展開についてもご期待いただければと思っております。
──ちなみにライブパートのコンサートライトはどうなるのでしょう。
SCRAP広報
完全に備え付けとなり、持ち込みはご遠慮いただく形になっております。「担当アイドルの色を振りたい!」といったお気持ちもあるかもしれませんが、『学マス』のことをご存じない方にも、同じ気持ちで楽しめるようこういった形を取っております。
スペース的にも大きな荷物は置けないので、荷物の預かりサービスやコインロッカーなどを活用しつつ、ぜひ身軽な恰好でお越しください!
──なるほど。では声出しはOKなのでしょうか?
SCRAP広報
もちろんOKです。コンサートライトの振りかたも基本的には自由となります。ただし一部のパートのみ、演出の関係で「こう振ってほしい」という部分がありますので、そこは先導するスタッフに従っていただければ幸いです。
岩井
ただ、その振りかたはあくまでも本イベントにあわせたものとなります。「今後『SEARCH RIGHT』をライブで披露するときには、必ずこの振りかたをしてほしい」というわけではありません。そのときそのときに合わせて、最大限楽しんでいただければと思います。
──「ライブのときはその動きをやらなきゃダメ」みたいになってしまうのは本意ではないと。あくまで今回のイベント中の演出というわけですね。
岩井
正解を示しているつもりではないので、「こういう楽しみかたもあるよ」という一例だと捉えていただければ。
──でも、プロデューサーの皆さんの動きが揃うところが見られるのは楽しみですね。俄然ワクワクしてきました。
岩井
じつは、3DCGライブで5人同時の歌唱が見られるのは『学マス』史上ここが初なんです。ライブ自体もYouTubeにて実施している”生誕ミニライブ”と同じ制作チームで制作させていただいているので、非常に見ごたえのあるものになっていると思います。アイドルたち自身が作り上げたステージ、そしてプロデューサーの手も借りて完成されたこのすばらしいライブを、ぜひその目で見ていただきたいです。
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──やはり『学マス』といえばライブはかかせませんもんね。
岩井
はい。でも、だからこそ個人的にはSCRAPさんが作ってくださった“謎”にもぜひ注目してほしいです。「謎解きじゃなく、ライブでテンションがマックスになるようにしてほしい」という、それこそ僕が同じ条件で依頼を受けたら怒ってしまいそうなぐらい無茶なお願いをしてしまったんですけれど……そのオーダーに応えて、本当に最高のものを作ってくださいました。
“初星村からの脱出”、引いては“人狼潜む文化祭からの脱出”は、自信を持って「『学マス』世界の中で行われた公演のひとつ」だと言えるものになっていると思います。これを機に『学マス』をもっともっと好きになって、『学マス』まみれな生活を送っていただければと思います!
SCRAP広報
もちろん謎が過程ではあるのですが、だからといってただの書き取り授業みたいなものにしてはおもしろくないですよね。なので謎には論理的なものもあれば、言葉遊びでひらめくもの、会場にあるものを探して考えるものなど、いろいろなバランスのものを入れ込んでいます。
だからこそ、解いているときに「あ、この謎はすごく得意だぞ」といったものが絶対に見つかると思います。今回、リアル脱出ゲームが初体験という方でも、「あっ、リアル脱出ゲームってこういうものなんだ」と、過程を楽しんでもらいながら、最後のゴールであるライブに向かっていただけると、弊社としてもすごくうれしいです。
SCRAP企画担当
本当に「とんでもない構造のイベントを作ってしまったな」と、自分でも思うんですけれど……バンダイナムコさんだったり、同じSCRAPチームの人たちだったり、多大な協力を得て本当にいいものを仕上げていただきました。
“リアル『学マス』体験”というか、“リアル文化祭コミュ”が体験できる場になっているかなと思いますので、ぜひプロデューサーとアイドルとの二人三脚を体験してみてください。