
全世界で数々の賞を受賞し、ゲームファンの心を捉えてやまないベセスダ・ソフトワークスのファンタジーRPG『エルダー・スクロールズ』シリーズ。同シリーズ初のオンラインタイトルとなるのが、『The Elder Scrolls Online』(エルダー・スクロールズ・オンライン、以下『ESO』)だ。
本作は、2014年にPC向けにリリースされ、2023年にはプレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One向けにも発売、全世界で2600万人以上がプレイしているタイトルだ。リリースから11年となる本作は、この6月にもベースゲームのブラッシュアップや“虫の教団(Worm Cult)”シーズンの開幕など、ますますにぎやかな状況だ。
本作は、2014年にPC向けにリリースされ、2023年にはプレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One向けにも発売、全世界で2600万人以上がプレイしているタイトルだ。リリースから11年となる本作は、この6月にもベースゲームのブラッシュアップや“虫の教団(Worm Cult)”シーズンの開幕など、ますますにぎやかな状況だ。
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そんな『ESO』に関して、Zenimax Online Studios『ESO』ゲームディレクターのRich Lambert(リッチ・ランバート)氏にインタビューする機会を得た。リッチ・ランバート氏に、『ESO』11年の歩みや今後の展望などについて聞いた。
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Rich Lambert(リッチ・ランバート)
Zenimax Online Studios『The Elder Scrolls Online』ゲームディレクター
広大で没入感のある世界が人気の理由
――2014年のサービス開始から10周年を迎え、『ESO』はいまや全世界で2600万人を超えるプレイヤーに支持されています。人気が続いている理由は何だと思いますか?
リッチ
『ESO』が提供する広大で没入感のある世界に尽きると思います。何千もの興味深いストーリー、やりがいのあるダンジョン、ハウジング、クラフト、PVPなど、やるべきことや探検すべきことがたくさんあります。本当に誰にでも楽しめる要素があり、友人といっしょにプレイすることも、ひとりで冒険することもできます。選択はあなた次第です!
――『The Elder Scrolls』シリーズは、もうひとつの自由な人生を楽しめるタイトルとして人気ですが、『ESO』でもそのプレイフィールは変わりませんか?
――『The Elder Scrolls』シリーズは、もうひとつの自由な人生を楽しめるタイトルとして人気ですが、『ESO』でもそのプレイフィールは変わりませんか?
リッチ
もちろんです。その探検感は『The Elder Scrolls』シリーズのDNAの核となる部分です。『ESO』では、レベルによる制限や制約なしに、世界のどこへでも行くことができます。私たちは、クエストラインを追っているときでも、ただ好奇心に従ってマップを横断しているときでも、タムリエルが生き生きとしていて、プレイヤーの行動に反応するように感じられるよう努力を重ねてきました。
――サービス開始から46回ものアップデートを実施してきましたが、その中でも印象に残っているアップデート、もしくはブレイクスルーになったアップデートがあれば教えてください。
――サービス開始から46回ものアップデートを実施してきましたが、その中でも印象に残っているアップデート、もしくはブレイクスルーになったアップデートがあれば教えてください。
リッチ
もっとも印象に残っているのは“ワン・タムリエル”のアップデートです。レベル制限を撤廃し、プレイヤーがレベルや同盟に関係なくいっしょに探検できるようにしたことで、ゲームのプレイ方法が根本的に変わりました。当時は大胆な変更でしたが、反応は圧倒的に好意的でした。
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また、ハウジングシステムのアップデートも私たちにとって大きな出来事でした。その可能性には間違いなく興奮していましたが、長年にわたってこれほどのエンゲージメントや支持を得られるとは予想していませんでした。
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――『ESO』がほかのMMORPGと異なるポイントはどのようなものでしょうか? 個人的には群像劇やコズミックホラーなど、多彩でユニークなストーリーだと考えています。
リッチ
選択の自由や探検など、多くの差別化要因がありますが、最大のもののひとつは伝承(ロア)と物語の語りかただと思います。『The Elder Scrolls』シリーズのすべての物語と伝承は、その世界に住む人々の視点から語られます。その“信頼できない語り手”という手法は、プレイヤー自身に出来事がどのように展開したかについて自分の考えを挟む余地を与え、つねに複数の真実と視点が存在するため、コミュニティでの議論を活発にします。
――MMORPGは多人数でのプレイがゲームを楽しむためには最適な印象がありますが、『ESO』はソロプレイでも楽しめるのでしょうか?
――MMORPGは多人数でのプレイがゲームを楽しむためには最適な印象がありますが、『ESO』はソロプレイでも楽しめるのでしょうか?
リッチ
『The Elder Scrolls』シリーズは、一般的に伝統的なシングルプレイヤーゲームでした。『ESO』の開発を始めた当初から、一部のプレイヤーはシングルプレイヤーゲームと同じようにプレイしたいだろうとわかっていたので、メインストーリーをソロでクリアーできるように多くの時間と労力を費やしました。プレイヤーがなぜソロでプレイすることを選ぶのかというと、その多くは、ストーリーを重視するプレイヤーが物語に没頭したいからだと思います。彼らは隅々まで探検し、物語を肌で感じたいのです。ほかの人といっしょにいると、相手の時間を尊重して早く進まなければならないと感じがちなので、これはときどき非常に難しくなります。
――10年以上をかけて巨大なタムリエル=膨大なコンテンツを構築してきましたが、その中でもとくに思い入れのあるロケーションやコンテンツがあれば教えてください。
――10年以上をかけて巨大なタムリエル=膨大なコンテンツを構築してきましたが、その中でもとくに思い入れのあるロケーションやコンテンツがあれば教えてください。
リッチ
あまりにも多すぎて、いくつかを選ぶのは難しいです。もしふたつに絞るとしたら、私にとって特別な場所を占めているのは“インペリアル・シティ”と“オルシニウム”のアップデートです。インペリアル・シティは、そのゾーンでのユニークな戦闘(テルバー・ストーン狩り)と、キャラクター“刀剣のドレイク”が理由です。彼女はとくに私のお気に入りのキャラクターのひとりです。
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オルシニウムは、私がクリエイティブ・ディレクターとして初めて担当したゾーンだからです。『ESO』のローンチから学んだ多くの教訓を、オルシニウムにすべて注ぎ込むことができました。ストーリーから、オルシニウムの再建、そして私個人がもっとも気に入っているコンテンツである“メイルストローム・アリーナ”まで、このゾーンはすばらしいです!
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――11年目となる2025年に、ベースゲームのブラッシュアップと“虫の教団の季節(Seasons of the Worm Cult)”の開始、サブクラスの実装やコンテンツパスの導入など、大きな変革を実施しました。このタイミングを選んだ狙いをお聞かせください。
リッチ
10周年を祝った後、今年(2025年)が進化のための完璧な瞬間だと考えました。ベースゲームの改善により、『ESO』はこれまで以上に新規プレイヤーを歓迎できるものになりました。サブクラスのような新しいシステムは、ベテランプレイヤーが長年時間と労力を費やしてきたキャラクターを手放すことなく、新鮮なプレイスタイルを試す機会を与えてくれます。“虫の教団の季節”は、いくつかの物語を完結させ、エキサイティングな新しい扉を開く、ふさわしい物語の架け橋だと感じました。
――“虫の教団の季節”のストーリーラインは、長く楽しんできたプレイヤーにはある種の“ご褒美”的な驚きと新たな幕開けを告げる内容となっていました。最近からゲームを始めたプレイヤーに、改めてそのストーリーと注目すべきポイントをお聞かせください。
――“虫の教団の季節”のストーリーラインは、長く楽しんできたプレイヤーにはある種の“ご褒美”的な驚きと新たな幕開けを告げる内容となっていました。最近からゲームを始めたプレイヤーに、改めてそのストーリーと注目すべきポイントをお聞かせください。
リッチ
この新しいストーリーラインとゾーンでは、プレイヤーは熱帯の島“ソルスティス”にある虫の教団の新たな活動拠点を暴き、調査しなければなりません。心を揺さぶるような新しいクエスト、ダイナミックな新しいサブクラスシステム、そしてこれから起こる大規模な紛争の土台を築くさらなるストーリーコンテンツにご期待ください。“虫の教団の季節”は、最終的には10年前に『ESO』のベースゲームで始まった物語の続きであり、この物語全体を再びプレイヤーの皆さんにお届けできることを楽しみにしています。
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――“虫の教団の季節”パート1が全プラットフォームで始まりましたが、現時点での評判はいかがでしょうか?
リッチ
長年のファンと『ESO』の新規プレイヤーの両方からの反応に感激しています。プレイヤーはベースゲームへのオマージュや伝承の深さを気に入ってくれていますし、とくにサブクラスシステムは多くの創造的なビルドや試みを生み出しています。
――サブクラスは固定された成長システムを打破できるシステムですが、新規プレイヤーには少しわかりにくい印象があります。改めて、このシステムの内容と意図を教えてください。
――サブクラスは固定された成長システムを打破できるシステムですが、新規プレイヤーには少しわかりにくい印象があります。改めて、このシステムの内容と意図を教えてください。
リッチ
サブクラスシステムは、プレイヤーが構築したいキャラクターのタイプをさらに自由に選択できるようにするものです。これにより、以前は利用できなかったほかのクラスのスキルを、新しく興味深い方法で使用できるようになります。プレイヤーはすでにキャラクターに任意の武器や防具タイプを使用させることができたので、これは私たちにとってつぎの論理的な進化でした。コミュニティからこれほど好評を博していることに、私たちはとても感激しています。
――“苦悶の壁(Writhing Wall)”イベントはZenimax Online Studiosにとっても大きな挑戦となりますが、このイベントをプレイヤーにはどのように楽しんでほしいでしょうか? また、10月の実施に向けてプレイヤーが準備しておいたほうがいいことはありますか?
リッチ
“苦悶の壁”は、私たちがこれまでに行った中で群を抜いてもっとも野心的なゲーム内イベントです。各メガサーバーが協力して虫の教団の侵攻を押し返し、壁を破壊する必要があります。プレイヤーが準備できる特定のことはありませんが、協力しなければならないということを知っておくことが重要なステップになるでしょう。
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――『ESO』のすべてのコンテンツ(ストーリーも含む)をいまから楽しむには、プレミアムエディションの購入が必須となるのでしょうか?
リッチ
いいえ、プレミアムエディションはすべてをまとめて手に入れたいプレイヤーにとってはお得なものですが、すべてのコンテンツはストアからアクセス可能であり、私たちは柔軟性を提供することを目指しています。
――2025年のさまざまなアップデートには、新たなプレイヤーや離脱していたプレイヤーをゲームに招待し、快適に冒険を楽しんでほしいという思いを感じますが、いかがでしょうか。
――2025年のさまざまなアップデートには、新たなプレイヤーや離脱していたプレイヤーをゲームに招待し、快適に冒険を楽しんでほしいという思いを感じますが、いかがでしょうか。
リッチ
その通りです! 過去11年間、私たちは問題の修正と世界の拡大に注力し、プレイヤーにやれることを増やしてきました。今年もサブクラス、新しいストーリー、ダンジョンなどを追加していますが、それ以上に新規および復帰プレイヤーの体験に重点を置いています。これは、新規プレイヤーや、しばらく離れていたプレイヤーが復帰した際に、ゲームのプレイ方法の(再)学習を通じて、何をすべきかについてより深い理解を得て、よりよい体験を提供できるようにするために、私たちにとって重要です。
――離脱していたプレイヤーがいま『ESO』に復帰したとして、そのブランクを埋めるための施策・システムはあるのでしょうか?
――離脱していたプレイヤーがいま『ESO』に復帰したとして、そのブランクを埋めるための施策・システムはあるのでしょうか?
リッチ
私たちは、復帰プレイヤーがスムーズにゲームに戻れるようにつねに努力しています。新規プレイヤー向けの導入体験、要約ジャーナル、リフレッシュされたチュートリアルゾーンなどが、復帰プレイヤーが状況を把握するのに役立ちます。
さらに、新しいコンテンツパスを使えば、プレイヤーはよりガイドされた、まとまりのある方法でストーリーアークにアクセスできます。これは、私たちが今年非常に力を入れた点です。アップデート46では、“英雄の帰還”という新機能を追加しました。このシステムは、キャラクター設定を手助けし、復習のための簡単な戦闘チュートリアルを提供し、世界とその変化に慣れるためのガイド付きの“黄金の追跡(ゴールデン・パスート)”タスクを提供することで、復帰プレイヤーが『ESO』にスムーズに戻れるように支援します。
さらに、新しいコンテンツパスを使えば、プレイヤーはよりガイドされた、まとまりのある方法でストーリーアークにアクセスできます。これは、私たちが今年非常に力を入れた点です。アップデート46では、“英雄の帰還”という新機能を追加しました。このシステムは、キャラクター設定を手助けし、復習のための簡単な戦闘チュートリアルを提供し、世界とその変化に慣れるためのガイド付きの“黄金の追跡(ゴールデン・パスート)”タスクを提供することで、復帰プレイヤーが『ESO』にスムーズに戻れるように支援します。
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――『The Elder Scrolls』シリーズは、定期的に行われる『The Elder Scrolls V: Skyrim』のセールはもちろん、『The Elder Scrolls IV: Oblivion』のリメイクで新たなファンを生み出しています。そんな新たなシリーズファンのプレイヤーに『ESO』ならではの魅力を教えてください。
リッチ
『ESO』はタムリエル全土を体験し、『Skyrim』や『Oblivion』の数世紀前に世界がどのように進化したかを見ることができる唯一の場所です。これは『The Elder Scrolls』ファンへのラブレターであり、おなじみの派閥や伝承、そしていたるところに驚きが満ちています。
――このインタビューを読んで『ESO』を始めてみることを決めた読者に、まずすべきことやプレイのポイントがあれば教えてください。もしくは、オススメの楽しみかたやプレイスタイルをお聞かせください。
――このインタビューを読んで『ESO』を始めてみることを決めた読者に、まずすべきことやプレイのポイントがあれば教えてください。もしくは、オススメの楽しみかたやプレイスタイルをお聞かせください。
リッチ
好奇心の赴くままに行動してください。決められた道をたどったり、特定のプレイスタイルに固執したりする必要はありません。『ESO』には誰にでも楽しめる何かがあります。もうひとつ覚えておいてほしい大切なことは、キャラクターに対して行ったことで、後から簡単に元に戻せないことは何もないということです。大胆に実験してみてください。キャラクターのテーマを思い描くことができれば、おそらく『ESO』でそれを構築できます!
――今後の『ESO』におけるアップデートの詳細を、可能な範囲で教えてください。また、プレイヤーは『ESO』のさらなる進化を期待していてよいでしょうか?
――今後の『ESO』におけるアップデートの詳細を、可能な範囲で教えてください。また、プレイヤーは『ESO』のさらなる進化を期待していてよいでしょうか?
リッチ
たくさんの計画があります! ヒントやネタバレは提供できませんが、私たちの旅はまだまだ終わりではないことだけは知っておいてください。今後の数年間で、多くの新しいコンテンツ、QOL(生活の質)の向上アップデート、そして新しいシステムが登場します。
――日本の『ESO』プレイヤー、そして参加を迷っているプレイヤーそれぞれにメッセージを贈ってください。
――日本の『ESO』プレイヤー、そして参加を迷っているプレイヤーそれぞれにメッセージを贈ってください。
リッチ
日本のコミュニティの皆さんへ。長年にわたるご支援、本当にありがとうございます。皆さんからのサポートは私たちにとってかけがえのないものであり、コミュニティの存在なくして今日の私たちはありません!
まだ迷っている皆さんへ。『ESO』は、真に自分だけのものにできる世界です。好きなようにプレイし、好きなタイプのキャラクターを作り、そしてもっとも重要なことに、友だちといっしょにプレイできます! ぜひ私たちといっしょに、タムリエルの仮想世界に没頭しましょう。
まだ迷っている皆さんへ。『ESO』は、真に自分だけのものにできる世界です。好きなようにプレイし、好きなタイプのキャラクターを作り、そしてもっとも重要なことに、友だちといっしょにプレイできます! ぜひ私たちといっしょに、タムリエルの仮想世界に没頭しましょう。