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『Sifu』開発会社の最新作『REMATCH』はケタ違いに危なっかしくて速いオンラインサッカー。反則という概念は一切なし!【おすすめゲームレビュー】

byNeverAwakeMan

『Sifu』開発会社の最新作『REMATCH』はケタ違いに危なっかしくて速いオンラインサッカー。反則という概念は一切なし!【おすすめゲームレビュー】
 ファミ通.comの編集者&ライターがおすすめゲームを語る。今回、NeverAwakeManがオンラインサッカーゲーム『REMATCH』を紹介する。

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NeverAwakeManのおすすめゲーム

『REMATCH』

  • プラットフォーム:プレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC(Steam)
  • 発売日:2025年6月19日発売
  • 発売元:Sloclap、Kepler Interactive
  • 開発元:Sloclap
  • ジャンル:アクション
  • 価格:PS Store 通常版 3740円[税込]、Pro Edition 4950円[税込]、Elite Edition 6050円[税込]/Microsoft Store 通常版 2750円[税込]、Pro Edition 3850円[税込]、Elite Edition 4950円[税込]/Steam 通常版 3700円[税込]、Pro Edition 4900円[(税込]、Elite Edition 6100円[税込]
  • 対象年齢:IARC 3歳以上対象
  • 備考:Xbox Game Pass対応

【こういう人におすすめ】
  • 血なまぐさいゲームは苦手
  • スポーツの楽しさを味わいたい
  • カッコいいシュートを決めたい
 ああ、言わなくてもわかってる。体育が苦手だったクチだろう?

 ドッジボールではいい的になり、野球ではバッターボックスに入った瞬間に周囲のため息。バスケでは部活やってる連中の餌食になり、サッカーではせいぜいピッチを行き来するだけで時間が過ぎる。声出しができれば一丁前の数合わせ。それが俺たち運動音痴というものだ。
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一般的な俺たち。
 そんな我々にとって、運動の喜びや競技の楽しさを知るのは難しい。eスポーツ元年が何度来たかはもはや定かではないけれど、プロゲーマーなんかじゃない自分が対人ゲームでセコく重ねる勝利はどこか暗く、そして虚しい。運動部の連中がグラウンドで流している爽やかな汗に比べて、こっちはいかにもじっとりヌルリとしていそう。そんな卑屈な被害妄想すら芽生えてくる。

 だが、ゲームでしかイキれないオタク諸君にもスポーツの楽しみを教えてくれる作品がついに現れた。あの大傑作カンフーアクションゲーム『
Sifu』の開発チームSloclapが作った、ラフプレイ上等の大乱闘サッカーブラザーズ。競技的おもしろさとコミュニケーションツールとしてのおもしろさを兼ね備えた、新時代のeスポーツ。

 それが
『REMATCH』だ。

反則という概念なし、だから速い

 現実のサッカーと『REMATCH』のもっとも大きな違いは、反則の概念が一切ないという点だ。プレイ中に笛は鳴らない。ボールごと相手プレイヤーの足を払おうが、スライディングで相手をスッ転ばせようが、試合はお構いなしに進んでいく。現実なら流血必至の殺人的ラフプレイが飛び出しまくるが、本作のキャラクターはちょっと転ぶ程度で傷ひとつつかない。これがゲームで本当によかった。

 要するに本作は、小学校の体育みたいなワチャワチャサッカーを大人のフィジカルでやるような、そんなゲームだ。当然のようにオフサイドも存在しない。

 カンのよい人ならここで気づいているかもしれないが、本作はふつうのサッカーとは
ケタ違いに危なっかしく、そして速い。ボールを持った瞬間、相手プレイヤーが飢えたハイエナのごとく襲ってきて、スライディングやらタックルやらで足元を狩ろうとしてくるからだ。
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足元注意。
 ドリブルしながらでは全力ダッシュしてくる相手から逃げ切れないため、ボールを持ったら瞬時に判断しなければならない。パスするか、相手を抜くか、シュートするか。自分のスタミナはあとどれくらい残っていて、味方と相手はどこに立っているか。この判断は難しそうに聞こえるかもしれないし、実際難しいのだが、現実のサッカーがベースになっているためか、直感的に学習し理解できる。本物のサッカーよりちょっと過激に考えれば、それは『REMATCH』の正しい遊びかたへと変貌するのだ。

 まず学ぶべきは、相手のスライディングやタックルを誘発させることだ。あえてドリブルを急停止してフェイントをかけたり、左トリガーで発動できるドリブルスタンスから素早くステップしたり。自分の背後から頭を越えるように小さくボールを打ち上げるレインボーというテクニックも便利で、足元からボールを離すことで相手の攻撃をかわせる。
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R1と✕ボタンを同時押しでレインボー(PS5版の場合)。
 もちろん、相手のボールを追いかけるときはこれと逆の読み合いをすることになる。最初こそ突撃スライディングだけでどうとでもなるが、ちょっとテクいやつが相手になった途端、足さばきで翻弄されまくってしまう。だから、スライディングより隙の小さなタックルで小突いてみるとか、相手がレインボーするのを読んで距離を離しボールを奪うとか、読み合いとテクニックの両方が必要となってくるのだ。

 そう、
まるで本物のサッカーのように!

場外なし、だからヤバい

 『REMATCH』には、ほかにも独特な点がある。それは、場外が一切存在しないことだ。フィールドは四方を見えない壁で囲まれていて、外に出るボールを内側に戻すようになっている。したがってスローインやコーナーキックもなく、プレイが途切れず、忙しく楽しいプレイを続けられる。
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サッカーでリバウンド!?
 なにげなく存在しているこの壁というのがなかなかの曲者だ。ゴールの周囲にも壁はあるため、ゴールから外れたシュートは弾かれてゴール近くに落ちる。そしてさっきも書いたように、このゲームにオフサイドはない。つまり、バスケでいうリバウンドが発生するのだ。つぎのシュートチャンスを狙う攻撃側と、それを防ぐ防御側。リバウンドを巡り熾烈な奪い合いが生まれる。

 ここで重要となるのが、あらゆる体勢からシュートを打てる仕組みだ。リバウンドしたボールが高めにある状態でタイミングよくシュートすれば自動的にボレーシュートになり、頭上であればオーバーヘッドキックになる。上級者ともなると、あえてリバウンドするよう一発目のシュートを外してキーパーを左右に動かし、二回目の強烈なボレーシュートで本命を狙うなどという離れ業すらやってくる。
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 リバウンドからのボレーシュートは、このゲームでもっとも興奮する瞬間のひとつだ。シュートの瞬間にBGMが静寂に包まれる演出もすばらしく、
「入るか? 入るか? 入るか?」という一瞬の緊迫感をグッと高めてくれている。この手に汗握る興奮は、本物のサッカーに負けずとも劣らない。

友だちあり、だから楽しい

 対人ゲームのつねとして、友だちといっしょに遊ぶと何倍も楽しくなる。これが人によってはとてつもなく高いハードルになるわけで……残念ながら『REMATCH』でもそれは変わらない。カジュアルマッチであれば3vs3から遊べるので、最低限用意してほしい友だちはふたりだ。ふたり呼ぶだけで、このゲームは一気におもしろくなる。
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 逆説的な話に聞こえるかもしれないけれど、フレンドといっしょに『REMATCH』を遊ぶと、そもそもなぜサッカーがこれほど愛されているのかわかってくる。パスを回す。ゴールまで運ぶ。そして勝つ。時に負ける。このシンプルな協力行為そのものに、どこか
根源的な喜びがあるのだ。これまで血ゲーム(血が出る暴力的なゲームのことだ)ばかりやってきた俺にとって、これはあまりにも遅すぎる新発見だった。

 『REMATCH』のパーティープレイは、我々のような陰キャオタクが想像する以上にテンションを盛り上げてくれる。キルだのデスだのと物騒なゲームとは違う爽やかな興奮が味わえる。だから、本作を遊ぶならとにかく
友だちを誘え! いないなら作れ! それだけで楽しさが100倍くらい変わってくるから。信じてくれ。
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 付け加えていうと、これは安全面でのアドバイスでもある。というのも、今年の夏も殺人的な暑さだからだ。この炎天下では、外で遊ぶことすらままならない。それに、汗をかくのも楽じゃない。今年の夏休みはクーラーの効いた部屋で『REMATCH』を遊び、友情を深めるというのも悪くないんじゃないか?

 というわけで、また会おう。今度はピッチの上で。
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