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「次世代ゲームハードはこれができるべき!」Epic Gamesからハードメーカーへの強烈なラブレター【GDC 2011】

ゲーム
Epic GamesがUnreal Engine 3の新たなデモを披露した。Epicからハードウェアメーカーへのラブレター、その中身は?

●プリレンダ? いや、リアルタイムで動いてました。

 2011年2月28日〜3月4日、アメリカ、サンフランシスコのモスコーニセンターにて、GDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)2011が開催。世界中のゲームクリエイターによる、世界最大規模の技術交流カンファレンスの模様を、ファミ通.comでは総力リポートでお届けする。

 開催3日目となる3月2日、Epic Gamesがプレスカンファレンスを開催し、“Samaritan”と呼ばれるUnreal Engine 3の新たなデモを披露した。同社のMark Rein氏は、「これは僕らからハードウェアメーカーへのラブレターなんだ。次世代のゲームはこうなるべきなんじゃないかって提案さ」と茶目っ気たっぷりに語った。

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▲ネオンが濡れた路面に反射し、街灯が雨で煙った空気を映しだす。

 デモは、雨が降りしきる『ブレードランナー』スタイルの未来のアンダーグラウンド地域でタバコをくゆらす男のアクションを描いたもので、艶かしいネオンの光が濡れた路面に反射し、立ち上る煙で光線が浮かび上がる様子は、これまでのUnreal Engineでよく見た表現とはちょっと印象が異なるもの。

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ボケ表現で、対象物をクローズアップし、より印象的に描くことができる。

フレアを起こしているヘッドライトに注目。

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シャドウ表現ひとつとっても、よりハイクオリティーで複雑な表現が可能に。

DirectX 11上でのSub Surface Scattering。複数のレイヤーを通じて、皮膚を透過してくる光の散らばりを処理している。

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ダイナミック・テッセレーションとディスプレースメントマップで、男の顔が次第に変貌していく様子を描写。

光と影が複雑に重なり合うことで、シーンにより細かなディテールが生まれてくる。

 では、これはUnreal Engine 4なのだろうか? 「そうじゃない。あれもこれもUnreal Engine 3だ。デペロッパーが3で契約をしていればもちろん使えるんだよ」。だがいまのところ、最大限の効果を出すためにはパワフルなマシンが必要そうだ。デモそのものはNVIDIAのビデオカードGTX 580を3枚差したDirectX 11マシンで動作していた(もっとも、のちにシーン構成用のツールを使ってシーンを分析した際には、カードは一枚しか使われていなかった。最大限の表現で安定して動かすためにことさら強力なマシンを使ったようだ)。

 それにしたって、これがリアルタイムで動くとなるとすればとんでもない。確かに未来のゲームになるはずだ。だが、Epicは必ずしも最先端だけを追っているわけではない。この日、GDC会場近くではAppleによってiPad2の発表が行なわれており、そこで『Infinity Blade』が紹介されたことに言及したRein氏。そう、Unreal EngineはいまやiPhoneだけでなく、Androidにも対応している。さらにMACを取り出して別の映像デモをその場で再生してみせた。「我々はTPOに合わせてもいる……次世代に備えるのと同じようにね」。

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Mark 4

▲あれやこれやと取り出してデモを見せるRein氏。Xperia PLAYまで出てきた。

 そして最後にこう語った。「我々はこのデモに大変興奮している。開発者の皆さんにステージを設けているんだけど、“次”のゲームはこういうものになるべきですよって言ってるんだ。もし次世代のコンソール機がここまでの物を扱えなかったら……まぁ、Appleは今日iPadのグラフィック性能を9倍にしたよね。近い将来、こういったことを実現できるデバイスはいずれ出てるはずさ」。つまり、できたらいいな、ではなくて、リアルタイムにここまでできるようにしてくれよ、というメッセージ。随分と強烈なラブレターだが、果たして届くのだろうか。それともいったい?(取材協力:ジェイソン・ブルックス)

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