会場では、日本・アジア地域で開発されたタイトルにおいて、特出した全世界売上を達成した作品に贈られる“GRAND AWARD(グランドアワード)”を受賞した『モンスターハンターワイルズ』の辻本良三プロデューサー、徳田優也ディレクターへの囲み取材が行われたので、その模様をお届けする。
ユーザーからの熱心な声が今回の受賞やアップデートの力になった
また新規要素として、たとえば“集中モード”のように、初心者の方、既存のユーザーの方にも有益なものを実装することも心掛けました。
本作の施策で、とくに新規ユーザーの方、いままでクリアーできなかった方がクリアーしやすい構造にしようと取り組みましたが、とくに下位の部分の難度について、既存のユーザーの方には少し物足りなさを感じさせた部分もあったかと、申し訳なく思っております。
ただ、その点においては、アップデートを通じてより遊びごたえのある難度のコンテンツや装備レアリティなども追加しておりますので、発売直後にクリアーされて、その後遊んでいない方にも、次回アップデートを含めてまた遊んでいただければ幸いです。
――今作は、過酷な自然との共存をメインテーマに掲げられていると思います。従来のシリーズ作と比較して、プレイヤー体験にどのような変化をもたらすことを意識されましたか?
それゆえ、厳しい環境でありながら豊かな実りをもたらす“禁足地”の環境、自然環境自体が、人と自然の関係性を表した、テーマを体現したような舞台になっております。
また今回、新人ハンターではなく、各地で任務を遂行してきた凄腕ハンターが集まっているような描きかたをしているのも新しい取り組みです。そのハンターがいない地域での人とモンスターの関わりや、ハンターが訪れてからの自然やモンスターとの関わりの変化を体感していただきながら、「やっぱりハンターはすごいな、かっこいいな」ということをこれまでのタイトル以上に感じていただけるようなゲーム体験をご提供することを心掛けて制作しました。
――ゲーム内のアップデートやコラボ、ゲーム外の展開など、とくに印象に残っているプロモーションを教えてください。
コロナ禍の影響が続いていたこともあり、“モンスターハンターフェスタ”の開催は久々となります。プレイヤーの方々と直接お会いできること、タイムアタック大会“狩王決定戦”を通じて、皆様の素晴らしいプレイを拝見できること、本当に楽しみにしております。
本シリーズは、プレイヤーの皆様が主人公ですので、来年にはなりますが、皆様にはイベントや“狩王決定戦”を存分に楽しんでいただけたらうれしいです。
――発売後もタイトルアップデートや季節イベントが展開されていますが、手応えはいかがでしょうか?
また、前回の季節イベント“交わりの祭事【夢灯の儀】”では、追加ジェスチャー“カボチャかぶり”を楽しんでいただいていたり、同ジェスチャーで低確率でかぶることができる白いトマトを出現させるためにジェスチャーを連打してくださっているプレイヤーさんがいらっしゃったりと、狩り以外にも楽しんでくださっている姿もみることができたのもうれしく思っております。
――先日実施された、スクウェア・エニックスのオンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV』とのコラボコンテンツは大きな話題を呼びました。超高難度クエスト“零式オメガ・プラネテス検証戦”は難しいという声も多く見受けられましたが、反響はどのように感じられていますか?
『ファイナルファンタジーXIV』さんとのコラボで実装した“零式オメガ・プラネテス検証戦”に関しては、『モンスターハンター』のモンスターではできない、多彩な兵器を使った高難易度のアクションが楽しめるコンテンツとして設計しました。クリアー率も、おおむね想定通りだったかと思います。
“零式オメガ・プラネテス検証戦”のソロ討伐については、想定よりもたくさんの方がチャレンジしてくださっていました。討伐タイムもとても早かったです。
難度については、前回の季節イベントでは、強力なランス使いのサポートハンター・ファビウスが期間限定で同行できるようにし、クリアー率を高める施策も展開しました。次回のタイトルアップデートでも、そうした施策を実施できればと考えていますし、今後のアップデートで防具の防御力のパラメータや各種武器種の上方調整も行ってまいります。
そして、さまざまなコンテンツによってスキルビルドが多彩になり、プレイヤー側のパラメータも強化されていきます。現時点ではクリアーが難しい、素材集めが困難だという方にも、各種アップデートで強化しながら挑戦していただければ幸いです。
――ユーザーの遊びかたや視点、世界や生態系の着眼点、分析力など、印象に残った反響があればお聞かせください。
皆さんの視点、分析力という意味では、モンスターにはさまざまな行動を実装しているのですが、モンスターの糞に着目して分析をしている方がいらっしゃいました。また、モンスターのどうしの争いにおいて、さまざまな条件によって勝敗が変化するシステムが取り入れているのですが、あらゆるパターンを分析してくださっていたり、モンスターの生態系について、日光浴などあまり見られない行動も分析されている方もいて、すごく印象的でした。
そのほか、先ほど少し触れましたが、季節イベント“交わりの祭事【夢灯の儀】”で登場した、追加ジェスチャー“カボチャかぶり”で稀に出現する白いトマトが、守人の里・シルドのタシンの近くでは高確率で出現するということに、かなり早い段階で気付いてくださったのにも驚きました。開発チームとしては、気付いてもらえるか不安だったのですが、皆さんが深いところまで遊んでくださっているようでして、我々開発チーム一同喜んでおります。
――『モンスターハンター:ワールド』から一層世界市場での『モンスターハンター』の存在感が高まった印象です。世界を視野に入れるうえで特別に意識していることはありますか?
また、グローバルの各地域でコミュニティマネージャーを配置し、よりグローバルコミュニティのお声を開発チームに伝えるように取り組んでいます。僕たちも積極的に海外に訪れ、各地域の方のプレイ感を学び、インプットしていくことも心掛けております。
――数々のメガヒット作を有するカプコンにおいて、これから『モンスターハンター』はどのような存在を目指しますか?
その中で、『モンスターハンター』は第1作目を発売してから20年以上が経過しています。長年プレイしてくださっている方に楽しみを提供し続けること、そして新しい、若い年代の方にもプレイしていただき、さらに『モンスターハンター』を広げていくことは引き続き重要ですし、その努力は今後も継続していきたいと思っております。
――今後の追加コンテンツや改善予定の要素などで、ユーザーに期待してほしい点はありますか?
また、ゴグマジオスのほかにもやり応えのあるクエストは随時追加していく予定ですので、そちらのほうもお待ちいただければと思っております。
加えて、各種武器種の上方調整もございます。ガード武器全般の調整、操虫棍の操作性の改善など、あらゆる調整を行いますので、そちらもお楽しみいただきたいです。くり返し遊ぶ際により便利に、快適になるような施策を実施し、改善を行ってまいりますので、引き続き本作を楽しんでいただけたら幸いです。















