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『限界OL海へ行く』GWはもうすぐ終わり……日常がまた始まるけど、しんどいときは逃げちゃおう! 心が軽くなる短編ノベル【とっておきインディー】

『限界OL海へ行く』GWはもうすぐ終わり……日常がまた始まるけど、しんどいときは逃げちゃおう! 心が軽くなる短編ノベル【とっておきインディー】
 古今東西の魅力的なインディーゲームを紹介する“とっておきインディー”
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 今回は、読んでいるだけでなんとなくやさしい気持ちになれる短編ノベルゲーム『限界OL海へ行く』。
※Web転載に合わせて、本誌掲載時から一部を追記・改訂しております。

みんな限界、心がしんどい、逃げ出したい。だから、海へ行こう。逃げてみよう!

『限界OL海へ行く』GWはもうすぐ終わり……日常がまた始まるけど、しんどいときは逃げちゃおう! 心が軽くなる短編ノベル【とっておきインディー】『限界OL海へ行く』GWはもうすぐ終わり……日常がまた始まるけど、しんどいときは逃げちゃおう! 心が軽くなる短編ノベル【とっておきインディー】
ココが推し
  • 読んでいるだけで、なんとなくやさしい気持ちになれる
  • 1時間程度でサクッと終わるので、時間がない人向け
  • 酒呼吸のお姉さん、ヤケノハラがなぜか頭に残る

 まず、最初に書いておかなければならないのは、このゲームは1時間程度でクリアーできるアドベンチャーであること。選択肢もない、読み進めるノベルゲームであるということです。何度も周回するローグライクでもなければ、ガッツリと長時間遊べるオンラインゲームでもありません。短くてすぐに終わり、クリアーするだけで実績もすべてアンロックできます。プレイヤーにできるのは、ボタンを押してテキストを送ることのみ。そんなゲームです。

 しかし、だからこそ、私はこの作品を推したい。『限界OL海へ行く』という作品には、取り上げるべき価値があると思うから。この作品が刺さる人に遊んでほしいと思うから。そして何より、遊んだ後にやさしい気持ちになれると思うから。世界の見えかたが、ほんの少し変わるかもしれないから。時間やコスパや値段では測れない、遊んでよかったと思えるゲーム。それがインディーゲームだと思うから!

 本作は、物語自体もわかりやすく、タイトルそのまんま。仕事に疲れてしまった限界OLが海に行き、一期一会かもしれない出会いを経験する。日常の中で、ちょっとだけ非日常的な行動をして、なんとなく知らなかった誰かの知らない人生、生きかたを少しだけ知る。ただ、それだけです。劇的な大事件や、登場人物どうしの感動的な心の交流みたいなものや、すごく巧みに仕込まれた伏線を回収する展開なども一切なし。通常のゲームがアッパーならば、本作はダウナー。短文で区切られた会話を通して、お姉さんが知らない誰かに出会う。それだけなのですが……だからこそよい!
『限界OL海へ行く』GWはもうすぐ終わり……日常がまた始まるけど、しんどいときは逃げちゃおう! 心が軽くなる短編ノベル【とっておきインディー】
ある日の昼下がり。仕事中の主人公は、ついに限界を迎えてしまう。このまま働いても壊れるだけ。よし、海へ行こう!
 このゲームに登場するキャラクターたちは、全員が、それぞれにそれぞれの人生を歩んでいます。目的をもって海に来ている人もいれば、主人公のように何かから逃げ出して来た人もいるのです。それでも、出会う人たちは皆やさしく、必要以上には踏み込みません。主人公の一日が嫌な想い出で終わらないように、善意で接してくれます。

 舞台もいいんですよ。作中で地名が語られることはありませんが、どう見てもお台場海浜公園が舞台。東京なら、ゆりかもめで行けてしまう場所です。フラッと行けそうな場所だけど、日常とは違う。とてもよいチョイスです。ゲームというには、読み物に近いのですが、お姉さんの旅……というか冒険というか、非日常の体験に癒されます。クリアーした後は、他人にやさしくしたくなる。無償の善意で、何かをしてあげたくなる。そんなやさしい物語なのです。
『限界OL海へ行く』GWはもうすぐ終わり……日常がまた始まるけど、しんどいときは逃げちゃおう! 心が軽くなる短編ノベル【とっておきインディー】
サボっている女子高生に出会った主人公は、少女の導きに従って歩き出す。自分だけの居場所は見つかるのだろうか?
『限界OL海へ行く』GWはもうすぐ終わり……日常がまた始まるけど、しんどいときは逃げちゃおう! 心が軽くなる短編ノベル【とっておきインディー】
サボる女子高生。写真家の少女。酒びたりの大人。自分とは違う人生を歩む人との出会いは、ちょっとだけ新鮮。
 いまの世の中は、ネットを見ても現実を見ても誰かが誰かを叩き、誰かを笑い、ゲームを叩き、憎しみあってあざ笑う社会のように見えてしまいます。でもきっと、みんなそんな社会に疲れているし、余裕がないだけなのかもしれません。本当はみんなやさしくて、穏やかで、いい人たちなのだと信じたくなるような善意100%。そこが、とても好きなんですよ。いつもと同じような街も、工業機械も、見かたを変えれば意味が感じられて、未来や夢が見える。明日もがんばろうと思える。ただただ、ふつうの逃げ出した人が誰かに出会うだけのお話なのに、心が温まります。本当に好きな作品ですし、誰にでもオススメできちゃう。操作で悩むこともありません。テキストもチャットツールのような短文だから、読むのも楽です!

 さて、ここからはゲーム中盤に登場するキャラクター・ヤケノハラの話をしていきましょう。たぶん、このゲームのテーマ的な何かや笑える部分、記憶に残る部分が、たっぷり詰まっている女性。それが、ヤケノハラなのです。彼女だけで、ゲームのよさをずっと語れちゃうくらい好き。
『限界OL海へ行く』GWはもうすぐ終わり……日常がまた始まるけど、しんどいときは逃げちゃおう! 心が軽くなる短編ノベル【とっておきインディー】
つねにストロングなお酒を手放せない。酒呼吸と言い張る飲酒お姉さんヤケノハラ。筆者の最推しキャラです。好き。
 第3章で登場するヤケノハラさんは、この作品における師匠ポジション。なぜか師匠と呼ばれていますが、別に何か特別なスポーツとか技術とかを教えてくれるわけではありません。彼女は日中からストロングな度数の強い焼酎をあおり、酒の飲みすぎでむせていたり、酔っぱらって愚痴を吐き出したり、たぶん周囲も結婚や就職するそこそこいい年だと思うのですが、語尾に「にゃ〜」をつけてしゃべったりと、なかなかにアレなおねーさん。自分でも言うくらい、底辺な生きかたをしているお方です。

 ここまで読んだ人は、おそらく「この女のどこが師匠なの?」と思ったかもしれません。ですが、そこは師匠。彼女が酒呼吸とともに口から吐く言葉には、人生を楽しく生きる真理があるような気がします。限界な人たちに、限界から逃げ出した先で、限界に負けずに日々を楽しむコツを気づかせてくれる。彼女は人生の師匠なんですよ。まあ、主人公もプレイヤーも彼女が酔っぱらっているところしか見られないので、もしかするとシラフだったらぜんぜん違ったりするのかもしれません。だけど、酔っぱらった彼女の言葉には、彼女にしか見えない人生の意味があるように見えます。お酒はほどほどにしたほうがよいとは思いますが、それも彼女の自由。主人公は、彼女が酔うこと自体を止めることはありません。このゲームは、何が正しい、何が間違っているかを決めつけないのもすばらしい。他人の人生を否定しないですし、全肯定もしない。でも、尊重はするんですよ。

 だからこそ、ただの駄目な酔っ払いのようなヤケノハラさんが、人生の見えかたを変えてくれる師匠にもなれる。ストロングなロングの缶チューハイを飲んでグルグルでピカピカしているだけなのに! それでも、主人公にとっては人生の師匠と言っていいかもしれない。一期一会で、出会った後はもう再会することすらない。そんなキャラクターなのですが、彼女とのイベントを見た人は、絶対好きになると思います。
『限界OL海へ行く』GWはもうすぐ終わり……日常がまた始まるけど、しんどいときは逃げちゃおう! 心が軽くなる短編ノベル【とっておきインディー】
 もちろん、ほかの人たちも性格がよくてみんな愛しい。嫌いになるキャラクターがいません。だから、私はこのゲームが大好きです。疲れている人もそうじゃない人も、遊んでください!

超OKのそこまで限界じゃないゲームたち

 本作を開発した超OKは、ほかにも個性的なゲームを作っています。どの作品も、短時間でサクッと遊べるのでオススメですよ!

『PHRASEFIGHT』

『限界OL海へ行く』GWはもうすぐ終わり……日常がまた始まるけど、しんどいときは逃げちゃおう! 心が軽くなる短編ノベル【とっておきインディー】
 リズムに合わせてボタンを叩き、相手を陣地に押し込む。カジュアルに遊べる、対戦型のリズムゲーム。

『ツキササリーナ』

『限界OL海へ行く』GWはもうすぐ終わり……日常がまた始まるけど、しんどいときは逃げちゃおう! 心が軽くなる短編ノベル【とっておきインディー】
 イカを戦わせる対戦ゲーム。水中に潜ってから飛び出し、下から突き刺すと勝てます。教授がカワイイ!

限界OL海へ行く

  • プラットフォーム:Steam
  • 発売元:超OK
  • 発売日:2024年1月31日
  • 価格:1000円[税込]
  • ジャンル:アドベンチャー
  • 対象年齢:審査なし
  • 備考:ダウンロード専売
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