『ディサイプルズ ドミネーション』油断すればモブにも負ける骨太なタクティカルバトル。戦略性に富んだゲーム性は理解が深まるほどじわじわおもしろくなっていく【レビュー】

『ディサイプルズ ドミネーション』油断すればモブにも負ける骨太なタクティカルバトル。戦略性に富んだゲーム性は理解が深まるほどじわじわおもしろくなっていく【レビュー】
 カリプソメディアより、ダークファンタジー×タクティカルRPG『ディサイプルズ』シリーズ最新作『ディサイプルズ ドミネーション』のプレイステーション5版が2026年3月19日に発売された。Xbox Series X|S版およびPC版はダウンロード専売で2026年2月12日発売。

 本作は、硬派なシステムが高い評価を得ている『
ディサイプルズ リベレーション』の続編にあたるタイトル。前作から15年後の世界を舞台に、主人公アヴィアンナが分裂した国家を再統一するべく、混乱や争いに立ち向かっていくことになる。

 本記事では、そんな『ディサイプルズ リベレーション』のプレイレビューをお届けしていこう。
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理解が深まるほどおもしろくなるタクティカルバトル

 本作の見どころはなんといっても、その骨太なタクティカルバトルにある。基本的なルールはマス目を移動し、攻撃やアビリティを使用して、敵の全滅を目指す王道の流れだ。
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 マス目を移動して、敵ユニットを撃破していくタクティカルバトルは数多くあるが、本作はその中でもプレイヤー自身の戦略性が強く試されるバランス。1キャラクターで無双できるタイプではなく、編成した全ユニットを効果的に動かさないと勝利できない作りで、非常に手応えがある。
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 最初は難しく感じていたが、システムの理解が深まり、できることが増えていくほど右肩上がりにおもしろくなっていった。バトルのおもしろさにつながる特徴はいくつもあるが、その中でもユニークな要素をいくつか触れていきたい。

 個人的に非常におもしろいと感じているのは、バトルのバランスだ。本作、敵の攻撃がとにかく痛い! 通常攻撃でHPが4割近く削られたりするのだ。
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範囲攻撃で後衛3体のHPがゴッソリ削られる。シャレにならないダメージ量だ。
 主人公を始め、耐久可能なキャラクター以外は複数の敵に攻撃されれば瀕死になってしまうので、1ターンごとの選択にかなり重みがある。とくに後衛ユニットは2、3発で倒されることもあるため、油断すると一気に壊滅してしまうことも。

 ちなみに、一部の味方キャラクターを除き倒されたユニットは死亡扱いでつぎの戦闘から編成できなくなるので、1キャラクターの死亡がけっこう響く。
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ドクロマークがついた死亡した味方はそのままお別れ。
 戦闘開始前にはユニットの配置を自由に動かせるため、敵の配置を見て最適な位置に味方を置くことも重要だ。挟み込まれる形のステージだと、どうしても後衛ユニットが潰されやすいので、ステージごとに使うキャラクターを切り換えることも考えなくてはいけない。

 説明を見ると難しく思うかもしれないし、実際に難しいのだが……だからこそ、誰も死亡させずに切り抜けられたときの達成感もひとしおだ。
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3方向から攻められるようなステージだと、後衛が倒されるリスクが大きい。ステージに応じて編成も切り換えたい。
 単騎で動く想定より、味方との連携が重要視される戦闘バランスと連動して、行動順を調整するシステムも見どころ。1ターン内の行動順はステータスによって決まるのだが、行動を後回しにするというコマンドも用意されている。

 先に動かず、突っ込んできた敵に集中砲火を浴びせるという戦法はかなり有効だ。とはいえ、敵側も行動順を後回しにしてくるので、けっきょく睨み合いになるケースもあるのだが……。

 接近の駆け引き、誰から前に出るかの選択は勝敗を決める要因にもなる。味方全員で固まって敵が近づいてくるのを待っていたら、範囲攻撃で壊滅するなんて事態も起こりうるので、難しいところだ。
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基本的には敵の接近を待ちたいが、一気に距離を詰められて後衛が潰されるリスクもある。
 また、ユニットを動かす際、味方ユニットを素通りできないのも意外だった。同ジャンルでは敵は通過できずとも、味方は通せることが多いが、本作の場合は味方が進行方向にいる場合、そこを通過することはできない。

 これも意外に重要な要素で、前衛が前で詰まっていると後衛が動けなくなったり、固まって動きすぎるとかえって立ち回りが狭まったりするのだ。とはいえ、分散して動くと複数の敵に囲まれて死亡してしまうので、連携は必須。おもしろいけど、とにかく難しい……!
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近接ユニットなのに味方がジャマで前に出られない、なんてことも起きる。
 そのほか、戦略性にも関わる部分で重要になるのが、ユニットの行動回数を決めるアクションポイント。青、赤、黄色のアクションポイントがあり、それぞれ青は移動、赤はアビリティの使用、黄色はどちらにも使用できるという特徴がある。

 どのアクションポイントが、どれだけ割り振られているかはキャラクターによって異なる仕組み。主人公アヴィアンナの場合は、青、赤、黄色をひとつずつ持っており、かなり汎用性が高くなっている。
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移動した上で2回行動できる主人公は非常に優秀。
 移動して敵を攻撃するというのは基本の動作だが、ユニットによっては黄色のアクションポイントだけを2個保有している場合があるのだ。つまり、移動をしなければ2回攻撃もできるわけで、ユニットをどう動かすかの選択肢に幅が出てくる。

 2回攻撃をして攻めまくるのか、1回攻撃して後ろに引くのか。この行動ひとつで後の展開が大きく変わる場合も。とくに後衛ユニットが2回攻撃をできる場合、攻撃を優先して後ろに下がらなかった結果、敵に倒されてしまうケースもあるので決断に重みがある。
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バフ・デバフの合わせ技でより高度な戦いに

 バトルのおもしろさをより高めてくれるのが、各キャラクターの持つアビリティの効果だ。

 本作は大抵のアビリティに、自分にとって有利な効果を与えるバフ効果や、敵に不利な効果を与えるデバフ効果が付随している。このバフ・デバフをどれだけ使いこなせるかで、バトルの難易度は変わっていく。

 最初は「攻撃力低いしこのアビリティ弱いな」と思っていた技が、正しく使えれば強力な効果に化けたりもする。
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互いにバフ、デバフを盛りまくって戦うのが基本のスタイル。
 わかりやすい例が、最初に仲間になるヘルマーというドワーフだ。ヘルマーは敵を挑発して自分を攻撃対象にさせる“激昂”を付与できる、いわゆるタンク役のキャラクターなのだが、攻撃はパッとしないイメージがあった。
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 しかし実際は攻撃面もかなり優秀で、1回アビリティを当てると"ルーンの刻印"を付与し、2回目の攻撃で敵を2マス後退(吹き飛ばす)効果を扱える。このルーンの刻印による吹き飛ばしは、ほかの敵に衝突させることで範囲攻撃に発展する仕組みがあった。

 “激昂”で敵を集め、“ルーンの刻印”で吹き飛ばす。この組み合わせだけで複数体の敵に大ダメージを与えつつ、味方も守れるという超優秀なキャラクターなのだ。
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 挙げるとキリがないが、ほかにも各キャラクターが優秀なアビリティを持っているため、組み合わせ次第でどんどん戦略は広がっていく。

 主人公アヴィアンナは、最初に4つのクラスから選択して戦闘方針を選べるので、どのキャラクターとも相性がいいのもありがたい。クラス自体は後から変更もできるため、「このキャラクター強そうだし主人公と合わせてみたいな」と考えたときに柔軟に対応できる。
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 また、主人公だけはほかのキャラクターと異なり、自身のアビリティ以外にマナを消費して魔法も使用できるのだが、こちらもかなり強力。各キャラクターのアビリティ、主人公との連携、魔法とあらゆる要素を駆使して、ようやく少し有利になるという絶妙なバランスだ。
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 ほかにも戦闘マップが起こすランダムイベントといった地形を活かした戦いなど語り尽くせないほど戦略的な要素に富んだバトルが楽しめる。タクティカルバトルが好きな人ならドハマリすること間違いナシだ。
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選択により分岐していくストーリーやサイドクエスト

 本作はいくつかの大きなフィールドを探索しながら、ストーリーを進めたり発見した敵と戦うシステムを取っている。

 実際にフィールドを歩きながらNPCと会話をしたり、サイドクエストを受けながら進めることになるので、この世界に没頭しやすい。
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さまざまな施設があるフィールドを自由に散策していく。
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序盤では絶対に勝てないレベルの敵が、宝箱を守っていることも。後で必ず取りにこようというモチベーションになる。
 ストーリーは前作で王となったアヴィアンナが、ふたたび混迷の時代を迎えたネヴェンダールのために奔走するという内容。どうやらアヴィアンナの治世は完璧とは言い難いものだったらしく、かつての仲間からも背を向けられたり、場合によっては恨まれているようだ。
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 そんな状態で王城に籠っていたアヴィアンナは、かつての友であるオライオンからネヴェンダールの危機を知らされる。腐敗や汚染されたマナによる問題が生じる中、その原因を探って各地を巡る道中で、旧友たちとも再会をするという展開になっていた。
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 ストーリーで数多くの選択肢が現れるのは健在で、選択次第で余計な戦闘が発生したり、どちらかの勢力に加担することになる。今作ではエルフやドワーフなど5つの勢力が登場するので、どの勢力と仲よくするかも重要になってくるだろう。
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 平和的な解決を望んでいたはずなのに、敵視されて戦闘が避けられなくなったりするのもおもしろいところだ。2周目ではほかの選択肢や、勢力を選んでみたりと周回プレイの楽しみにもなる。
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仲よくなると、その勢力に所属する味方がパワーアップする。
 この選択肢によるストーリーの分岐はサイドクエストでも同様に起こり、それによって仲間になるキャラクターが増える場合も。

 とくに序盤はクエストの結果次第で、ランクの高い仲間が手に入ることもあり、後々の戦闘が多少楽になることもあった。ただ、クエストで仲間になるキャラクターも死亡すれば使えなくなってしまうので、戦闘の結果次第ではお別れとなってしまうが……。
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奪われたネックレスを取り戻すサイドクエスト。選択次第で、戦闘に発展するかも……?
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サイドクエストの選択肢によって、仲間になるキャラクター。名前はついているが、同アビリティを持ったキャラクターは雇用できる。
 ちなみに本作、ある程度ユニットが削れるのは仕方がない部分があり、仲間はつねに雇用できるようになっている。この雇用する味方も5つの勢力から選ぶ形となるため、どの勢力の味方が使いやすいか、主人公との相性がいいかで決めるのもアリだろう。

 特定勢力に加担している場合は、その勢力のキャラクターだけで固めてしまうのも、バフ効果が乗りやすいので有効だったりする。
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最初はランクの低い兵種しか雇えないが、ストーリーの進行に合わせて強力なユニットを雇用できるようになる。
 そのほか、時間経過で蓄積する資源を使って市場で装備を買うといったシステムも健在だが、全体的には前作よりもわかりやすくなっている印象を受けた。とくに、序盤に倒されても死亡扱いにならないタンク役の味方がふたり加入してくれるのが親切で、ユニットが削れることをさほど気にせず進められる。

 序盤はあまり多くの選択肢を提示せず、システムの理解が深まったころに分岐などが増えていくので、本作から始めた人でもゲームの理解で躓くことは少ないだろう。
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戦闘スピードも調整できて快適に遊べる。
 前作のいいところは継承しながらも、より洗練されて手応えのあるバトルが楽しめる『ディサイプルズ リベレーション』は、タクティカルバトルが好きな人にはぜひとも遊んでみてほしい一作だ。

『ディサイプルズ ドミネーション』製品概要

  • 対応プラットフォーム:プレイステーション5、Xbox Series X|S、PC
  • 発売日:プレイステーション5版は2026年3月19日発売、Xbox Series X|S版、PC版は2026年2月12日発売
  • 発売元:カリプソメディア
  • 開発元:Artefact Studio
  • 価格:プレイステーション5パッケージ版(デラックスエディション)7700円[税込]、ダウンロード版各7700円[税込]、『Deluxe Edition』各8600円[税込]
  • ジャンル:シミュレーションRPG
  • 対象年齢:CERO 17歳以上対象/IARC 12歳以上対象
  • 備考:Xbox Series X|S版とPC版はダウンロード専売
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