
「ゲーム開始前に表示される利用規約、ちゃんと読んでいますか?」
アプリをインストールしたとき、オンラインサービスに登録するとき、いろいろな場面で私たちの前に現れる長大なテキストの壁。そのほとんどを流し見し、内容を理解することなくチェックボックスに印を付け、“同意する”ボタンをクリックする――。そんな経験が誰にでもあるはずだ。
もし、その同意する行為自体がひと筋縄ではいかなかったら?
そんな、現代社会のあるあるをユニークな切り口でゲームに仕立て上げた作品が、個人ゲームクリエイター・べすとまん氏による新作『利用規約に同意したい』。タイトルからして既に遊び心が感じられる本作は、ただのジョークゲームではない。そこには、プレイヤーの忍耐力と集中力が試される不思議な中毒性があった。東京ゲームショウ2025での試遊をもとに、その風変わりなゲーム体験について紹介していく。
アプリをインストールしたとき、オンラインサービスに登録するとき、いろいろな場面で私たちの前に現れる長大なテキストの壁。そのほとんどを流し見し、内容を理解することなくチェックボックスに印を付け、“同意する”ボタンをクリックする――。そんな経験が誰にでもあるはずだ。
もし、その同意する行為自体がひと筋縄ではいかなかったら?
そんな、現代社会のあるあるをユニークな切り口でゲームに仕立て上げた作品が、個人ゲームクリエイター・べすとまん氏による新作『利用規約に同意したい』。タイトルからして既に遊び心が感じられる本作は、ただのジョークゲームではない。そこには、プレイヤーの忍耐力と集中力が試される不思議な中毒性があった。東京ゲームショウ2025での試遊をもとに、その風変わりなゲーム体験について紹介していく。
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冒険の前に立ちはだかる“規約の壁”
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しかし、ゲームスタートを押すと、目の前におなじみの“利用規約”が立ちはだかる。本作を進めるには、全12条の規約すべてに“同意”しなければならないのだ。
「なんだ、いつも通りクリックするだけじゃないか」。そう考えたのも束の間、つぎの瞬間には同意を阻む数々の仕掛けに翻弄されることになる。
このゲームの肝は、利用規約への同意そのものが多彩なミニゲームとして描かれている点にある。そこには、私たちが日常的にくり返す同意という行為に対する、ちょっとした皮肉が込められていた。
「なんだ、いつも通りクリックするだけじゃないか」。そう考えたのも束の間、つぎの瞬間には同意を阻む数々の仕掛けに翻弄されることになる。
このゲームの肝は、利用規約への同意そのものが多彩なミニゲームとして描かれている点にある。そこには、私たちが日常的にくり返す同意という行為に対する、ちょっとした皮肉が込められていた。
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あの手この手で“同意させない”多彩なギミック
さて、それでは積極的に同意していきたい。まずは“不具合に対する姿勢について”規約を確認。同意するボタンをクレーンゲームの要領でつかめばいいらしい。この辺は何となく理解できるのだが、どんどん様子がおかしくなっていく。
制限時間内に弾幕の雨からひたすら逃げ回り、ブロック崩しでボールを反射させて道を切り開き、同じボタンを揃えて同意するボタンにまで“シンカ”させていく落ちものパズルに挑戦したり……。
他意はないのだがフルーツが大きくなりそうな気がする。単独でゲーム化するとしたらタイトルは『ドウイゲーム』でどうだろうか。
制限時間内に弾幕の雨からひたすら逃げ回り、ブロック崩しでボールを反射させて道を切り開き、同じボタンを揃えて同意するボタンにまで“シンカ”させていく落ちものパズルに挑戦したり……。
他意はないのだがフルーツが大きくなりそうな気がする。単独でゲーム化するとしたらタイトルは『ドウイゲーム』でどうだろうか。
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クリックで同意するボタンを落下させないよう必死に維持したり矢印キーで鍵を迷路のゴールまで運んだりなど、異なるルールのステージにつぎつぎと放り込まれる。
迷路には悪意すら感じられるもんだからタチが悪い。プレイヤーのミスを誘うように矢印の位置が突然入れ替わる仕掛けって何なんだ。
迷路には悪意すら感じられるもんだからタチが悪い。プレイヤーのミスを誘うように矢印の位置が突然入れ替わる仕掛けって何なんだ。
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かと思ったら、頭脳的なギミックがプレイヤーを悩ませる。今度は物理演算だ。絶妙な力加減で台車を撃ち出して所定の位置に停める。だるま落としの要領で不要なブロックだけを消して同意するボタンをうまく着地させる。どうしてここまで繊細な操作を要求されなきゃいけないんだ。早く押させてください。
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そして、プレイヤー心理を逆手に取った巧妙かつ意地悪な仕掛けには恐れ入った。「“同意する”は緑色だろう」という思い込みを利用した色の罠に一杯食わされ、さあボタンを押そうと思ったら入れ替わる“同意する”と“同意しない”のボタンに翻弄され――。失礼ながら、作者の性格を疑ってしまうほどである。
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そういった心理戦を乗り越え、改めてフィジカルの大切さを思い知る。ここで言うフィジカルとはマウス操作の精度と動体視力のこと。ちょこまかと動き回るチェックボックスを仕留め、画面を埋め尽くさんばかりの同意しない表示から同意するボタンを探し出す。集中力も必要なので、しっかり睡眠を取るなどして、万全のコンディションで挑みたい。
同意するボタンを押すだけの話なのだけど。
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これらの試練に奮闘するも、間違えて“同意しない”をクリックしたり、1度でもタイムアウトになれば、また最初の第1条からやり直し。積み上げてきたものが一瞬でリセットされる悔しさが、逆に「つぎこそは」と挑戦心をかき立てる。
少しの油断が命取りになる感覚は、『Jump King』などの高難度アクションに通じるものがある。
少しの油断が命取りになる感覚は、『Jump King』などの高難度アクションに通じるものがある。
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肝心の『ドキドキアクションゲーム』は本当に存在するのか?
あまりに過酷な同意への道のりに、TGS2025会場では多くの人がこう尋ねたという。「利用規約のトラップばかりで、肝心の『ドキドキアクションゲーム』は本当に存在するのか?」と。その疑問ももっともだ。筆者がブースを訪れた最終日(9月28日)の正午時点では、最後までクリアーした人はいなかったのだから。
では、アクションゲームはただの見せかけなのか? その点は安心していい。べすとまん氏曰く「ちゃんと最後まで作っていますよ」とのこと。すべての規約に同意できたなら、その先には走って跳んでゴールを目指す、王道の横スクロールアクションが待っている。あの過酷な契約作業を乗り越えた者にしか味わえない達成感は、きっと格別なものに違いない。
では、アクションゲームはただの見せかけなのか? その点は安心していい。べすとまん氏曰く「ちゃんと最後まで作っていますよ」とのこと。すべての規約に同意できたなら、その先には走って跳んでゴールを目指す、王道の横スクロールアクションが待っている。あの過酷な契約作業を乗り越えた者にしか味わえない達成感は、きっと格別なものに違いない。
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そもそも、なぜこれほどまでに奇抜なゲームが生まれたのか。制作者のべすとまん氏によれば、その根底には「利用規約を誰も読まない現状に、ゲームを通して少しでも目を向けてもらうきっかけを作りたかった」という思いがあるようだ。
たしかに、何度も失敗をくり返すうち、ふだんどれだけ無意識でチェックしていたかを思い知らされる。同意ボタンひとつにここまで集中した経験は、まさに初めてだった。
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『利用規約に同意したい』は、まさにこの2025年秋にPC(Steam)で正式リリース予定。果たしてあなたは、制作者の仕掛けた無数の罠をくぐり抜け、筆者が見ることのできなかったアクションステージにたどり着けるだろうか。まずは現在公開中の体験版で、その過酷さとおもしろさを味わってみてほしい。