『デラシネ』や『アストロボット』などの名作も生んだバーチャル・リアリティヘッドセット
PS VRは、2014年3月のGDCでProject Morpheus(プロジェクト・モーフィアス)として発表されたVR(仮想現実)対応のヘッドマウントディスプレイ。ヘッドセットに加速度センサー、ジャイロセンサーを内蔵しており、頭部の動きを把握します。また、表面に搭載した9つのLEDライトを搭載。その位置情報を同梱のPlayStation Cameraが取得することで頭部の位置を正確に認識し、頭を動かすと映し出される画面も動き、音も変化します。
プロジェクト・モーフィアスは、2015年9月に正式な製品名が“プレイステーション VR”になると発表。6月のE3 2015ではメディア向けの試遊も行われました。当時、編集部のオポネ菊池は「やはり360度に広がる世界は圧倒的。画面に真横がある、真後ろが存在する、それだけで本当に新鮮な体験が得られる」とPS VRの可能性について触れています。
その後、東京ゲームショウ2015では2階建てのPS VR試遊コーナーが登場。ブースの3分の1ほどの巨大なスペースで、全24の試遊ルームが設けられていました。筆者はビジネスデイに『サイバーダンガンロンパVR 学級裁判』と『JOYSOUND VR』を試遊。『JOYSOUND VR』は名古屋の大須を拠点に活動するアイドル“OS☆U”といっしょのステージに立つというおもしろい仕掛けでした。そんな“OS☆U”は2021年8月に活動11周年を迎えたらしいです。めでたい。
発売を1ヵ月後に控えた東京ゲームショウ2016でもPS VRの試遊は行われ、大きな話題に。この年はVR関連の展示を行うメーカーを集めた“VRコーナー”が新設され、VR自体が大いに盛り上がっていました。ゲーム以外のメディアでも大きく取り上げられ、東京ゲームショウ2016の総来場者数は当時の歴代最多となる27万1224人を記録しています。
そんなPS VR本体は10月13日に発売されましたが、ローンチタイトルには水口哲也氏の手掛ける『Rez Infinite』や巨大競技用マシンで勝敗を競い合う対戦型ロボットアクション『RIGS Machine Combat League』など、VRの魅力を堪能できる作品が目白押し。また、SIEジャパンスタジオが手掛ける『THE PLAYROOM VR』はVRの楽しさを紹介してくれる無料の体験ソフトですが、ゲームとしても遊び心たっぷりの作品でした。
ほかにも、『Bloodborne(ブラッドボーン)』や『DARK SOULS(ダークソウル)』を手掛ける宮崎英高氏のアドベンチャーゲーム『Déraciné(デラシネ)』、3Dアクションの『ASTRO BOT:RESCUE MISSION(アストロボット)』はすばらしい名作。可能であれば皆さんにもぜひプレイしてもらいたいです。
2023年2月22日には、PS5専用のVR機器“プレイステーションVR2(PS VR2)”が発売されました。4K HDRの圧倒的なビジュアルや3Dオーディオによる音の立体感などにより、さらなるリアリティを体感できます。また、今年(2024年)8月7日には、PS VR2をPC(Steam)で使うためのアプリ“PlayStation VR2 App”がリリース。SteamのVRゲームのプレイが可能になり、遊びの幅がめちゃくちゃ増えました。ぜひチェックを!