
セガのサウンドチームであったウェーブマスターが指揮を執った作品
本作は2000年にセガが社内の開発チームを10社の開発子会社として独立する再編を行った際に生まれたウェーブマスターが指揮を取った作品。ウェーブマスターはデジタルメディア制作部が独立する形で誕生したため、本作はサウンドクリエイターが中心となって作られた珍しい作品でした。
CGやスクリプトなどはセガの開発部が手伝っているそうですが、ふつうのゲームでは味わえないような独自のセンスが抜群。とくに主人公のネジがファンである架空のアーティストであるセラニポージは最高です。2023年12月にはセラニポージの『ぴぽぴぽ』が世界的ブームになっていることが記事になり、そのブームを受けて『pipo pipo(Sped Up Version)』が配信されるといううれしいサプライズがありました。
個人的にはチャットをするネジを覗いたときにカレーにどんなソースをかけるかで盛り上がっているのが大好き。カレーにソースをかける愛好家たちが集まる“カレーにソースの会”というネーミングセンスも抜群です。自分はいまでもゲームなどで同盟やチーム名を入力するときは、この“カレーにソースの会”と入力しがちです……。
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本作は条件を満たすことで4つのシナリオに分岐。隣の部屋から子どもの泣き声が聞こえてくることから始まる“ワンダーウォール”、1年前から姿を見せなくなってしまっていた“カレーにソースの会”のメンバーであるエレナから「助けて!私が消えてしまう」というメッセージが届く“過去から来たメール”、演劇部に入ったネジが恋の三角関係になる“サークルゲーム”、人間の善悪が逆になった鏡の世界に迷い込む“鏡の中にあるが如く”の4つが楽しめます。
マンガ家の藤子・F・不二雄先生が提唱していた“すこしふしぎ”系なストーリーが多いですが、個人的に全体の雰囲気は舞台劇やコントを鑑賞している感覚に近いかなと思っており、ほかのゲームでは味わえない没入感と感動を与えてくれます。
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反転してガラが悪くなった親友のタカハシが銀行強盗を計画し、ヤクザから拳銃を盗んでしまう展開からの緊張感はハンパないです。また、余韻を残すような終わり方がすばらしく、最後にスタッフロールとともに流れるセラニポージの曲がマジで沁みます。
2002年にはPS2で移植版が発売され、2003年には続編の『ニュールーマニア ポロリ青春』が同じくPS2で発売。
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新作の中止は残念ですが、『ルーマニア#203』自体は名作なのでまだプレイしたことがなければぜひ遊んでみてください。きっと思い出に残る1本になるはず!