科学技術が超進化した架空の1950年代ソビエト連邦を舞台とする、強烈な“ソビエトパンク”世界が衝撃を与えた一人称視点アクションアドベンチャーゲーム『アトミックハート』。その続編となる『Atomic Heart 2』がSummer Game Festで発表された。
本作はPCおよび家庭用ゲーム機向けに展開予定で、使用するゲームエンジンはUnreal Engine 5にアップデート(前作はUE4世代)。発売時期は未定となっている。本誌では発表に先駆けてMundfishへのメールインタビューなども行ったので、その内容も交えつつ待望の続編についてお伝えしよう。
舞台はグローバルに拡大。世界終焉の危機を食い止めろ
『Atomic Heart 2』ではソビエトパンクなあのレトロフューチャー世界にふたたび帰ることになるわけだが、今作では出来事がより“グローバルなスケール”へと発展することになるという。
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前作での出来事のあと、3826号施設の外側は一体どうなっているのか? 『Atomic Heart 2』は世界が崩壊寸前の状態から始まり、プレイヤーはそれを阻止するために奔走することになるという。
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また前作主人公のP-3以外の新キャラもプレイアブルで登場することが示唆されているほか、個性的な前作のキャラクターも再登場するとのこと。
RPG要素や戦闘システムなども強化
前作はMundfishの1000万プレイヤーを記録し、同スタジオのデビュー作として大成功と言えるだろう。しかし世界観やビジュアルは非常にユニークなものを提示できた一方で、ゲームシステムをトータルで見た時に荒削りな部分や噛み合っていない要素などが少なからずあったのも事実。続編でより洗練されたものになるのを期待している人も少なくないんじゃないだろうか。
今作ではRPG要素をより拡張し、プレイヤーの自由度にフォーカスしているそう。また戦闘面でも、両手を同時に使って、ポリマーグローブの能力とさまざまな武器を組み合わせて戦う『アトミックハート』の戦闘システムを強化するとのこと。
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メールインタビュー: 野心的な前作の成功とフィードバックを経て、より磨き上げた体験を提供する
――『アトミックハート』は非常に野心的なデビュー作でした。しかしオープンフィールドの探索が敵の頻繁な復活によって妨げられるとか、要素がうまく噛み合っていない部分もあったと思います。前作とそのDLCの開発を経て、より洗練された体験を期待してもいいですか?
Rob Bagratuni
私たちは、特にあの規模のデビュー作として『アトミックハート』で成し遂げたことを非常に誇りに思っています。私たちは意識的に野心的な設計に取り組み、激しいプレイ体験を備えた大胆でユニークな世界を作り出すことを目指しました。
ですが当然、それには課題が伴います。敵のリスポーンのような一部のシステムが探索要素と矛盾することがあったというご指摘はまったくその通りです。私たちはコミュニティからのこうしたフィードバックに注意深く耳を傾け、それらの教訓を深く受け止めています。
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ですので、『Atomic Heart 2』では、より洗練され統一の取れた体験を期待してください。私たちは現在、戦闘と探索、ストーリーテリングとプレイヤーの自由、そして挑戦とアクセシビリティの間のバランスにフォーカスしています。ゲームのペースや、NPCの挙動、敵との遭遇をうまくコントロールするための仕組みを構築して、すべてのゲームシステムがプレイヤーの主体的で高い没入感のある体験を阻害しないよう取り組んでいます。
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前作の開発を通じて、私たちはスタジオとして進化しました。テクノロジーは成熟し、チームは拡大し、創造的なビジョンはさらに明確になりました。『Atomic Heart 2』が、最初のゲームでファンが愛したすべてを、はるかに大きな奥行き、洗練度、そしてゲームシステム間の調和をもって提供すると信じています。
――手元の資料には、“オープンワールドRPG”が定義の一つとして挙げられています。そこでオープンワールド性について聞きたいのですが、前作と似たようなものでしょうか? それともより深い探索を可能にする、より複雑でオープンな構造のフィールドを冒険できますか?
Rob Bagratuni
前作におけるオープンワールド構造に限界があったことを、私たちも間違いなく認識しています。探索を促すセミオープンな環境を構築することを目指していましたが、もっとよく実装できたはずだと考えています。この点はコミュニティの意見に同意です。
そのほかにも、たとえばチェロメイ(※冒頭で登場する発展した都市)は印象的なビジュアルなのに、プレイヤーは少ししか滞在できなかった。自由度やリプレイ性の面では十分に活用されておらず、機会損失のように感じられました。チームとして、私たちはこうした前作での経験から多くのことを学びました。
今作ではプレイヤーが私たちが生み出した世界を単に通り過ぎるのではなく、真に“その中を生きる”ことができるようにしたいと考えています。プレイヤーにより多くの自由、主体的に周囲の世界と関わっていけるような、よりオープンで探索重視のアプローチに寄っています。
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P-3に加えて新たな主人公も登場。よりグローバルな物語を展開
――『Atomic Heart 2』のストーリーの概要や設定をもう少し教えて下さい。それと、依然としてP-3の物語なんでしょうか?
Rob Bagratuni
はい。しかし彼だけの物語ではありません。トレーラーをよく見ると、P-3が彼の武器を一人称視点の主である新しいキャラクターに手渡していることに気づくでしょう。P-3の物語は『Atomic Heart 2』でも続きますが、新しい主人公とストーリーラインも導入され、ユニバースが意味のある形で拡大されます。
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この続編は、私たちが知っている愛すべき登場人物たちのその後だけでなく、新しいキャラクターが世界の未来をどのように形作るかを追っていきます。新鮮な視点とともに、物語をより深く掘り下げていきます。
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――前作の本編やDLCをプレイしていなくてもストーリーに追いつく方法はありますか? ゲームによっては冒頭に“ダイジェスト”があったり、新規プレイヤーを基準に物語を構築していたり、そもそもそれまでのストーリーの理解を必要としないこともあります。このゲームではどうですか?
Rob Bagratuni
『アトミックハート』から『Atomic Heart 2』のリリースまでにそれなりの時間が経過することになるでしょうし、前作のプレイヤーでもすべてを思い出すのは簡単ではないかもしれません。さらに業界は急速に進んでいきますので、オリジナルを体験する機会を逸してしまう人もいるでしょう。そこは理解しています。
なので、『Atomic Heart 2』のストーリーを理解するために『アトミックハート』本編やすべてのDLCをプレイするのを義務付けたくありません。それはフェアじゃない。長年のファンには物語と世界がどのように進化したかを高く評価していただけると信じていますが、新しいプレイヤーも完全にゲームに飛び込んで、『Atomic Heart 2』の物語をそれ自体独立したものとしてちゃんと体験していただけるようにします。
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一方で“ダイジェスト”をつける方法ですが、私たちは第3DLCですでに冒頭で短いストーリーの要約を入れており、プレイヤーからの反応もとても良かったので、『Atomic Heart 2』でもまたやる可能性があります。新規プレイヤーはもちろん、久しぶりにこの世界に戻って来るファンが物語との繋がりを取り戻すのにも役立つでしょう。
――『アトミックハート』は“ソビエトパンク”な世界観で知られています。今作では3826号施設を超えて冒険が広がっていくようですが、より多様な、場合によってはソビエト以外の環境も登場するんでしょうか?
Rob Bagratuni
もちろんです。冒険の範囲は間違いなく3826号施設を越えて拡大していくので、驚くべき新しいロケーションを楽しみにしていてください。とはいえ、『アトミックハート』を定義するレトロフューチャーな美学は引き続き体験の核となります。
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能力と武器のコンボをより楽しめるように
――『Atomic Heart 2』の戦闘とRPG要素について教えてください。前作ではポリマーアビリティといくつかの武器の組み合わせは楽しかったですが、アップグレードが充実して面白くなってくるまでちょっと時間がかかりました。ステルスもあまり良くありませんでした。今回はどうですか?
Rob Bagratuni
グローブの能力と武器の組み合わせはゲームの核となるアイデアの一つでしたが、そこに取り組んでくれるプレイヤーばかりではなかったのに気が付きました。
『Atomic Heart 2』ではさらに直感的で強力でやりがいのあるものにし、プレイヤーがより多くのビルドを試し、アビリティと武器のコンボの影響を感じられるように取り組んでいます。
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開発体制を強化しつつ、引き続き各地の販社と協力
――このプロジェクトはいつどのように始まったんですか? DLCの制作も進められていましたし、今回他のプロジェクトも並行して動いていたのがわかりました。これは大規模なスタジオでも簡単なことではないのに、Mundfishは比較的新しいスタジオですよね。
Rob Bagratuni
実は最初のゲームが完成するかなり前から『Atomic Heart 2』の物語の構想はスタートしています。多くのアイデアが早い段階から頭にあったので、『アトミックハート』本編とDLCの物語とも密接に絡み合っているいんです。ひとつの物語が自然に次の物語へと繋がり、私たちは常にそれらを、より大きな進化し続けるユニバースの一部として捉えてきました。
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ゲームプレイのメカニズムについても、私たちは早い段階から新しいシステムを模索し始めていました。いくつかプレイヤーの皆さんがすでに触れたものもあるんですよ。たとえば第3DLCで導入されたグラップリングフックは、単にDLC用の楽しい追加要素というだけでなく、続編でより中心的な役割を果たす可能性のある仕掛けをテストして洗練させるという目的もあったんです。ほかにもすぐにそれとわかりづらいものも含めて、開発チームにとっては重要な足がかりとなっています。
DLCは本編と同じぐらい大事に捉えているのですが、専門のチームを用意することで他のプロジェクトと並行して開発を進めてきました。元のゲームのサポートを継続しつつ、フランチャイズの新たな未来を築くことができましたね。
――『アトミックハート』はFocus Entertainmentや各地域で流通を担当するパブリッシャーによって発売されました。しかし最近では、特にスラブ系のスタジオの多くがセルフパブリッシングに移行しています。『Atomic Heart 2』ではどうですか?
Rob Bagratuni
はい。『アトミックハート』では、私たちは異なる地域で複数のパブリッシングパートナーと協力しました。Focus Entertainmentがグローバルパブリッシングを担当し、いくつかの重要な地域では地元のパートナーとも協力しました。デビューしたばかりのスタジオとしてこの関係は非常に重要で、各社の経験豊富なチームがそれぞれの地域での広報や発売に向けた作業をするあいだ、私たちは開発に集中できました。
より多くのスタジオがセルフパブリッシングを模索していることは素晴らしいことです。多くのスタジオがその道で成功しているという事実は、業界にとってポジティブな兆候だと考えています。一方で、私たちはローカルなパートナーとの強力なパートナーシップも依然として重要だと信じています。ローカルな市場、その地域のプレイヤーのニーズやプラットフォームの特性を理解するには、専門的な知識が必要です。だからこそ、私たちは『アトミックハート』が世界中の視聴者に届くのを助ける上で各パブリッシングパートナーが果たした役割を本当に高く評価しています。
『Atomic Heart 2』でどうなるかについてまだ発表できる具体的なことはありませんが、ローカルなディストリビューターと再び協力することは絶対的に計画の中にあります。国際的なリリースを成功させるにあたって、彼らの関与は極めて重要であると信じているからです。
開発トップが感じている本作の魅力は? 発売はあと数年は先?
――『Atomic Heart 2』であなたが前作からもっとも変わったこと、改善されたこと、新しくなったと感じる部分はなんですか? 開発者として、そしてゲーマーとして。
Rob Bagratuni
開発者としてもゲーマーとしても、私にとって『Atomic Heart 2』における最大の進化は、世界がはるかに生き生きと感じられるようになったことです。
最初のゲームでは、私たちは独特の雰囲気、戦闘、物語のトーンの基礎を築きました。しかし『Atomic Heart 2』では、これらすべてをさらに深く掘り下げたワールドシステム、よりダイナミックな環境、そしてゲームプレイとストーリーテリングの間のより強力な相乗効果を構築しています。
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また開発者としては、開発上のツールや工程が成熟したのを見るのは信じられないほどエキサイティングです。前作の開発時には不可能だった方法で、複雑なメカニクスやモジュール的に繋がった要素の相互作用を実装できるようになりました。
ゲーマーとしては……没入感ですね。あなたの行動に反応し、探索が豊かに報われる世界にいるという、その瞬間の感覚です。それは単に大きく、派手になったということではありません。よりスマートに、より深く、そして体験全体がより密接に繋がったということです。
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――まだやるべきことがたくさんあるのは理解できます。しかし…いつですか?
Rob Bagratuni
リリース日を発表する準備はまだできていません。正直に言うと、あと数年かかるでしょう。無理に急いで私たちのビジョンを完全に反映していないものをリリースしたくはありません。私たちは最高の体験を提供することに全力を尽くしていますが、それは時間がかかるものですからね。
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Rob Bagratuni
MundfishのCEO。『Atomic Heart 2』でもゲームディレクターを務める。