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『ブレイブリーデフォルト』HDリマスター版のミニゲームに感じるアーケード感。Switch2のマウス操作ならではの“楽しさ”の拡張を先行プレイで体験

byオクドス熊田

更新
『ブレイブリーデフォルト』HDリマスター版のミニゲームに感じるアーケード感。Switch2のマウス操作ならではの“楽しさ”の拡張を先行プレイで体験
 『ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー HDリマスター』は、新たに追加されたミニゲームが新感覚で楽しい。

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リズムゲームをやったり、
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主観視点で飛空艇を操作できたりする。

 Nintendo Switch 2にて2025年6月5日発売予定となる『ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー HDリマスター』。同作は、スクウェア・エニックスが2012年に発売したニンテンドー3DS用のRPG『
ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー』の完全版である『ブレイブリーデフォルト フォーザ・シークウェル』をベースに、リマスター化&追加要素を実装したものだ。

 発売に先駆け、先行で試遊する機会をいただけたので、新要素であるミニゲームを思いっきり堪能してきた。本記事ではその様子をお届けしよう。

UIは1画面の形に最適化。そして白魔道士アニエスがよりかわいく

 今回試遊できたのは2時間ほど、うち1時間ほどは物語の冒頭をプレイしていたので、まずはそこの手触りから……と思ったのだが、手触りを感じる前に、いきなり冒頭のムービーシーンからちょっとした驚きが。

 オリジナル版でも印象深かったARマーカーを使った特殊ムービーが、Nintendo Switch 2で楽しめるようにしっかりと再現されていたのだ。オリジナル版では、ARマーカーを読み込んだ後、本体を動かしてゲーム内のカメラを移動させたが、今回はARマーカーは必要ない。カメラ操作はスティックや各種ボタンに対応する形になっていて、オリジナル版よりも、より自由な角度からアニエスの慟哭を鑑賞できるようになっていた。
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慟哭を鑑賞……というとなんだか趣味の悪い言いかたになってしまったが、ようは技術の向上に感動してるだけである。
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カメラを引いたり寄ったりも簡単。

 HDになったことで、各種映像がより美しくなったことは言わずもがな。AR風の映像体験もしっかりと残しつつ、丁寧にリマスターされているのが伝わってくる。冒頭は各キャラクターのムービーシーンが続くこともあり、わかりやすくHD化したことによる感動を味わえた。

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美麗ムービーはそれだけでも必見の価値あり。
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イデア、好きなんですよね。

 その後、改めて本編へ。突如、世界各地にある風・水・火・土を司る“クリスタル”が暴走し、禍々しい大穴が大地に出現したことから物語は始まる。その影響で自身の住む村を失った主人公・ティズ。そんな彼はクリスタル正教の巫女・アニエスと出会い、クリスタルの妖精であるエアリーの助言を受け、ともにクリスタルを浄化する旅へと向かう。

 世界の危機、その事態を解決するため、謎の妖精に導かれて少年少女たちが旅に出る……という、古きよきシンプルなファンタジー感。今回試遊したのは冒頭も冒頭だけなのだが、原作をプレイしていた当時の「そうそう、こういうのがやりたかったんだよな」という気持ちが蘇ってくるようだった。

 ちなみにイベントシーンなどは2倍速にすることが可能で、周回プレイもより快適に。「このへんは覚えてるな」と思ったらサクサク進めたり、覚えてないところはじっくりと見直したり、そのあたりはプレイヤーの裁量次第。
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 オリジナル版は2画面である3DSでの展開であったため、当然ながら1画面となった『ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー HDリマスター』ではかなりUIが変わっている。もちろんメニューの下画面にいたエアリーもお引越し。いままで通り、さまざまな助言をプレイヤーに届けてくれる。
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左のスティックを回すことでエアリーの顔の向きを変えることもできる。“プレイヤーがタッチした位置を見る”という仕様の名残だろう。
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ジョブ画面はかなりコンパクトに。原作(左の画像)ではタッチパネルに表示されていた項目が、画面の右側に来たような感じだ。

 “ブレイブ&デフォルト”と呼ばれる、本作の特徴的なバトルシステムもしっかりと移植。ざっくり説明すると、いわゆる“ターンの前借り”ができるようなシステムで、このシステムを活用すると、1ターンに複数回行動できる代わりに、その後は数ターン行動不能になったりする。逆に防御して身を固めるとターンを温存でき、後に一気に複数回行動することもできたりする。

 1ターンに複数回行動するためのコマンドが“ブレイブ”。防御しながら、行動回数にあたるBP(ブレイブポイント)を貯める行動が“デフォルト”。ふたつ合わせて“ブレイブ&デフォルト”というわけだ。
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ちなみに戦闘は最大4倍速対応。等倍、2倍、4倍をワンボタンで切り換えられる。

 戦闘中はLボタン、Rボタンによるブレイブとデフォルトの入力も受け付けてくれるので、かなりオリジナル版に近い感覚で遊ぶことができるようになっている。

 今回の試遊では序盤しか確認できなかったのだが、20種類以上あるジョブシステムや必殺技も健在な様子。ジョブはモンク、白魔道士の2種類のみ見ることができたのだが、久々に見たアニエスの白魔道士姿に、思わず「かわいい……」と声を漏らしてしまった。

 このジョブによる“お着替え”も本作の楽しい要素であり、画質が上がったことでより楽しさが深まったのは確かだろう。筆者個人としては黒魔道士のイデアがとても好きだったため、またプレイしてその姿を拝めるのが楽しみである。
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やっぱりアニエスといえば白魔道士、いいデザインだよな……と改めて感服してしまった。

 ほかにも原作からの大きな変化として、街にいるNPCを介して、ほかのプレイヤーと疑似的なすれちがいを体験することが可能になっていたり、アチーブメントの達成と受け取りがゲーム内で完結していたりと、原作にあった通信関係の機能が形を変えて実装されている。
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アチーブメントは後述のミニゲームに関するものも。いろいろと項目自体が増えていそうだ。

音ゲー&飛空艇の操作! 新要素である2種類のミニゲームで遊ぶ

 『ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー HDリマスター』の新要素である2種類のミニゲーム。これらは物語の序盤(2章冒頭)で立ち寄る“艶花の国フロウエル”のイベントにて解放されるものとなっている。ただ、2章まで進んでいなくても、タイトル画面からミニゲームを選択することで、一部分だけはプレイすることが可能だ。

 これらのミニゲームはSwitch 2のマウス操作を使って行う。そう、あのJoy-Con 2をテーブルなどにピッタリとつけ、滑らせて行うアレである。
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こうやって操作するやつ。
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基本は右手に持つJoy-Con 2で操作する。筆ペンを持ったRのカーソルがそう。

 さっそく筆者は“光で応援 リズムキャッチ”に挑戦。左右のJoy-Con 2を操作して、音に合わせて画面上に出現するノーツをキャッチするシンプルなリズムゲームだ。光の戦士たちであるティズ、アニエス、イデア、リングアベルの4人が、劇中のさまざまな楽曲とともに踊ってくれる。もちろん、好きなジョブの衣装に着せ替えが可能だ。
※今回試遊した楽曲『彼の者の名は』ではキャラクターが歌い踊る映像が見られたが、別の楽曲では、歌劇風の映像が流れることもあるとのこと。[IMAGE][IMAGE]
曲とキャラクター、ジョブを選べば……。
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ステージ上で踊ってくれる。踊りを見守るだけの“鑑賞モード”も実装されている。

 ノーツは3種類。左右に広げたJoy-Con 2のあいだに挟み込むようにしてキャッチする“リングノーツ”。Joy-Con 2のボタンを押しながら直接キャッチする“お花ノーツ”。Joy-Con 2を近づけてキャッチする“バーノーツ”。それぞれ判定の方法が違うので、画面に出たノーツをしっかり見極める必要がある。
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これはリングノーツ。左右のJoy-Con 2カーソルのあいだに線が引かれており、その線がノーツに触れていればOK。なるべくリングの中心を狙おう。
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お花ノーツは、出現位置までカーソルを持っていかなければいけない。ちなみに、ボタンを押しているあいだはリングノーツをキャッチするための線が出ないので、つねにボタンを押しっぱなしにしておくという作戦は残念ながら通用しない。

 上記のふたつはそこまで苦戦しないのだが、問題はバーノーツ。Joy-Con 2を近づける必要があるのだが、この動作をちょっと誤ってカーソルの左右が手の配置と逆になってしまうと、非常に混乱してしまう。見えている情報と、腕の位置関係が脳内で一致しないのだ。

 どういうことかと言うと、それぞれのJoy-Con 2を持つ手は変わっていないのに、画面のカーソルを見ると、まるでJoy-Con 2(R)を左手で、Joy-Con 2(L)を右手で持っているかのように思えてしまうのだ。
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この状態。画面左側にJoy-Con 2(R)のカーソルが、画面右側にJoy-Con 2(L)のカーソルがあるのだが。
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現実での位置関係は交差しているわけではない。これで一瞬混乱する。

 「んなわけねえだろ」と考える人もいるだろうが、これがマジもマジ。大マジである。一瞬でも左右のカーソルが交差してしまうと、マウスを持つ腕の操作感覚とモニター上で起こっていること(視覚情報)が合致せず、脳が混線するのだ。

 とはいえ、30分ほどプレイしていればある程度は対処できるようになるのだが。初めてこの現象に遭遇したときは完全にフリーズしてしまい、脳の処理が噛み合わない感覚がちょっと奇妙でおもしろかった。

 よくよく考えてみれば、日常的にマウスを両手で操作することなんて一切ない。「マウスなんて、ふだん使いしてるから問題ないでしょー」と思っていたのだが、まさかこんな落とし穴があるとは。ある種新鮮な体験である。
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このバーの白色部分に両方のカーソルを揃えて持ってこなければいけないのだが、混乱してあらぬ位置へ。従来の“コントローラーを画面に向けて操作する”形式では体感したことのない経験だった。
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とはいえ人は慣れる生き物。同じ曲、同じ難易度で3回ぐらいプレイしたのだが、わりとすぐにフルコンボできた。どんどんスコアが上がるのが楽しい。

 ひととおり踊る姿を見られたので、つぎは“リングアベルのパニッククルーズ”へ挑戦。こちらはかなりハチャメチャなミニゲームだった。

 基本的には飛空艇を操縦して、コース通りに飛ばすだけなのだが、道中では仲間からさまざまな指示やお願いが飛んでくる。それらの要求に応えつつ、空を進んでゴールまでたどり着くのが目的となる。
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チュートリアルではリングアベルが丁寧に飛空艇の操縦方法を教えてくれる。

 しかしそのお願いが曲者。「故障した箇所を直して!」や「汽笛を鳴らしてほしい」などの指示はまだいいものの、中には「熱いから冷房を入れてほしい」だの「音楽を聴きたいからラジオを操作して」だの「花火を上げてほしい」だの、飛空艇の操作でいっぱいいっぱいなプレイヤーに対し、好き勝手な要望が飛んでくる。
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機体の点検とかはわかるんだけども。
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冷房とかになってくると、「それぐらいうまいこと手を伸ばしてなんとかしなさいよ!」とついつい言いたくなってしまう。慣れないうちは、仲間からの要求に自分の視線が引っ張られてしまうので、飛空艇の制御がかなり危うくなる。

 要望を聞いて、でも航路は外れないように機体を制御して、で、また要望を聞いて……と、このミニゲームではとんでもない量のマルチタスクを求められる。もしや本編中のリングアベルって、こんな環境で操縦してたの……? となんだか彼の胃が心配になってしまった。
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でも感謝されるとちょっとうれしいので「まあいいか……」となってしまう。我ながらちょろい。

 そんなクルーズの最終地点では、ボスである巨大な敵が待ち受ける。ここからは要望を聞いたり航路通りに操作したりする必要はなく、とにかく飛空艇に備え付けられたたくさんの砲塔から砲弾を浴びせかけるという操作に。レバーを掴んで引っ張って、道中の鬱憤を晴らすかのように大砲をぶっ放す。
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ボス前の前哨戦として、襲い来る亡霊をハエタタキで追い払うことも。……武器、それであってます?
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一気に大砲を連射してトドメを刺すフィニッシュ演出。とても気持ちいい。

 遊び心地としては、ゲームセンターにある、乗り込むタイプの大型な筐体ゲームを遊んでいるような感覚が近いだろうか。左右のマウス操作による体感的な遊び心地が、家庭用ゲームでありながら、アーケードゲームっぽさをうまく出していると感じられた。マルチタスクをこなすのは大変ではあるが、慣れれば意外となんとかなるし、その慣れによる“うまくこなしてる感”がおもしろいミニゲームだ。
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日常的に車を運転する人であれば意外と得意だったりするかもしれない。

 今回の試遊では、難易度NORMALかつ最初のステージしか遊ぶことはできなかったが、個人的にはどちらのミニゲームも大変おもしろいものだった。

 劇中の素晴らしい音楽を映像つきで堪能できる“光で応援 リズムキャッチ”も、「飛空艇ではこういうやり取りをしてるのかなー」というキャラクターたちの関係性に対して妄想がはかどる“リングアベルのパニッククルーズ”も、このゲームが持つおもしろさをさらに拡張してくれるミニゲームであることは間違いない。

 そしてなにより、今回の試遊全体を通じて「また『
ブレイブリーデフォルト』をやりたいな」と思った。物語ももちろんだが、キャラクターがすごく魅力的なのもこのゲームの大きな特徴である。ジョブシステムの一端やミニゲームに触れて、改めてそのよさを痛感した次第だ。

 『ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー HDリマスター』は、6月5日に発売予定。新たに生まれ変わった光の戦士たちの冒険譚を、いま一度体験してみてほしい。
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