
2025年9月25日~28日(25、26日はビジネスデイ)に千葉・幕張メッセで開催された東京ゲームショウ2025(TGS2025)。
本稿では、ウォーシミュレーション『タイニーメタル2』の試遊レビューと、ディレクター兼プロデューサー・由良浩明氏に行ったインタビューをお届けします!
本稿では、ウォーシミュレーション『タイニーメタル2』の試遊レビューと、ディレクター兼プロデューサー・由良浩明氏に行ったインタビューをお届けします!
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本作から海戦が追加され、陸海空軍の連携が重要に
『タイニーメタル』シリーズは、2017年発売の第1作目を始めとしたウォーシミュレーション。『タイニーメタル2』(2026年発売予定)は『タイニーメタル 虚構の帝国』(2019年発売)に続くシリーズ最新作であり、約7年ぶりの続編となっています。ファンからすれば、長年待ち望んだ続編です。
試遊では、チュートリアル的な戦闘部分を遊ぶことができました!
おそらく、シリーズに慣れ親しんだ方ならものの数分でクリアーできるような簡単なマップでしたが、初心者の筆者は四苦八苦。とはいえ、試遊中はスタッフの方が隣で丁寧に教えてくれたのでひと安心。絶対に負けることはありません(笑)。
おそらく、シリーズに慣れ親しんだ方ならものの数分でクリアーできるような簡単なマップでしたが、初心者の筆者は四苦八苦。とはいえ、試遊中はスタッフの方が隣で丁寧に教えてくれたのでひと安心。絶対に負けることはありません(笑)。
本作に限らず、『タイニーメタル』シリーズでは、戦闘を開始する前にコマンダーを選びます。コマンダーとはプレイアブルキャラクターのようなもので、コマンダーごとに“戦車での戦闘が有利”、“歩兵の能力が上がる”などのパッシブスキルを持っています。『タイニーメタル2』では、新たなコマンダーが10名登場し、前作からのコマンダーを合わせると総勢15名以上になるとか。
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試遊では2名のコマンダーが選べました。筆者は本軍に主人公のネイサン・グリースを、友軍に推しのポコタを選択。ポコタは青色のかわいいオートマトンです。
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本作から海戦が追加されたとのことで、マップには陸地だけでなく海が存在。陸には戦車や歩兵が、空には戦闘機が、海には戦艦が構えておりました。
ユニットごとに、それぞれ相性があります。たとえば、戦車は歩兵に大ダメージを与えられます。逆に、歩兵はほとんどのユニットに強く出られません。歩兵は戦闘では弱いものの、霧が出ているときに高台へ登ると視界が取れたり、建造物を占拠するのに適したユニットです。
ユニットの特性を覚えたら、つぎに大事なのは連携と占拠。ひとつの敵ユニットを攻撃するにしても、複数の味方ユニットで囲み、支援射撃をしてもらったほうが大ダメージを与えられます。
そして、中立の建造物を占拠すれば、その建造物の特性にあった効果が発揮されます。コストを消費して新しいユニットを作り出すことも可能なので、持続的に戦うことが可能になります!
1ターンのあいだでも考えることが多く、「人と対戦したらどうなっちゃうんだ?」というワクワクが抑えられませんでした。キャンペーンモードのストーリーも楽しみですが、マルチプレイ・対戦も楽しみです!
ユニットごとに、それぞれ相性があります。たとえば、戦車は歩兵に大ダメージを与えられます。逆に、歩兵はほとんどのユニットに強く出られません。歩兵は戦闘では弱いものの、霧が出ているときに高台へ登ると視界が取れたり、建造物を占拠するのに適したユニットです。
ユニットの特性を覚えたら、つぎに大事なのは連携と占拠。ひとつの敵ユニットを攻撃するにしても、複数の味方ユニットで囲み、支援射撃をしてもらったほうが大ダメージを与えられます。
そして、中立の建造物を占拠すれば、その建造物の特性にあった効果が発揮されます。コストを消費して新しいユニットを作り出すことも可能なので、持続的に戦うことが可能になります!
1ターンのあいだでも考えることが多く、「人と対戦したらどうなっちゃうんだ?」というワクワクが抑えられませんでした。キャンペーンモードのストーリーも楽しみですが、マルチプレイ・対戦も楽しみです!
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【由良浩明氏インタビュー】「コマンダーはひとりひとりが主人公」
由良浩明(ユラ ヒロアキ)
株式会社 AREA 35代表取締役。ヴァイオリン奏者、音楽監督、プロデューサーと、さまざまな肩書きで活躍。『タイニーメタル2』ではディレクター兼プロデューサーを担当。(文中は由良)
――まずは、本作の開発経緯を教えてください。
由良
じつは、『1』を作っているときからすでに『2』を作りたいと思っていたんです。
というのも、最初は3人で開発していたものですから、やりたいことがとてもじゃないけど追いつかなかったんです。ですので、“本当は組み込みたかったけどできなかったリスト”をストックしておいて、本作に活かした形です。
――“やりたかったけどできなかったこと”は、たとえばどんなものがありますか?
というのも、最初は3人で開発していたものですから、やりたいことがとてもじゃないけど追いつかなかったんです。ですので、“本当は組み込みたかったけどできなかったリスト”をストックしておいて、本作に活かした形です。
――“やりたかったけどできなかったこと”は、たとえばどんなものがありますか?
由良
ひとつは、誰かと隣り合っていっしょにゲームをする、という体験そのものです。いまはオンラインでの協力プレイや対戦が主流だと思うのですが、やはり僕らの世代(由良氏は1981年生まれ)からすると、友だちの家でいっしょにゲームした記憶とか、大事な時間だったんです。コロナ禍を経て、余計にそう感じました。
――隣り合ってゲームをすることで生まれるコミュニケーションがあるのですね。
――隣り合ってゲームをすることで生まれるコミュニケーションがあるのですね。
由良
やはり、オンラインでは得がたい感覚がありますね。体の揺れひとつ取ってもそうだし、空気感は同じ空間にいないとわからない。僕は演奏者でもあるので、そういう“空気感”には人一倍敏感なほうだと思います。オーケストラでは呼吸だけで隣りの演奏者と合わせる、ということも多いですから。
――由良さんが実体験した感覚を大事にしている、ということですね。
――由良さんが実体験した感覚を大事にしている、ということですね。
由良
はい。それで言うと、このゲームを作りたいと思ったキッカケも、自分の体験から来ています。
僕は幼少期に日本からオーストラリアへ渡っていて、日本語の本は日本の歴史とか、父の持っていた帝国海軍、陸軍の写真集とかしかなかったんです。もうそれしか読むものがないから陸海軍の写真集を眺めてました。あとはファミコンも持って行ったのですが、ゲームは1日30分という親との決めごとがあって、『ドラゴンクエスト』とかはプレイできなかったんですよ。セーブポイントまで30分じゃたどり着けないから。なのでプレイするのは『ボンバーマン』や『スーパーマリオ』などになっていったんですが、なかでも『ファミコンウォーズ』にどハマりしていました。僕がウォーシミュレーションというジャンルのゲームを作っているのは、『ファミコンウォーズ』が大好きだから、というが理由のひとつです。
――帝国陸海軍の写真集! 本作から海戦が追加されたのも、その写真集がルーツになるのですか?
僕は幼少期に日本からオーストラリアへ渡っていて、日本語の本は日本の歴史とか、父の持っていた帝国海軍、陸軍の写真集とかしかなかったんです。もうそれしか読むものがないから陸海軍の写真集を眺めてました。あとはファミコンも持って行ったのですが、ゲームは1日30分という親との決めごとがあって、『ドラゴンクエスト』とかはプレイできなかったんですよ。セーブポイントまで30分じゃたどり着けないから。なのでプレイするのは『ボンバーマン』や『スーパーマリオ』などになっていったんですが、なかでも『ファミコンウォーズ』にどハマりしていました。僕がウォーシミュレーションというジャンルのゲームを作っているのは、『ファミコンウォーズ』が大好きだから、というが理由のひとつです。
――帝国陸海軍の写真集! 本作から海戦が追加されたのも、その写真集がルーツになるのですか?
由良
海戦は『1』のときからやりたかったんですよ。ただ先ほどもお話した通り、3人での開発だったものですから、グラフィックなどのコスト面の問題で断念しました。
あと、海戦を入れるとゲームバランスの調整が難しかったというのもあります。現実世界でもそうなのですが、戦艦って作るのにすごいお金がかかるんですよね。そして、その分強い。偵察から攻撃までオールマイティになんでもこなせるから、海戦一強にならないように調整しなければなりませんでした。ですので、海軍も陸軍、空軍とうまく連携をとってプレイしていく必要がありますね。
あと、海戦を入れるとゲームバランスの調整が難しかったというのもあります。現実世界でもそうなのですが、戦艦って作るのにすごいお金がかかるんですよね。そして、その分強い。偵察から攻撃までオールマイティになんでもこなせるから、海戦一強にならないように調整しなければなりませんでした。ですので、海軍も陸軍、空軍とうまく連携をとってプレイしていく必要がありますね。
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――海戦が追加されるにあたって、海戦に特化したコマンダーも登場しますか?
由良
はい。アドニスという新コマンダーが海戦に特化しています。彼の詳しい設定はネタバレになってしまうので言えないのですが、かつて提督として名を馳せた人で、王子という身分の人でもあります。
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――海戦を追加したほかに、前作から改良した部分はありますか?
由良
細かいものを挙げれば、もう本当にきりがないほど改修しました。なにせ3人で開発していた『1』から、開発人数が35名程度まで増えましたから、できることもそれだけ増えました。
たとえば、UIやUXに特化した専門の方々が開発に加わったのは大きいですね。以前はプログラマーがUIやUXをがんばって作っていたんです。専門家が加わったことで、キレイでわかりやすいUI、UXになっていると思います。あとは映像面ですね。以前は2Dだったダイアログが3Dになって動きも表現できるようになりましたし、ストーリー部分ではフル3DCGで作り込むことができました。
――数名のコマンダーが続投していることから前シリーズとのつながりが窺えますが、『タイニーメタル2』は時系列的にどこに位置するのでしょうか?
たとえば、UIやUXに特化した専門の方々が開発に加わったのは大きいですね。以前はプログラマーがUIやUXをがんばって作っていたんです。専門家が加わったことで、キレイでわかりやすいUI、UXになっていると思います。あとは映像面ですね。以前は2Dだったダイアログが3Dになって動きも表現できるようになりましたし、ストーリー部分ではフル3DCGで作り込むことができました。
――数名のコマンダーが続投していることから前シリーズとのつながりが窺えますが、『タイニーメタル2』は時系列的にどこに位置するのでしょうか?
由良
時系列としては、本作は『タイニーメタル 虚構の帝国』から数年後のお話です。前作から続けて登場するネイサンやダンテは昇進していて、階級が上がっています。
キャンペーンモードの詳しいあらすじはまだ発表できないのですが、シリーズを通して“世界を滅ぼしかねないロストテクノロジーとどう向き合うか”というテーマを掲げていますので、そこは変わりません。
――『1』で作った“やりたいことリスト”は、本作『タイニーメタル2』で消化できましたか?
キャンペーンモードの詳しいあらすじはまだ発表できないのですが、シリーズを通して“世界を滅ぼしかねないロストテクノロジーとどう向き合うか”というテーマを掲げていますので、そこは変わりません。
――『1』で作った“やりたいことリスト”は、本作『タイニーメタル2』で消化できましたか?
由良
やりきれてないですね。早くも『3』を作りたい気持ちでいっぱいです(笑)。本当は1作に出し切るのがいいんでしょうけど、自分の性分がアーティストなので、いつまででもこだわってしまうんですよ。
――具体的には、本作で何を盛り込みたかったんですか?
――具体的には、本作で何を盛り込みたかったんですか?
由良
たとえば、マップクリエイターの機能ですね。プレイヤーが戦場マップを自由に作れるような機能です。技術面で言うと不可能ではないのですが、AIを機能に入れるとコンプライアンス的にダメなプラットフォームが出てきたり、AIの制御が難しかったりで、実装できませんでした。
ほかにもシネマティックをもっとがんばりたかったとか、コマンダーひとりひとりのストーリーをもっと掘り下げたかったとか、いろいろあります。コマンダーは全員が主人公だし、なんなら悪役だって主人公だと思っているので、そういう気持ちで作っていますね。
ほかにもシネマティックをもっとがんばりたかったとか、コマンダーひとりひとりのストーリーをもっと掘り下げたかったとか、いろいろあります。コマンダーは全員が主人公だし、なんなら悪役だって主人公だと思っているので、そういう気持ちで作っていますね。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/54081/a9915a819eabc5662d35f145462cc64f7.jpg?x=767)
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/54081/a1c2d2a3c2800b78d83d79dc2d5fcb5f6.jpg?x=767)
――ありがとうございました。ちなみに、本作の発売時期などは?
由良
2026年内、とだけ。まだ詳細を発表できずに申し訳ありませんが、ギリギリまでいいものを作るためにがんばっていきますので、楽しみにお待ちいただけるとうれしいです。