フル強化の圧倒的な火力が気分爽快
本作を皮切りに多数のシリーズ作品やパロディー作品を生み出したので、“シューティングと言えばKONAMI”と思っている人も多いんじゃないだろうか。横スクロールのシューティングが少なかった時代ということもあり、後の作品に多大な影響を与えているのも間違いないはずだ。
移植作であるファミコン版『グラディウス』で誕生した“上上下下左右左右BA”で入力する裏コマンド、いわゆる“コナミコマンド”は昔からのゲームファンにとってはあまりにも有名だ。
プレイヤーは超時空戦闘機“ビックバイパー”を操り、惑星グラディウスを侵略せんと企む敵バクテリアンと戦っていくのが目的。おもしろかったのは自機のパワーアップで、取得したパワーアップカプセルの個数に応じて、プレイヤーが任意に選んで自機を強化できたところ。
ゲージにSPEEDUP、MISSILE、DOUBLE、LASER、OPTION、?(前方を守るバリア)といった具合に記されているので、強化させたい場所でパワーアップカプセルの入手をやめ、パワーアップボタンを押して強化を得る。うっかりカプセルを取り過ぎて欲しい強化を過ぎたり、ゲージを1周して戻ってしまうというのもあるあるだった。バリアがなぜ“?”表記なのかは謎だが、もともとランダムで効果が発動する予定だった名残りという説があるのだとか。
貫通力のある長いレーザー攻撃は本作の花形で、当時のプレイヤーの誰もが惹きつけられたのではないだろうか。ファミコン版ではスペックの関係で短いレーザーに変更されていたので残念だったが、PCのX68000版を遊んだときは忠実に再現されていて感動した覚えがある。
自機とまったく同じ攻撃が可能な分身とも言える球体“オプション”を増やし、圧倒的な火力で敵を殲滅できたのも画期的で魅力的だった。最大で4つ(ファミコン版はふたつ)までオプションを付けられたので、ビックバイパーと合わせて5本の極長レーザーで画面を埋め尽くすのが気持ちよかった。ついでに言うと地を這うミサイルも発明だったと思う。
火山やストーンヘンジ、モアイなど、変化に富んだSFらしい美しいステージも魅力のひとつ。脳みそだけのラスボスのインパクトも忘れられないものがある。ステージごとに異なるBGMも本当に名曲揃いで、いまでも口ずさめる人は多いはず。筆者は当時、カセットテープで『グラディウス』のサウンドトラックを購入したほど好きだった。ゲームスタート時や自機が爆発したときの効果音もよく覚えている。
1986年7月には本作の流れをくんだ名作『沙羅曼蛇』が登場(こちらは後に『沙羅曼蛇』シリーズとして続編も発売された)。ナンバリングの続編としては1988年3月に『グラディウスII GOFERの野望』、1989年12月に『グラディウスIII 伝説から神話へ』、1999年2月に『グラディウスIV 復活』がそれぞれアーケード向けに発売された。
いまアーケード版の『グラディウス』でプレイしたいならプレイステーション4(PS4)やNintendo Switchで遊べる『アーケードアーカイブス グラディウス』がおすすめだ。