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角川ゲームス発表会で中裕司氏、船水紀孝氏の新作お披露目!

ゲーム Wii ニンテンドー3DS
角川ゲームスが新作ソフト発表会を開催し、中裕司氏制作による『天空の機士ロデア』と、船水紀孝氏制作による『アースシーカー』をお披露目した。

●ゲストに須田剛一氏も登場

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 2011年1月20日、東京・六本木の泉ガーデンギャラリーにおいて、角川ゲームスの新作発表会"角川ゲームス CONFERENCE 2011 KICKOFF”が開催された。

 新作の発表に先立ち、角川グループホールディングス代表取締役社長、佐藤辰男氏が登壇し、つぎのように語った。

「今日は、プロペの中裕司さん、クラフト&マイスターの船水紀孝さん、グラスホッパー・マニファクチュアの須田剛一さんという、日本を代表する3人のクリエイターが応援に駆けつけてくれています。角川ゲームスが設立されて2年になりますが、私はせっかちなので角川ゲームスの安田善巳社長に“いつ角川ゲームスの事業説明をさせてくれるんですか?”とせまっていたんですね。それが今日ようやく、実現できました。この会社は、安田社長と角川グループが出会うことで2年前に設立されましたが、いまから5年、10年経ったときに、今日のこの日が角川グループのターニングポイントになったと言われるんじゃないかと思っています。角川グループは外からは、映画が得意な出版社くらいにみられていると思いますが、我々はメガソフトウェアパブリッシャーを目指しています。ワンソースマルチユースを追求し、世界に通用するIPを育てたいと思っています。そういった中で、ずっとゲーム産業の世界では戦略を立てられなかったのですが、角川ゲームスができて、理念の柱になるものが作れるようになりました。角川ゲームスには3つの柱があります。ひとつは、世界に通用するIPを育てること。ふたつ目は、これまで各グループ出版社でゲームを作ってきましたが、この力を結集すること。そして3つ目は、ソーシャルアプリです。これは角川コンテンツゲートの役割ですが、ここに結集します。グループの事業会社の力を合わせて、大きな柱にしていきます。角川グループのゲーム事業にご理解いただき、ご支援いただきたいと思います」(佐藤)

 ここから、角川ゲームスから発売される新作ソフトの紹介に。最初にお披露目されたのは、船水紀孝氏率いる開発会社、クラフト&マイスター開発によるWii用ソフト『アースシーカー』(2011年4月7日発売予定)だ。これについて、エンターブレインソフト開発局局長、竹田健氏がプレゼンテーションを行った。

「エンターブレインはこれまで、『ダビスタ』や『キミキス』などの定番ソフトを発売してきましたが、2010年に発売された『メタルマックス3』など新規のタイトルを立ち上げ、ユーザーに受け入れられました。これに拍車をかけるために、コンテンツを充実させたいと思います。現在の家庭用ゲーム業界は楽観視できるものではありませんが、クリエイターの新しい発想を具現化できないことは業界のさらなる縮小につながります。だからこそ、新しいコンテンツを、ゲームの世界から発信していきたい。それが使命だと思っています」(竹田)

 そして壇上に、前出の船水氏とエンターブレイン代表取締役社長の浜村弘一氏が登壇。実際に『アースシーカー』の映像を観ながらゲームの説明を行った。

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 解説によるとゲームの世界観は、とある理由で地球を出なければいけなくなった主人公たちの物語。人類と、地球の遺産を乗せた船が惑星に着陸するも、そのときの衝撃で人類は滅亡し、遺産は散り散りになってしまう。それを、冷凍受精卵からコンピュータにより生み出された主人公たちが集めることが目的になるという。ゲームのコンセプトについて、船水氏はつぎのように語った。

「長年、ハードなアクションゲームばかり作ってきましたけど、ライトな人からは“難しくてできない”という指摘を受けてきたんです。そんな人たちにもできるアクション用を積んだゲームを、昔から作りたいと思っていました」(船水)

 このコンセプトから生まれたバトルシステムは、一見アクションゲームのそれだがプレイヤーが任意で“時間を止められる”ことが最大の特徴。ボタンひとつでゲームを止めることができ、この間にプレイヤーはじっくりとコマンドを選択することができるようになっている。またプレイヤーのまわりには6体の“ガーディアン”が存在。主人公は剣などで直接攻撃を行い、ガーディアンたちは雷などで間接攻撃を行う。「モンスターによって苦手な属性があるので、じっくり考えながらプレイしてください」と船水氏。

 さらにステージ上では、開発中の実機を使ったデモプレイが披露された。巨大なモンスターを相手に、船水氏が操るキャラクターはかなりのピンチにさらされていたが、要所でゲームを止めてコマンド選択しモンスターの攻撃に対応していた。またゲームのボリュームについて船水氏は「ゲームチェックのためにテストプレイを60時間ほどしていますが、まだ半分もきていないと思う」と発言。かなりやり込めるものになりそうだ。

 さらに『アースシーカー』は、DSiウェアとも連動する。DSiではアイテムを作ることなどができ、ここではWiiのソフトでは作れないアイテムなどを製作可能だという。外にいるときにアイテムを作り、それをWiiに移して腰を落ち着けて遊べるというわけだ。また、発掘した遺産をDSi上でクリーニングし、そこからさらにゲームが発展する……という要素もあるとのこと。このあたりのことは、今後明らかになっていくとのことだ。

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 プレゼンの最後に、アースシーカーのCMに登場するお笑い芸人、ブラックマヨネーズのビデオレターが紹介された。爆笑のやりとりは割愛させていただくが、ブラマヨの小杉が最後に「買ってくれ、ヒーハー!」と言ってたことだけは明記させていただく。

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 続いて、この日が初お披露目となるプロペ制作によるWii、ニンテンドー3DS用アクションゲーム『天空の機士ロデア』の紹介に。主人公のロデアが天空を駆け巡る爽快なデモ映像が紹介されたあと、本作のエグゼクティブプロデューサーを務めるプロペの中裕司氏が登場し、つぎのように語った。

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「いまから1年ほどまえにいっしょに、角川ゲームスさんから“オリジナルのキャラクターゲームをいっしょに作らないか”と声をかけていただき、それをようやく発表することができました。映像をご覧いただき、プロペだけでは生み出すことができなかった角川グループとのコラボの効果を知っていただけたのではないでしょうか」(中)

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 続いて壇上では中氏と、『天空の機士ロデア』のプロデューサーを務める角川ゲームスの長谷川仁氏がゲームの解説を行った。

 『天空の機士ロデア』は、Wiiリモコンひとつの操作で大空を自由に飛びまわれることが特徴のアクションゲームだ。Wiiリモコンのポインティング機能を活用して移動した居場所にポインティングすると、ロデアは颯爽とその場所まで飛んでいく。基本の操作は、なんとこれだけ。大空を飛び回りながら敵と戦い、アイテムを取ったりする。

「空を飛ぶゲームと言うと操作が難しくなりがちですが、『ロデア』ではWiiリモコンの特性をうまく利用し、誰でも簡単に大空を飛び回ることができます」

 とは中氏。さらに、巨大な敵が登場するボス戦についても「いままで僕が作ったゲームの中で、もっとも大きなボスと戦うことをコンセプトに作りました」とし、その迫力を約束した。

 またハイスピードなアクションゲームでありながら、このゲームはストーリーにも力を入れていると長谷川氏。ゲームシナリオやマンガの原作を中心に活躍するシナリオライター、実弥島巧氏がシナリオを担当し、ストーリー、世界観をつむぎ出している。スピード感溢れる展開の中でも主人公たちが巧みにコミュニケーションし、世界観に厚みを持たせているとのこと。「アクションゲームでお話をキチンと伝えるのはむずかしかったが、今回はそれも実現できていると思う」と、中氏は自信の表情を見せた。

 『天空の機士ロデア』は、Wii、そしてニンテンドー3DSでも開発中。発売日、価格ともに未定だが、今後の情報に期待したい。

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 この後ステージでは、角川ゲームスの安田社長と、その“盟友”と言われるグラスホッパー・マニファクチュアの須田剛一氏との掛け合いで、角川ゲームスの今後のビジョンが語られた。安田社長はその中で、2011年春発売予定のバスフィッシングゲーム『FISHON』を紹介。続けて今後の角川ゲームスの方針として“クリエイターとともに成長。成功を分かちあうプロデュース会社”を掲げ、さらにビジョンとして“フランチャイズタイトルとなるゲームIPの創出”と“ゲームクリエイターと角川IPとのコラボレーション”のふたつを表明。グループ各社が行っていたゲーム関連事業をすべて角川ゲームスに集約することを発表し、「ゲーム市場にエネルギーを注入したい」と力強く語った。

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 会の最後にスペシャルゲストとして、任天堂の専務取締役、波多野信治氏が登壇。つぎのように語った。

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「本日発表されたタイトルは、いずれも任天堂のハードに対応するとのことで、角川ゲームスさんのご協力に深く感謝いたします。角川ゲームスと開発をともにしている中さん、船水さんともに、日本だけじゃなく海外でも高い評価を得ているクリエイターです。現在開発中のソフトも多くのユーザーに支持を得るものだと思っております。 さて日本のゲーム市場ですが、ニンテンドーDSが発売された2004年から2010年までの7年間の推移を調べてみました。すると、2007年が売り上げベースのピークで、日本のゲーム市場規模は7200億円。そこから毎年少しずつダウンしています。そんな中で本日、ニンテンドー3DSの予約を開始しました。来月、2月26日に発売するハードですが、これに先駆けて1月8日からの3日間、幕張メッセで体験会を開いております。結果、参加してくださった皆様から、裸眼立体視に対する驚き、そしてゲームの新しい手法に対する評価をいただきました。まだ1台も販売していないのでなんとも言えませんが、とりわけクリエイターの皆さんは、ニンテンドー3DSに対して新しいアイデアを持って取り組んでいただけるのではないかと感じています。
 ゲームユーザーの要望にすべて応えるのは難しいことですが、新しいアイデア、独走性を忘れずにソフトを開発していただきたいと思います。角川ゲームスが業界全体に多大な収益を与えてくれることを期待していますし、任天堂もサポートさせていただきます。がんばれ、新生角川ゲームス! というエールを送らせていただきます」(波多野)

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