シュタインズ・ゲート ゼロ(プレイステーション3)のレビュー・評価・感想情報
本作のベースになったノベル版『シュタゲ』を先に読んでおり、おさらい的なプレイになるかと思いきや、新しい描写の数々と、ゲーム版オリジナルのルートに度肝を抜かれた。『シュタゲ』では伏せられていた“β世界線”での物語は、ハードでドラマティックな展開の連続。選択肢形式のアドベンチャーとは一線を画す、“RINEトリガー”による分岐は、物語への没入感を削がない絶妙な塩梅。まさに神ゲー!
週刊ファミ通1409号より
牧瀬紅莉栖を救えなかった世界の話だけに、重々しい雰囲気が多めだが、分岐するシナリオではそれぞれドラマチックな展開が見られ、グッとくるものがある。メッセンジャーアプリでの仲間とのやり取りは、ちょっとした会話が交わされるのがおもしろくていいね。“RINEトリガー”になった分岐のシステムも違和感なし。トリガーごとの自動クイックセーブなどの機能もあり、周回プレイも快適にできる。
週刊ファミ通1409号より
1作目のころとはガラリと変わったオカリンの立ち振る舞いに驚き。シリーズ未経験よりは、プレイ済みのほうが間違いなく楽しめるけれど、本作ではオカリンが一般的な感じかたやしゃべりかたをするので、敷居は低めかも。サブキャラたちにもスポットライトが当たり、“β世界線”の謎がさまざまな視点で語られていくところもいいね。サンタコスやお正月など、いまの季節にぴったりのイベントもグー。
週刊ファミ通1409号より
こだわりや熱量を感じるセリフ回し。読みやすい文章と先が気になる展開で、序盤からぐいぐい引き込まれる。とくに、臨場感溢れる各種演出がすばらしい。何気ないスマホの会話が物語の行く末を左右する“RINEトリガー”は、直接的な選択肢とは異なるプレイ感覚がある仕掛け。現実と虚構が入り混じるメタフィクション的演出と、プレイヤーの心に直接問い掛けてくるような“読み物”の完成度は高い。
週刊ファミ通1409号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
ファミ通公式のレビュー文、レビューアーイラスト(画像)等の無断転載・複製をお断りしています。