このゲームで初めて3D格闘ゲームに触った人も多いハズ
タカラトミー(当時)から発売されたプレイステーション用3D対戦格闘『闘神伝』。プレイステーションの本体発売から約1ヵ月後に登場した作品でした。
1995年。すでにゲーセンでは『バーチャファイター』や『鉄拳』といった3D格闘が盛り上がっていました。しかしコンシューマ派はプレイステーションの『闘神伝』で初めて3D格闘に触ったという人が多いハズ。
かくいう自分もそんなひとり。あのスクウェア(当時)が参入すると聞いて親にねだって買ってもらったプレイステーションでしたが、そのときいっしょに買ってもらったのが『闘神伝』の続編である『闘神伝2』でした(あとはなぜかパソコンゲームの移植の『3×3EYES ~吸精公主~』。原作が好きだったから……)。
本作には“側転”というシステムがあり、飛び道具をかわすのに便利でよく利用するのですが、側転を乱発しすぎてリングアウトしてしまうこともしばしば(笑)。
自分的には『闘神伝』シリーズといえば側転からのリングアウトがお約束だったので、『闘神伝3』でリングアウトが廃止されたときはめちゃくちゃ戸惑いました。ただ、吹き飛ばされたときに壁を蹴って反撃する“ウォールカウンター”など、しっかりシステムを理解すればハマれる内容の作品でした。
『闘神伝』シリーズの最高傑作を聞かれて『2』と答える人は多いと思いますが、個人的にはこの『3』も捨てがたい。『3』はキャラクターが32人もいて、中には世界的に有名なエンターテイナーそっくりな人物もいたりして「怒られないのか?」と心配になったりもしました。でもそういうはっちゃけ具合も含めて好きです。
画面が綺麗な秒間30フレームと動きがなめらかになる60フレームのふたつの描画モードを自由に選択できるというのも、いま考えるとスゴイ。本当は秒間60フレームで綺麗な描写にしたかったんだろうけど、それは技術的に無理だったんだろうな……。
あとはなんと言ってもキャラクターの魅力! 自分の中では格闘ゲームといえば道着の男たちが拳を交えるイメージでしたが、『闘神伝』はそれぞれ衣装や武器が異なり、バラエティー豊かで華やかでした(武器を持って戦う3D格闘ゲームといえば1996年に登場した『ソウルエッジ』が有名ですが、『闘神伝』はそれよりも少し早かったんですね~)。
主人公のエイジやライバルのカイン、鉤爪を使う暗殺者のホー、レオタードに身を包んだセクシーなソフィア、騎士道を重んじるためにバトルでまったく足技をまったく使わないデュークなど忘れられないキャラクターばかりです。
でも、プレイヤーの印象にいちばん残っているのは旅芸人のエリスではないでしょうか? 幼い外見にシースルー部分のあるドキドキする衣装、声優が『ときめきメモリアル』の朝日奈夕子を演じた鉄炮塚葉子さんということで、自分のようなオタクの心を撃ち抜いていきました。
イラストを担当しているのはことぶきつかさ氏で、氏の描くエリスがまたかわいいんですよね………。うっとり(なお、余談ですが、ことぶき氏がシリーズのキャラデザを担当したのは『2』からで、初代のときは開発の作ったポリゴンモデルをベースにビジュアルを描いたそうです)。