カプコンの対戦格闘ゲーム『 ストリートファイター6 』(以下『 スト6 』)のリアルイベント“KZHCUP RUMBLE in STREET FIGHTER 6”決勝戦が、2026年1月23日に神奈川県・パシフィコ横浜 国立大ホールにて開催される。 本イベントはVTuberグループ・にじさんじのメンバーたちが、『スト6』で競い合うチームバトル。予選はすでに実施されており、勝ち抜いた3チームが優勝を目指して戦う。本戦のほか、ストリーマーチームと、にじさんじチームが戦うエキシビションマッチも予定されている。
イベントの主催は、イベント名の“KZH(くずは)”とあるように、にじさんじライバーの葛葉さん。本記事では主催の葛葉さんと、『スト6』のプロデューサーを務める松本脩平氏の対談をお届け。イベント開催の経緯や、配信者たちと『スト6』の関係性、葛葉さんの『スト6』へ対する情熱などを語っていただいた。
※対談は2025年12月上旬(予選大会より前)に実施しました。 葛葉 さん(クズハ)
にじさんじ所属のVTuber。KZHCUP RUMBLE in STREET FIGHTER 6主催者。親の甘い蜜を吸い続けるニートのゲーマー吸血鬼。見た目にそぐわずわがままで気まぐれな子どもっぽい性格で、すぐ調子に乗る悪い癖がある。大金持ちと結婚するために始めた配信業も忙しく、不本意だがニートとは呼べない生活を送っている。文中は葛葉。
松本脩平 氏(マツモト シュウヘイ)
カプコン所属。『ストリートファイター6』プロデューサー。『ストリートファイター』シリーズのプロデューサーであり、『カプコン ファイティング コレクション』シリーズのプロデューサーなども務めている。文中は松本。
ファンの生の歓声がきっかけに ――本日はおふたりの対談となります。よろしくお願いいたします。
葛葉
やばい。なんかめっちゃ緊張してます(笑)。あんまりこういうのないんで、どう話せばいいのかなって。
松本
僕もそう(笑)。親戚のおっちゃんとお話するくらいの感覚がええんかな。 ――ではぜひその距離感で! まず、今回開催される“KZHCUP RUMBLE in STREET FIGHTER 6”は、どういった経緯で開催が決まったのでしょうか?
葛葉
にじさんじには、“ゲマズ”と呼ばれている“EXゲーマーズ”というグループがあります。そのメンバーのひとりがオレで、メンバーのみんなとリアルイベントを開催したことがあったんですよ。2025年の2月だったかな(※)。
※……2025年2月22日に幕張イベントホールにて開催された、“EX Gamers Event Odd Play-Off”。 そのとき、『スト6』で対戦をしたんです。そこでオフラインで見てる人たちの歓声を聞いたときに、それがメッッッチャクチャいいなぁ! と思って。そのときに改めてオフラインでしっかりゲームイベントやりたいなって考えたんですよね。
松本
あれね、“げまじょVSくろのわ”のやつね。あれ以来リアルイベントやってないの?
葛葉
ゲームで生の歓声を聞くっていう点ではそうすね。ライブイベントとかはありましたけど、観客の前でゲームするっていうのは配信イベントくらいで。
松本
みんな、ゲームでのリアルイベントにたどり着くのかもね。たとえば“LEGENDUS”(※)も、最初はオンラインイベントやったけど、そこから釈迦さんが「オフラインイベントや大会の歓声がすごい」と、オフ開催にしたって言ってたんで。
※LEGENDUS……“SHAKAのやりたいことをやる”をコンセプトにストリーマー SHAKAが主催するイベント。 葛葉
やっぱみんなの熱を直で浴びると、そうなるのかなぁ。“げまじょVSくろのわ”の闘いって、あんまりガチの闘いではないんすよ。それもまたよかったというか。
松本
めっちゃいいエンタメやったよね。
葛葉
そんな緩い闘いでも、歓声があがってたんですよ。しかも、きっと見に来てくれた層って、『スト6』については詳しくない層の人が多かったと思うんですよね。これまで基本的には音楽ライブが中心だったんで。なので、やっぱ『スト6』って見てる側からしてもわかりやすいのかなと。体力バーがゼロになったら負けっていうシンプルさが、やっぱりいいなと思って。だから『スト6』で今回イベントをしたいと思ったんすよ。
松本
でもやってみたからこそわかることとして、オフラインイベントを主催するのってたいへんでしょ?(笑)。
葛葉
実際はスタッフさんががんばってくれてるだけで、オレはあんまり……とも言えず、たいへんな部分はたいへんかもっす(笑)。
松本
そうよね(笑)。まず出場選手を集めるのが難しそうに見えるけど。
葛葉
そこは大丈夫でしたね。にじさんじ、もう100人以上いるんで!
松本
たしかに! いろいろな層がいるもんね。『 ストリートファイター 』シリーズをずっと遊んでくれているライバーもいれば、最近遊び始めたっていうライバーもいて。 にじさんじと『ストリートファイター』 ――松本さんは今回の“KZHCUP”のお話を聞いたとき、どう感じましたか?
松本
いろいろと遡るんですが、まず僕がいちばん初めに葛葉さんを知ったのって、約6年前。2019年の話なんです。
葛葉
だいぶ遡りますね!(笑)
松本
2019年に『 ストリートファイターV チャンピオンエディション 』が発売されて、そのときにプロモーションを企画していたんですよ。そのころまだ、にじさんじさんの社名が“ANYCOLOR”じゃなくて“いちから”の時代よね。 葛葉
なっつい!
松本
そのとき、いちからさんに突撃営業したんですよ(笑)。『 ストV 』でチーム戦やってみませんかみたいな。当時、“剣盾にじさんじ杯”(※)とかの大会を開催しているのを見ていて、すごくおもしろかったので、『ストV』でも見れたらおもろいやろうなぁと。 ※剣盾にじさんじ杯……にじさんじメンバーが、『ポケットモンスター ソード・シールド』で競い合った大会。 松本
そのときお話をした社員さんから、葛葉さんの話をいろいろ教えてもらって。「企画にも合うし、ゲームも上手なんで!」と。
葛葉
知らなかった……。
松本
そのころまだ葛葉さんのYouTubeチャンネルは10万人くらいの時期で、「今後絶対伸びる注目のライバーです!」ってオススメしていただいたんですよね。結果的に『ストV』を使ったイベントは開催できなかったんですが、そのとき聞いた葛葉さんのことは強烈に印象に残っていて。
葛葉
勝手に『ストV』の配信したりはしてましたけど、そんな話が出ていたとは。
松本
そのあと、実際に企画として形になったのが、ゲーム番組の“ヤシロ&ササキのレバガチャダイパン”でした。そこで『 ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション 』で対戦しよう、となって、葛葉さんと椎名唯華さんが出演してくれたんですよ。2020年ごろの話ですね。 <前編> VIDEO
<後編>
VIDEO
葛葉
うわ、覚えててくれてたんすね!
松本
もちろん! それに続いて、2024年1月31日ににじさんじを卒業した安土桃さん(※)が“にじストV部”を立ち上げたりして、『ストV』を盛り上げてくれてうれしいなぁと思ってました。そのあたりから少しずつつながりがあって、いまの『スト6』にも続いたと思ってます。ただ、メンバーの皆さんに直接「『ストV』遊んでくださいね!」みたいな声掛けはしたこと無いんですよね。葛葉さんはそもそも、『ストV』って何で遊び始めたの? 大会とかを見てた?
葛葉
なんか大会は見ていたと思うんですけど、何でだったかなぁ……? ほかのストリーマーの影響か、もしくはイブラヒム(※)の影響かも。イブラヒムがめっちゃやってたんですよね『ストV』。ただ、配信で『ストリートファイター』シリーズを遊んだって意味だと、“レバガチャダイパン”が初かもです。でもオレ、“釈迦だぷぅ”(※)とか言ってたんで、確実に『ストV』の流れはあったような。
※安土桃……にじさんじSEEDs1期生のひとり。絵を描くことが大好きで、バーチャルクリエイターを目指している。2024年1月31日ににじさんじを卒業した。 ※イブラヒム……にじさんじライバーの1人。元石油王。石油の価値が下がったため、今は偶然掘り当てた温泉で生計を立てている。2023年に行われた“KZHCUP”にも出場しており、『スト6』でメインキャラクターとしてジュリを使用している。 ※釈迦だぷぅ……『ストV』中にSHAKAに「世界一うざい」といわせた葛葉の煽り。 松本
“釈迦だぷぅ”(笑)。あったね。
VIDEO
松本
あれかな、当時なんか「格ゲーをにじさんじライバーでいろいろ遊ぼうぜ!」、みたいな流れがあって。『 GUILTY GEAR -STRIVE- 』とか『 グランブルーファンタジー ヴァーサス 』とか遊んでたのを見た気がする。 葛葉
そうそう、それで「格ゲーおもれ~!」ってなって、そのなかでもハマったのが『ストV』だったんすよね。で、オレだけハマりすぎて、周りの人はやらなくなっちゃった。
松本
あるあるやね、上手くなりすぎてみたいな。
葛葉
いうてそんな上手くもなかったんですけどね(笑)、「初心者にしてはやるね」くらいだったと思います。イブラヒムがララを使ってて、オレが豪鬼を使ってて。基本的にイブラヒムのほうが上手くなるの早いんですけど、それに追いつこうとふたりでずーっと対戦してましたね。
松本
あぁ、思い出した。そのあたりからタチ(※プロゲーマーの立川氏)が配信にコメントするようになったんよね。
葛葉
そうそう! ただ当時の立川さん怪しさがものすごくて(笑)。コメントの人たちも「あの人あまり近づかないほうがいいよ」みたいな空気出してて(笑)。ただ、すげぇやさしく『ストV』を教えてくれたんですよ。
松本
タチの“前ステ”(※)は今も昔も逸品やからなぁ。
※前ステ……前ステップの略。キャラクターを前方にすばやく移動させるアクション。 葛葉
ドライブラッシュが生まれる前から、ドライブラッシュを(笑)。でもうれしかったですよ、うまい人から教わるってことも貴重だったんで。
松本
そうよね、いまで言うコーチングよね。と、話を遡りすぎたけど、それくらい前から葛葉さんのことは知っていました。『スト6』を発売して“KZHCUP”のお話をもらったとき「あのとき期待していたことが、ついに実現した!」とうれしかった。 今回、オフラインならではの要素もあるよね。
葛葉
そうっすね! エキシビションマッチはとくに、オフラインで活躍しているストリーマーさんも呼びたいと思ってお声がけしました。
松本
エキシビション参加者には『ストV』のころから対戦してた人もいるもんね。
葛葉
釈迦ちゃ、Sasatikkとかがそうっすね。
松本
そこにも歴史があるなぁと感慨深くて。その話を聞いたときには、おこがましいですが親のような気持ちで見ていました。
葛葉
いやもう、そんな風に言ってもらえるなんてめっちゃありがたいっすよ!
リアル会場で実施する決勝戦 松本
実際にイベントをやるってなってから、皆さんコーチング受けたり練習してるよね。しかもすごい頻度で。
葛葉
そうなんすよ。気合の入ったメンバーが多くて。
松本
主催として、イベントに向けてみんなが練習してるの見ると、どう思う?
葛葉
やっぱ、うれしいっすよ! 真剣に決勝進出を目指してくれてるんだなって。
松本
3チームしか決勝に行けないからね。
予選を経て、上記3チームが決勝戦に臨む。なお前述の通り、対談時はまだ予選前。
葛葉
にじさんじのイベントって、ガチめというよりは和気あいあいとした、カジュアルなものが多いんですよ。そのなかでも今回のイベントは、かなりガチ寄りなのかなと。決勝戦に行ける枠が少ないですしね。あと、年末年始のイベントということもあってみんな忙しいから、どれくらいの熱量で挑むのかっていうバランスも難しいでしょうし。
松本
ほかのイベントがカブってるライバーさんもいるもんね。
葛葉
だけどみんなかなりがんばってくれてるんです。ランクマッチを回してたり、あと操作しにくいからってネイル切った人もいますね(笑)。(※)
※ネイル切った人……にじさんじライバー・倉持めるとさん。長いネイルが対戦のミスにつながったとき、後悔するだろうと思い、ショートネイルにした。 松本
ガチやな(笑)。負けず嫌いの人たちが多いイメージ。というか葛葉さん、みんなの練習とか見てたら対戦したくならへんの?
葛葉
いややりたいっすねー! 叢雲カゲツ(※)とかもうすげー強いの! オレより強いだろ、倒してー! って思ったりして(笑)。
※叢雲カゲツ……にじさんじライバーの1人。西のヒーローDytica所属で人里離れた村の忍者集団のエース。『スト6』でメインキャラクターはブランカを使用。2025年12月15日にはランクマッチ最高位であるMR2000に到達した。 ――みなさん大会に燃えていますね。これだけの熱量を持ってくださるのは、松本さんとしては開発者冥利に尽きるのではないでしょうか。
松本
そりゃもう!いろいろなゲームがあるなかで「今日の配信は『スト6』をやろう」みたいな候補の1個になっているだけでも、すごくありがたいですし、うれしいです。 ストリーマーさんやVTuberの方々って、そもそもゲームが得意な人が多くて、ガチで対戦してくれるし、上達するスピードが早いなって感心します。ストレートにうれしいですし、それが対戦格闘ゲームと相性いいなとも感じます。ただ不思議なもので、格ゲーって上手くなればなるほど、ムカつくことも増えるんですよ(笑)。
葛葉
いやもうマァジで(笑)。
松本
「ムカつく、何やねん!」って思いながらも、ついつい対戦しちゃうもので。
葛葉
ゲームや相手にムカついてるんじゃないんですよね、自分が負けたことやミスしたことに対する“悔しい”気持ちなんですよね。
松本
で、ムカつけばムカつくほどパフォーマンスが落ちて、さらに負けるのよね(笑)。
葛葉
デススパイラルありますよね。それくらいハマってる、のめり込んでるってことなんですかね?
松本
のめり込んでるからこそ、キツい言葉とかが出たりね。視聴者からすると乱暴に聞こえるかもしれないけど、そういう悔しさが僕は美しいと思う派ですね!
葛葉
あー、よかった! その、そういう言葉が出ちゃうときがあるんで(笑)。
松本
いいよいいよ、人に迷惑かけなければ。直接言うのはもちろんよくないけど。僕も家で遊んでるとき、まあ喋ろうとは思ってないんですよ。でも後ろで見ている奥さんが言うには、対戦中も「ええて! もうええて!」とか言ってたり、ケンの勝利ポーズに腹立ってたりするらしいんですよ(笑)。やっぱそういうものなのかなと。でも悔しいし、勝ったときのうれしさもまた格別なので、またやっちゃうんですよね。
葛葉さんと『スト6』 ――葛葉さんが『スト6』でとくに好きなポイントはありますか?
葛葉
あんまり言葉にしたことないと思うんですけど、オレ『スト6』のことめっちゃ大好きです。ほかのゲームだと、負けたときとかにすごく言い訳しちゃうんですよ。環境とかで。でも『スト6』は基本的に自分の技量に対してだけで、言い訳する余地もない。ずっと反省し続けられるのが、すごくいいんですよ。と言いつつ、最近は相手のせいにするときもあるけど……(笑)。
松本
相手とキャラクターのせいね(笑)。
葛葉
でも根本は、当然自分が悪いと思っていて。あと、対戦に挑めるまでのテンポがすごいスムーズで、ポンポン試合できるのがいいです。ゲームを買って、「こんなに何度も対戦していいの!?」って思いますね。もともとは、ゲームセンターで100円入れて対戦してたものなわけじゃないですか。もう対戦数だけで『スト6』の価格超えてると思います。
松本
まあ、ダウンロードコンテンツもあるけどね(笑)。
葛葉
そうそう、あとキャラクターの追加スピードがちょうどいいと思ってます。
松本
そう言ってもらえるとありがたい!
葛葉
一時期は「早く!」と思ったりもしてたんですけど、これくらいのスピードなら「ちょっと新キャラクター触ってみようかな」と思えるし、復帰もしやすいと思うんですよね。 ――葛葉さんが遊び続けていて、『ストV』との違い、よかったポイントを感じた点はありますか?
葛葉
まずドライブシステムがおもしろいっすね。とくにドライブラッシュ。あとモダン(※モダンタイプ操作)もめっちゃいいシステムだと思います。コマンド入力が要らなくて人に勧めやすい、神システムだと思いますよ。初心者への間口が広い状態で盛り上がっているのが、すごいな~って。あの、正直『ストV』はめっっちゃおもろいんですけど、初心者の人には勧めにくかったなって……。
松本
“にじストV部”見てたとき、みんなめっちゃしんどそうやなって思ってました。必殺技を出せたりコンボを決める事ができて、そこから対戦相手との読み合いとかになると格ゲーってめっちゃ楽しいんですよね。だから『ストV』の時点で、モダンタイプ操作については検討してて。『スト6』は2018年から作ってたから『ストV』を運営しながらも、早く皆さんにお届けしたいなと思ってました。
葛葉
しかもオレたちが『ストV』を遊び始めたのって、後期の超煮詰まった時期だったんですよね。もうすき焼きの最後のほうの、味が超濃い、ちょっと焦げて苦味すらあるような時期で(笑)。それでも楽しめたから、『スト6』をイチから遊んだらそりゃ楽しいっすよね。あとなにより、友だちといっしょに遊べるっていうのがいちばん楽しいっす。
松本
それはそうね! 友だちとワイワイやるのめちゃくちゃ楽しいもんなぁ!
葛葉
ストリーマーの皆さんと『ストV』で絡んだことありましたけど、絡みたてだったこともあって、いまほどなじめてはいなくて。でも『スト6』では“CRカップ”(※)の開催があって。そこでガッと盛り上がり、ストリーマーもVTuberもみんな『スト6』の深みにハマって、やっぱそこで、大会に出る魅力っていうのをイチ出場者として感じてました。
※CRカップ……プロゲーミングチーム・Crazy Raccoonが主催するゲーム大会。『スト6』の発売から1ヵ月も経たないうちに“第1回 CRカップ『ストリートファイター6』”が開催され、出場するストリーマー・VTuberたちをプロゲーマーたちが鍛えていく様子などもあり、大きな盛り上がりをみせた。 好きなのは豪鬼? ルーク? ――葛葉さんは豪鬼を使用していますが、以前はルークを使っていましたよね。このふたりがお気に入りキャラクターなのでしょうか?
葛葉
ルークと豪鬼はかなり好きですね。いまは豪鬼がすごいお気に入りで、ストレートにカッコイイなって。あと“体力が9000”(※ほかのキャラクターは基本10000)っていう、体力の低さがイイ(笑)。
松本
そこがええんや(笑)。
葛葉
リスクがあるけど、代わりに強いみたいなのが好きなんすよ。『ストV』で影ナル者(※リュウから離れた“殺意の波動”の化身)を使ってたのもソレが理由っす。
松本
基本は見た目でキャラクター選ぶの?
葛葉
見た目から入るんすけど、それももちろん大事なんすけど、いまは見た目よりも強さ優先しちゃうかも。見た目で言うと、最初ジェイミー使おうとしてたんですが、当時まだジェイミーの開拓が進んでいなかったから、選ばなかったんですよね~。
松本
あのときはルーク強かったもんね。しゃがみ中パンチ中心に(笑)。
葛葉
いやぁ、戻してもいいんじゃないすか~?(笑)
松本
もし戻ったらルークやる?
葛葉
いやいやオレのためじゃないっすよ? ルーク使いのために言ってるだけっすよ?
松本
立派に格ゲーマーっぽくなっちゃったねえ(笑)。
葛葉
(笑)。でもやっぱルークには思い入れ強いっすね。あらゆる死闘を戦い抜いてきた英傑であるプロゲーマーの方々と『スト6』を通して、ストリーマーやVTuberが師弟関係を結んでいく、みたいな流れがあって、そこでチャンボン老師(※プロゲーマー・ボンちゃん氏。葛葉さんと同じくルークや豪鬼の使い手。)と出会ったんです。そういう経験も込みで、ルークが好きですね。
松本
イジワルなこと聞くけど、ルークと豪鬼やったらどっちがいい?
葛葉
いや、むずいっすそれは。どの言葉を選んでもむずい(笑)。完全二択はちょっと(笑)。
松本
たとえばどっちか片方しか、永久に使用できないってなったらどっち? もう性能は自分の納得できる最高の形のもので。豪鬼の体力10000でもいいよ。
葛葉
えー! それはズルい……。いやーでも、ルークがオレのこと見てるんだよなぁ……。
松本
めちゃくちゃ思い入れある!!
葛葉
そーなんすよ。ルークは心の思い出の部分が強くて。なんか、存在しない出来事なんですけど、オレ、ルークといっしょにゲーセンでいっしょに遊んだ記憶があるくらいには、好きなんすよね。
松本
ルークとゲーセンで遊んだとかすごいやん(笑)。ほかのキャラクターってどう見てるの?
葛葉
気になるキャラクターはたくさんいますよ。初めて触ったのはジュリですし、ケンもカッコいいからすごい刺さってて。どっちも見た目がいいですよね。
松本
『ストリートファイター』って最初は性能の強さで選ぶ人もいるけど、使っているうちにキャラクターのことも好きになっていく人もめっちゃいるんですよね。
葛葉
結構キャラクターのパーソナルを見てる人も多いかもですね!
葛葉×豪鬼アイテム登場! ――今回、葛葉さんカラーの豪鬼が配信されますよね。
葛葉
いやもうちょーうれしい! ちょー、ぜつ! うれしいです! マジでうれしいっす! こんなんいいの!? って思って。 いやもう大々的にコラボだと言わないほうがいいのかな、って思うんですけど、なんでこんなにゲーム配信者たちに寄り添ってくれるんだよ!? 『スト6』みたいなビッグタイトルが! こんなことしなくても売れてるじゃん! って。なんでこんなにオレたちのこと見てくれてるんだろう。チラ見じゃないんですよ。ガン見してくれて。 天下のカプコンさん、天下の『ストリートファイター』がこんなにオレたちのことを見てくれるなんて、なんでだろうと不思議なくらいです。どういう心持ちでやってるのかなって、失礼かもしんないすけど、逆に気になりますね。
松本
『ストV』のときも特別称号を作ったりね(※専用の称号・#にじストV部)。
葛葉
あった。あれもうれしかった!
松本
ああいうのがあると、配信者だけじゃなくて、配信者の先にいるファンも喜んでくれるんじゃないかなって思ってます。特別な称号をもらって喜んでいる、その配信者を見てまた視聴者もうれしくなるというか。 だから配信者のファンに向けてゲーム買ってほしい、みたいなことよりも、そういった配信者の姿を見てファンの皆さんにも喜んでもらうためにやっている施策ですね。もちろん、今回の葛葉さんカラー豪鬼はぜひ皆さんにも触ってほしいですけど。
葛葉
そういうことなんすね。いやありがとうございます! でも、誰よりもオレが喜んでますよ。でもじつは「これオレだよ!」ってあんまり言わないようにしようと思ってて……。
松本
なんでなんで?
葛葉
いやだって、イチプレイヤーがこんな待遇受けるみたいなのって、ちょっとずるいっすよね、『スト6』や豪鬼ファンの人が嫌がらなかったらいいなって。なんで、豪鬼がたまたまあの服着てるだけです! ってことにならないかなって。
松本
なるほどね、「なんか似てるくね?!」くらいの感覚にするってことね(笑)。カラー以外にも今回、乱入イラストを葛葉さんに描いてもらったんですよね! ――乱入イラスト、どんな苦労がありましたか?
葛葉
いやこんな、豪鬼の乱入イラストまで作らせてもらっていいんすか!? って驚いたんですけど、もう“豪鬼とは何か”みたいなところから考えてすごく苦労しました。いっぱい候補を出させてもらって、その1個が選ばれたときに「あ、これが採用されたんだ!」って驚きました(笑)
松本
10個くらい描いてくれたんよね?
葛葉
そうなんすよ。惑星豪鬼のほか、UFOに乗った豪鬼とかもあったんですよ。
松本
あったあった(笑)。そのなかから1枚に我々でカラーを付けて、乱入イラストにしました。
葛葉
しっかり色付けてもらえてうれしかったです。世のイラストレーターさんたちはあまり使用していないらしいWindowsの“ペイント”で描いた線だけだったのに。いや~いいっすねーこれ。
松本
あとメッセージ性を感じるのもあったよね
葛葉
舞の花蝶扇を踏み潰してる豪鬼とか、あとオレと言えばみたいなところで“伝説のチョップをする豪鬼”(※豪鬼の中段技のこと)とか。そんな技名ではないんすけど(笑)。
花蝶扇を踏みつけるメッセージ性の強い豪鬼
伝説のチョップをする豪鬼・その1
松本
“伝チョ”な(笑)。けっこう細かい部分まで描かれてて驚いた!
葛葉
そーすよね? 手首の縄とかも描いてますから(笑)。豪鬼のOutfitどっちを描けばいいかな、みたいな悩みもありましたね。もうね、もちろん10枚全部使ってもらってもよかったんですけど、さすがに1枚でしたね。使ってもらっていいんですけどね!
松本
これ、全部解説が欲しい!(笑)。僕、“伝チョ”のイラスト、最初伝わらなかったもん。
葛葉
いやいやいやいや! だからわかりにくいかなって、もう1個“伝チョ”イラスト描いたんすよ。
伝説のチョップをする豪鬼・2
松本
それで2枚あるんか!(笑)このイラストの解説は?
葛葉
指さして「つぎはお前だ」ってやってます。
松本
なるほど(笑)。
ほかの没案も、せっかくなので掲載!
葛葉
いま改めて思ったんすけど、ふつうに松本さん“伝チョ”って使ってくれるんすね。
松本
使うよ(笑)。“伝チョ”に限らずなんやけど、おもしろいのが『スト6』って別名で呼ばれる、スラングになる技が多いのよね。“ドリーム”(※特定のキャラクターの必殺技やコンボに組み込まれた強力な性能や独特な状態のこと)とかね。もともと『ストリートファイター』には“大足”( ※しゃがみ状態から出すしゃがみ強キック)とか“大ゴス”(※リュウの“鳩尾砕き”の技の俗称)とか言ってる技があるから、その枠よね。
葛葉
そこまで広まりました?(笑)。
松本
なんか“伝チョ”って呼びやすいんよね。なぜか語呂もいいから覚えやすい。でもこれ、なんで伝説のチョップなん?
葛葉
伝説なんてないんですけど、伝説の技と称して多用してたんすよね(笑)。
松本
あぁ、男子がつけたがるような技名ってことね(笑)。
葛葉
そんなとこです(笑)。“伝チョ”は実際の乱入イラストには採用されなかったんですが……。でも、初代“KZHCUP”称号付けてる人と対戦でマッチングするとすごいうれしいんですよ。なので、今回カラー、称号、乱入イラストとたくさん用意してもらったんで、また出会えるのかなって。
今回の大会で配布される特別称号
松本
今回のコラボのものはフルセットで、全部付けられるからね。
葛葉
でも聞いてて驚いたのが、こういうゲーム内アイテムって、本当に配信を見ている視聴者に喜んでもらいたいという理由でやっているんだなって。
松本
そうね、ビジネスとしてやってることではないね。
葛葉
でも、ビジネスであるべきですよね?
松本
本来そうなんやけど、そんなことより「うれしい!」って思ってもらいたくて。ゲームを楽しんでもらいつつ、こんな大会イベントを開催してくれてありがとう、という気持ちがめっちゃあります。そして何よりも、出場してくれているライバーを推しているファンが「推しててよかった」「応援しててよかった」「がんばってる姿を見られてよかった」と思ってもらえることが最優先かな。 前回の“KZHCUP”では出場者の名前を描いたグラフィティアートを用意したけど、じつはあれ『スト6』チームが自主的にやったことなんよね。今回は時間の都合で残念ながら用意できなかったけど……。
葛葉
そうだったんですね!? こっちからお願いしたものかと。
松本
ANYCOLORさんに提案して許可が得られたから「じゃあ全員分用意しようぜ!」って(笑)。自分たちの作ったゲームが、楽しい!イベントを開催したい!って思ってくれたら、やっぱり我々もうれしいし、その気持ちがあって開発チームメンバーも自然と手が動くというか。やっぱ喜んでもらえたらうれしいのよね。
葛葉
いや、カプコンっていい人ばっかりなんすか!? なんか、開発者の皆さんのそういう言葉を聞けてよかったです。
松本
オンラインで遊んでいる人のことはデータとかで認識できるんやけど、実際に遊んでいる姿ってのをこの目で見る機会は少ないんよね。だから、ゲームを遊んでいる人の姿や応援する人の姿が見られる、こういうリアルイベントを開催してもらえるのは、我々としても本当にありがたいです!
葛葉
こっちからしたら、ゲーム遊ばせてもらって、イベントまでやらせてもらって、しかもなんか称号とかもくれるし、グラフィティまで用意してもらったりして。今回はオリジナルカラーや乱入イラストもあって。なんか、オレの気持ちは“エサをいきなり目の前に大量に置かれた猫”でした。
松本
食べきれへん、みたいな?(笑)。みんな喜んでもらえたらいいよね。“うれしい”の循環ができればいいなと、思っています。
葛葉さんの好みはカッコよさ×機動力! ――今後、葛葉さんが『スト6』に期待していることはありますか?
葛葉
まず追加キャラクターが楽しみっすね! アレックスとか強そうだけど、対戦したらオレ絶対キレると思う……。
松本
見た目が“投げキャラ”っぽいから?(笑)。
葛葉
いやーどうでしょう、でもオレ、ザンギエフにはそんなキレないんすよね。
松本
キレすぎて慣れただけとか?
葛葉
そうかも(笑)。コマ投げ(※投げ必殺技)はあるんですよね?
松本
最終的にどうなるのかはまだまだ調整中やけど、アレックスファンとしてあってほしいだろう要素を楽しみにしてほしいですね!あと、とにかくかっこいい!
葛葉
あと、イングリッドは使ってみたいなって思いますね。カッコよさそうだし、あとコメントで“ストーリー上だと最強”みたいなこと教えてもらって。
松本
そうね、イングリッドは『スト6』でいちばん特殊なキャラクターになるかも。『ストリートファイター』シリーズのなかでも、かなり特殊なんで。
葛葉
そうなんすか!?
松本
たぶんみんな見たら「おーっ!?」って思うんちゃうかな。
葛葉
うわ、楽しみだなぁー! 絶対触ってみます。 ――葛葉さんが、今後追加してほしいキャラクターはいますか?
葛葉
やっぱ、影(※影ナル者)っすね。あとは殺意リュウ(※殺意の波動に目覚めたリュウの姿)とか。
松本
好きやなぁ(笑)。洗脳ケン(※ケンが洗脳されて理性を失った姿)ってのもいるけど、どう?
葛葉
それもたぶん好きっす!
松本
それ系以外なら?
葛葉
カッコいいやつなら何でもいいかも。あの『ストV』にいた、Gとかいいっすね。イケおじもありっす。あ、あと前に行けるキャラクター。ラッシュのノリがいいキャラクターが好きなのかも。
松本
ああ、ジュリとかも機動力あるし。
葛葉
腑に落ちました、オレ機動力が好きなんすわ! 機動力があって、カッコいいキャラクター。これっす!
異なるファン層が混ざり合う瞬間を ――では最後に、今回“KZHCUP”の開催により、『スト6』に興味を持つ方や、にじさんじに興味を持つ人が、現れると思います。どちらに対してどのようにお考えでしょうか。
松本
『スト6』のストリーマー系イベントはプロゲーマーや各キャラの猛者たちが、選手にコーチングするというものが多いですよね。これ、めちゃくちゃ大事な要素だと思います。コーチ陣のファンが、にじさんじライバーを知ることにもつながりますし、その逆もあるんですよね。 で、コーチが実際にプロシーンやスト6の大会などで活躍しているシーンを見て「こんなに強いんだ、カッコイイ!」と思う展開が生まれたりもして。相互的にめっちゃいいきっかけ作りになると思ってます。 そういった機会って、ふだんはなかなか作れないと思うんです。そういった自分の推しを新たに見つけられるイベントでもありますし、そういった部分の発展にも期待していますので、ぜひイベントに見に来てほしいなと思います。
葛葉
マジメ!
松本
マジメにならなあかんとこやから(笑)。
葛葉
どうしようー! 全部言われちゃったんですけど!
松本
同じ気持ちってことよね。
葛葉
そう! 同じっす。にじさんじはたくさんのメンバーがいますからね。人それぞれ応援したい人がいると思うんで、きっと楽しんでもらえるのかなって。はじめましての方も、そのバリエーションの中からきっと自分に合う人がひとりくらいは見つかるんじゃないかなって。 オレらキッカケに『スト6』を知ってもらって、そして遊んでない人は、自分でもプレイすると観戦ももっと楽しくなると思います。ここで大事なのが、モダン操作なんすよね。もうとりあえず触って遊べる、ってのがいいですよね。ライバーたちが使ってる技を自分で出す、って楽しみもできたりして、それも楽しいのかなって。 あとは、プロゲーマーの皆さんの活躍も、理解しながら楽しめるようになるんすよ。オレたちに教えてくれてる人たちって、じつはメチャクチャすごい人なんだなって知ってほしいし、それを感じてもらうためにも『スト6』を遊んでほしくて。遊んだことがない人は、ぜひ決勝大会前に『スト6』触ってみてもらいたいです。
松本
マジメやなぁ~。
葛葉
えぇ!? マジメになる時間なんでしょ!?
配信情報 決勝戦/エキシビションマッチはABEMA(アベマ)で全編無料放送!“マルチアングル付き視聴チケット”では通常の本編配信を含めて5つの視点を切り替えながら楽しめる。アーカイブ配信は“マルチアングル付き視聴チケット”でのみ視聴可能で、メタルキーホルダーとパス風カードが付属する、グッズ付きチケットも販売中。