紅莉栖を救うことを諦めた世界線の物語
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本作が描いているのは、前作『シュタインズ・ゲート』のトゥルーエンド以降ではなく、終盤に登場した“執念オカリン”の物語。少しネタバレになってしまいますが、紅莉栖を救うことを諦めた世界線(β世界線)のストーリーです。
『シュタインズ・ゲート ゼロ』で、まず思い出すのはアニメ『シュタインズ・ゲート』の再放送。第23話のBパートが完全新作になり、『シュタインズ・ゲート ゼロ』につながる内容に作り変えられているというサプライズがありました。当時のインタビューによると再放送が決まったタイミングでは内容を作り変える予定はなかったそうですが、話を聞いたアニメ製作陣が「おもしろい! 絶対に実現したい!」とアイデアに乗ってくれたそうです。
ストーリーは、紅莉栖の救出を諦めて日常生活に戻った岡部の日常からスタート。超えてきた世界線での出来事や紅莉栖の死のフラッシュバックに苦しめられていた岡部は、厨二病言動をやめ、鳳凰院凶真も封印している状況です。『シュタインズ・ゲート』本編はギャグが多めで中盤以降にシリアスな展開になっていく作りでしたが、本作は全体的にダークな雰囲気。『シュタインズ・ゲート』ファンとしては寂しさがあったものの、それだけにクライマックスで岡部が復活する流れはアツかったですね。岡部の復活は本編をクリアーしていればわかっているとはいえ、その流れを丁寧に描いているのでとても感情移入できて泣けました。
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ストーリーの中で岡部は紅莉栖も所属していたヴィクトル・コンドリア大学で人工知能について研究していた比屋定真帆と出会うことになります。真帆は中学生のような容姿をしていますが、実際には21歳の女性。髪の毛は伸び放題のボサボサでファッションには無頓着。生活力もないため、自室もゴミ屋敷のようになっています。いわゆる“残念属性”を持った女の子。岡部と紅莉栖を混ぜたようなキャラクターでいい味を出していましたね。もともと外伝小説『閉時曲線のエピグラフ』に登場していたキャラクターが満を持してゲームにも登場した形ですが、演じている矢作紗友里さんの声がピッタリで最高でした!
岡部は真帆と教授のアレクシス・レスキネンから人間の記憶をコンピュータに保存して活用する人工知能システム、Amadeus(アマデウス)に紅莉栖の記憶がインストールされているという事実を聞かされることに。テスターを引き受けることになった岡部はスマートフォンにインストールされたアプリを通じて(人工知能の)紅莉栖と対話を重ねることになります。この“アマデウス紅莉栖”は牧瀬紅莉栖と同じく今井麻美さんがボイスを担当。とても難しい役を今井さんは見事に演じていましたね。
また、本作にはもうひとりのキーマンとして未来の椎名まゆりの養子である椎名かがりが登場。紅莉栖と見紛う容姿をした彼女は物語のルートによって立ち回りも変わってきますが、どれも驚かされる展開が用意されていましたね。ぜひゲームで真実を確かめてみてください。
ゲームシステムとしては、『シュタインズ・ゲート』ではガラケーを使用していた岡部がスマートフォンに変更され、“フォーントリガー”から“RINEトリガー”になりました。メッセンジャーアプリの“RINE”によってリアルタイムでメッセージが送受信できる設定になり、スタンプでのやり取りもできるのでリアリティがありました。
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『シュタインズ・ゲート ゼロ』は2016年8月26日にはPC(Windows)版が発売、2017年2月22日にはXbox One版がダウンロード専売で配信。2019年3月20日には本作と『比翼恋理のだーりん』、『線形拘束のフェノグラム』を収録したNintendo Switch版『STEINS;GATE ダイバージェンシズ アソート』が発売。さらに2018年5月9日にはPC(Steam)版も発売され、さまざまな機種でプレイすることができます。
また、2018年4月12日から9月27日のあいだにテレビアニメも放映されており、現在は各サブスクリプションサービスで観ることができます。こちらはオリジナルの展開も追加されているのですが、その内容が激熱なので、ゲームを遊んだけれど、アニメは観ていないという人にもおすすめです。
シリーズとしては『シュタインズ・ゲート』をもとに、グラフィックの一新やストーリーの追加などでリブートされる『シュタインズ・ゲート リブート』が2026年に発売予定。楽しみに待ちましょう!
















