そのインディ・ジョーンズの旅路に新たなページを刻むため、名作FPS『Wolfenstein』シリーズで知られるMachineGamesが満を持して送り出す最新作『インディ・ジョーンズ/大いなる円環』。このゲームは伝説の考古学者の名に恥じない作品なのか? 答えは明確だ。本作はインディ・ジョーンズというキャラクターの魅力を余すところなく引き出し、冒険と謎解きをインディ・ジョーンズの目線で体験できる傑作なのだ。古参ファンも初体験のプレイヤーも等しくインディの新たな冒険に心を奪われるだろう。
なお、本作はマイクロソフトのサブスクリプションサービス“Xbox Game Pass Ultimate”および“PC Game Pass”のデイワンタイトルとなっており、サービスに加入していれば発売日当日からプレイ可能だ。
映画愛が爆発! オープニングから鳥肌モノだ
プレイヤーはあの洞窟をインディとして探検し脱出劇を味わえる。これはただのムービーシーンではない。操作方法を自然に学ぶためのチュートリアルも兼ねているのだ。最初からプレイヤーをインディ・ジョーンズの世界に没入させ、これから始まる冒険への期待感を高める、じつに巧妙な導入だ。これほどわかりやすく映画ファンを納得させる手腕は見事としかいいようがない。
オープニング再現に加え、過去の作品へのオマージュやイースターエッグが豊富に散りばめられている。
これらの要素を発見する喜びは、古参ファンにとって至高の体験となるだろう。シリーズの歴史を振り返るよい機会にもなるはずだ。
これぞインディ・ジョーンズ!王道の冒険譚が幕を開ける
本作のストーリーは、まさにインディ・ジョーンズの真骨頂と言える。謎解きとサスペンスに満ちた冒険譚だ。バチカン市国、エジプトのギザ、タイのスコタイ遺跡など、エキゾチックなロケーションを巡り、ナチスとのスリリングな知恵比べが展開される。
MachineGamesの映画シリーズへのリスペクトは並大抵ではない。ジョン・ウィリアムズのテーマ曲、インディ・ジョーンズの表情と演技、鞭の音。これらの要素がプレイヤーをインディ・ジョーンズの世界へと誘い、映画ファンの懐かしい興奮を呼び覚ます。
ファーストパーソンで冒険!没入感は過去最高レベルだ
本作はファーストパーソン視点で進行するアドベンチャーゲームだ。MachineGamesのFPS開発経験を活かしつつも、戦闘よりも探索や謎解き、キャラクターとのインタラクションに重きを置いている点が特徴だ。
一人称視点時のUIにミニマップ表示は存在しない。インディが手に持つ紙の地図で現在地や目的地を確認するのだ。UIを必要最低限にとどめておくことで、プレイヤーはインディと一体化したかのような没入感をより味わえる。
精巧に作り込まれた環境パズルも大きな魅力だ。古代遺跡に仕掛けられた謎や暗号解読など、プレイヤーの知的好奇心を刺激するギミックが豊富に用意されている。パズルが苦手なプレイヤーのために難易度調整機能も搭載されているので安心だ。
ムチとありとあらゆる武器を使って賢く立ち回る。戦闘は戦略がすべてだ
インディは銃も使えるが、ハン・ソロのように銃で大暴れをするのではなく、ムチとありとあらゆる武器を使って賢く立ち回ろう。敵に見つからないよう行動し、背後から襲撃することで効率よく敵を倒せる。銃撃戦は騒ぎが大きくなり周囲の敵を警戒させてしまうため、基本的には避けたほうが賢明だ。敵もヘッドショット1発程度じゃ倒れないような超人ばかりなので、銃撃戦は最後の最後か鬱憤晴らしのときだけにしておこう。
戦闘ではインディのトレードマークである鞭はもちろん、周囲にあるオブジェクトを即席武器として活用できる。シャベル、ギター、フライパン……ありとあらゆるものが強力な武器へと変わるのだ。状況に応じて武器を使い分け、敵を翻弄するのも戦闘の醍醐味と言える。
広大なオープンワールド!冒険心を刺激する探索体験
バチカン市国、ギザ、スコタイ遺跡といった広大なオープンワールドエリア。これらのエリアでは、メインストーリー以外にも、サイドクエストや謎解き、収集要素など、膨大なコンテンツが用意されている。
プレイヤーは自由にエリア内を探索し、隠された財宝や秘密の通路を発見できる。探索の成果は新たなスキルやアイテムの獲得につながり、冒険をさらに深く楽しむための原動力となるだろう。
本作ではスキル制度が導入されており、探索や謎解きなどをクリアすることでもらえるポイントを消費しスキルを習得する。 寄り道に大きなやりがいが生まれている。
魅力的なキャラクター!個性豊かな仲間たちとの絆
インディの冒険を彩るのは個性豊かな仲間たちだ。本作では、優秀なジャーナリストであるジーナを始め、さまざまなキャラクターが登場し、インディとの交流を通して物語を盛り上げる。
メインヴィランのエメリッヒ・フォスからは、初登場の時点で「こいつはヤバそう」というオーラがひしひしと伝わってくる。しかし、実際に対面するとハッタリではない悪役らしい存在感を楽しませてくれる。
キャラクターどうしの会話はウィットに富んでおり、時にはコミカルなやり取りでプレイヤーを楽しませてくれる。キャラクターたちの背景や人間関係も丁寧に描かれており感情移入しやすい点も魅力だ。とくにインディはすべての収集アイテムに対してひとつひとつセリフが用意されているので、映画を視聴していないプレイヤーでも、インディ・ジョーンズというキャラクターがなぜこれほど愛されているか納得できるだろう。
ゲーム初心者も安心!丁寧なチュートリアルと難易度調整
本作はアクションアドベンチャーゲームだが、映画ファンの方にはこの手のゲームをプレイするのが初めてという方もいるかもしれない。しかし、ゲーム開始時の丁寧なチュートリアルで、基本操作やシステムは説明されるし難易度調整機能も充実しているため、アクションゲームが苦手なプレイヤーでも問題なく楽しめる。
ストーリーを重視したい場合は難易度を下げて戦闘を楽にしたり、謎解きをスキップすることも可能だ。