『ゴースト・オブ・ヨウテイ』DLC“Legends/冥人奇譚”インタビュー。怪物と化した羊蹄六人衆や妖怪たちはいかにして生まれたのか?

『ゴースト・オブ・ヨウテイ』DLC“Legends/冥人奇譚”インタビュー。怪物と化した羊蹄六人衆や妖怪たちはいかにして生まれたのか?
 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)より2025年10月2日に発売されたプレイステーション5用タイトル『Ghost of Yōtei』(ゴースト・オブ・ヨウテイ)。開発はサッカーパンチプロダクションズが務めている。

 2026年3月11日には、最大4人でオンライン協力プレイが楽しめる、無料ダウンロードコンテンツ“Legends/冥人奇譚”が配信された。プレイヤーは4つの役目(クラス)のいずれかを選び、キャラクターを育成しながら、伝説により怪物と化した羊蹄六人衆と戦いをくり広げていく。

 本記事では“冥人奇譚”のリードデザイナーを担当した、サッカーパンチプロダクションズのDarren Bridges氏へのインタビューをお届けしよう。
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Darren Bridges ダレン・ブリッジズ

“Legends(冥人奇譚)”リードデザイナー

神話や妖怪をモチーフに協力性を持たせた

――『Ghost of Yōtei』におけるDLC“冥人奇譚”は、どのようなコンセプトで世界観などを構築していったのでしょうか。

Darren
 本編はフィクションではあるものの、非常にリアリティーに溢れた世界観や設定になっていますが、“冥人奇譚”は完全にファンタジーの世界になっています。羊蹄六人衆は文字通り巨大な敵となり、各地域を支配しています。そして本編と同じように、その支配された地域ごとにテーマがあるので、そのテーマを拡大解釈して、敵やメカニズムも含めてファンタジー化しました。デザインについては、アートチームに好き放題にデザインしてもらったおかげで、本当にいい世界観になったと思います。
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――羊蹄六人衆は、本当に大型の怪物になっていて、驚きました。

Darren
 “冥人奇譚”の舞台は、本編で篤が羊蹄六人衆と戦った時代から50~100年後か、もっと後の時代かもしれません。時代が進んで、人々にその逸話が“伝説(Legends)”として語り継がれ、どんどん誇張されたり、肉付けされたりした物語が、“冥人奇譚”の世界です。

 その伝説の詳細な部分が忘れ去られたり、重要なところが作り話のように大げさになったりもした結果、怪物のような羊蹄六人衆が登場します。基本は“蜘蛛”や“鬼”など、その六人衆ごとの名前がモチーフになっていますね。ゲームとしては、4人プレイヤーで倒しがいのある敵にしたかったので、大型のデザインになりました。
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――前作『Ghost of Tsushima』にも、同じようなオンライン協力プレイモードがあり、その反響が本作の“冥人奇譚”モードの開発の励みになったとお聞きしています。具体的には、どのような反響があったのでしょうか。

Darren
 サッカーパンチプロダクションズは、前作で初めてオンラインマルチプレイモードの開発にチャレンジしました。そのため、プレイヤーにどのように受け止めてもらえるのかわからない部分があったのですが、本当に皆さん楽しんでくださって、それが励みになりました。『Ghost of Yōtei』がリリースされてからも、いまだに遊んでくださっているプレイヤーもいます。

 個人的には、とくにプレイヤーのプレイ動画を見るのが大好きで、本来4人プレイで挑むチャレンジミッションなのに、ひとりでそれを達成してしまうやり込みプレイヤーもいます。いろいろな楽しみかたをしてくださる方々が居たので、うまくいった部分は本作でも取り入れて、いろいろなモードに落とし込みました。

 ストーリーミッション“奇譚”のほか、前作のようなウェーブディフェンス系のミッション“九死”もあります。さらに、今回は4人プレイでストーリーミッションを進めながら、クライマックスではボスに挑む“攻城”モードも用意しました。

――基本は4人プレイ協力モードがメインかと思いますが、“奇譚”は最大2名で進めるショートステージといった形になっていますし、どのモードもソロでもチャレンジできますよね。幅広いプレイ人数に対応したゲームデザインは、どのように考えられたのでしょうか。

Darren
 マルチプレイモードを考えるとき、まず私は人とのコミュニケーション部分を考えます。たとえば、よくいっしょに遊ぶ友だちとふたりで遊ぶ人、もしくは3人で遊ぶ人もいます。それとは別に、ソロで挑みたい人や、ソロだけれども見知らぬ人とマッチングして遊びたいというタイプの人もいます。

 『Ghost of Yōtei』の本編は篤を操作し、自由な旅を楽しむゲームデザインでした。“冥人奇譚”では、オンラインマルチプレイゲームではありつつも、いろいろなプレイスタイルが可能になるように設計したので、プレイヤー人数についても最大4人の中で遊びやすくしています。

 “奇譚”ではステルスなどを駆使する、ふたりでの協力による楽しさも味わえますし、“九死”ではディフェンスが重要になります。“攻城”は4人プレイでダイナミックな、カオスな戦いもくり広げられたりするでしょう。さまざまなシチュエーションで、幅広い人に遊んでいただけるようにデザインしました。
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――ステージそれぞれに1個のテーマがある、というお話がありましたが、まさにプレイしていて楽しかった部分でした。そのテーマがギミックになっていて、たとえば、“狐”関連のステージは、遠くにワープできるスキルが使えて、それが移動や攻略に役立つギミックに絡むことで、本編では絶対できないようなファンタジー的な戦いが楽しめました。これらはどのように考えていったのでしょうか。

Darren
 そこがまさに、ファンタジーな世界観だからこそ実現できた、おもしろい部分です。ギミックについてはテーマに基づき、神話や妖怪などからヒントを得て、それぞれの遊びに落とし込んでいます。

 また、マルチプレイの仕組みを考えたときに、プレイヤーどうしが協力して助け合う機会をたくさん用意しようと考えました。ただ、それらはステージギミックを解くシーンでは必要になりますが、戦闘などでは必ず使わないといけない作りにはしていません。使用すると有利に戦えるようなる、という仕組みにしてあります。

 ですので、プレイヤーどうしでボイスチャットなどを駆使し、コミュニケーションを取りながらギミックを活用すれば、より有利に戦えるでしょう。一方で、ボイスチャットを使用せず、見知らぬ人どうしで協力しながら攻略していく、といったプレイスタイルも可能です。我々はあくまで“協力ギミックだけど、やらなくてもいいオプショナル”として扱いました。

 ただし、4月のアップデートで追加予定の“大禍”モードは高難度になっていて、4人協力プレイが必須級のものになっています。こちらは、はっきりとチームワークが試されるモードとして設計しました。より多彩なギミックが楽しめるでしょう。
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――楽しみにしています! 神話などからヒントを得た、というお話がありましたが、ステージ中には“朧車”などの妖怪が登場したのも驚きました。妖怪は、日本ではよく知られていますが、海外では珍しい存在かと思います。どのようにチョイスしていったのでしょうか。

Darren
 ファンタジーな世界観ですから、なるべく神話をベースにしたギミックや妖怪たちを登場させようと当初から決めていました。個人的には“朧車”は見た目やギミックも大好きです。とはいえ、ただ登場させたいわけではなく、協力性がアップできるような仕組みにすることを優先しています。そのため、神話・妖怪たちは私たちなりの解釈でアレンジして登場させました。

 たとえば、風神の力を借りるギミックでは、風神が手に持っている袋(※風袋)をモチーフにして、鬼火を吸ったり吐いたりできるスキルになっています。雷神は、嵐を持ち歩いて鬼火を消したりできます。正しい風神・雷神のイメージではないかもしれませんが、協力性を持たせるためのモチーフとして採用しています。

 余談なのですが、メディアインタビューを受けるときには、たとえば“大太刀とはどんな武器ですか?”ですとか、“鎖鎌って何?”みたいな聞かれかたをよくされるので、毎回その用語の説明を用意して挑んでいます。ですが、日本のメディアのインタビューだと風神、雷神などが飛び出してもすぐに理解してもらえるので、話が早くて楽ですね(笑)。

――日本人ですからね(笑)。つぎに、キャラクターの育成要素についてですが、奥深さがありつつも、基本はシンプルですよね。これはどのように考えられたのでしょうか。

Darren
 まず、Legendsを遊ぼうと思ったときに、すぐにステージへ飛び込めるようにしようと考えました。1ステージだいたい15分~30分くらいの短時間で終われるようなものばかりで、忙しい人でもサクっと遊べるようにしています。

 その中で、たくさんやり込んでいる人もいれば、ステージをちょこっとだけクリアーしている人もいたりと、さまざまな育成具合の人たちがいっしょに遊べるように、基本の育成部分はシンプルにしています。

 また、ステージ難度を上げると出現する“試しの符”という、各プレイヤーたちが自由に選択できるステージチャレンジ要素を新たに追加しました。簡単なものもあれば、難しいお題もありますが、挑むかどうかはプレイヤーたちの選択に委ねられているので、パーティーゲーム的な楽しみがあります。

 私自身、プライベートで皆さんと遊んでいたりするのですが、チームメンバーがどのお題を選ぶのか、毎回ワクワクしていますね。高難度のものを選んで、無事達成できればもちろん報酬は増えますので、ぜひ挑んでみてほしいです。

――役目(クラス)ごとの個性もありますが、使用できる武器が限られていたりするので、そういった部分での協力性も感じられました。

Darren
 4クラス用意していますが、すべてのクラスをチームで網羅する必要はありません。好きなクラスを育成するだけでいいですし、全員が“侍”になりたいと思えば、それもいいでしょう。「自分は“二刀”専門の用心棒になりたい!」と思うのであれば、それも可能です。バラエティー豊かな選択もできるし、自分らしさを重視してもいい、という自由度を設けたかったんです。

――大禍モードが追加される4月のアップデートも含めて、最後にメッセージをお願いします。
 
Darren
 大禍モードでは、羊蹄六人衆のうち、現時点ではまだ戦うことのできない、龍と斎藤に挑むことになります。大禍は高難度モードになっていて、4人の協力性が試されます。キャラクターの育成も進める必要がありますし、強い装備も必要になるでしょう。ぜひ鍛えながら、追加を楽しみにお待ちください。
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