ASUSのゲーミングノートPC“Gaming V16”レビュー。約14万円でRTX4050搭載、『モンハンワイルズ』は中設定ならそこそこ遊べる!
 高性能なPCを買おうとしたときに、やはりネックになるのはそのお値段。最新ゲームのPC版を最高品質のグラフィックで遊ぼうとすると、それなりにスペックが求められるし、高品質の映像を出力するためのモニターも必要になってくる。

 ASUSの16インチゲーミングノートPC“Gaming V16 V3607VU”がエントリーモデルやサブ機としてなかなか魅力的な選択肢だと聞いたのでサンプルをお借りしてみた。
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“ASUS Gaming V16 V3607VU”製品ページ

約14万円で手が届きやすい

 Gaming V16の直販価格は13万9800円[税込]で、スペックがそこそこ優秀だということ。

  • OS:Windows 11 Home 64ビット
  • CPU:インテル Core 5 プロセッサー 210H
  • グラフィックス:NVIDIA GeForce RTX 4050 Laptop GPU
  • ディスプレイ:1920×1200、16.0型ワイドTFTカラー液晶、ノングレア、144Hz
  • メインメモリ:16GB
  • ストレージ:SSD512GB (PCI Express 4.0 x4接続)
  • Webカメラ:207万画素Webカメラ内蔵
  • 通信機能:IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (Wi-Fi 6)、Bluetooth 5.3

 OSは最新のWindows11。グラフィックボードに“NVIDIA GeForce RTX 4050 Laptop GPU”を搭載し、メモリも16GBとまずまずの性能。最低・推奨動作環境がそこそこのPCゲームならサクサク動くスペックだ。

 ストレージのSSDは512GBとやや心もとないが、USB3.2 Gen1の接続端子も用意されているので、外付けのSSDを併用すればカバーできそう。

 また、AUSUはROGやTUF Gamingというゲーミングブランドを展開しているが、Gaming V16は通常のASUSブランドから販売されているのも興味深い。
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ベンチマーク&ゲームプレイでゲーミングPCとしての実力を確認

 ゲーミングPCとしての実力はいかがなものなのか? 実際にベンチマークとゲームプレイでそのパワーを確かめてみた。

『モンスターハンターワイルズ』

 ベンチマークはグラフィックプリセットを“中”にして計測。スコアは約14000とまずまずの結果に。
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 ベンチマークではfpsが80前後をキープしていたが、実際のゲームプレイ中は40~50を行き来する感じ。グラフィックプリセットの“中”ではゲームプレイにそこまで影響はなさそうだったが、“高”以上にするとややカクつきが目立った。

 とくに、エフェクトの激しいフィールドやモンスターの狩猟では、FPSが落ちる場面もしばしば見受けられた。なめらかなゲームプレイを楽しみたいなら、グラフィック設定を下げて遊んだほうがよさそうだ。
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 『
モンハンワイルズ』自体、要求スペックが高く、負荷が重めのゲームということもあって、排熱ファンも爆音で作動。イヤホンやヘッドホンを使ってプレイしていれば気にならないかもしれないが、ステレオで音を出していたらけっこううるさく感じるかも。

 PC本体自体もかなり熱くなっていたので、負荷の重いゲームをプレイするときは冷却効果のあるファン付きの台座を用意したほうがいいだろう。
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 ちなみに、Steamでゲームプレイのボタンを押してからメインメニューが表示されるまでの時間を計測してみたところ、約1分弱ぐらいかかった。
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HDMI端子も備わっているので、モニターに接続すれば画面を大型モニターに映し出すこともできる。

『ファイナルファンタジーXIV』

 『FF14』最新拡張パッケージ『黄金のレガシー』のベンチマークは、“最高品質”でテストしてみたところ、最高評価となる“非常に快適”(スコア15000~)に次ぐ2番目の評価“とても快適”だった。ベンチマーク中のエフェクトが激しいシーンでもfpsが安定していた。

 製作・採集など、動きの少ない場面ではグラフィック設定“最高品質”のまま問題なく遊べるが、動きの激しいバトルではグラフィック設定を少し落としてプレイするのがよさそう。
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モニターが大きくて迫力がスゴイ

 ここからは、Gaming V16をつかってみたPCとしてのインプレッションをお届けしよう。

 やはり、16.0型というモニターのデカさが魅力。モニターを囲むベゼル部分が狭くデザインされているのでより迫力を感じる。
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YouTubeでファミ通TUBEの動画を全画面で視聴。液晶が大きいから迫力がある。
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左右2分割でウィンドウを表示しても見やすい。液晶ディスプレイが大きいので、こういった使いかたもできる。

 さらに、液晶ディスプレイはリフレッシュレート144Hz(秒間で144フレームを表示可能)に対応。動きが速く、フレームレートが重要になるFPSなどを遊ぶ人にとっては、うれしいポイントだろう。

タッチパッドが大きくて使いやすさは◎

 タッチパッドの大きさにも注目だ。従来モデルより40%ほど大きく、実際に触ってみてもかなり使いやすいと感じられた。

 表面には疎水性コーティングが施されており、スライドやクリックなどの動作がスムーズに行えるのも好印象。
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 本体サイズが大きいぶん、キーボード部分も大きいかというとそうではない。各キーの大きさは従来モデルとそこまで変わらず、テンキーが搭載されている形だ。

 テンキーはゲームをプレイする際には不要だが、数字を入力するデータ整理など、おもに学業やビジネスシーンで活躍してくれそう。個人的には、ノートPCは出先での作業時に使うことが多いので、地味にうれしいポイントだ。

 キーボードの押し心地は、しっかりとしたクリック感は感じられるものの、ほかのゲーミングノートPCと比べて大きな差はないと感じた。静音性はしっかりしているので、出先での使用も気にはならないだろう。
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WASDキーと矢印キーがハイライト仕様。ライティング機能も搭載されているが、割と控えめ。もちろんライティング機能をオフにすることもできる。

大きいから場所は選びそう。でも意外と軽い

 液晶ディスプレイやタッチパッドが大きいぶん、本体サイズは幅35.7センチ×奥行き25センチと結構大きめ。横幅はテンキーレスキーボードとほぼ同じぐらいだ。

 サイズ感は、14インチの液晶ディスプレイ搭載のノートPCと見比べてもらったほうがイメージしやすいだろう(下の写真を参照)。
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14インチのノートPCと並べてみると、ひと回りほど大きいのがわかる。

 サイズこそ大きいが、重量は約1.95キロ。実際に手に持ってみたところ、「大きい見た目に反して意外と軽い」という印象を受けた。サイズの面をクリアーできれば持ち運びはそこまで苦にはならなそう。
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大きめのリュックならすっぽり入る。小さいバッグでの持ち運びは難しそう。

 ただ、ACアダプターが大きいのが気になるポイント。出先で電源をつないで使用するにはスペースを取りそうで、ちょっと場所を選ぶかも。基本的には自宅でデスクトップPCの代わりに使って、出先では消費電力が少ない簡単な作業をする際に活用する、といった使用方法がいいかもしれない。
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接続端子はこんな感じ。画像は商品ページのものがわかりやすいのでそちらから引用。
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モニター上部にWebカメラを搭載。スライド式のシールドも(写真はシールドを装着した状態)。

ふだん使いの使いやすさは◎。負荷の重いゲームを遊ぶのは若干の不安も

 最後にまとめると、大画面で迫力があり、タッチパッドの操作性もよいため、ふだん使いのノートPCとしてはかなり優秀。YouTubeで動画を見るぐらいなら、ファンはぜんぜん気にならないレベル。テンキーも搭載されていて、勉強や仕事などの作業にも便利なのもポイントだ。ある程度のスペックがあるので動画編集などのクリエイティブ用途でも期待できる。

 ゲームプレイにおいては、負荷の重いゲームでなければ問題なく動作するものの、ややファンの音や本体の熱が気になる。要求スペックが高い最新のPCゲームは、やや動作に不安が残るので、グラフィック設定を落とせば遊べるかも……というのが正直な感想だ。

 ただ、定価13万9800円[税込]という価格を考慮すると、コスパはかなりよさそう。サイズが大きいゆえ、持ち運びの観点ではやや人を選びそうだが、デスクトップPCの代わりに使う“そこそこの性能のPC”としては検討の価値あり。お手ごろな価格のPCを探している人は、選択肢のひとつに入れてもいいだろう。
“ASUS Gaming V16 V3607VU”製品ページ