『ミリシタ』近藤唯さん(篠宮可憐役)インタビュー。気弱だけど、一歩踏み出せる勇気も持てるようになったのが可憐の成長したところ

by北埜トゥーン

byNiSHi

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『ミリシタ』近藤唯さん(篠宮可憐役)インタビュー。気弱だけど、一歩踏み出せる勇気も持てるようになったのが可憐の成長したところ
 2025年6月29日に8周年を迎えた、スマートフォン向けアプリ『アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』(以下、『ミリシタ』)。それを記念して、篠宮可憐役の近藤唯さんにインタビュー。自身と共通点が多いという可憐を演じる際に大事にしていることなどを聞いた。
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※本インタビューは2025年6月中旬に実施しました。 ※本インタビューは2025年7月3日発売の週刊ファミ通(2025年7月17日号 No.1905)に掲載したものに加筆、修正を行ったものです。

近藤 唯さんコンドウ ユイ

6月28日生まれ。神奈川県出身。『ウマ娘 プリティーダービー』(ビワハヤヒデ役)、『BUSTAFELLOWS』(テウタ役)、『Apex Legends』(ワットソン役)、『ライザのアトリエ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』(タオ・モンガルテン役)、『モンスターハンターライズ:サンブレイク』(ミネーレ役)など、数多くの作品で活躍している。

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可憐とプロデューサーが見せてくれた景色に勇気をもらう

──『ミリオンライブ!』は今年で12年、『ミリシタ』は8周年を迎えます。いまの率直な気持ちを聞かせてください。

近藤 
つい最近まで10周年ツアーをやっていた感覚で、本当にあっという間だなと思います。『ミリシタ』も4thライブのときに発表されてもう8周年ですか……。こーりーちゃん(桜守歌織役の香里有佐さん)と南ちゃん(白石紬役の南早紀さん)が加わりましたが、最初からいっしょに活動していたように感じています。そう思えるのも、プロデューサーさんのおかげでここまで駆け抜けることができたからです!

──12年以上前になるとは思いますが、オーディションのことは覚えていますか?

近藤 
当時はすごく緊張しやすく、かつ人見知りで、人の目を見ることができず震えていたので、スタッフさんに「大丈夫ですか?」と心配されたことを覚えています(笑)。オーディションでは、最初に(田中)琴葉を受けまして、その後に、スタッフさんの勧めで(北上)麗花さんと(篠宮)可憐を受けました。3人の中では、可憐がいちばん自然に演じることができました。弱気なところや緊張しやすいところなど、共感できるところが多くて。もし選んでいただけるなら可憐なのかなと思いましたね。

──可憐の第一印象はいかがでしたか?

近藤 
一見すると強めなお姉さんでしたが、資料の文や表情差分から臆病な部分が垣間見えて、見た目とのギャップを感じました。

──そうしたオーディションを経て、可憐役を射止められました。

近藤 
合格の連絡は留守番電話で知った記憶があります。もしも受かるとしたら可憐ではないかと思っていましたが、本当に決まったときはうれしくて泣きました。そこから可憐とは12年の付き合いですね。可憐と出会えて、ここまでいっしょに歩んでくることができて幸せです。

――演じるにあたって、大事にしていることはありますか?

近藤 
特段これをということはなくて。始めのころは自分と似ているところ、共感できるところが多かったのもありますし、いまは時が経ったことで、自分自身変わったところもありますが、根本の可憐への理解は変わらないので、演じるうえで悩むこともあまりなく、感じるままに演じさせてもらっています。なので、あえて言葉にするなら、「可憐らしくあること」ですかね。

──『ミリシタ』もスタートしましたが、演じるうえで変えた部分などはありますか?

近藤 
可憐の成長によって変化させている部分はありますね。最初のころは弱気だった彼女ですが、最近は「な、なんて……てへへ♪」といった少しお茶目な余裕を感じられる一面が見られるようになっています。成長しているからこそ、一歩踏み出せる勇気も持てているのかなと。ほかには、アイドルたちと関係性が深まるにつれて、砕けた話しかたをするようになったり。成長するにつれて見えてきた新しい一面は、しっかり演じるようにしています。

――歌の収録で印象的だったことはありますか?

近藤 
以前レコーディングで、「16歳になって」と言われて、収録した後に「はい、じゃあもとの年齢に戻っていいよ」と言われたやりとりは、記憶に残っていますね(笑)。

――(笑)。

近藤 
そういう笑わせてくれるというか、和ませてくれるようなやりとりも、作品が続いたからこそ築けた関係性だと思います。それこそ最初のころは、レコーディングに慣れていなかったり、歌うことも得意ではなかったので、難しいと感じることが多かったです。ただ、収録をくり返す中で、可憐としてどう表現すればいいかは自分の中でだんだんとつかむことができました。たとえば、歌詞に合わせて、勇気を振り絞るような震え声を交えたり。弱気になりながらも、一歩踏み出す姿を表現することを大事にしています。

 それと、周年曲の時などは、ライブでプロデューサーさんがペンライトを振ってくださる姿をイメージしながら歌ったりしています。その光景を思い浮かべることで曲の表現が広がったりするので。なので、レコーディングでもプロデューサーさんには力をもらっています。

──可憐としてステージに立つときに意識していることはありますか?

近藤 
可憐といっしょに、ということは大事にしています。ステージに立ち始めて間もないころは、あがり症ということもあり、いつもステージ前は震えて、泣いてしまうことがありました。緊張や力んでしまって、もっと可憐としてできることがあったんじゃないかと後悔したりもしました。そんな中でも、プロデューサーさんのペンライトの光に力をいただけることが何回もあって。『Flyers!!!』に「ペンライトの光は勇気」という歌詞があるように、私もたくさん勇気をいただきました。

 それは、可憐がステージに連れてきてくれているから見ることができる景色だと思います。ですので、そんな可憐と並んで立って、彼女に恥じない姿をお見せして、プロデューサーさんのご期待に応えることができるよう心掛けています。そうして、可憐がいろいろな経験をさせてくれるからこそ、いまでは自然と可憐らしいステージをお見せできているのかなと思います。
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ミスをしても温かく受け入れてくれるプロデューサーのおかげで、心からステージを楽しめた

――とくに印象深かったステージはありますか?

近藤 
やっぱり、初めてステージに立った2ndライブですね。心臓が壊れちゃうんじゃないかと思うぐらい緊張しました。とある曲で間違えてしまい、舞台裏で号泣もしてしまって。


 その後、つぎは絶対間違えないようにしようと臨んだのが
『STANDING ALIVE』で、山口立花子ちゃん(百瀬莉緒役)といっしょにトロッコに乗って歌いました。出番が来るまで、前の失敗が頭をよぎり、緊張が再び押し寄せてきながら、直前まで歌詞の確認をしていました。

 でも、いざトロッコが走り出すと、より近くでプロデューサーさんの応援を受け取ることができましたし、頼れる立花子がいてくれたので、最後まで楽しくやり遂げることができました。あの景色は忘れられませんね。失敗したことを考え続けるよりも、顔をあげて楽しむこと、届けることの大切さを学びましたし、応援してくれるプロデューサーさんの顔をしっかり見て歌を届けようという気持ちが強くなりました。

 あとは、4thライブの武道館公演も思い出深いです。みんなが目指していた場所にたどり着けたこともあり、挨拶のときもずっと泣いていました。ただ、その泣きすぎた自分を後から見返したときに、もう涙は卒業しようと思い、そこからはあまり泣かなくなりましたね(笑)。緊張にも少しずつ慣れていき、楽しいという感情がずっと大きくなっていったのも泣かなくなった理由のひとつです。


 ほかには、7thライブの野外ステージも魅力的でした。そこでは
『夕風のメロディー』を披露しましたが、ちょうど空が夕焼けに変わっていくタイミングだったので、とても素敵なステージでした。


 そして、なんといっても10thライブですね。10年間支えてくださったプロデューサーさんへの感謝の気持ちがすごく強かったので意気込んでいましたし、可憐の個人衣装もうれしくて、可憐の髪色に合わせてエクステで少し金髪をいれてみたり。感謝をお伝えしつつ、より可憐らしさを届けられるよう考えるのも楽しかったです。

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――ライブといえば、今年の3月には7年半ぶりの“ハッチポッチフェスティバル”も開催されました。
近藤 
(萩原)雪歩ちゃん(浅倉杏美さん)とのデュオで『ポジティブ!』を披露させていただいて、とても光栄でした。いままで、雪歩ちゃんとはゲーム内でそこまでしっかりと交流が描かれる場面がなかったのですが、最近ではコミュでもときどき見られるようになってきて。コミカライズ作品『アイドルマスター ミリオンライブ! Blooming Clover』では深く描かれていましたし、ふたりには似ているところも多いので、いつかいっしょに歌えたらなと思っていました。

 今回その念願が叶って披露させていただいて。最初はふたりとも離れた位置で歌っているところから、近づいていくときに、浅倉さんの笑顔を見てすごく安心できました。可憐もきっとこういう気持ちなんだろうなと感じながら歌うことができて、うれしかったですね。先輩たちのパフォーマンスを間近で見させていただいて、そのすごさをより実感できましたし、これからも先輩たちを目指していきたいと改めて感じました。

 また、所恵美ちゃん(藤井ゆきよさん)と
『It's Show』も歌わせていただきました。ふたりがいっしょに歌う楽曲はないのですが、わりと初期からふたりの交流は描かれているんですよね。お互いのコミュにも出ていますし。弱気な可憐を支える恵美ちゃん、だけど恵美ちゃんにも弱いところがあって、それを可憐が支える。そんな素敵な関係性を持ったふたりなので、今回いっしょに歌うことができて本当にうれしかったです。
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アニメ放送では、アイドルたちの夢が新たな夢を生み出していたことに感激

――可憐との歩みにおいて、2023年のアニメ放送も重要な出来事だったと思います。

近藤 
念願のアニメ化を、10周年のタイミングで実現することができて、感無量でした。劇場先行上映も行われて、プロデューサーさんたちも数多く足を運んでくださり、感謝しかありません。また、新しく『ミリオンライブ!』に興味を持っていただけた方もいらっしゃって。ぴょんさん(春日未来役の山崎はるかさん)が言っていたように、「10年間どこかで『ミリオンライブ!』に出会ってくれてありがとう」の気持ちでいっぱいです。アニメの内容も、あれだけたくさんのアイドルがいる中で、それぞれの個性をしっかりと描いてくださって。小ネタも多く散りばめられており、愛をとても感じました。

――とくにお気に入りのシーンはありますか?

近藤 
『Thank You!』を歌うシーンは印象深いですね。ぐっと勇気を出して歌い出す可憐、その瞬間に彼女らしさがつまっていましたし、描いてくださってうれしかったです。それと、オーディションの場面で、緊張や不安、焦りから苦しい表情を見せる(最上)静香ちゃんの背中を、未来ちゃんと(伊吹)翼ちゃんが押して、力強く歌い出すシーンもお気に入りです。あのシーンの歌詞もぴったりで、自分もオーディションを受ける身なので、その姿がとても刺さりました。また、アニメを見た知り合いのお子さんが「アイドルになりたい」と言っていたという話も聞いて。アイドルたちの夢がつぎの夢を生み出していることに感動しました。
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魅力的なアイドルと楽曲に魅了される日々。『AIKANE?』はアラームに設定しているほど夢中に


――ここで可憐の楽曲で、とくに思い出深いものをお聞きできればと思います。

近藤 
どの曲も思い入れはそれぞれありますが、『ちいさな恋の足音』は、可憐が最初の一歩を踏み出したソロ曲なので印象深いです。ユニット曲だと『STANDING ALIVE』ですね。可憐が初めてセンターになり、ユニットのリーダーを任されるという、可憐の成長の起点にもなっている楽曲だと思っているので、思い入れが強いです。

 ただ、『STANDING ALIVE』はまだ一度もオリメンで歌ったことがないんです。「ずっと"そこ"へ辿り着こうと走っていたよ」という歌詞もあるので、一度は全員揃って辿り着いてみたいです。

――好きなアイドルについてはいかがですか?

近藤 
担当は天空橋朋花さん、野々原茜ちゃん、徳川まつりちゃん、永吉昴くん、菊地真くんです! 私は、個性がとくに強い子たちに惹かれやすいんですよね。天空橋様はまず声で惹かれ、聖母として子豚ちゃんたちを導く姿が大好きになりました。4thライブの時に、『Maria Trap』の頭を歌わせていただきましたが、担当アイドルとその大切な楽曲をいっしょに歌えて、緊張はもちろんありましたが、本当にうれしく光栄でした。

 茜ちゃんも、声と話しかたを含めたすべてがとても好きです。楽曲も魅力的で、ずっと
『AIKANE?』をアラームにしています。たぶん、誰よりも「ちゃちゃちゃ」を聞いているのでは?と思っています(笑)。もちろんライブの日も『AIKANE?』で起きてます!

 まつりちゃんは姫として振る舞っているところはもちろんですが、たまに見せてくれる素の言葉がたまらなく好きです。それに、プロ意識が高く、周りをよく見ているところも素敵です。まつりちゃんに関しては、立花子にお酒を飲んで泣きながら語ったことがあるくらい夢中になっています!(笑)

 あと、私はボーイッシュな女の子の見せるかわいさが好きなので、昴くんや真くんも大好きな担当アイドルです。昴くんは“りるきゃん 〜3 little candy〜”のドラマCDにある、可憐とのやりとりが、きゅんとして最高でした。真くんは、私が先輩たちのアニメの第17話でファンの女の子役を演じたときに落ちて、そこからずっと好きです。

――数多くのアイドルに魅了されているのですね。少しお話しいただいたとは思いますが、『ミリオンライブ!』全体の楽曲でお気に入りのものもお聞かせください。

近藤 
最近すごく好きなのが、『未完成のポラリス』です。曲調はもちろん、みんなの歌声が楽曲とマッチしていて大好きな一曲になりました。“STARDOM ROAD THEATER”シリーズはどの曲も好きで、自分が歌わせていただいた『Hypernova』もかっこよくてお気に入りです。

――今後、歌ってみたい楽曲はありますか?

近藤 
『スペードのQ』は、曲自体が好きなのと、可憐も曲の世界観に似合いそうだなと思ったので、歌えたらうれしいです。それと、やっぱり『未完成のポラリス』ですね。『ミリオンライブ!』は本当にいい曲ばかりなので、迷ってしまいます。

――『ミリシタ』内のコミュで、印象的なものはありますか?

近藤 
『G▽F』(※▽はハートマーク)のイベントコミュです。このコミュでは、(秋月)律子さんに泣きながら感情をぶつけるシーンがあるんです。それまでの可憐にはないめずらしい姿で、律子さんとの関係がぐっと近づいた大好きなコミュのひとつになりました。

 あとは、
『Criminally Dinner ~正餐とイーヴルナイフ~』のイベントコミュでゼノビアという役を演じたのですが、それまで劇中劇の中でも、あまり可憐のキャラクターから逸脱していない役柄を演じていたので、ガラッとかわったゼノビアを演じることができて楽しかったです。

 そこから、“STARDOM ROAD”でクロエ、“ミリオンアーマー”でカレンという悪役と、強キャラ感のある役どころを演じる機会が多い印象で。それは、ゼノビアが起点になっているのかなと思うと、印象深いですね。ゼノビアは本当に楽しかったので、また演じてみたいです(笑)。可憐として、さらに劇中の役を演じるということは難しさもありますが、やりがいがあるんですよね。

──そんな『ミリシタ』では、彼女も参加する8周年楽曲『蝶々むすび』が登場します。

近藤 
歌詞がすごく素敵ですよね! 「幻じゃない! 震えるこの手握る君の手も震えていたから強く握り返して 信じてるよ!」とか。可憐は勇気を与えられるアイドルを目指しているので、そこがリンクして、感情移入して歌えました。

 ほかには、MVでひとりひとりのダンスがかなり異なっていて、いろいろなアイドルで踊ってもらうのも楽しそうだなと感じました。レッスン室が映っていたりと、こだわり盛りだくさんのMVも注目ポイントです。周年イベントを走るプロデューサーさんも、アイドルの姿を楽しんでいただきながら走っていただけたらなと思います。

――今後の活動の中で、挑戦してみたいことはありますか?

近藤 
劇場版を見たいですね。私は先輩たちの映画を見たとき感動して泣いたので、今度は『ミリオンライブ!』のみんなが活躍する劇場版で新しい涙を流したいです。

──最後にプロデューサーの皆さんに改めてメッセージをお願いします。

近藤 
『ミリオンライブ!』は12周年、『ミリシタ』は8周年。ここまでこれたのは、本当にプロデューサーさんのおかげです! 当たり前のように歩みを続けることができているのを当たり前のように思わず、無限大の可能性を持つアイドルたちの新しい一面をどんどんお見せできるように、私たちキャストも精いっぱいがんばります。ですので、引き続きプロデューサーさんにも、アイドルと作品を愛していただけたらうれしいです!
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