『テイルズ オブ エクシリア リマスター』富澤祐介氏「新作に関するアナウンスはもうしばらく……」リマスタープロジェクトについて語る。キャスト(代永翼さん、沢城みゆきさん)やオリジナル版開発陣のコメントも到着

『テイルズ オブ エクシリア リマスター』富澤祐介氏「新作に関するアナウンスはもうしばらく……」リマスタープロジェクトについて語る。キャスト(代永翼さん、沢城みゆきさん)やオリジナル版開発陣のコメントも到着
 シリーズ15周年記念作品にして、初のダブル主人公を実現した“揺るぎなき信念のRPG”『テイルズ オブ エクシリア』が、リマスターされて現世代機向けに復刻。2025年10月30日発売で、対応機種はNintendo Switch、プレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC(Steam)。
広告
記事のサムネイル画像 関連記事

ゲーミングPCおすすめ15選。10万円台から~50万円超えハイエンドまで、デスクトップPCやノートPCをまとめて紹介【2025年9月版】

おすすめのゲーミングパソコンを紹介。マウスコンピューターやドスパラ、フロンティア、TSUKUMOのBTOゲーミングPCと、ASUS、MSIのデスクトップ、ゲーミングノートから、さまざまなゲームに活用できるモデルを予算10万円台から50万円超えまで幅広くセレクト。
 2025年で第1作発売から30年もの年月を数える『テイルズ オブ』シリーズ。そのちょうど中間点となる15周年記念作品として登場したのが『テイルズ オブ エクシリア』だ。

 シリーズ初のダブル主人公制のほか、キャラクターの頭身アップなど多くの変革が行われた作品で、個性派揃いの人物たちの活躍を描き出す群像劇のような物語構成も魅力。ペアで協力し合う“DR-LMBS(ダブルレイド リニアモーションバトルシステム)”など、仲間との絆をフィーチャーしたバトルを始め、独自のシステムも大きな特徴のひとつだった。
[IMAGE][IMAGE]
 リマスター版では、快適な遊び心地を実現するために、4K対応や各種ユーザビリティーの向上、オートセーブの実装、エンカウントOFF機能、DLCの収録を始め多数の改善が盛り込まれている。
[IMAGE]
 シリーズの“リマスタープロジェクト”第2弾でもある本作の発売を記念して、主人公のジュードとミラを演じた代永翼さん、沢城みゆきさんのほか、当時の開発メンバーから寄せられたコメントを掲載。さらに、シリーズIP総合プロデューサー・富澤祐介氏へのインタビューをお届けしよう。

ジュード役・代永翼さんミニインタビュー

[IMAGE][IMAGE]
――ジュードを演じることになったきっかけは?

代永 はじめはオーディションでした。じつは『テイルズ オブ』のものだということは伏せられていたのですが、藤島先生が描かれていたジュードのイメージイラストと「魔神拳」という台詞があったので「これはもしかして!?」と、俄然受かりたい気持ちが強くなったのを覚えています。

――ジュードに対して抱いた印象を教えてください。

代永 医者にさせるためにきびしく育てられたのに、グレることもなく本当にまっすぐで誰にでもやさしく、しかも頭の回転も早く柔術も使える好青年ですね。そんな子がミラと仲間と出会い、そしてぶつかり合いながらも冒険を続けていくうちにだんだんと成長していく。その姿がステキでかっこいいと思いました。いちばん驚いたのは、剣ではなく拳にナックルを付けて戦うスタイルだったことです(笑)。

――収録時に印象に残ったことは?

代永 「アニメのお芝居ではなく、リアルを追求したお芝居にしてほしい」というディレクションを受けたことです。とても苦労しましたね。たとえば、建物から建物に飛び移るときだとか、走るときの息遣い。対話の際の相手との関係性や距離感なども追求し、細かく何回も録り直したのを覚えています。当時は収録が終わるたびに「何でできないんだろう」と落ち込んでいました(笑)。あとは専門用語の発音や単語が難しかったです。“リーゼ・マクシア”、“クルスニクの槍”あたりはアクセントに苦労していました。いまとなってはいい思い出です。

――“テイフェス”などゲームの外でジュードを演じるときは、どのようなキャラクターで演じているのでしょうか。

代永 あまり変えていませんね。ただ、“テイフェス”ではだいたい、登場するキャラクターの中ではわりと冷静に物事を見たり考えて行動するほうなので、ツッコミ役に回ることが多いかもしれません。だから、アルヴィンを始めまわりのキャラクターたちからは「優等生ちゃん」と言われてしまうんですけどね(苦笑)。

ミラ役・沢城みゆきさんミニインタビュー

[IMAGE][IMAGE]
――ミラを演じることになったきっかけは?

沢城 オーディションではなく、ご依頼いただいた作品だったと記憶しています。ゲームに疎い私でも、『テイルズ オブ』というタイトル(シリーズ)はもちろん知っていたので、響きにすごみがあり、ありがたいなと思いました。

――ミラに対して抱いた印象を教えてください。

沢城 いのまた先生のデザインが本当に素敵で、前髪のグラデーションも印象的ですよね。見た目の凛々しさそのままに、使命をまっとうする志も透徹しているのですが、人間の世界については知らないことがたくさんあり、赤ちゃんのような無垢な興味を持つ一面もありました。精霊の主として迷いのなかったところから、徐々に人間のような葛藤をするようになる変化が魅力的なキャラクターです。

――収録時に印象に残ったことは?

沢城 ……そんな揺れ動くキャラクターなので、バランスを取るのが難しかったです。頂点に立つ者ではあるけれど、私欲はなく、人の心に近づいてはゆくけれど、人外のものである気品さも残さなくてはならず……。考えすぎると息が詰まってきて、ロボットのような表現になってしまい本末転倒で(苦笑)。収録に携わった全員に、根気強さを求める作品だったと思います。収録にはお時間をいただきました。

――“テイフェス”などゲームの外でミラを演じるときは、どのようなキャラクターで演じているのでしょうか。

沢城 キャラクターは維持しながらも、ユーザーの皆さんと『テイルズ オブ』シリーズの魅力のひとつでもある、そうした“あそび”の部分を楽しめたらいいな……! と、飛び込む気持ちで演じさせていただいてきました。ことにミラは食いしんぼうな一面がフィーチャーされる印象も強いかと思います(笑)。楽しんでいただけていたらいいな。

オリジナル版開発スタッフからのコメント

奥村大悟氏
[IMAGE]
Q オリジナル版制作時はどういった役割を担っておられましたか?
A アートディレクションで参加しました。コンセプトアート全般、脇役のデザインやビジュアルの監修などをやっていました。

Q とくに注力した&注目してほしい要素は?
A ラ・シュガルのデザインです。木造都市というキーワードを建築デザインの分野で聞きかじって、それをヒントに木を魔法の力で造形した、生きている建築郡で作られた都市、というコンセプトでデザインしたものです。スケッチについては、社内用だと思って描きかけで放置していたら、そのまま外部に発表され、ショー用の手提げにまで印刷されてむずがゆい思いをしたことを思い出しました。

Q ご自身が手掛けていない仕様や要素で、注目してほしいことは?
A ミラのデザインでしょうか。このとき初めて外部の先生のキャラクターデザインに対して見た目の注文をさせていただいたのですが、いのまた先生はたいへんおおらかで気さくな方でした。「手足はスニーカー鎧みたいなディテールでお願いできますか?色はこういう感じで、髪の毛は色がグラデで変化して不思議な曲がりかたで……」といった、ぶしつけな注文にも何度もていねいに対応していただいたのが思い出です。いのまた先生の尽力でとても魅力的なデザインになりました。

Q お気に入りのキャラクターは?
A アグリアです。好きなものを入れました。目つき悪くてそばかすで、華奢でちょっと虫みたいな感じ。欲しいものも入れました。

植松弘樹氏
[IMAGE]
Q オリジナル版制作時はどういった役割を担っておられましたか?
A UIゲームデザイナー兼サウンドゲームデザイナーです。HUDやメニューUIなどの仕様設計全般、環境音の実装、ゲーム全体の楽曲設計、発注および実装を手掛けました。

Q とくに注力した&注目してほしい要素は?
A 私がというよりも、UIチームのみんなでがんばったという感じですが、“リリアルオーブ”の画面ですかね。バトル班の仕様をもとに、わかりやすく見た目も華やかなUIを目指して奮闘したことを覚えています。あとは、ニ・アケリアのミラの社の屋外の環境音でしょうか。音楽が再生されているマップなので気付きにくいかもしれませんが、精霊の主たるミラにふさわしい樹々のざわめきをいかに表現するかを追求した気がします。たまにはコンフィグでBGMの音量を落として環境音に耳を傾けてみるのもいいのではないでしょうか。

Q ご自身が手掛けていない仕様や要素で、注目してほしいことは?
A シャン・ドゥの街並みですね。どうやったらあんな場所に闘技場を作れるんだろうと感心します。

Q お気に入りのキャラクターは?
A アルヴィンですかね。板挟みでダメダメな感じが、彼ならではだなと思います。

武者匡彦氏
[IMAGE]
Q オリジナル版制作時はどういった役割を担っておられましたか?
A キャラクターモデルの仕様、制作、調整を行っていました。加えてカットシーンのライティング、カラー、それから表情の作成、演技なども担当しています。

Q とくに注力した&注目してほしい要素は?
A 表情作成、演技にはとくに注力したと思います。また、最初のミラのシーンのくだりやその前の水をのぞき込むジュードのライト方向やら表情やらカラーやらは、序盤ということもあって力が入ったのを覚えています。

Q ご自身が手掛けていない仕様や要素で、注目してほしいことは?
A イバルのキャプチャーの人の動きに少しクセがあって、必ずモーションの前に1回手を釣り払うような形になってしまっていたのを覚えていますが、カットされているかな……。あと、イル・ファンの綺麗な街並みはいいですね。

Q お気に入りのキャラクターは?
A イバル……ではなくてローエンです。モデルの顔を大幅に調整したこともあり、気に入っています。あとティポは声とも相まっていいですね。

穴吹健児氏
[IMAGE]
Q オリジナル版制作時はどういった役割を担っておられましたか?
A バトルディレクターです。

Q とくに注力した&注目してほしい要素は?
A 本作はダブル主人公なので、ふたりでカッコよく戦うバトルにこだわりました。共鳴術技(合体技)だけでなく、敵を挟んだり、かばったり、背面をカバーしたり。とにかく、カンタンにふたりでカッコよく戦えるバトルになっております。

Q ご自身が手掛けていない仕様や要素で、注目してほしいことは?
A キャラクターモデルです。両先生のキャラクターの再現度が高いだけでなく、並んだ際に何の違和感もなく、魅力的なモデルになっています。

Q お気に入りのキャラクターは?
A レイアですね。いまだに「おつかレイアー」と言っています(笑)。

梶原優子氏
[IMAGE]
Q オリジナル版制作時はどういった役割を担っておられましたか?
A 背景セクションリードを担当しました。企画からの発注を受けてステージのレイアウトを制作。作業は社内および社外のスタッフの方々と協力して進行していました。その当時はまだ“ナムコテイルズスタジオ”でしたので、バンダイナムコゲームス(当時)からの要望なども聞いたりしていました。

Q とくに注力した&注目してほしい要素は?
A 段差のぼり、横穴……など、フィールドの探索です。さまざまなものを用意しているので、たくさん探索をしていただければと思います! また、いつも大きな修正をお願いすることはあまりないのですが、お料理についてはチキンの足の角度まで修正していただいた記憶があります。おかげで、かなりおいしそうにできたのでは、と思います。

Q ご自身が手掛けていない仕様や要素で、注目してほしいことは?
A ニ・アケリアに来たときに、ミラが移動していくと周囲の村人たちがひれ伏していくのですが、あのイベントはいま考えても、とても手が込んでいてていねいに作られています。曲も相まって素敵なので、ぜひ見ていただきたいです。それから、初めての藤島先生といのまた先生のダブルキャラクターデザインや、“四象刃”と書いて“フォーヴ”と読ませるといった、中二っぽい言葉にも注目です。

Q お気に入りのキャラクターは?
A ガイアス様です! カッコイイですよね。あとは、パーティーキャラクター以外の人物たちにも魅力があります。クレイン、ドロッセルの兄妹や、イバルなど。もっと、活躍してほしかったな。

渋江康士氏
[IMAGE]
Q オリジナル版制作時はどういった役割を担っておられましたか?
A 演出・絵コンテを担当しました。

Q とくに注力した&注目してほしい要素は?
A 『エクシリア』からはキャラクターのCGモデルもリアル等身に変化し、表情自体も細やかに見せることが可能になったので、この作品から演出方法もナチュラルな動きの表現を目指しました。また、アニメ制作もufotAbleが初参加したということもあり、現場レベルでも話す機会を多くとることで、CGもアニメにイメージを合わせるようにしました。


田中成昌氏
[IMAGE]
Q オリジナル版制作時はどういった役割を担っておられましたか?
A リードゲームデザイナーです。『ハーツ』の開発終了後、同作の企画メンバーが中心となって立ち上げたのが『エクシリア』でした。基礎的なゲームの設計は私が担当し、バトルは穴吹さんにおまかせするという流れでした。

Q とくに注力した&注目してほしい要素は?
A シリーズとしては初めて全編3Dカメラを採用したので、世界の広がりを感じながら冒険していただけるようになったと思います。

Q ご自身が手掛けていない仕様や要素で、注目してほしいことは?
A リマスター作業も少しだけお手伝いしており、ひさしぶりに『エクシリア』を見たのですが、奥村さんがデザインされ、梶原さんたちが制作した背景がいま見ても非常に美しく、シリーズの中でも際立った印象なのに驚きました。イル・ファンなど非常に幻想的で美しいですよね。カメラを回して景色を眺めながら冒険していただければ、また新しい発見があるかと思います。

Q お気に入りのキャラクターは?
A シリーズ初の女性主人公・ミラですかね。ミラの存在があり、『ベルセリア』のベルベットの存在があるという感じです。また女性主人公にもチャレンジしたいですね。

富澤祐介氏が語る『エクシリア』の魅力とリマスタープロジェクト

[IMAGE]

富澤祐介 氏とみざわゆうすけ

『テイルズ オブ』シリーズIP総合プロデューサー

――30周年イヤーのこのタイミングで『テイルズ オブ エクシリア』のリマスターをすることになった経緯を教えてください。

富澤
 今回のリマスタープロジェクトの方針としてお伝えしているのが、シリーズとして30年来の多数の過去作をリマスター対象として持つ中で、さまざまな時代の作品を並行してオリジナルデータチェックから行い、開発着手できるものから進め、完成が見通せたタイトルから順次発表発売を行うということです。その取り組みの中で、今回のタイミングで完成した『エクシリア』をお届けするにいたった、というわけです。

――現在、リマスタープロジェクトでは何本くらい企画、開発が動いているのですか?

富澤
 複数の開発協力会社とともにチームを立ち上げ、検証段階のものから開発終盤段階のものまで含めると、2本以上のタイトルがその途上にある状況です。2025年は『グレイセス エフ』と『エクシリア』を発表、発売できましたが、今後もリマスタープロジェクトの検討・開発は継続してまいります。もっとも、発売のペースについては検討・開発の状況次第なので、もっと早まることもあれば、鈍化することもあるかもしれません。それでもできるだけ早く、多くのタイトルを皆さまに送り届けられればと考えています。

――ということは近々プロジェクトの次回作が発表されるということなのですか?

富澤
 申し訳ございませんが、いまはまだ次回作について具体的にはお伝えできません。ですが、次回のリマスタータイトル発表の時期はわりと近い……つもりでいます。

――プロジェクト発足前に発売された『シンフォニア』、『ヴェスペリア』を含め、リマスター版は現在3タイトルが発売中ですが、ファンからの反応はいかがでしたか?

富澤
 おかげさまで多くの国や地域、プラットフォームで発売できまして、多くのプレイヤーの方々がキャラクターたちとの再会をよろこんでくださいました。また、うれしいポイントとしては比較的時代の新しいタイトルを遊んでから『テイルズ オブ』シリーズに興味を持ってリマスタータイトルに触れてみたと言ってくださるお客さまがいらっしゃったことです。

 オリジナル版が発売された年代も異なるので、描画表現やシステム、技術的な側面での新旧の差はあれど、キャラクターたちとの出会いや物語体験には古い、新しいの差はないと信じています。これからも多くのお客さまに『テイルズ オブ』シリーズのキャラクターたちとの出会いをお届けしていければと考えております。
[IMAGE]
テイルズ オブ シンフォニア リマスター
[IMAGE]
テイルズ オブ ヴェスペリア リマスター
――お話に出てきたように、いまや世界の市場を視野に入れないわけにはいきませんが、多くの国の市場をターゲットにするうえで気をつけていることは?

富澤
 過去の配信番組などでもお伝えしましたが、現在『テイルズ オブ』シリーズユーザーの海外比率は7割を超えています。これは日本のユーザーが減少しているというわけではなく、世界との人口比率、そしてハードの普及台数からも当然の推移かと思っています。そして海外比率の伸びを感じながら、全世界に国産RPGタイトルをお届けするときに改めて思うのは、キャラクターを愛する気持ちに国や地域差はない、ということです。

 また海外ユーザーからの反応も、いい意味で日本のユーザーと変わらないことが多いな、と感じています。アニメやマンガ、他社様のゲームタイトルも世界に広がり成功を収めていっているように、我々も“海外受け”のような雑なくくりで物事を考えるのではなく、純粋に『テイルズ オブ』シリーズとしておもしろい、お楽しみいただける作品は何か、という視点でさまざまなタイトルをお届けしていければ、と考えています。

――新作も求められる中で、シリーズ全体としてはどのような展開を考えていますか?

富澤
 早いもので『アライズ』から4年、その続編DLCである『Beyond the Dawn』からも2年の時が経ちました。そうした中、『テイルズ オブ』シリーズの開発チームとしては、これまでのシリーズの歴史と変わりなくつねに“新作”というものを考え、手を動かし続けています。

 新作に関するアナウンスにはもうしばらくかかる見込みですが、リマスター版はもちろん、リアルイベント、グッズ、さまざまな動きを並行して企画、検討を進めています。30周年に続き、これからも40周年、50周年とさまざまな形でお客さまとキャラクターたちの物語を体験、共有する場を創り続けていければと思います。

――さて、ここからは『エクシリア』について掘り下げていきたいと思います。まずは作品の魅力について教えていただけますか?

富澤
 精霊と人間、という『テイルズ オブ』シリーズとしてはおなじみの設定ですが、ふたりの主人公、ふたつの立場から物語を描くという“シリーズらしさ”と15周年記念作品としての“新しい取り組み”のハイブリッドな作品であることが『エクシリア』の魅力であり、特徴であると考えています。

 “精霊界と人間界”、“繁栄と衰退”、“敵と味方”など、“対”の関係を軸にそれぞれの立場や所属、出自から物語が展開することで、皆さまにより深く思い入れを持っていただけるキャラクターが描けたのではないでしょうか。また、それぞれが“対”となり絆を結ぶということを、精神的にも物理的に体現した本作ならではのバトルシステムも注目です。とくに共鳴術技の多様さは必見です!
[IMAGE]
――本作の新たな魅力や見どころは?

富澤
 今年1月に発売した『グレイセス エフ リマスター』同様に“グレードショップ”という“強くてニューゲーム”の要素が最初から解放されていたり、道中のダッシュ機能や敵シンボルとのエンカウントオフなど、遊びやすい機能が入っています。いずれの機能も使う、使わないはプレイヤーの皆さまご自身でお選びいただくことができますので、ぜひお試しください。

 また、「15年前は、ジュード編/ミラ編の片方しか遊んだことがなかった」という方がいらっしゃれば、この遊びやすさを改善した機能をもとに、ぜひもう一度『エクシリア』の世界を当時とは違う視点で遊んでみてはいかがでしょうか。

――お気に入りのキャラクターは?

富澤
 ジュードです。圧倒的な“カリスマ”のミラに対して、あくまで一般人で、しかも巻き込まれ型のジュードの成長は、最初はゆっくりとしたものに感じるかもしれません。しかしその柔らかい物腰のまま、気づけばしっかりと主人公してくれている姿に、温かい気持ちになりました。数少ない拳闘系主人公としても推しです。でも、あれは医学生の護身術レベルではないですよね(笑)。

――リマスター作業は順調でしたか?

富澤
 15年前とはいえ、シリーズの歴史の中では比較的近作のため、データの1次確認という点では早く着手できました。しかし、まったく異なるプラットフォームへのリマスター作業を行うための、細かなデータのサルベージや解析には苦労、時間を要しました。リマスタープロジェクトでは、こうした状況に対してその都度柔軟に対応しつつ、発表や発売時期を調整しながら企画を進めています。

 それはそれとしつつ、発売から15年が経とうとしている『エクシリア』は30年の歴史のちょうど中央にあるタイトルでもあり、ゲームとしてはグラフィックの大幅進化に挑戦した作品でもあります。いま、リマスターとして遊んでいただく意義は大きいと思っています。

――リマスターやマルチプラットフォームへの対応で、心掛けたこと、苦労したことは?

富澤
 『エクシリア』に限った話ではありませんが、プラットフォームが増えれば増えるほど、対応言語が増えれば増えるほど苦労するポイントは増えます。多くのプラットフォームに対応するということは、各プラットフォームにおける独自の機能や、性能に合わせて最適化を行うということでもあります。また翻訳作業に関しては、新作であろうと過去作であろうとかかる工数は変わりなく、むしろ過去作のほうが文章量が多く苦労することもあったりします。

 追加機能の実装や言語追加を行わず、さらに単独のプラットフォームに移植するというのであれば苦労も減るかもしれませんが、私たちも偉大な歴代作品をより広く、遊びやすく、多くの方に遊んでいただけるものにしたいという願いがあるので、この苦労からは逃れられないでしょうね(笑)。
[IMAGE]
――続編である『エクシリア2』の開発状況はどうなっているのでしょうか?

富澤
 先ほどお伝えしたように、今回のリマスタープロジェクトでは“できたものからスピード重視で発表、発売していく”という方針になっています。『エクシリア2』についても同様で、まだ途上にあるということで発表にはいたっておりません。今後少しでも早く続報をお届けできるよう努めてまいります。

――『エクシリア』を遊びつつ、リマスタープロジェクトの続報も楽しみにしています。

富澤
 お伝えしてきたように、遊びやすさを向上させるさまざまな新機能や、グラフィックの改良といった機能を追加した本作ですが、まずは偉大な原作に関わってくださった当時のメンバーと、そして何より今日まで『エクシリア』を、『テイルズ オブ』シリーズを応援してくださった皆さまに感謝いたします。初めて『エクシリア』を遊ぶ方も、「〇周目だよ!」という方も、ぜひ本作を遊んでいただければと思います。

 なお、本作のパッケージ版はリバーシブルジャケットとなっていますので、いのまた先生、藤島先生の描き下ろしイラストと、当時のパッケージイラストを両方楽しむことも可能です。どうぞ心ゆくまで
『エクシリア』の世界をお楽しみください。
[IMAGE]

 週刊ファミ通2025年11月6日号(No.1920/2025年10月23日発売)では、『
テイルズ オブ エクシリア リマスター』を特集しているので、こちらもチェック!
■週刊ファミ通のご購入はこちら

■電子版のご購入はこちら

      オンラインゲームにおすすめの光回線(PR)

      1
      オンラインゲーム・配信者向け回線
      専用帯域でラグがない!
      1Gbps対応で通信の遅延が回避
      月額料金が1ヶ月間無料
      2
      業界トップクラスの高速回線
      最大2Gbpsの最安クラス回線
      ソフトバンクのスマホセット割引で
      お得に高速通信環境が整う
      3
      安定・高速の光回線
      安定した接続で全国各地で一定の品質
      最大¥79,000キャッシュバック
      この記事を共有

      本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

      週刊ファミ通最新刊
      週刊ファミ通表紙
      購入する
      ebtenamazon
      電子版を購入
      bookWalker
      特設・企画