『アサクリ シャドウズ』大型DLC“淡路の罠”。棒でしばいたり、金棒を投げては拾ったりしながら淡路島観光。「奈緒江のお母さん、生きとったんか!?」
 日本の安土桃山時代を舞台にしたシリーズ最新作『アサシン クリード シャドウズ』。初の拡張コンテンツとなる“淡路の罠”が9月16日に配信された(PS5、XSX|S、PC)。

 配信に先立って実施されたメディア向けプレビューイベントでは先行プレイを実施。そこでわかった事柄についてお伝えしよう。
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メインスゲームのその後、奈緒江の母つゆを追う

 “淡路の罠”の物語はメインストーリークリアー後から始まり、弥助と奈緒江の新たな冒険が描かれる。奈緒江は「母の"つゆ"が生きているかもしれない」という噂を追い、淡路島へ向かうことに。弥助も彼女を支えながら、日本にまだ残るテンプル騎士団を排除するという目的を継続する。

 
少しネタバレになるが、本編の結末を見ている方ならご存知だろう。

 つゆは、アサシン教団(裏刀衆)として日本に存在する3つの秘宝(神器)を守る任務を遂行していた。そのなかで出会った伊賀の忍、藤林正保とのあいだにもうけた娘が奈緒江というわけだ。母と娘の再会、そしてつゆの過去が物語の重要な核として語られることになる。

 本編では服部半蔵が意外な形でつゆや正保に絡んで来たので、そのあたりも気になるところだが……。
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メインストーリーでは、父・正保の仇である百鬼衆をすべて討つことを成した奈緒江。死んだと思っていた母が生きているかもしないという半蔵の話から、淡路島へと向かう。
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テンプル騎士団に母を殺された過去を持つ弥助。信長の死後は日本の泰平を願い、奈緒江と行動をともにしていたが、あるきっかけからテンプル騎士団と再び相まみえ……。
 さて、タイトルにもある通り、舞台となるのは淡路島。本州は山や森が印象的なマップである一方、淡路島はさまざまな角度から海が見わたせるロケーションとなっており神秘的な印象。一方で霧や影、ダイナミックな天候の変化が緊張感を高める。木々が人間のシルエットに見えたり、植生自体が敵意を感じさせるようなユニークな環境デザインも特徴のひとつだという。
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マップは本州(ゲーム本編)のひとつの地域くらいの広さ。面積は播磨や大和よりも小さく、6平方キロメートルほど。
 淡路島は人形浄瑠璃が有名で、この拡張コンテンツでも人形芝居がストーリー上の重要な要素のひとつとして機能する。淡路島では何が起こっているのか、そこに何があるのか、物語の導入が2D横スクロールのステルスアクションゲームを人形芝居に見立てて語られるという、なんとも粋な展開が。
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ちゃんとステルスで進んだり暗殺したり、イーグルダイブを決めたりもできる。
 なお、この人形芝居風2D横スクロールアクションは、この場面にしか使用されていないとのこと。なんとももったいないというか、このスタイルでもう少しプレイしたいところ。

新たなターゲットとなる夜叉一派は曲者揃い

 淡路島で、奈緒江と弥助の新たな敵となる集団が“夜叉一派”。この土地のトップに君臨する権力者である女性“木村邦”を筆頭に、残忍な侍、暗殺のスペシャリスト、幽霊のような密偵など、それぞれ異なる特徴を持ったボス格を相手にすることになる。“木村”という名前でピンと来た人もいるかもしれない。そう、大ボスである木村邦は、弥助にも大いに関わりのある人物で……。
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 淡路島に乗り込んだ一行がまず向かうのは、つゆが捕らえられたとされる洲本城。奈緒江のステルスアクションから弥助のダイナミック戦闘への場面転換、ふたりが協力して城から脱出するバトルなど、緊張感溢れる展開が序盤からこれでもかと用意されており、つかみはオーケーとばかりに物語に引き込まれていく。
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既存プレイヤーをあっと言わせる仕掛けもいっぱい

 新たな物語と新たな標的。拡張コンテンツはそれに留まらない。本作の醍醐味であるアクション部分にも大きな要素が加えられている。

 奈緒江には、新しい武器カテゴリである“棒”が追加。アクロバティックな動きが特徴で、上段・中段・下段の3つの構えを切り替えながら戦う新たなシステムが採用されている。
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 上段ではスタンから脆弱状態が狙え、弱点攻撃につなげやすい。中段で攻撃すると相手を押し戻せるため、距離を取ったり単体を集団から離しながら前進しつつ連続攻撃を与えられたりする。下段では足払いによるノックダウンが可能で、倒れた敵に地上攻撃を追撃できるし、集団戦では放置しておけば時間を稼げる。

 棒ではそれぞれの敵の動きを制限したり、コントロールが可能なため、集団戦にもめっぽう強いのが特徴。スキルでは巴投げのような形で投げて、複数の相手を巻き込める大技もあって、かなり重宝する。
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 本編で筆者は短刀(暗殺しやすいため)+集団戦用の鎖鎌のスタイルを愛用していたが、これからは短刀+棒をメインにすることに決めた。試しに洲本城の門から城の奥までステルスいっさいなしの棒のみで進んでみたが、なんなく敵を制圧できるほど。もちろん、暗殺するより時間はかかるので、見つかったときの対処用に使うといい感じだ。
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死屍累々。すべて撲殺。
 弥助には、既存の武器に新たなスキルが多数加わり、刀による広範囲への溜め攻撃や、弓をぶん回した後に拡散する矢を射る攻撃、鉄砲から炎を放つといった能力が追加されている。
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 なかでも圧巻なのが、金棒を投げて敵の装備を破壊する攻撃。弥助の剛力っぷりを見事に体現した大技で、世界中から来ていた記者たちもこれには大ウケだった。
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投げちゃうんだ、金棒。このあと、ちゃんと拾いにいきます。
 さて、奈緒江や弥助がパワーアップしているなら、相手も同じ……!? とばかりに、“淡路の罠”ではバトルや戦いの舞台が進化している。島内のいたるところにワイヤートラップが設置されているなど、島自体がひとつの敵として表現されているのも特徴のひとつ。

 また、夜叉一派の一角を倒すたびに島の警戒度が上昇していくため、頭数を減らしたからといって油断できず、プレイヤーに絶え間ない脅威を与えてくる。そして、それぞれのボス戦では、これまでにない環境や独自のメカニクスを有した戦いが待っている。

 そのひとつ、暗殺のスペシャリストであるボス格“野分(のわき)”との戦いが体験できた。この奈緒江と野分の暗殺対決では、専用のアリーナ状ステージが用意されている。ステージ内のどこかに野分が隠れており、音を頼りにそれを見つけ出し、暗殺攻撃を加えていくのが目的だ。
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 ステージ内には罠やダミーの人形がこれでもかと配置されており、奈緒江がミスをしたり大きな音を立てると野分は隠れた位置から鉄砲を撃ってくる。毒攻撃付きなのがまたいやらしい。
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 “観察”を行うと野分の位置がなんとなくわかり、近づいてイーグルビジョンを使うと本体かダミーかの見分けがつく仕組み。罠をかいくぐって音を出さずに慎重に行動する緊張感が、これまでにはない睨み合いのような戦いの舞台に充満している。
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 このように“淡路の罠”は、エンディングのその後を描く物語、新たな脅威となる一党、探索しがいのあるマップ、追加された技や戦いの舞台と、内容盛りだくさんの拡張コンテンツ。追加の物語自体は8~10時間ほどのプレイ時間を想定しているとのことだが、探索やアクティビティーの攻略を含めれば、倍以上は楽しめるはず。

 開発者が「本編を100時間遊んだプレイヤーでも、新鮮な体験を楽しめる」と言う通り、短時間の先行プレイの中でも新たな刺激に満ちたコンテンツの数々が味わえた。なお、“淡路の罠”をプレイするには、本編のメインストーリークリアー(エンドロール)まで到達しておく必要がある。これから
『シャドウズ』を始めようという人は、まずはゲーム本編をプレイして、奈緒江と弥助の物語をじっくりと楽しもう。本編のストーリーもかなりおもしろい。

 ちなみに、奈緒江の棒や弥助の新スキルはゲーム本編でもプレイ可能とのことなので、棒で悪代官どもをしばき倒しまくるのもヨシ。
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