
毎年8月にドイツ・ケルンにて行われているゲームショウ、gamescom。同イベントは、E3(2023年に終了を発表)、東京ゲームショウとともに“世界三大ゲームショウ”と呼ばれるほどの規模を誇り、2025年8月20日~24日に開催されたgamescom 2025には、128ヵ国から35万7000人の来場者が集まった。
gamescomは、会場であるケルンメッセを運営するKoelnmesse GmbHと、ドイツゲーム産業協会“game”が共同で主催している。会場側がゲームショウを運営するのは珍しいように思うが、そうするほどに、ケルンとケルンメッセにとってgamescomは重要な存在ということだろう。
グローバルで大きな市場を持つゲーム業界。その中で、世界各国のゲームショウは、その存在意義や目指すべき姿をつねに見つめ直し、模索している。先日行われた東京ゲームショウも、ロゴの刷新やBtoB・BtoCに向けたさまざまなアプローチの導入を行い、2026年には会期を5日間に延長するなど、新時代のショウを作るための試みを実施している。
gamescomは、ゲーム業界のトレンドをどのように捉え、ショウの内容に反映させているのだろうか? game マネージングディレクターであるフェリックス・ファルク氏と、ケルンメッセ gamescom ディレクターのティム・エンドレス氏に、メールインタビューにてお話をうかがった。
gamescomは、会場であるケルンメッセを運営するKoelnmesse GmbHと、ドイツゲーム産業協会“game”が共同で主催している。会場側がゲームショウを運営するのは珍しいように思うが、そうするほどに、ケルンとケルンメッセにとってgamescomは重要な存在ということだろう。
グローバルで大きな市場を持つゲーム業界。その中で、世界各国のゲームショウは、その存在意義や目指すべき姿をつねに見つめ直し、模索している。先日行われた東京ゲームショウも、ロゴの刷新やBtoB・BtoCに向けたさまざまなアプローチの導入を行い、2026年には会期を5日間に延長するなど、新時代のショウを作るための試みを実施している。
gamescomは、ゲーム業界のトレンドをどのように捉え、ショウの内容に反映させているのだろうか? game マネージングディレクターであるフェリックス・ファルク氏と、ケルンメッセ gamescom ディレクターのティム・エンドレス氏に、メールインタビューにてお話をうかがった。
広告
Felix Falk(フェリックス・ファルク)氏
game マネージングディレクター
Tim Endres(ティム・エンドレス)氏
ケルンメッセ gamescom ディレクター
――初めに、フェリックス・ファルクさんとティム・エンドレスさんが、gamescomにおいてどのような役割を担当されているのか教えてください。
フェリックス
私はgame(ドイツゲーム産業協会)のマネージング・ディレクターとして、ドイツのゲーム業界の利益を政治的・公共的に代表する責任を担っています。また、gamescomの共同主催者として、ケルンメッセと密接に連携し、業界のニーズや声を反映したイベント運営に努めています。これには、戦略的な方向性の策定、プログラム内容の調整、gamescom congressのような企画の構築も含まれます。
当協会は、USK(ドイツ自主レーティング機関)、デジタルゲーム文化財団、esports player foundation、gameイベント、著作権徴収団体VHGなどの株主であり、ドイツコンピューターゲーム大賞の共催者でもあります。また、メディアや政治・社会機関との窓口として、マーケットの成長、ゲーム文化、メディアリテラシーなどに関する専門的な知見を提供し、さまざまな問い合わせや懸念に対応しています。
当協会は、USK(ドイツ自主レーティング機関)、デジタルゲーム文化財団、esports player foundation、gameイベント、著作権徴収団体VHGなどの株主であり、ドイツコンピューターゲーム大賞の共催者でもあります。また、メディアや政治・社会機関との窓口として、マーケットの成長、ゲーム文化、メディアリテラシーなどに関する専門的な知見を提供し、さまざまな問い合わせや懸念に対応しています。
ティム
私はケルンメッセでgamescomのディレクターを務めており、イベントの戦略的・概念的な発展に責任を持っています。協力パートナーであるgame協会と共に、全体ビジョンの策定、新しいデジタル戦略や企画フォーマットの導入、業界のニーズに合わせた進化を図っています。
また、出展者調整からインフラ整備、来場者体験まで、イベント全体の運営とロジスティクスも管理しています。私のチームでは、マーケティングとコミュニケーションの専門家が重要な役割を担っており、gamescomの国際的なポジショニング、創造的なキャンペーンの立案、すべてのプラットフォームにおける一貫したストーリーテリングを担当しています。要するに、私たちの使命は、ファン、クリエイター、ジャーナリスト、企業のすべてにとってすぐれた体験を提供することです。
――gamescom 2025について、昨年までと比べて大きく変わったところ、進化したと思うところはどこですか?
また、出展者調整からインフラ整備、来場者体験まで、イベント全体の運営とロジスティクスも管理しています。私のチームでは、マーケティングとコミュニケーションの専門家が重要な役割を担っており、gamescomの国際的なポジショニング、創造的なキャンペーンの立案、すべてのプラットフォームにおける一貫したストーリーテリングを担当しています。要するに、私たちの使命は、ファン、クリエイター、ジャーナリスト、企業のすべてにとってすぐれた体験を提供することです。
――gamescom 2025について、昨年までと比べて大きく変わったところ、進化したと思うところはどこですか?
ティム
gamescom 2025ではイベントスペースを再び大幅に拡張し、総面積は233,000平方メートルを超えました。また、来場者の動線と会場内のナビゲーション向上のために、新たな施策も取り入れました。
イベントアリーナはホール1に移動し、これまでで最大のステージを構築しました。これにより、エンターテインメントエリアに追加のホールを確保できました。また、インディーエリアは過去最大規模となっています。
コンテンツ面では、プログラムの多様性をさらに強化しました。インディーショーケース“gamescom awesome indies”や、拡大中の“cards & boards”エリア、クリエイター企画、gamescom congressなど、ゲーム文化の全スペクトルを反映した内容となっています。
イベントアリーナはホール1に移動し、これまでで最大のステージを構築しました。これにより、エンターテインメントエリアに追加のホールを確保できました。また、インディーエリアは過去最大規模となっています。
コンテンツ面では、プログラムの多様性をさらに強化しました。インディーショーケース“gamescom awesome indies”や、拡大中の“cards & boards”エリア、クリエイター企画、gamescom congressなど、ゲーム文化の全スペクトルを反映した内容となっています。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/53244/a648b9906a614a4bb30c20591243c65ec.jpg?x=767)
――グローバル化が進むgamescomですが、とくに注目している国・地域や、出展社数が増えた国・地域があれば教えてください。
フェリックス
ここ数年で、アジアからの参加が大きく増加しており、とくに中国と韓国が顕著です。日本や北米からの参加も引き続き強く、業界関係者の来場者数では、アメリカ、中国、カナダ、日本が大きく伸びています。
このような国際的な勢いを受けて、私たちはgamescomブランドを他地域にも展開しています。たとえば、バンコクでの“gamescom asia x Thailand Game Show”、サンパウロでの“gamescom latam”などです。これらの地域版は、各地のエコシステムを支援しながら、グローバルとの接点も維持する役割を果たしています。
これにより、ケルンでの本家gamescomにも国際的な成長が波及しています。すべてのgamescomショウが相互に恩恵を受け合い、ともに発展しています。
このような国際的な勢いを受けて、私たちはgamescomブランドを他地域にも展開しています。たとえば、バンコクでの“gamescom asia x Thailand Game Show”、サンパウロでの“gamescom latam”などです。これらの地域版は、各地のエコシステムを支援しながら、グローバルとの接点も維持する役割を果たしています。
これにより、ケルンでの本家gamescomにも国際的な成長が波及しています。すべてのgamescomショウが相互に恩恵を受け合い、ともに発展しています。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/53244/a9a2d2dd4610fc12509d921f64c36d26c_QPUl83k.jpg?x=767)
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/53244/a8ce76e077aa55e11cabc18efaf4a09a1_k2cSDcC.jpg?x=767)
――今年のゲーム業界の大きなニュースといえば、新ハードであるNintendo Switch 2が発売されたことが挙げられます。Nintendo Switch 2は、ドイツや欧州のゲーム市場にどのような影響を与えましたか?
フェリックス
今年の重要トレンドのひとつが“ゲームのブロックバスター(大作)を持ち運ぶ”という現象です。Nintendo Switch 2やMicrosoftのROG Xbox Allyのような最新のモバイルゲーム機に大きな関心が集まっています。これらのデバイスにより、これまではハイエンドPCや据え置き型コンソールでしか遊べなかったタイトルが、どこでもプレイ可能になりました。ベッドの上でも、バルコニーでも、電車や飛行機の中でも最新ブロックバスターが楽しめる時代です。
ドイツ市場でもこの動きは明確で、2025年前半のコンソール売上はSwitch 2の発売により17%成長しました。
ドイツ市場でもこの動きは明確で、2025年前半のコンソール売上はSwitch 2の発売により17%成長しました。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/53244/ab9482c77ded549ba2360f392f3c93b5a.jpg?x=767)
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/53244/a9f07090e760f4f094e448ec44b2e6738.jpg?x=767)
――近年のゲーム業界のトレンドとしては、デジタル販売の普及や、大規模なゲームとインディーゲームの二極化などが挙げられますが、現在のゲーム市場をどうご覧になっていますか?
フェリックス
いまのゲーム市場では、信じられないほどの多様性が見られます。『デス・ストランディング2』や『ドンキーコング バナンザ』のような大作も好調ですが、小規模チームによる『Clair Obscur: Expedition 33』や『Tiny Bookshop』のようなタイトルも高い注目を集めています。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/53244/a74031d3f5e64b83e235e91361ca530f8.jpg?x=767)
世界では30億人以上がゲームをプレイしており、とくにドイツのような成熟市場では平均年齢も上がっています。gamescomのトレンドテーマ“Games for Three Generations(三世代で楽しむゲーム)”では、この流れを強調しています。親、祖父母、そして子どもがいっしょにゲームを楽しむ。これは単なる娯楽にとどまらず、デジタル時代に必要なメディアリテラシーの向上にもつながるのです。
――そういった近年のゲーム業界のトレンドは、gamescom 2025の内容にどのような影響を与えているでしょうか?
――そういった近年のゲーム業界のトレンドは、gamescom 2025の内容にどのような影響を与えているでしょうか?
ティム
業界の動向は、イベント構成に直接影響を与えています。インディーエリアは年々拡大しており、開発者により多くの可視性を提供するために投資を続けています。キュレーションされたショーケースやアワード、パートナーシップなどを通じて支援しています。
一方で、AAAパブリッシャーはさらに没入感のある大規模な体験をブースに展開しており、このコントラストが業界の幅広さを反映しています。
gamescomは常に、業界の現状を映す場所であり続けてきました。そして、つねに“適応”しながら進化することこそが、私たちの強みです。
一方で、AAAパブリッシャーはさらに没入感のある大規模な体験をブースに展開しており、このコントラストが業界の幅広さを反映しています。
gamescomは常に、業界の現状を映す場所であり続けてきました。そして、つねに“適応”しながら進化することこそが、私たちの強みです。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/53244/ad4553484b81417463182b5de5d68bedd.jpg?x=767)
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/53244/af1af239c89105d0794b72d466ea5388b.jpg?x=767)
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/53244/a9c7333857219ffd9951fe1e1ae3a8c83.jpg?x=767)
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/53244/a04ea99387e8eff9cf4d8509a8d2216af.jpg?x=767)
――欧州のゲーム市場ならではのトレンドや、印象的な出来事があれば教えてください。
ティム
この質問に対する明確な答えは「存在しない」というのが、いまのトレンドだと思います。ドイツや欧州、そして世界中のゲーマーは、これまでになく多様なゲームをプレイしています。
ショーフロアを歩いてみても、同じジャンルのゲームが並ぶようなことはなく、レーシングゲームの隣にインディーのメトロイドヴァニア、その隣にはサバイバルホラー、といった具合です。このようなジャンルの多様性は市場全体に広がっており、世界中の多様なゲーマーの関心を反映しています。これは、より多くのプレイヤーがゲームに関われるという意味でも、非常にポジティブな傾向です。
――gamescomには日本のメーカー・クリエイターも多数参加しています。現在の日本のメーカー・クリエイターにはどのような特徴や傾向があると考えていますか?
ショーフロアを歩いてみても、同じジャンルのゲームが並ぶようなことはなく、レーシングゲームの隣にインディーのメトロイドヴァニア、その隣にはサバイバルホラー、といった具合です。このようなジャンルの多様性は市場全体に広がっており、世界中の多様なゲーマーの関心を反映しています。これは、より多くのプレイヤーがゲームに関われるという意味でも、非常にポジティブな傾向です。
――gamescomには日本のメーカー・クリエイターも多数参加しています。現在の日本のメーカー・クリエイターにはどのような特徴や傾向があると考えていますか?
フェリックス
私たちは日本の開発者の皆さんをgamescomで迎えることを、いつも楽しみにしています。大手パブリッシャーも、注目のインディーチームも、どちらも歓迎です。
日本からは、クラフトマンシップやデザインへのこだわりが非常に強く感じられます。たとえば、gamescom Opening Night Liveで発表されたカプコンとスクウェア・エニックスの提携のように、ユニークな企業が参加しています。任天堂、KONAMI、バンダイナムコといった日本のパブリッシャーは、ショーフロアでもつねに人気上位にランクインしています。
日本からは、クラフトマンシップやデザインへのこだわりが非常に強く感じられます。たとえば、gamescom Opening Night Liveで発表されたカプコンとスクウェア・エニックスの提携のように、ユニークな企業が参加しています。任天堂、KONAMI、バンダイナムコといった日本のパブリッシャーは、ショーフロアでもつねに人気上位にランクインしています。
今年は『バイオハザード レクイエム』が複数のgamescomアワードを受賞し、とくに注目を集めました。ヨーロッパのゲーマーたちは、日本のゲームやパブリッシャー、そして日本文化そのものに対して深い敬意と愛情を持っています。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/53244/aed0ec531c3f0820884bc1552285ad575.jpg?x=767)
――gamescom 2025を受けて、今後、gamescomはどのように進化していきますか?
フェリックス
今後に向けての目標は、gamescomを物理的にもデジタル的にも、よりアクセスしやすいものにしていくことです。世界中の人々が参加できるよう、ハイブリッドな形式をさらに発展させていきます。また、地域イベントや年間を通じた交流プラットフォームの拡充も進めていきます。
ティム
同時に、現地での体験もつねに進化させていきます。ロジスティクスの改善、テーマの多様化、そして進化するゲーム文化に対応した新しいフォーマットの導入も視野に入れています。
gamescomはつねにお祝いの場であり続けますが、それと同時に、ビジネスの接点や対話、そして業界の前進を促すプラットフォームでもありたいと考えています。
gamescomはつねにお祝いの場であり続けますが、それと同時に、ビジネスの接点や対話、そして業界の前進を促すプラットフォームでもありたいと考えています。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/53244/ad5a3454d04a8f87e1a453e98b29b96c1.jpg?x=767)