本記事では事前に約2時間試遊をした感想とともに、『P5X』の魅力をお伝えしよう。なお、記事の内容はすべて開発中のもので、正式サービス時には変更点があるかもしれないことを留意してほしい。

本作オリジナルのストーリー


ゲーム冒頭では、ルフェルと名乗る人語を話すフクロウとの出会いや鼻の長い奇妙な男の待つベルベットルームへの訪問など、さまざまな不思議な現象に見舞われつつ、主人公はペルソナ能力(心の力を具現化した存在。ともに戦ってくれる)に目覚めていく。
主人公は固定のキャラクター。もちろん自由に名前を付けることもできるが、自分で名前を考えるのが苦手なユーザー向けに、アトラスが考えた案として“上城 渚”という名前がセットされている。これはクローズドβテストに参加したユーザーからの意見を踏まえ、日本版で改めて設定した要素とのこと。なお、名前は後で変更可能だ。



異世界・メメントスや、人の心がダンジョンのように具現化した“パレス”など、『P5』シリーズらしい要素も健在で、日常生活と異世界での冒険を交えながらゲームを進めていく。運営型タイトルなので、さすがに日付で行動を管理するカレンダー要素はなく、自分のペースで物語を進められるのもポイントだ。

試遊した物語は序盤のみだが、運営型タイトルとしては珍しいというか、かなり家庭用ゲームに近い作りになっている。最序盤こそ、シリーズファンへのサービスかのようにジョーカー(『P5』の主人公)を操作してバトルをくり広げるパートはあるが、あくまでオープニングティザーという感じ。
そこからはじっくりとストーリーが語られていき、バトルのチュートリアルが始まるのもゲーム開始から20分経ったころ。もちろん物語は運営型タイトルゆえに、ある程度は省略された展開だなとは感じるが、この手のタイトルにしては非常に丁寧だ。






会話パートやアニメシーンも豊富で、話しかけなくてもいい一般生徒などとの会話も日本版では増やしているそうで、より家庭用のRPG感覚で楽しめるように作っている。ちなみに会話時の顔グラフィックはアトラスで新たに描き起こし。これも日本版からの要素とのこと。


日本版は中国・アジア版をローカライズしたものだが、説明を聞いた限りでは単にセリフなどを日本語に翻訳するような作業だけには留まっていない。
演出のテンポ、アクションの触り心地、はたまた日本版だからこその新たなテキストの追加(ボイス収録も実施)など、リマスターに近いような作業が盛り込まれているそうだ。


もちろん家庭用ゲームファンが煙たがりがちなガチャなどの要素もあるにはある。が、全体を見ると「えっとガチャはわかるけど、それはそれとしてどこで収益を得るつもりなの? 基本無料ゲームですよね?」と疑問が浮かぶほどに、豪華な作りになっていた。

会話シーンはスキップも可能で、日本版では新たにつぎの重要なシーン(バトルなど)まで一気にスキップする“連続スキップ”も用意。ストーリーは後で読むこともできるので、とにかくバトルをやり込みたい、さっさと進めたいという人にもうれしい配慮があるのは、運営型タイトルならではだろう(会話シーンを倍速にすることも可能)。

基本のゲームサイクル
そこからが運営型タイトルらしい要素で、本作はスタミナを消費して周回コンテンツに挑める。育成をする→物語を進める→詰まったら育成をする、といったサイクルでゲームを進めていくイメージだ。













『P5』+αなバトル
適宜状況に合わせた行動をしてくれるオートバトルも選択できるほか、3倍速などにも対応。演出も省略できるので、このあたりの快適性は家庭用と運営型の中間というか、うまい塩梅で調整されていた印象だ。



さすがに2時間程度の試遊ではバトルの奥深さをじっくり体験するには至らなかったが、ちょっと遊んだだけでも「『P5』以上に属性相性が重要なんだな」と気づいたので、パーティー編成が重要になるだろう。
また、仲間たちにはそれぞれ“ハイライト”と呼ばれる必殺技が用意されている。ゲージが溜まればいつでも発動できる切り札だ。このあたりは運営型RPGらしい要素だが、各技にかっこいいカットインが用意されているので、その演出も注目ポイントだ。

幅広く、奥深い育成要素
育成要素を解説する前に、出撃する仲間たちについて知っておこう。基本的にペルソナはひとりにつき1体だが、主人公だけは専用ペルソナ“ヤノシーク”のほか、2体のペルソナを装備できる。『ペルソナ3』以降の主人公が持つ“ワイルド”の力だ。

主人公だけ育成方法がほかの仲間と異なり、レベルはクエストの達成などで得る経験値で上がっていく。ほかの仲間のレベル上限は、主人公のレベルに応じて引き上げられる(正確にはレベル上限を突破する、その上限値)。さらに、ほかのコンテンツでポイントを得ると、スキルを習得できる“スキーマ”が用意されている。

ほかの仲間たちは、バトルのほか経験値アイテムを消費してレベルアップさせていく。レベル上限が一定値ごとに設けられていて、素材を消費することで上限値がアップ。さらに、各種スキルも素材消費で強化可能。素材は周回クエストなどで手に入れていく。このあたりは運営型RPGでおなじみのシステムだ。


そして装備品として、主人公・仲間それぞれに武器が用意されている。武器を付け替えたり強くすることでもキャラクターを強化可能だ。
装備品の一種として“啓示”と呼ばれる要素があり、これは仲間キャラクターのみに適用される。さまざまなバフ効果のある啓示アイテムを装備することでキャラクターを強化できるというもの。同じタイプを装備すると力を発揮するセット効果も用意されており、効果数値などはランダムの部分もあるため、厳選しながら進める育成のやり込み要素のようだ。



『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』(『P5R』)で登場したマイパレスも用意されている。マイルーム内に家具などを飾るハウジングのようなシステムで、マイパレス内にいるキャラクターたちとの会話、仲間どうしの掛け合いなどが楽しめる。



マイパレスは放置要素にもなっていて、時間経過などでポイントを稼ぐと、マイパレス用のアイテムを購入可能。家具はただの飾りではなく、設置することでさまざまな効果を発揮するので、パーティー全体の強化にもつながっている。マイパレスのレベルは仲間たちの戦力によってアップしていくため、仲間全員を育てていくのが本作の基本となるだろう。



育成要素はほかにもあり、とても膨大。慣れないうちはたいへんそうに見えるが、段階を経て解放されていくとのこと。慣れればやることはシンプルになっていくだろうし、必要な素材などは取得できる場所をサーチして、その場へジャンプできたので、迷うことも少なそうだ。


ガチャ要素について

本作オリジナルのキャラクターたちがペルソナ能力者として活躍するのだが、なかにはジョーカーなど『P5』のキャラクターも登場。おなじみのメンバーも仲間になるのはうれしいところ。



ガチャはキャラクターのほか、主人公に装備できるペルソナが排出される仕組み。仲間たちのペルソナやスキルは固定されているので、バトルに合わせてさまざまな編成を考えるのはとても楽しそう。また、ストーリーで加入するメンバーだけでも、基本的な部分は進められるようになっているとのこと。


ほかにも課金要素はあり、ざっと見たところおもに時短要素(育成アイテムセットなど)。欲しい人は買えばいい、くらいの立ち位置になっているようなので、そのあたりのバランス感覚は無課金ユーザーも安心して見ていられるのではないだろうか。


無料で全部!? ペルソナ育成


こちらもやや複雑だが、とりあえずこれを覚えておけば問題ない。
- ゲットしたペルソナは恒久的に使用できる
- 重複すると素材アイテムになる
たとえばジャックフロストを手に入れたら、それ以降ジャックフロストを手に入れても素材アイテム化するので、同じ種類のペルソナを複数使役する必要はない(というか、できない)。

もちろんペルソナ合体も完備。ペルソナの重複入手、または周回クエストで手に入る素材アイテムを消費すると、ペルソナに新たなスキルを付与できる。覚えたスキルは、スキル装備欄の枠内ならば付け替え可能で、一度覚えてしまえば後で自由に変更できる。
合体するペルソナはそれぞれに指定されたものだけ。その代わり、強化でペルソナの素材アイテムを消費すると、そのペルソナが持つスキルの中からランダムで1個習得できる。つまり、用意されたスキルならば、なんでも覚えられるというわけだ。



まさにペルソナ合体的な楽しみが本作にも用意されているというか、カスタム要素としては『P5』を超えている内容だ。『P5』では段階を経て強いペルソナをどんどん作っていく運用方法がメインだと思うが、本作では“自分の好きなペルソナをとことん鍛える”みたいな運用もできるだろう。
改めて言うが、ペルソナ部分はすべて無料でも達成できる。そして、やり込むほどに主人公が強くなるので攻略に役立てることが可能だ。いわゆる無課金ユーザーにもうれしく、とてもリッチな仕様だと感じた。ペルソナ育成だけで別のRPG作れちゃうよ。



高難度クエストも存在

そうして強くしたキャラクターたちは“ベルベットルームの試練”、または“心の海の試練”といったコンテンツで活躍させることも可能。こちらは難度の高いバトルに挑んでいくやり込みコンテンツで、達成すればゲーム内通貨などの報酬が手に入る。
恒常的に用意されているチャレンジバトルのほか、一定期間ごとにリセットされるバトルも存在。後者はシーズン制のランキングバトルコンテンツにもなっていて、ハイスコアを稼いでほかのプレイヤーと競い合う対人要素にもなっている。


とはいえ、おそらく『P5』のおもなファン層はほかの人と率先して対戦したくはないだろうし、それがやるべきコンテンツとして用意されているのは不満に思うかもしれない。
だが、安心してほしい。ランキングバトルで得られるゲーム内通貨の差は、ランキングに応じて差はあるものの、上位でも下位でもさほど変わらないようなのだ。おもな報酬は称号の飾り部分を豪華にできたりなど、あくまで名誉。やり込み力を反映する場として用意してはいるが、ランキングはそれを見るためのオマケに近いと言える。




家庭用とスマホタイトルの中間みたいなRPG



家庭用ゲームをメインで楽しんでいるファン層は、運営型タイトルをやや敬遠してしまう傾向にあると思う。しかし本作は、できるだけ『ペルソナ』ファンに楽しんでもらいたいと、家庭用ゲームのような作りに極力しているのが、節々から伝わってきた。
今回プレイはゲームパッドで遊ばせてもらったこともあり、操作感も家庭用ゲームのような触り心地だった。スマホで遊ぶ人も、ゲームパッドを用意しておくのがいいかも。
もちろん基本無料なので、気になる人はまずダウンロードして、ストーリーを読み進めてみてはいかがだろうか。























