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【ポケモンスケートチャレンジ】52個の技を覚えるにはおよそ半年。ただ楽しいだけのイベントで終わらせない、田中刑事の本気

byミス・ユースケ

【ポケモンスケートチャレンジ】52個の技を覚えるにはおよそ半年。ただ楽しいだけのイベントで終わらせない、田中刑事の本気
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ファミ通.comのミス・ユースケと申します。スケートリンクに来ています。
 ここはKOSÉ新横浜スケートセンター。日本スケート連盟と『ポケモン』がコラボして、各地の基礎スケート教室で“ポケモンスケートチャレンジ”がスタートしている。

 ポケモンと、スケートが! である。フィギュアスケート好きゲーマーの僕にとって盆と正月がドリフトでヘアピンカーブを抜けてきたくらいの衝撃だ。2025年5月11日開催のお披露目イベントを見学させてもらった。
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 まずは基礎スケート教室から。こういった教室は各地のスケートリンクで行われていて、今回のは2024年シーズンのラスト(スケートは7月からその年のシーズンが始まる)。リンクに上がったこともないような初心者も対象の教室だが、特別講師陣が豪華で驚く。
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シャー!
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速い。軽く流しているだけなのに全然うまく撮れない。
 スピードスケートの岡崎朋美さんである。長野オリンピック銅メダリストが目の前を通り過ぎると「うわー!」と声が出ることがわかった。スポーツを撮り慣れていない僕ではこれくらいの写真が限界。かっこいい写真はスポーツ系メディアさんに載ってると思う。そちらをご覧ください。
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 村竹崇行さんはショートトラックの元選手で、現在は神奈川大学スケート部の監督。現役時代は日本代表としてアジア大会に出場し、オリンピック代表を争うレベルだった。
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 3人目はオリンピック出場経験もあるフィギュアスケーター・田中刑事さん。後進の育成に励みつつもプロスケーターとして活躍し、
『ワンピース・オン・アイス』ではゾロ役を熱演。かなり前からアニメ・ゲーム好きを公言していて、『ポケモン』はアニメもゲームも大好き。
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ファンからするとめちゃくちゃ豪華なお手本。
 このレベルの人たちから直接教わるのは単純にすごいことである。なお、この基礎スケート教室は大人も参加可能。およそ100人の参加者中、1割くらいは大人だったように思う。

 スケートの基礎練習は歩き方から。立つときは足を逆ハの字に。足踏みするだけでも前に進む。大きく蹴るよりも体重移動が大切。など、ほんとに基礎の基礎から。こんなに丁寧に教えてくれるのなら僕も申し込めばよかった。
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一流アスリートがこの距離感で教えてくれる。
 大半の参加者は子どもたちだ。楽しそうに滑っていてとても微笑ましい。僕は変な眼鏡をかけているので、リンクサイドで写真を撮っていたらよく話しかけられた。

「カメラマンさんはスケートできる?」
「あのね、さっきとんがりコーン食べた」
「滑れなかったんだけどね、お父さんから教えてもらったらできるようになった」
「いちばん上手って言われた」

 など。そうだそうだ。子どもはいろいろ報告してくれるのだった。かわいい。あまりにも話しかけられるのでいったんリンクサイドから離れる。おじさんと話す暇があったらスケートやったほうが楽しいよ。
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みんな楽しそうで何より。
 経験者の子もいれば今回初めてスケート靴をはいた子もいる。『ポケモン』で興味を持ってくれたのだろうか。ゲーム業界の末席でこそこそやってる身としてはうれしい限りである。

 練習を終えて集合写真を撮ると、いよいよポケモンスケートチャレンジお披露目イベントの時間。スケート靴をはいたピカチュウがやってくる。
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 わー!

 踊っている動画をよく見かけるので動くピカチュウがかわいいことは知っていたが、間近で見ると芯に響く。たしかにこれはかわいい。

 お披露目イベントの司会は吉田真弓さん。フィギュアスケート好きの声優さんで、ずっと前にネットラジオで熱く語るのを聞いて、僕は初めてフィギュアスケートに興味を持った。こうやって仕事につながっているので恩人とも言える。
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 ポケモンスケートチャレンジはスケートリンクに続けて足を運んでもらうことを目的とした施策だ。スケートに興味を持つきっかけを目指して、6月から本格的にスタート。

 全国の対象スケートリンクで、小学生以下に“ポケモンスケートチャレンジノート”を配布。中に書かれたスケートの技をマスターするたびにこおりタイプのポケモンのシールをゲットでき、全52ステップをクリアーするとポケモン図鑑が完成する。
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ポケモンスケートチャレンジ公式サイトより。
 それだけではない。『ポケモン』とフィギュアスケートで集めるものと言えば何か。そう、バッジである。課題は初級・中級・上級に分かれていて、各段階をクリアーすると特製バッジが贈られるのだ。

 『ポケモン』ではジムリーダー撃破、フィギュアスケートでは昇級テスト合格の証としてバッジがもらえる。同じ形でほめてもらえるのはうれしいと思う。僕だったらうれしい。
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バッジをアピールするすごい人たち。
 この日に特別講師を務めた田中刑事さんがノート監修を務めており、お手本を交えて中身を解説。フィギュアスケートファンとしては、スケーティングを間近で見られてすごくラッキーだった。

 ステップは“靴を履いて床で立つ”から始まり、上級にもなると“スリージャンプ”が待ち構えている。これは前向きに踏み切って後ろ向きで着氷する半回転ジャンプ。これを進化させて3回転半回るのがトリプルアクセルだ。目標が高くないか。
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もちろん田中刑事さんはいとも簡単に技をキメるのだけど。
 イベント終了後、田中刑事さんを見かけた。ファンからすると「その辺にいるんだ」くらいの感覚である。話を聞いてみると、あえて難しくしたそうだ。

田中
 リンクに通ってもらいたいから、1個のイベントで終わらせたくないんですよ。人にもよりますけど、(52個の技を覚えるには)たぶん3ヵ月とか半年とか。力を入れて作ったので、気持ちを入れてクリアーしてほしいです。
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 単なるコラボキャンペーンではなく先まで見据えているから、一度遊びに行って終わりにはしたくなかった。競技人口の増加が狙いかと聞くと、それだけではないという。

田中
 「競技を一生懸命やろう」じゃなくていいので、スケート自体にハマってほしいんです。まずは「こんな技あるんだ」。で、それをクリアーすることを知ってほしい。

 クリアーする喜び。まさにゲームと同じだ。「練習してできるようになるとうれしいんですよ」と、田中刑事さん。きっかけはスケートじゃなくて『ポケモン』でいいのである。そこから興味につながったらいいなと願いを込めて。
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田中
 僕も『ポケモン』やってたので、“バッジを集める”感覚はわかりやすいと思って。最初は難しいんだけど、そこにいくまで育てる、勝ったらバッジをもらえる。シールをもらえるのも楽しい。

 ポケモンスケートチャレンジノートは図鑑のようになっていて、中身も気に入っているそうだ。シールをひとつひとつ集めていく達成感は、なるほど『ポケモン』とも通ずるところがある。

田中
 (シール)は全部で52枚。そうとうですよね。

 そう笑う田中刑事さんは、けっこうな鬼コーチなのかもしれない。公式YouTubeチャンネルには実演動画もたくさん上がっている。本気だ。
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レッスンでは優しかったのでご安心ください。
 時は少し戻り、ピカチュウの華麗な滑りを見た後はトークショー。せっかくなので見て帰ることにする。スタッフさんは僕がゲームメディアの人間だと知ったからか「ピカチュウは出ないんですけど……」と恐縮していた。

 「ゲーム業界の人がせっかく取材してくれるのに、ピカチュウがいないのは申し訳ないなあ」ということだと思うが、ちょっと待ってほしい。
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 荒川静香さんがいるから十分すぎると思うのだ。トリノオリンピック金メダリスト。どう考えても大物である。あまりにもふつうに出演者リストに名前があるから最初は見逃して二度見した。

 日本スケート連盟はフィギュアスケート、スピードスケート、ショートトラックの普及活動に努めている。これまでの基礎スケート教室には、オリンピックのメダリストや世界選手権常連みたいな超人も特別講師として多数参加。資料に書かれた名前は、髙木美帆さんに高橋大輔さんに町田樹さんに……。面子が本気である。

 トークショーでは荒川静香さん、岡崎朋美さん、村竹崇行さんが3競技の特徴を解説。神奈川大学のメンバーなど、若手選手によるデモンストレーションを見ながら進行していった。
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 解説は基本ルールから始まり、トレーニング方法、技の解説など、たっぷり1時間。荒川さんの「実際に滑ってみると、(テレビなどでスケートを見たとき)よりおもしろさを感じられる」という発言には首がもげるほど肯首した。

 ゲームも同じだ。ストリーマーやプロゲーマーの隆盛で見る専が増えている。人が遊んでいるところを見るのも楽しいけど、自分でも遊べば上位層のすごさを肌で感じられる。そっちのほうがより楽しいと思う。
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 なお、お三方が競技を始めたきっかけはとてもシンプル。

村竹さん(ショートトラック):速くておもしろかった。

岡崎さん(スピードスケート):北海道生まれ。体育の授業でスピードスケートがあった。

荒川さん(フィギュアスケート):ひらひらした衣装を着たかった。

 これくらいでいいのだ。そう遠くない未来、もしかしたら「ポケモンが好きだから」でスケートを始めた選手が活躍するかもしれない。そんなことになったらうれし泣きすると思う。
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今回の基礎スケート教室はコーセーとニチレイが協賛。かにと貝柱のスープがお土産として配られていた。これおいしいですよね。ふかひれスープもおすすめ。
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おまけ。新横浜でポケモン好きと言えば

 さて。ここは新横浜。新横浜でポケモン好きといったらここ。おもちゃと映画の喫茶店アソビバ。
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 このお店を営む大和田健介さんは、ベテラン俳優・大和田伸也さんのご子息なのである。大和田伸也さんは『ポケモン』好きぬい撮り朗らかおじさんとして好感度爆上がり中。前に取材させてもらったとき、ぬいぐるみやお人形を自分でしゃべらせるのが楽しいと仰っていた。きっと本当にかわいいものが好き。仲間だ。
 僕はスケート観覧後によくアソビバに顔を出している。この日はたまたま居合わせた常連さんが10年くらい前のフィギュアスケート好きで、話が盛り上がってしまった。

 もちろん店主の健介さんも『ポケモン』好き。新横浜で『ポケモン』とスケートを楽しんで、『ポケモン』好きのお店で休憩するのもいいと思う。
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