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『エルデンリング ナイトレイン』発売直前レビュー【執行者・レディ】テクニカルな性能の“夜渡り”ながら、本作における“連携”のおもしろさを見せてくれるキャラクターに

byカイゼルちくわ

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『エルデンリング ナイトレイン』発売直前レビュー【執行者・レディ】テクニカルな性能の“夜渡り”ながら、本作における“連携”のおもしろさを見せてくれるキャラクターに
 フロム・ソフトウェアよりプレイステーション5(PS5)、プレイステーション4(PS4)、Xbox Series X|S、Xbox One、PC(Steam)向けに2025年5月30日発売予定の『ELDEN RING NIGHTREIGN』(エルデンリング ナイトレイン)。
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 本作は新たな舞台となる“リムベルド”で、8人の戦士“夜渡り”たちを操って3日間を生き抜き、“夜の王”たちに挑む協力型のサバイバルアクションだ。今回は、本編の『ELDEN RING』(エルデンリング)を遊びつくしている3人のライターが、製品版を先行プレイ。それぞれで8人のキャラクターを分担し、時間が許すかぎり3日間の冒険を体験してもらった。
 そんな3人の“夜渡り”による、三者三様の『エルデンリング ナイトレイン』レビューをお届けしよう。本稿は“夜渡り”の中でもテクニカルな“執行者”と”レディ”に焦点を当てたレビューとなる。ほかのレビューと合わせて参考に。
※ネタバレには配慮していますが、気になる方はご了承ください。

本作の真髄を実感できる“夜渡り”執行者とレディ

 今回は『エルデンリング ナイトレイン』の製品版バージョンで、ライター3名でのマルチプレイによる先行プレイの機会をいただけた。当レビューでは執行者とレディという、本作でもかなり特徴的、かつテクニカルな性能を持つキャラクターでプレイしてみてのレビューをお届けする。
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 なお、筆者は『エルデンリング』については本編ならびにDLCを累計12周、578時間ほどプレイしている。本作についてはメディア体験会、ならびにネットワークテストで経験済みだ。
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『エルデンリング』をかなり遊んだ身ではあるが、このふたりには相当手を焼いた。だからこそ、非常におもしろかった。
 執行者とレディのふたりでも『エルデンリング』と同じ戦いかたがある程度通用するかと思っていたが、実際は違った。ほかのプレイヤーとの“連携”という点で、まったく異なるプレイ感覚が味わえたのだ。

 両者のプレイフィールと合わせて、今回はこの“連携”が生み出す本作の戦闘のポイントや、おもしろさについても伝えていきたい。

執行者:“弾き”と状態異常の名手

 まずはプレイ開始時から使用できる、執行者のほうから触れていこう。

 前提として本作の流れを改めて説明すると、時間がリアルタイムで経過していく本作の舞台“リムベルド”の大地で、全8名のキャラクター“夜渡り”からひとりを選び、以下のように探索と強敵戦をこなしていく。
  • 1日目の昼:探索
  • 1日目の夜:強敵戦
  • 2日目の昼:探索
  • 2日目の夜:強敵戦
  • 3日目:標的“夜の王”との最終戦
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リムベルドでは外側から夜の領域の侵食が進み、昼から夜にかけて安全圏が縮小していく。安全圏外では“夜の雨”が降り注いでおり、HPを急速に奪われてしまう。
 『エルデンリング』をプレイ済みのプレイヤーにとって、執行者はこのリムベルドと『エルデンリング』の“狭間の地”との関係を強く感じさせる夜渡りだ。

 本作には、ゲームを進めていくことでプレイできるようになる、夜渡りたちそれぞれの物語が描かれる“追憶”というストーリーパートがある。執行者の追憶ではかつてこの地に存在したという“黄金樹”の存在など、『エルデンリング』のプレイヤーならピンとくるであろう要素が続出する。
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執行者の追憶を進めることで、よりこの世界を知ることができるかも知れない。
 執行者は能力面でいえば、技量と神秘が非常に高いのが特徴。技量補正が高い武器との相性がよく、とくに刀は得意武器で、他の夜渡りが使う場合よりも優れた性能を発揮できる。

 また、神秘が高いため、毒や出血といった状態異常の蓄積値が高いのも強み。敵をすばやく状態異常にすることができる。
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本作では、探索中や強敵の撃破時などに手に入る装備はランダム。得意武器の刀だけでなく、状態異常の効果を持つ武器もぜひ拾いたいところ。
 執行者が持つ特殊能力については、以下の通り。

アビリティ【不撓】

 状態異常(出血も含む)から快復したとき、“活性”効果(攻撃力とスタミナ回復力が上昇)を得る。

スキル【妖刀】

 “弾き”で敵の攻撃を無効化できる“妖刀”を抜刀する。

アーツ【坩堝の諸相・獣】

 原初の獣に、その姿を変える。変身した瞬間にHPが全快したうえで、変身解除まで追加のHPを得る。

 執行者最大の特徴は、スキルで抜刀できる“妖刀”だろう。スキルを使用すると持っていた武器を納め、腰に常備している妖刀を抜いて構える。妖刀を構えているあいだは歩く速度がゆっくりになり、もう一度スキルを使って妖刀を納めるか、左スティック押し込みで“疾走”を出すことで、もとから持っていた武器に持ち替える。
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妖刀にはクールタイムの概念がなく、好きなときに抜刀、納刀が可能。
 妖刀の攻撃力は、執行者のレベルに応じて変化する。戦技は大きく踏み込みながら斬り払う、独自のものとなっている。

 また、ガード操作を敵の攻撃にタイミングを合わせて出すことで“弾き”が発生し、攻撃を完全に無効化できる。弾きをくり返すと妖刀が輝き、“解放”状態となる。この状態では妖刀の戦技が強化され、動作中は無敵になる。
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弾きこそ、執行者の真骨頂。タイミングさえ掴めば、ガード可能なすべての攻撃を完全無効化できる。
 弾きはガード操作だけでなく、妖刀の抜刀時と納刀時、そして戦技の出かかり部分でも発生する。ここが非常におもしろいところで、敵の攻撃がわかっていれば、あらゆるタイミングで弾くことが可能。

 たとえば出血武器で攻撃してダメージを稼ぎつつ、敵の攻撃が来るタイミングで妖刀を抜刀して弾く。さらに続く攻撃を納刀して弾きつつ、ふたたび出血武器を持ち直して攻撃を継続、などという芸当も可能だ。
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弾きはタイミングが合っているほどエフェクトが派手になり、解放状態にもより早く到達できる。タイミングが合わなくても早めに出しておけば、ガードは成立する。
 技量武器と状態異常を駆使する通常状態と、機動力は落ちるが鉄壁の守りとなる妖刀抜刀状態を、好きなタイミングで切り替えながら戦えるのが執行者の強み。使いこむほどに戦いかたが洗練されていく感覚があり、プレイヤー自身の上達を強く感じられた。
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筆者は最初、弾きにこだわりすぎて妖刀抜刀状態でばかり戦っていた。そこから切り替えと状態異常を意識していくことで、火力や生存率が目に見えて上がった。
 また、アーツは使用した瞬間に体力が全快するため、聖杯瓶の節約にも役立ってくれた。ただ、変身中は体が大きくなるぶん敵の攻撃を受けやすくなり、増加した分のHPを超えたダメージは変身後にしっかりと残ってしまう。

 この変身は一定時間の経過か、戦技の使用かのいずれかで解除される。戦技の使用中は大きな溜め動作があるが、無敵時間はない点には注意したい。
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変身中はガード操作でも咆哮攻撃を出すようになるので、回避主体の立ち回りになるかと思う。

レディ:機動力と連携の申し子

 筆者が今回の先行プレイで使用したもうひとりの“夜渡り”、レディについても解説していこう。なお、レディは最初から使用できる“夜渡り”ではない。
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レディの“追憶”では、ほかの“夜渡り”とも関わる意外な物語が垣間見えた。
 能力面では技量が高く、知力も全8名の“夜渡り”の中で2番目に高い。得意武器は短剣で、もともと振りが速い短剣をより使いこなし、速度と手数が極まっている。特殊能力については、以下のとおり。

アビリティ【華麗な身こなし】

 攻撃や回避を効率的に行ない、2連続で回避行動を可能にする。2回目の回避行動は移動距離が長い。また、疾走のスタミナ消費も軽減されている。

スキル【リステージ】

 周囲の敵に、直近の出来事を再演する。

アーツ【フィナーレ】

 周囲の味方とともに姿をくらませ、敵の目を欺く。

 アビリティによる回避行動の強化が、レディに高い機動力をもたらしている。2連続で出せる回避行動のうち、とくに2回目の回避行動が距離調整に使いやすい。
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大きく跳躍する、2回目の回避行動。これで敵との距離を一瞬で調整できる。
 スキルは近くの敵すべてに、1秒程度の過去から受けていた攻撃を再度受けさせるという特殊なもの。ダメージは本来の攻撃よりも多少減衰するが、味方のアーツや致命の一撃など、強力な攻撃を再演することで大ダメージを奪える。
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スキルを使用すると、敵の過去の幻影が出現。敵はその幻影の状態で受けていたすべての攻撃を、再度受ける。
 アーツも非常に特殊なもので、近くにいる味方とともに短時間ではあるが透明化する。透明化しているあいだは敵の標的にならないので、倒れた味方を攻撃して蘇生するときなど、敵に狙われたくない場面で役立つ。

 ただ、“夜渡り”たち全員が透明化すると、敵はその場でやみくもに攻撃をくり出してくる点には注意したいところ。
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透明化していれば弓や魔術で遠距離攻撃をしても、敵に狙われることがない。
 レディは機動力の高さと、特殊なスキルとアーツをいかに活かすか考えてプレイするのが非常に楽しかった。レディ自身はさほど高火力を出せるわけではないが、仲間の“夜渡り”とスキルのタイミングを合わせることで、絶大な火力貢献が可能になる。
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たとえば隠者の強力な“混成魔法”をスキルで再演すると、強敵のHPが目に見えて激減。ほかの“夜渡り”では味わえない快感がある。
 2連続の回避行動で、敵の攻撃が届かない範囲まで一瞬で移動できるのも強みだ。ほかの“夜渡り”では不可能なヒット&アウェイが可能で、そのぶんスタミナの管理など、テクニカルな部分が問われる。
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状態異常の効果を持つ短剣や爪などが手に入ると、執行者ほどではないが状態異常も一瞬で引き起こせる。

テクニカルなキャラクターの真髄は“連携”

 ここまで説明した通り、今回筆者が使用した執行者とレディは、かなりテクニカルな側面を持つ“夜渡り”だ。では、そんなキャラクターを実際に使用した先行プレイでは、どんなことが起こったか。
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それはもう、びっくりするほど倒れた。
 まずは言い訳をさせてほしい。執行者は前衛キャラクターのなかではHPが低いほうで、レディはさらに脆い。弾きや回避行動のタイミングを外すと、ほとんどの強敵相手で“2確”(2回殴られたら倒れる)、相手によっては“1確”も珍しくない。

 攻撃のタイミングがわからない初見の強敵に近接戦を挑むとなれば、それはもう倒れるというもの。ほか2名のライターに、何度起こしてもらったことか。
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ソロプレイならまだしも、マルチプレイで倒れすぎると申し訳なさが芽生えてくる。
 とはいえ、やられっぱなしでは終わらなかった。『エルデンリング』をプレイしていたときも、こうして何度も倒れながら敵の攻撃方法を覚え、対応していったものだ。悔しさをバネに、DLC最終ボスに数時間かけて挑み続けた記憶が蘇る。

 本作でもその根幹は同じ。今回もプレイを重ねていくうちに、だんだん倒れる回数が減っていき、ついにはほぼ倒れずに標的の夜の王のところにたどり着くところまで成長できた。倒れる回数が大きく減るという明確な変化で、成長の実感も強く得られた。
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敵をいなし、倒れる回数も減っていくという、目に見える結果。この達成感を味わいたいという人は、けっこういるのではないだろうか。

 倒れる回数が減ったのには、近接攻撃にこだわりすぎず、しっかりと相手の行動を見極められるようになった点も影響していたと思う。

 執行者とレディは技量が高いため、弓での攻撃も実用レベル。さらにレディは杖での魔術も威力がある程度出るため、両者ともに遠距離戦にも適性がある。初見の攻撃を遠距離から見極めたり、回復アイテム“聖杯瓶”が残り少ないときに無理せず遠距離戦に切り替えたりと、状況判断をしっかり意識することで、倒れる回数を大きく減らせた。
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レディの魔術は思った以上にダメージが出た。ただ、隠者のスキルのようなFPを手軽に回復する手段がないため、連射は厳しい。
 こちらが無理に殴りに行って倒れてしまうと、味方が起こしに来てくれるあいだ、その味方が本来その時間で敵を殴って出すはずだった火力を奪ってしまう。結果、パーティー全体での総合ダメージは落ちてしまうわけだ。

 このことに気が付き、さらに味方の存在を意識してプレイしていくと、“連携”の大切さが見えてきた。とくにレディはスキルのタイミング次第で、仲間全体の火力を大きく左右することもよくわかった。味方の大技以外にも使っていくことで、総合ダメージが伸びていく。

 ただ、本作では昼の探索の時間がかなり限られているため、急いで敵を倒したくもなる。このジレンマを抱えつつ冷静に立ち回るというのが、思った以上に困難で、実現できると想像以上に気持ちいい。
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弓などの遠距離攻撃を用意しておくと、遠くから倒れた味方を蘇生することも可能。これだけでも立派な連携の一環だ。
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レディのスキルはふだん使いしつつ、味方の大技にも合わせて使えるようにクールタイムを調整していくのが、かなり難しいが楽しかった。
 各地の拠点や、各日の夜に戦うことになる強敵との戦いでは、この連携がより大事に感じられた。

 まず前提として、執行者もレディも、自分自身では瞬間的な大ダメージは出せない。継続して攻撃していくことで状態異常などでダメージを稼ぐので、一瞬一瞬で無理をする必要はない。むしろ無理をしても、火力はさほど伸びない。
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HPが低めなので、無理に殴りに行くとほかの前衛系“夜渡り”と比べ、リスクに対するリターンが少なすぎる。
 ダメージを多く出したい、はやく敵を倒したい。そう考えるほどにまずは攻撃するまえに冷静に状況を見るのが、執行者、ならびにレディの真骨頂だと思う。

 前衛のパワータイプの“夜渡り”が殴りに行くなら、そこでその“夜渡り”が大技を使うのかどうか見極める。隠者や鉄の目といった、高火力を出せる“夜渡り”が後衛にいるのなら、彼らが敵に狙われず攻撃に専念できるように、敵のターゲットを取っていく。

 仲間の存在をつねに念頭に置いて、弾きや回避行動などの防御能力もここぞというところで活かす。これらができるようになってくると、格段に戦闘がおもしろくなった。
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連携こそ、テクニカルキャラ最大の武器。自分がその時々で最適の役割を果たせるように意識するようになったら、本作がよりいっそうおもしろく感じられた。
 連携の大事さについては、テクニカルキャラに限ったものではない。自分がどんな役割を果たすべきか意識してプレイすると、どの“夜渡り”でプレイしても『エルデンリング ナイトレイン』はよりおもしろくなると確信できた。

 その中でも執行者とレディは、自分の役割を場面に合わせて巧みに変えることができる、じつにユニークなキャラクターというわけだ。どちらも敵のど真ん中に突っ込んで暴れたり、遠くから一網打尽にしたりといった華やかさはないが、その華やかさを引き出すいぶし銀の立ち回りができる。
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『エルデンリング ナイトレイン』の魅力を確認する意味でも、ぜひ全プレイヤーに執行者とレディでプレイしてみてほしいと思う。
 両者とも初心者でも簡単とか、初めてでも扱いやすいとかといった言葉は決して口にできない、かなり扱いが難しいじゃじゃ馬ではある。だが『エルデンリング』に魅了されたプレイヤーなら、難しさを克服していく達成感と、成長の喜びをすでに知っているかと思う。

 時間との戦い、そして連携と状況判断。本作の重要な部分を、執行者とレディを使うことですべて強く実感できるかと思う。扱いこそ難しいが、本作におけるプレイヤーの成長を大きく促してくれる存在として、ぜひこの両者に触れることをオススメしたい。

本作のムック本が5月26日発売

 なお、本作のゲームプレイに役立つ知識を総まとめしたムック『ELDEN RING NIGHTREIGN Twilight Guide』(エルデンリング ナイトレイン トワイライトガイド)がゲーム発売に先駆け、5月26日(月)に発売されている。
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 『エルデンリング ナイトレイン』はアクションRPG『エルデンリング』の一部要素を引き継ぎつつも、まったく異なるゲームデザインとなっており、プレイヤーは新たなアプローチで難解なフィールドや強大なボスといった困難を攻略していくことになります。新たな脅威に挑むための足掛かりとして、ぜひ本誌を役立ててほしい。

ムック『エルデンリング ナイトレイン トワイライトガイド』概要

特集01:『ナイトレイン』サバイバルガイダンス
 ネットワークテストの情報を中心に、基本操作やゲームの流れなどを解説。
『エルデンリング』からゲームデザインを刷新した”協力型サバイバルアクション”の全貌に迫る。
特集02:武器種/戦技・魔術・祈祷一覧
 アイテムドロップがランダムとなる本作では、豊富な知識が勝利の鍵を握る。すべてを使いこなし夜明けを迎えるために、本作に登場する武器種および、戦技・魔術・祈祷を一覧で紹介する。
特別企画
 ディレクターインタビュー
付録
 『ELDEN RING NIGHTREIGN』B2ファブリックポスター

書誌情報

  • 書名…ELDEN RING NIGHTREIGN Twilight Guide
  • 発売日…5月26日(月)
  • 定価…3300円[税込]
  • 仕様…オールカラー、A4判、80ページ
  • 付録…B2ファブリックポスター
  • その他…BOOK☆WALKERを始め、各電子書籍ストアでも配信予定
※電子書籍版の価格は1650円[税込] ※電子書籍版に付録は同梱されません。
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