『フォールアウト 76』最新アップデート“Milepost Zero”新クエストラインやベストビルドなどの新要素を開発者に訊く国内メディア独占インタビュー【gamescom 2024】

『フォールアウト 76』最新アップデート“Milepost Zero”新クエストラインやベストビルドなどの新要素を開発者に訊く国内メディア独占インタビュー【gamescom 2024】
 ベセスダ・ソフトワークスより2018年11月からプレイステーション4、Xbox One、PC向けに発売され、現在も高い人気を誇る『Fallout 76』(フォールアウト 76)。

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 Bethesda Game Studiosが開発を手掛ける
『Fallout』シリーズ初のオンラインRPGであり、数々のアップデートによってつねに進化し続けている本作。シリーズではもっとも古い時代となる2102年(『Fallout 4』より約200年前)、北米の東部・アパラチアにあるVault 76を中心に、さまざまな物語が紡がれている。
 2020年4月に実施された大型アップデート“Wastelanders”では、ウェストバージニアに住民(NPC)たちが戻り、レイダーとのし烈な戦いが描かれた。さらに、2024年6月の大型アップデート“Slyline Valley”では、ついにアパラチア初の拡張マップが実装され、まさに本作は“終わりのない『Fallout 76』”を体現した、ファンが待ち望んでいたタイトルであることを広く知らしめている。

 そして2024年9月3日(北米時間)、第20弾大型アップデートとなる“Milepost Zero”が実施される。パブリックテストサーバー(PTS)を経て“ベストビルド”(Best Builds)や、レジェンダリーコアの代わりにレジェンダリーモジュールが登場するなどの新要素が反映されることになる(なお、“MISCHIEF NIGHT”の復活は現時点ではなくなったことが明らかになっている)。


 そこで今回、gamescom 2024に合わせて
『Fallout 76』のリードプロデューサーを務めるBethesda Game StudiosのBill LaCoste氏にインタビューが実現。“Milepost Zero”はもちろん『Fallout 76』についていろいろと訊けたので、お届けしよう。

――最初に、Bill LaCosteさんが『Fallout 76』で担当されている業務を具体的に教えてください。

Bill
 プロジェクトのリードプロデューサーを務めていて、おもな責務はチームが『Fallout 76』のエキサイティングなコンテンツを生み出すために必要となる、スケジュールとリソースを確保することです。

――“Milepost Zero”は20番目の大型アップデートとなりますが、アップデートの内容はどのような体制で決めるのでしょうか?

Bill
 いくつかの方法がありますが、アップデートの決め手となる原動力は、“アパラチア地域におけるすばらしい物語をどうやって伝え続けるか”ということです。というのも、本作においてアパラチア地域は主役だからです。

 全体的なストーリーの概要が決まったら、そのアップデートにおけるストーリーを伝えるために必要だと思われるサポートシステムや機能の種類を掘り下げます。

――本作は、歴史も人気もある『Fallout』シリーズをオンラインRPGにしたことで話題となりましたが、それだけにたくさんのファンから賞賛や要望、ときには悪い意見も寄せられていると思います。そんな中で、開発のモチベーションを維持する秘訣は?

Bill
 さまざまなご意見をいただいているということは、その通りです。RedditやDiscordなどのプラットフォーム、対面イベント、YouTube、さらにはゲーム内でのプレイを通じて、コミュニティーから多くのすばらしいフィードバックをいただいています。

 私たちはプレイヤーのことをつねに気にかけていて、ご意見に耳を傾けているので、モチベーションを維持するのは簡単なことです。それに、このゲームが大好きで、物事はまだ始まったばかりだと感じています。
『Fallout 76』には、まだまだ伝えたい話がたくさんありますから。

――本作には大きな転換点がいくつかあったと思いますが、個人的には“Wastelanders”アップデートで『Fallout 76』の魅力と可能性は大きく広がったと思います。Billさんが本作を開発・運営してきた中で印象に残っていることはありますか?

Bill
 そうですね、これまでにも大きな節目はいくつかありましたが、私がいちばん印象に残っているのは、Amazon Primeで『Fallout』のドラマシリーズが公開された直後です。

 多くの新規プレイヤーが参加してくれただけでなく、離れていたプレイヤーが戻ってきて、ゲームがここ数年でどれだけ変わったかを話してくれました。また、現役のプレイヤーがみんなに「ほら、
『Fallout 76』も楽しいでしょう!」と伝えてくれたんです。

 チームが長年かけて取り組んできた努力が実を結び、これほどまでに大きな注目と賞賛を得たことを知り、すぐに満足感が湧いてきました。


――ドラマのヒットで『Fallout 4』があらためて人気になったことも話題となりましたが、『Fallout 4』でシリーズを初めてプレイした人に『Fallout 76』の魅力を教えてください。

Bill
 前述の通りなのですが、私たちはあなたの友人やほかの”Wastelanders”……ウェイストランドの住人たちと同時に体験できる、新しくてすばらしい『Fallout』のストーリーと世界を『Fallout 76』で提供しています。ここをお伝えしたいです。

――話が脱線してしまうのですが、ベセスダ・ソフトワークスには『The Elder Scrolls Online』という巨大なオンラインRPGもあります。コンセプトは大きく違うものの、どちらも“もうひとつの人生を提供する”という目的は変わらないと思いますが、Billさん個人は『Fallout 76』と『ESO』が目指すゲーム体験の違いをどのようにお考えでしょうか?

Bill
 仕組みやシステムに違いはありますが、どちらのタイトルもそれぞれの世界でプレイヤーにすばらしいマルチプレイ体験を提供することに重点を置き、それをうまく実現していると思います。

 ちなみに、私は
『The Elder Scrolls Online』にハイレベルなキャラクターをいくつか持っており、そのキャラクターでゲーム内に築いたコミュニティーを愛しています。
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――では、“Milepost Zero”についてうかがいます。新たに加わるクエストラインはどのような内容になるのでしょうか?

Bill
 まず、プレイヤーがストーニーマン展望台(Stony Man Lookout)で亡くなったブルーリッジ・キャラバン(Blue Ridge Caravan)のメンバーを発見するというクエストが、最初に発生します。

 彼らは”Milepost Zero”の前哨基地にいる乗組員のための物資を持っています。荒れ地の救世主であるプレイヤーは、前哨基地がトラブルに見舞われていることを知り、物資を前哨基地に返すことにします。

 この時点から、プレイヤーは物資を獲得して前哨基地を維持するために、危険なキャラバンミッションを遂行し続けることになります。

――“Skyline Valley”から始まった戦闘バランスの調整は戦略に大きな影響を与えていますが、“Milepost Zero”での戦闘バランスの調整の詳細を教えてください。

Bill
 最初は、よりスムーズで予測可能な戦闘難度、クリーチャーの強さ・弱さが直感的にわかることに焦点を当て、すべてのレベルにおいて戦闘を魅力的なものにしたいと思っていました。

 そのため、カマドウマやガルパー、フローター、プロテクトロンなど、すぐに変える必要があると感じた一部のクリーチャーに大幅な変更を加えました。その結果、プレイヤーがレベルアップするにつれて、プレイヤーへのダメージがよりスムーズに変化します。逆にプレイヤーがクリーチャーに与えるダメージは、レベルを通じて急激に低下したり極端に減少したりすることがなくなりました。

 アップデートでは、こうした調整が多くのクリーチャーに対して施され、また時間経過に伴うダメージも一部変更します。たとえば、火は速いDoT (Damage over Time。継続ダメージのこと)効果を持つ一方で、毒は遅いけれど持続力のあるDoT効果を持つようになります。

 将来的には、クリーチャーの特定の弱点を狙ったプレイヤーにも報酬を与える予定です。
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――ほかのプレイヤーが作成したC.A.M.P.を、訪問して評価もできる“ベストビルド”は多くのプレイヤーが待ち望んでいたシステムですが、実装がこのタイミングになった理由をお聞かせください。
Bill
 いまがリリースに最適な時期だと感じているからです。アトミック・ショップにはC.A.M.P.に使用できるオブジェクトが十分に用意されます。それに、ほかのプレイヤーに自分の“作品”を披露するための方法を求めてきた、多くのアクティブなビルダーやコンテンツクリエイターがいますから。

――“ベストビルド”で自分のC.A.M.P.が多くのプレイヤーから高評価を獲得した場合、何かしらのメリットは発生するのでしょうか?

Bill
 いまのところ、最大のメリットは、自分の作品をさまざまな世界のプレイヤーに見てもらえることになります。

――PERKや武器のバランス調整はプレイフィールに直結する部分であり、かなりセンシティブな調整が求められると思いますが、“Milepost Zero”でもいくつかの調整が加わりますよね。ここにはプレイヤーからの意見も反映されているのでしょうか?

Bill
 これはパブリックテストサーバーの利点であり長所のひとつですが、いくつかは調整を行ってすぐにプレイヤーの手に渡すことができました。プレイヤーも喜んでフィードバックを共有してくれています。

――レールライフルがナーフされるという声もありますが……。

Bill
 レールライフルがナーフされるというフィードバックがあることは十分理解していますが、レールライフルは依然として強力であり、特定の状況で有用な武器です。よりプレイヤーへの影響が大きいのは、パワー不足で使用頻度が低い武器の多くが適切なブーストを受け、新しいDoTの変更によって非常に有用になったことです。

――今回のような大型アップデートは、新規プレイヤーが参入するいい機会となります。“Milepost Zero”をきっかけに『Fallout 76』を始める人に、プレイのコツを教えてください。

Bill
 ゆっくりとゲームを進めてみてください。キャラバンを運営して物資を集め、バラモンを育て、前哨基地に新しいベンダーを追加し、そしてほかのプレイヤーがキャラバンを完成するのを助けましょう。

――では、すでに『Fallout 76』を楽しんでいるプレイヤーに向けて、“Milepost Zero”の注目ポイントを教えてください。

Bill
 キャラバンの機能はさておき、今回の目玉はレジェンダリー・クラフトです。”ベストビルド”の登場も大きいですし、戦闘のバランスに調整が入り、プレイヤーにはベンダーの履歴が与えられるなど、まったく新しいシーズンが始まります。ワクワクすることがたくさんあるので、楽しんでください。

――最後に、日本の『Fallout 76』ファンにメッセージを。

Bill
 はい! 皆さんは長年にわたって『Fallout 76』をサポートしてくださり、フィードバックもお寄せくださって、感謝しています。

 “Milepost Zero”では、もっともすばらしいC.A.M.P.を生み出してください。皆さんの活動には私たちも触発されますし、今後のコンテンツを皆さんに見てもらうのが待ち遠しいです。
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