
『龍が如く0 誓いの場所』(以下、『龍0』)と言えば、ファン人気の高いシリーズ屈指の名作。そのディレクターズカット版ということで、追加された内容がとても気になるものの、筆者のように「過去に『龍0』は遊んだことがあるから、いますぐディレクターズカット版の違いを味わわなくてもね。本体を買えるまで待つことにしましょうか」と、謎のプレイ済みマウントを取りつつ、ギリギリ溜飲を下げている方もいることだろう。
昨今『龍が如く』シリーズの大半はマルチハードで展開しているので考えにくいだろうが、うっかり完全新作がNintendo Switch 2独占だったら憤死していたので、逆にディレクターズカット版でよかったとも思う。
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もちろん、ファーストプレイが『龍0』である場合について、個人的に思うところはある。
真に『龍0』を楽しむなら、何なら無印の『龍が如く』のプレイ経験もあっていいわけだけれどさすがにそれはきびしいので、できれば『龍が如く 極』と『龍が如く 極2』、『龍が如く4 伝説を継ぐもの』くらいは遊んでおいたほうがいい。
でも、初心者(RPG以外の『龍が如く』を遊んでいないという意味合いも含む)にそれを要求するのはハードルが高いし、いきなり『龍0』から遊んでもたぶん95%くらいの楽しさは味わえるから、Nintendo Switch 2がうっかり当たった『龍が如く』未プレイの方は、『龍0』スタートでも悪くない。ただ、やっぱり5%くらいのもったいなさはあり、それがあったうえで初心者に勧めていいのか……? なんていう葛藤もあり。
筆者がそう思ってしまうのはある種の老婆心的なものなのだが、それはいちファンとして「マジで『龍0』はいい作品なので、万難を排して遊んでほしい」という想いがあるからこそ、なのである。
本稿ではそんなシリーズ中でも名作と名高い『龍0』について、その魅力を改めて解説する。
『龍0』が名作と言われる最大の理由はストーリー
なぜそこまで『龍0』が評価されているのか? それをここから語っていく。まず、最大多数の意見と思われるのがストーリーだ。
『龍が如く0 誓いの場所 Director’s Cut』が発売されるタイミングでわざわざネタバレをするつもりもないが、『龍0』のストーリーは本当に絶品だった。
そもそも、日本のバブル期というほかのゲームではなかなか味わえない時代が舞台となっている時点でかなり秀逸。そして、これはある程度プレイしてから気付くのだが、その舞台背景がゲームサイクルの中でもうまく機能しているのがマジですごい(これも後で詳述します)。
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ゆえに、すでに『龍0』をプレイしたファンも、ディレクターズカット版で追加されることになったエピソードがメチャクチャ気になっているわけである。分量もけっこうあるし。
で、そんな桐生と真島の物語が、ひとつの大きな物語の柱の周辺で付かず離れずの螺旋を描くような全体の構造になっているというか。ネタバレなしでうまく説明するのは困難なのだけど、要するに『龍が如く』のナンバリングタイトルの中で屈指のデキなのである。
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ただ、ほかの『龍が如く』作品を遊んでいた場合にのみわかる小ネタがあったり、過去作を知っているからこそ彼らの一挙手一投足に深く感じ入るところがあるのもまた事実。先にも述べたが、本作から『龍が如く』シリーズで遊び始めるのを勧めることにちょっとモヤったりもするが、それはシリーズファン視点で、“初心者がいきなり本作を遊ぶとスルー必至の感じ入るシーンがある”とわかっているからこその老婆心なのかなあ、とも思う。
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発売時は真島を操作できることが絶賛されていた
現在は直近で『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』がリリースされたので意識の外側にあるかもしれないが、当時は“人気キャラクターの真島を操作して戦える”という部分も、『龍0』の強烈な魅力のひとつだった。複数主人公という新たな扉が開いた『龍が如く4 伝説を継ぐもの』以降、真島を操作するということは、『龍が如く』ファンからすればまさに“待望の”というヤツだったのだ。
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そんなバトルシステムは、初代からナンバリングを重ねるたびにさまざまな調整が施されていく。主人公に応じたバトルスタイルの魅力が生まれたり、主人公が複数のバトルスタイルを持ち、それを切り替えられるようになったりとシステムが進化した。
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そういう意味では『龍が如く7 光と闇の行方』や『龍が如く8』からシリーズを遊び始めて、まだバトルがアクションの『龍が如く』を未経験の方が本作でアクションバトルを体験するというのはそう悪くないことかもしれない。
もちろん、かつてアクションの『龍が如く』で楽しんでいた勢として見れば、ある種のリメイク作ではあるが、外伝以外で久しぶりにアクションを楽しめる魅力的な作品でもある。
カネが乱れ飛ぶバブル期ならではのゲームサイクル
しかし、先に述べた通り本作の舞台となるのは1988年。いわゆるバブル期の日本で、いまよりも少しだけテクノロジーは劣っていたし街も小汚かったりしたけれど、バカみたいに景気がよく人々は活気づいていた、現代から見ると伝説のような時代だ。
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大金を稼いでキャラクターを育てれば、どんなにアクションが苦手でもなんとかなるゲームバランス。その大金を稼ぐための要素としてキャバクラや不動産会社の運営などのプレイスポットが用意された。このあたりに不自然さがないわけだ。そして、時代背景もうまく利用しながら、そういったプレイスポットで楽しむことが本編の攻略にも役に立つというゲームサイクルを作り上げたことが白眉だった。
それまでのシリーズ作もプレイスポットでの遊びが巡り巡って本編に役立つということはあったが、ここまで舞台や背景がゲームシステムに噛み合っているのは『龍0』がトップクラスだと思う。
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女子プロレスのような“キャットファイト”などを見ても「ああ、まだ当時はダンプ松本の極悪同盟とかあったよねえ」となるし、シリーズではおなじみのボウリングやビリヤードといったプレイスポットを見ても「1970年代にあったらしいボウリングブームの残り香かもなぁ」とか「プールバーって1980年代に流行ったもんなあ」なんて思ってしまうほど。
このあたりが、“奇跡的なマッチング”と述べた部分なのだ。
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まとめ:Switch2が買えたらこれもマストバイ
そんなわけで『龍が如く』シリーズファンのあいだでは(少なくとも筆者は)Tier 1とされている『龍0』。Nintendo Switch 2が買えたなら、本作はマストバイ的に勧めたいのだが、本体が買えなかった人も、むしろ買えるまでの期間を好機として、シリーズ初心者の方はひとまず『龍が如く 極』や『龍が如く 極2』などをプレイして、本作で遊べるようになるのを待つのも手だろう。「いやいや『龍が如く』シリーズはもう全部遊んでいますが? もちろんまだNintendo Switch 2は買えていませんが」みたいな方は……マジで天に向かって祈るしかないかもです。
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