折り紙って、ステキだ。
だって、ただの正方形の紙が、鶴になる/蝶になる/蛙になる。たった1枚の紙から、さまざまなものの似姿を作る工程は、なんだか魔法を見せられているかのよう。
東京ゲームショウ2024(2024年9月26~29日に千葉県・幕張メッセで開催)の架け橋ゲームズブースで試遊できたアクションゲーム『Hirogami』が味わわせてくれたのは、まさにそんな魔法の一端だった。
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ブースにも折り紙が置いてありました。かわいい。
折り紙の世界を旅するワクワク。色彩、雰囲気含め、デザインが素晴らしいアクションゲーム
主人公は折り紙の尋(ひろ)。彼が住む折り紙で構成された立体絵本の世界に、デジタル世界の“グリッチ”たちが侵食してきている。そんな侵食を止めるため、各地にある“ヤシロ”を直していく……というのが物語の流れとなる。紙vsデジタルというのは、なんだか紙面もWebも仕事として関わる身としてはちょっと身近な題材だ。
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ジャンルをひと言で表すと3Dアクション。フィールドをジャンプしたり仕掛けを解いたりしながら進んでいく。
さっそくフィールドを進んでみると、紙でできた世界の中にデジタル世界の敵、グリッチがうろうろしているのが目に入る。明らかに異質であり、別の世界から来た相容れない存在であるとひと目でわかるデザインだ。
中にはフィールドを進むためのギミックが、グリッチたちの侵食により封鎖されていることも。手に持った扇子でグリッチたちを祓い、折り紙の世界を正常な形へと戻していく。
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全体的にデザインがとてもすばらしい。色彩もそうだが、敵の異質さがしっかりと伝わってくるのが個人的には好感触だった。
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この橋の折り紙感。伝わりますでしょうか。
“主人公が折り紙”という設定を活かした多彩なアクションもおもしろい。いろいろなものに変形することはもちろん、一枚紙に戻ることで風に乗って滑空したりもできてしまう。
試遊版では、グリッチたちに侵食されたアルマジロの“アマジイ”を祓い、その姿の“折り”を取り戻すことで、、アルマジロへの変形が可能に。……これは個人的な意見だが、初手で鶴などのメジャー路線ではなく、あえてアルマジロというチョイスがイカす。筆者は折り方もわからない。
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アルマジロの折り紙、めちゃめちゃキュート! 耳の感じがたまらん。
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一枚紙になって颯爽と滑空。遠い足場にもひとっ飛びだ。
アルマジロの姿では、丸まりながら高速移動して障害物を壊すことができる。通常状態では壊せなかったオブジェクトを、自分の形を変えながら突破していく感覚がおもしろい。自在に形を変えられる折り紙のよさを活かしたアクションだ。変形シーンも凝っていて、1枚の紙がいつのまにか動物などの姿に変形する、なんて折り紙らしいワクワク感がある。
あと、シンプルに折り紙の動物の姿がかわいい。折り込みによるシワなど、紙の質感をしっかりと出したテクスチャは本作ならではの魅力に満ちている。個人的には「これを見るだけでもプレイする価値がある!」なんて豪語してもいいくらいである。
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ステージ内には水が流れている場所も。
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この世界を冒険する感覚は、ぜひとも一度味わってみてほしい。どこ行ってもキレイだし、紙っぽさがすごくステキなんです。
全体的にアクションは軽快で、手触りがいいのもうれしいところ。紙らしい軽い感覚でサクサク動く。変形に時間がかかるわけでもなく、操作に関するストレスはあまり感じない。
試遊版は全体的にギミックがわかりやすく、「ああ、こうすれば進めるんだな」と感覚的に把握しやすかった。高難度なアクションを求めている人には物足りないかもしれないが、これくらいの手軽さであればどんな年齢層の方でも楽しめそうだ。
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風が吹いてるから一枚紙状態になって……と、けっこうすぐに理解できる。もちろんゲームの序盤だからということもあるのだが。
とはいえ、歯ごたえのあるステージがないわけではない。試遊版ではステージクリアーの後にちょっとしたチャンレンジモードが解放された。内容は“アルマジロの姿でゴールまでひたすらに走り抜けろ!”というもの。
ゴールまでのタイムはもちろんのこと、道中で壊した障害物の数なども評価値に入れつつ最終的なスコアが計測されるので、こういう部分でハイスコアを目指すのもおもしろそうだ。
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右にある“Armadillo Challenge”がそう。さすがにアクションが激しく、ステージ中の画像は撮れなかった……。
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ステージ自体にもリザルトがあるので、ここでハイスコアを狙うのもおもしろいかも。
今回の試遊はチャレンジモードも含め2ステージ。正直、物足りないと感じるほどにはこの世界観に没頭させられた。紙の質感を再現したテクスチャがいいという話を先ほどもしたと思うが、このゲームは本当にデザインがいい。風景が移り変わるたびに、何度も何度も心の奥底にある“和”の情緒が刺激される。いつまでもこの世界を冒険したくなるような気持ちにさせてくれた。
今回は春っぽい花に満ちたステージだったが、進めていけば秋の紅葉なんかも楽しめるのだろうか。赤や黄色の踊るステージを旅できるのならばとてもうれしいが、そこは正式版の配信を楽しみに待つことにしよう。
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