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この困難ともいえる挑戦で開発陣が目指したのは“ショートRPG”だったことは、2024年12月の発表時に行ったディレクター・石崎淳也氏(フロム・ソフトウェア)へのインタビューで明言されていた。
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石崎淳也氏(いしざき・じゅんや)
『DARK SOULS』ではレベルデザインを、『Bloodborne』、『DARK SOULS III』、『エルデンリング』ではバトルを中心に開発に携わる。本作では初めてディレクターを担当。
2日目までの旅路が3日目の“夜の王”戦に集約する
理想は際限がないので、なかなか理想通りと言うことは難しいですが、このタイトルを価値ある形に着地させることは実現できたと、自信を持って言えます。
――当初にゲームデザインをお聞きした際には、本作は『エルデンリング』とローグライクの要素を組み合わせた作品という印象を受けましたが、実際にプレイすると、既存の作品にはあまりないゲームデザインになっています。レベルアップと武器の収集による強化、セッションごとに変わるフィールドのレイアウト、個性的なプレイヤーキャラクターといった要素がハイスピードかつハイテンションで展開します。そこにフロム・ソフトウェアらしい探索と死闘が加わったことで、独自のゲームが生まれたと思いますが、どのようなプレイフィールを目指していたのでしょうか?
何かに似ているようで未知のゲームになることはイメージしていたので、なかなか周囲に「こういうゲームです」と説明するのは難しかったですが、おもしろくなると確信していたこともあり、その狙いは変えずにいました。
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敵の強さは、より順当な手応えになるよう整えています。お伝えしておきたいのは、ネットワークテスト版からいたずらにすべてを難しくしているわけではありません。ユーザーさん自身のレベルアップにともなって手応えがある形にしていますので、ご安心ください。
敵の状態異常についても見直しをしています。それぞれ状況や相手に対して強みや弱みがあるように調整しており、何かひとつに頼りきりになることがないようにしました。
ゲームバランス面以外では、ゲームの理解を深められるようにメニューなどを強化しています。受け身で知らされる重要な情報であったり、能動的に確認できる性能やルール、ゲームプレイの振り返りなど、“円卓”内で落ち着いてできること、セッション中に簡易で見られるものを配しています。
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『エルデンリング』と異なり、ランダム要素のある本作ではプレイヤーキャラの状態が安定しません。時に心細いほどに弱々しく、また他に類を見ないほど強くなることもあります。しかしそれは、単にランダムで運がよかったとか悪かっただけでなくプレイヤー自身が何を選び、何をしてきたのか、その道のりで積み上げてきた成果です。
旅路そのものがボス戦の前半戦とも言える、『エルデンリング ナイトレイン』における決戦のスケール感を感じてもらえると思います。
――ゲームの基本的な流れとして3日間のうち、2日間は育成と強化、3日目に大ボスと対峙するという設計にした狙いをお聞かせください。
ダンジョンを探索し、敵と戦いながら成長し、強力な武器やアイテムを獲得して、その先に待ち受けるボスに挑む……この原則を守れているのなら、少なくともボスを克服するという点における達成感は必ず得られる、ということです。ステージが進むべき道に誘導してくれているか、自分でどこを道と定義するのか、それだけの違いです。
本作はゲームデザインを大きく変えていますが、我々らしい達成感は、また新鮮な形でしっかりと味わっていただけると思います。
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時間が主導権を持つゲーム進行において、少しかじるだけでもおいしいと感じられるのであれば、たくさんの要素がつぎつぎと降りかかってきたとしても、ちゃんとそれらを適切に受け止めて処理することができ、納得感を持ってつぎのことに取り組めるだろう、と考えたからです。
――物語や舞台は本編とは別モノとなりますが、世界観のバランスはどのように考慮されたのでしょうか?
そのうえで『エルデンリング』本編とは別の世界線だったり、ボタンの掛け違いの可能性だったりで「そういう“狭間の地”もあったのかもね」という、ある種の妄想を盛り込んでいます。最終的には私自身がいちユーザーとして見たときに、受け入れられるかどうかで判断しています。
――各キャラクターのバックボーンとなるストーリーは、どのように設定していったのでしょうか?
短い展開の中で物事の見えかたが変わったり、意外な出来事が起きたりするので、そのあたりも楽しんでいただけたらうれしいですね。
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『エルデンリング』における探索や戦闘の駆け引きやおもしろさを活かすには、人数を抑えつつ、しかしマルチプレイとしての醍醐味が生まれてくるのに最低限の人数は必要、という考えのもとで3人に設定しています。
――各プレイヤーキャラクターの性能は、どのような方向性で構築されたのでしょうか?
たとえば“鉄の目”はシューティングゲーム的ですし、“隠者”はパズルゲーム的です。そういったさまざまなゲームジャンルが持つエッセンスを採り入れることで、ひとつのゲームの中で別のゲームプレイが楽しめるような幅を持たせることができました。
これは、昔から自分の中でやりたかったことのひとつなので、実現できてよかったと思います。
――プレイヤーキャラクターそれぞれに得意武器がありますが、性能の差はそこまで大きくありません。デフォルトの武器は早々に捨ててしまうこともあると思うのですが、得意武器を設定したのはロールプレイをより楽しめるようにしたかったからでしょうか?
最初から弓を持っていれば、弓を中心とした戦いかたをしたほうが有利ということを直感で理解いただけると思いますし、その武器に触れる機会が増えるので、どう使うべきか、自然と身に付きやすくなります。
各キャラクターに対して、その得意武器はアクション的に有利な調整をされており、またステータスとしても適したものになっています。
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まずは得意武器でキャラクターの感触を確かめて、慣れてきたら状況に応じて選ぶものを変えていく。そうすることで有利な展開を作りやすくしたり、窮地を脱する判断につなげていったりしてもらえればと思います。
本作における協力要素の定義は“連携”ではなく“便乗”
各々が好きにプレイをしていても、ふいに噛み合った瞬間が発生するのは、意図したものです。このタイトルのマルチプレイにおける協力要素は、“連携”ではなく“便乗”と定義しています。味方を活用して有利な展開を作れば、お互いにおいしいですし、気を遣い合う必要もありません。ほかのプレイヤーに期待したりされたりというのはプレッシャーになってしまうと思いますし、それぐらいのほうが気楽でいいですよね。
なので、ユーザーの皆さんには気兼ねなくお互いを踏み台にしてほしいと思います(笑)。
――蘇生が攻撃スタイルになっているのは本作のゲーム性にとても合っています。しかも、攻撃の威力や速度、範囲射程なども蘇生に影響する点はすばらしいアイデアです。このアイデアはどのようにして生まれたのでしょうか?
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戦闘中に突然発生するアクションなので、煩わしくない操作が望ましかった点もあります。
――装備品に関して、武器がメインで、タリスマンは貴重なレアアイテムといった印象を受けました。本作で防具を削除した狙いをお聞かせください。
『エルデンリング』本編では、武器ひとつをとっても多くのパラメータを持っていましたが、本作では攻撃力と属性、戦技と付帯効果がどうであるか、程度に厳選しています。スピーディーに状況が変化していく本作では、プレイ中に考えたい点は、ある程度まで絞り込んだほうが適していると考えたためです。
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基本は強くなりたいと考えて選ぶものですが、「それがあるなら、こういうビルドもありなのか?」と迷うことは、キャラクターを強化していく中で楽しい悩みになると思います。
――アイテムは本編と比較して、使う価値や使うべきタイミングがより明確になった印象を受けました。これも、本作のゲーム性に合わせて変化させたということでよろしいでしょうか?
――“遺物”はさまざまな効果を発揮するものが用意されていますが、どれくらいの数や組み合わせが用意されているのでしょうか? また、各キャラクターのストーリー進行によって遺物の性能も上がっていくのでしょうか?
キャラクターのストーリーでは特定の遺物を得る場合がありますが、その性能は「安定感がある」とお伝えしておきます。なので、遺物を目当てにストーリーを進めていただいてもいいと思います。
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そもそも『エルデンリング』のアセットをベースにしつつ『エルデンリング』とは別の世界観を採り入れる時点で、無茶が利く舞台を用意する必要があったので、それなら『DARK SOULS』を引用してもいいのではないか、というところから始まりました。関係者の皆さんには快諾いただき、感謝しています。
『DARK SOULS』からの出典は、いずれも敬意を払って引用していますので、BGMをはじめ取り巻く要素は原作に忠実であるよう努めています。
――『エルデンリング』のバトルディレクターを経て、本作で石崎さんはディレクターを担当されました。いわばゲーム全体を統括されることになったと思いますが、本作が発売されたいま、振り返ってみて開発は楽しかったでしょうか?
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敵は、最後に戦うことになるボスです。ネタバレになるので何も言えないですね。平易ですが、格好よくて美しくて強い、とだけお伝えしておきます。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
別の観点として、ゲームプレイがおもしろいものであることを目指して開発してきました。ここには、刺激に満ちたゲーム体験が待ち受けています。手応えや達成感、未知なる戦いにぜひ挑んでみてください。
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