『エターナルアニマ』物語では「過去改変」、バトルでは「未来改変」。『FF』シリーズや『クロノ・トリガー』に携わった樋口氏が挑む新たなRPGの形【インタビュー】

『エターナルアニマ』物語では「過去改変」、バトルでは「未来改変」。『FF』シリーズや『クロノ・トリガー』に携わった樋口氏が挑む新たなRPGの形【インタビュー】
 マーベラスより2027年3月4日に発売予定の完全新作RPG『ETERNAL ANIMA(エターナルアニマ)』。対応プラットフォームはNintendo Switch 2、プレイステーション5(PS5)、XBOX Series X|S、PC(Steam)。
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※Steam版は2027年3月5日3時発売予定。

 本作は、“継承”をテーマに、過去と現代のふたつの時代を巡る物語が描かれるJRPG。敵の行動やその結果が事前に表示される“未来予測バトル”や、過去の英雄たちの力を受け継ぐ“叡智継承システム”などが特徴となっている。

 今回ファミ通ドットコムでは、本作の開発陣にメールインタビューを実施。過去での行動が現代に与える影響や、未来予測バトルが生まれた経緯、キャラクター育成の自由度などについて訊いた。

樋口勝久(ひぐちかつひさ)

『エターナルアニマ』ディレクター。スクウェア在籍時代には『ファイナルファンタジーII』~『V』、『XI』、『クロノ・トリガー』などで、おもにバトルを中心に開発に携わった。(文中は樋口)

塩田誠(しおだまこと)

『エターナルアニマ』プロデューサー。『朧村正怪奇譚』、『フレデリカ』のプロデュースのほか、『牧場物語』シリーズ、『ルーンファクトリー』シリーズなど、数々のマーベラス作品のプロモーションも担当してきた。(文中は塩田)

――まずは、完全新作RPGとして開発された『エターナルアニマ』のコンセプトをお聞かせください。本作では“継承”と“進化”というキーワードが掲げられていますが、これらをテーマにした経緯についても教えてください。

塩田
 根底にあるコンセプトは“オトナになった自分たちが遊びたいJRPG”です。これまでくり返し遊んできた、たくさんの名作JRPGへのリスペクトの気持ちを込めながら、自分たちなりの完全新作を目指しました。本作が描くテーマは“継承”です。物語やゲームシステムを通して、人類の叡智や受け継ぐことの意味を描きました。直接の関係はなかったのですが、結果的にJRPGに対する思いと重なったように感じています。

――本作では、過去と現代のふたつの時代を舞台にした物語が描かれます。タイムトラベルを取り入れるうえで、こだわったポイントや苦労した点を教えてください。
『エターナルアニマ』物語では「過去改変」、バトルでは「未来改変」。『FF』シリーズや『クロノ・トリガー』に携わった樋口氏が挑む新たなRPGの形【インタビュー】
樋口
 過去と現代のふたつの時代での変化にはこだわりました。その中で土地に暮らす人々の時代を超えたつながりを感じてもらえるようにしています。また、本作のタイムトラベルは、過去と現代を行ったり来たりするわけではなく物語に沿ってふたつの時代を巡るかたちなので、タイムパラドックスによる矛盾にはあまり苦労はしませんでした。

――坂口博信さんとの対談動画では、過去で問題を解決して現代に戻るという、一方向の物語構成についてお話しされていました。具体的にはどのような流れで物語が進行するのでしょうか。

樋口
 かつて崩壊した大陸の過去の時代に行って危機から救うと、現代ではその大陸が存続しています。現代は現代で別の問題を抱えていたりするのですが、タイムトラベル自体は何度も繰り返すわけではありません。タイムパラドックスによる矛盾を生みたくなかったのもありますが、一方向にふたつの時代を巡ることで“継承”を強く感じてもらえるようにしています。

――現代には、過去の時代に登場する英雄の子孫も登場するとのことですが、過去で問題を解決することで、その子孫が仲間になるといった展開もあるのでしょうか。また、先祖から子孫へと“継承”されるものについても教えてください。

樋口
 最初に訪れるアンブリスでは、過去の時代でマルティという青年が仲間になります。彼といっしょに大陸を救って現代に戻ると、そこには子孫にあたるマヤカが暮らしていて新たな仲間になります。先祖と子孫の両方に接することで、何を託して何を継承したのかを知れると思います。また、ゲームシステムとしても仕掛けがあるので続報をお待ちください。
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マルティ(画像左)とマヤカ(画像右)。
――試遊で訪れたタリニ村では、時の試練を経ることで中身がよりよいものになる宝箱が確認できました。このようなタイムトラベルを活かしたギミックは、世界各地に用意されているのでしょうか。

樋口
 本作におけるタイムトラベル要素は、物語上で“継承”を描く部分が大きいですが、その中でいくつかの遊びを用意しています。宝箱のほかにも、過去の時代での助言によって建物の様式が変化するものもありますし、もう少し大きな影響を与える仕掛けもあります。
『エターナルアニマ』物語では「過去改変」、バトルでは「未来改変」。『FF』シリーズや『クロノ・トリガー』に携わった樋口氏が挑む新たなRPGの形【インタビュー】
――バトルでは、敵がどのような行動を取り、その結果どうなるのかが事前に表示される“未来予測”のシステムが印象的でした。この仕組みはどのような発想から生まれたのでしょうか。

樋口
 物語で“過去改変”を取り入れたので、バトルでは“未来改変”できないかと考えました。ターン制コマンドバトルの親しみやすさに、独自の進化と言いますか、強烈な味付けをしたくて導入したのが“未来予測バトル”です。

――敵の行動が事前にわかるにもかかわらず、強敵との戦いではかなりの歯応えを感じました。敵の行動を予測できるシステムだからこそ、バランス調整で意識した部分はありますか?

樋口
 予測される未来でもっとも怖いのは死だと思います。強敵とのバトルでは、あえて強力な一撃技を敵に持たせることで、予告された死をいかにして回避するかを考えるシチュエーションが起きやすくしてあります。
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――敵の弱点を突いて行動順を遅らせる“ディレイ”や行動自体をキャンセルさせる“ブレイク”も特徴的でした。このシステムを導入した狙いを教えてください。また、弱点を突くことでBPを獲得できる仕組みには、プレイヤーに弱点を意識させる狙いもあるのでしょうか。

樋口
 ディレイ&ブレイクは、予測された未来を変える象徴的なシステムです。ひたすら強い攻撃を撃ち続けるのではなく、敵の行動に合わせて自分の攻撃を選択するおもしろさを入れたくて考えました。BP(ブーストポイント)は防御することでも溜まるのですが、ある意味では正解の行動に対する報酬の意味合いもあると思います。

――プレイヤーの選択によって、タイムライン上の敵の行動順が変化するUIも非常にわかりやすいと感じました。UIの設計でとくにこだわったポイントはありますか?

樋口
 思考型のバトルではどうしても表示する情報量が多くなります。少しでもわかりやすく、かつ直感的に把握できるような動きのあるUIを目指しました。くり返し目にする情報なので、見た目の派手さよりは見やすさにこだわった設計にしています。

――主人公のウェイドは“読思術”によってジョブやスキルを継承できますが、タンクやヒーラーなど、さまざまな役割を担えるのでしょうか。また、ジョブの種類やスキルの習得方法など、育成の自由度についても教えてください。

樋口
 主人公のウェイドは“叡智継承システム”によって各地の遺物からジョブやスキルを手に入れることができ、これらを組み合わせることでさまざまな役割のキャラクターにカスタマイズすることが可能です。また、ウェイドを含む仲間のキャラクターもレベルを上げることで使えるスキルが増えていきます。ジョブの種類自体はそこまで多くありませんが、セットするスキルによってキャラクターの特性が変わるので、ほかのプレイヤーの攻略法を見て驚くことがあるかもしれません。
『エターナルアニマ』物語では「過去改変」、バトルでは「未来改変」。『FF』シリーズや『クロノ・トリガー』に携わった樋口氏が挑む新たなRPGの形【インタビュー】
『エターナルアニマ』物語では「過去改変」、バトルでは「未来改変」。『FF』シリーズや『クロノ・トリガー』に携わった樋口氏が挑む新たなRPGの形【インタビュー】
主人公のウェイドは武器をふたつ装備でき、バトル中にふたつのジョブのスキルを使い分けられる。さまざまなビルドが楽しめそうだ。
――試遊では、ハンターのジョブを習得した際に、過去の英雄の回想が描かれました。ほかのジョブでも同様のイベントが用意されているのでしょうか。

樋口
 “読思術”によってジョブを継承するときには、過去の英雄たちの回想を見ることができます。その人物の生きざまを知ることで、ジョブだけではなく思いも受け継いでもらえたらと思います。
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――仲間のひとりである機械人形“M.O.S.”についても教えてください。ほかのキャラクターとは異なり、パーツの組み換えによって能力を伸ばせるそうですが、どのような特徴があるのでしょうか。

樋口
 M.O.S.は魔導時代の機械人形で、はじめは人間の感情を理解できないのですが、ウェイドたちと旅を続ける中で徐々に人間のような感情が芽生えていく愛らしいキャラクターです。ほかの仲間と違い、パーツを組み換えることでさまざまなタイプにカスタマイズすることができるので、アタッカー、ヒーラー、サポーターなど、プレイヤーが欲しい役割に変えることができます。
『エターナルアニマ』物語では「過去改変」、バトルでは「未来改変」。『FF』シリーズや『クロノ・トリガー』に携わった樋口氏が挑む新たなRPGの形【インタビュー】
機械人形M.O.S.はストーリーでも重要になってきそうだ。
――キャラクターには、頭身を低くしたデフォルメ調のグラフィックが採用されています。このビジュアルにした意図や、こだわったポイントを教えてください。

樋口
 カメラを動かさない俯瞰視点なので、建物の裏側など見えない部分を極力減らす必要がありました。そのために全体をデフォルメしましたが、これには想像の余白を残す狙いもありました。一方でデフォルメはかわいらしくなり過ぎることがあるので、色味や動きなどを何度も試して調整を行いました。
『エターナルアニマ』物語では「過去改変」、バトルでは「未来改変」。『FF』シリーズや『クロノ・トリガー』に携わった樋口氏が挑む新たなRPGの形【インタビュー】
――最後に、本作に期待している読者の方々に向けてメッセージをお願いします。

塩田
 画面を見て少しでも気になったひとには、『エターナルアニマ』はきっと気に入ってもらえると思います。それと、本作ディレクターの樋口と盟友とも言える坂口博信さんの対談映像はJRPGファンには興味深い内容になっていますので、ぜひご覧いただければと思います。

樋口
 これまで40年間作り続け、胸を張ってライフワークと呼べるJRPGを、新たな気持ちで作りました。完全新作の『エターナルアニマ』にご期待ください。

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