The Inpatient -闇の病棟-(プレイステーション4)のレビュー・評価・感想情報
薄暗くて閉鎖的な診療所と、記憶をなくした主人公の突然のフラッシュバックが、PS VRを通じて、なんとも言えない不安感と恐怖をプレイヤーに提供してくれる。1回のプレイ時間が3〜4時間と、VRのソフトとしてはやや長め。導入部から中盤にかけて、主人公の置かれた状況がじっくりと描かれるのはいいのだが、やや変化に乏しい印象も受ける。もう少し物語の展開のテンポがよければ、もっとよかった。
週刊ファミ通1523号より
登場人物や建物のスケール感がちょうどよく、没入感がしっかり得られるうえで、暗い病棟での恐怖感や不安を煽るような演出によるホラー体験を味わえるのが○。急に驚かせるような、ビックリ系の仕掛けはずるい(笑)。物語は真相が気になるものの、もう少しグイグイと引き込んでほしかった。操作で、たまにスムーズさに欠けることがあり、恐怖体験以外の部分でストレスを感じてしまうのは惜しい。
週刊ファミ通1523号より
気味の悪い光景の中にポツンと置かれ、驚かされたり不安を募らせたりと、VRならではの恐怖体験ができます。自分の身体や登場人物のスケール感が、比較的しっくりくるのもいい感じ。インタラクトに対する変化が地味なためか、物語を読まされている感があるのは少々残念。章の区切りやオートセーブがよりわかりやすかったら、中断するタイミングがつかめて、ゲッソリ疲れることもなくなるかと。
週刊ファミ通1523号より
車いすによる移動から療養施設の一室での監禁生活、療養所の探索と、移動範囲を少しずつ広げることで、プレイヤーをVRの世界になじませる演出はさすが。さらに記憶障害という設定と、多用されるフラッシュバックの演出が、没入感を高めている。その一方で、施設に関する事前情報が少ないせいか、お化け屋敷に放り込まれた感覚に近い。後半の、移動禁止の状況になるまでは、怖さも不気味さも薄味。
週刊ファミ通1523号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
ファミ通公式のレビュー文、レビューアーイラスト(画像)等の無断転載・複製をお断りしています。