ファミ通グループの編集者がおすすめゲームをひたすら語る連載企画。今回のテーマは、アクションTPS『EARTH DEFENSE FORCE: IRON RAIN(アース ディフェンス フォース アイアン・レイン)』(以下、『EDF:IR』)です。
【こういう人におすすめ】
- 新しい世界観の『地球防衛軍』を楽しみたい
- 怪獣やSFが好き&ロボットと戦ってみたい
- プレイヤーキャラを自由にカスタマイズしたい
※本稿は週刊ファミ通2020年7月2日号(2020年6月18日発売)の特集“いまこそ絶対に遊ぶべき46のゲーム”をWeb用に調整し、加筆修正したものです。
ブラボー!秋山のおすすめゲーム
『EARTH DEFENSE FORCE: IRON RAIN』
- プラットフォーム:PS4、PC
- 発売日:2019年4月11日
- 発売元:ディースリー・パブリッシャー
- 価格:8580円[税込]
- パッケージ版:あり
- ダウンロード版:あり(※)
- 『EARTH DEFENSE FORCE: IRON RAIN』公式サイト
※データはPS4版のものです。また、PCはダウンロード版のみです。
EARTH DEFENSE FORCE: IRON RAIN 4thトレーラー
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2006年にXbox 360で発売された『地球防衛軍3』が大好きで、同作の実績コンプリートをライフワークとして、いまでもちまちまとプレイしている。その『地球防衛軍』の最新作が発売されると聞いて喜んだのもつかの間、最新ナンバリングの『6』ではなくスピンオフタイトルとなり、さらに開発会社もこれまでのサンドロットではなくユークスが担当すると聞いたとき、「ああ、オレたちの“EDF”はどうなってしまうのか……」と軽い不安を覚えた。
EDF隊員として『地球防衛軍』シリーズをプレイしたことがあれば誰でも感じたことがあると思うが、『地球防衛軍』シリーズの魅力のひとつは、その“ちょっとB級な感じ”ではないだろうか。だから、好きだったバンドがブレイクして武道館でライブをやるようになったり、たいして有名でもないのに密かに楽しみにしていたマンガが、いきなりテレビアニメ化されると発表されたときのような、うれしいけれど素直に喜べない喪失感。映画で言えば、“インディー”から“ハリウッド”へ。『EDF:IR』の第一印象は、ちょっとネガティブなものだった。
しかし、何度かプレイしているうちに、「ああ、これは本当に『地球防衛軍』シリーズが好きな人たちが作ったのだな」と感じるようになった。そもそも『地球防衛軍』シリーズは、自分に合った武器や兵科を求めて試行錯誤しながらくり返しプレイするゲームだと思っている。実際、初期装備では難しいなぁと感じた序盤のミッションも、自分に合った装備で出撃できるようになると、ずいぶん楽に立ち回れるようになる(ちなみにいまは、トルーパー&ショットガン+レールガンという武器の組み合わせが好み)。
しかし、本作では武器やアイテムをアンロックしても別途購入しないと使用することができない仕様となっている。しかも、購入するためにはけっこうな額のクレジットやジェムが必要なので、それを稼ぐために出撃をくり返すことになる。ミッションをプレイしながら、またクリアー後にアイテムを求めて走り回るさまは『地球防衛軍』らしさ全開だ。
本作は、未知の侵略者“アグレッサー”によって国家が壊滅し、人類は地下都市で細々と暮らしている架空の世界が舞台なのだが、これは従来の『地球防衛軍』とは別の世界線。ストーリーも単純な人間対地球外生命体ではなく、第三の勢力が存在するなど、飽きさせない作りになっている。
また、シリーズの代名詞である巨大生物は、これまでは巨大なアリやクモ、ハチが大量に襲いかかってきたのだが、本作では昆虫の比率がかなり下がっていて、ロボットや飛行メカなどが多い印象だ。ちなみに、これまでクモの吐き出す糸が苦手で、絡め捕られては倒されていた自分にとって、このバランスはちょうどよかった。
さらに、“アグレッサー”に立ち向かう我らがEDFも、“PAギア”と呼ばれる戦闘用強化外骨格を纏った新たな戦士たちだ。これには数種類あり、どれを装着するかによってゲーム中の立ち回りも変わってくる。
それに加えて、各ミッションで基本的に1回しか使用できないが、発動させると攻撃やリロードが速くなるなどの恩恵がある“オーバードライブモード”や、兵選択したPAギアによってさまざまな特殊効果が発生する“エナジームーブ”など、従来とはいろいろとシステムが変更されていることもあり、初めてプレイした時は難度が高いと感じた。
本作のEDF隊員は、非常に頼りになる存在だ。何しろ、これまでは難度を上げるとあっという間に仲間が倒されてしまい、ダミーバルーンなどを使うことである程度の回避はできたものの、その後はたったひとりで膨大な敵を相手にしなければならなかった。
しかし今回の仲間たちは、攻撃力はたいしたことがないけれど、なかなか倒されず、そのぶん敵の注意を引き付けてくれる。プレイヤーに攻撃が集中するリスクが減り、たったひとりで大量の敵を相手にしなくても済むのはうれしいポイントだ。ミッションは50以上あり、クリアー後もステージの難度を上げたり、武器をアンロックしたりと、かなり長い時間楽しめる。
「やっぱりEDFは歩兵でしょ」ということもあり、トルーパー以外のPAギアを使いこなせるほどプレイしていないので、そのほかのPAギアももっと使いたいと思っているし、オンラインプレイもこれから。『WWE』シリーズを開発してきたユークスらしく、主人公のカスタマイズ機能も豊富に揃っているが、もっともクレジットやジェムが足りず、後回しになっている……。
欲を言えば、従来シリーズで感じたような巨大生物がわらわらと迫ってくる絶望感をもっと押し出してもよかったかも。地平線を埋め尽くすほどのアリやクモの集団を見たときの「マジかよ……」という感覚はやや薄かった。ちなみに、本作のエンディングは続編を匂わせる終わりかたをしているので、ナンバリング作同様、『IRON RAIN』シリーズのつぎの展開も楽しみにしたいところ。
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