本記事では、製品版を事前に遊んだプレイレビューをお届けしよう。
なお、物語上の重大なネタバレは避けているものの、レビュー記事の性質上、人によってはゲームのネタバレと感じる部分があるかもしれないので、その点はご容赦いただきたい。「まっさらな状態で楽しみたい!」、という方はブラウザバックを推奨。クリアーしたらまた読みに来てね。
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- 『サイレントヒル:タウンフォール』あらすじ
- じつは複数の操作キャラクターに
- こだわりのサウンド体験
- 恐怖度は、シリーズ屈指
- 特徴:主観で進む物語
- 特徴:ポケットテレビ“CRTV”
- 武器が貴重な戦闘体験
- 緊迫する主観ステルス
- 秀逸な謎解きの楽しさ
- 現代社会の問題に通じる大人な物語
- まとめ
『サイレントヒル:タウンフォール』あらすじ
がつながれているが、その理由もわからない。

誰もいない、霧に包まれた静寂の町を歩いているうちに、サイモンはポケットテレビ“CRTV”を手に入れる。CRTVからは謎の女性・ゾーイの声と映像が流れ、サイモンを導くように手助けする。


……というのがざっくりとしたあらすじ。誰もいない霧の町で、謎を解き明かしながら進めていくのは、シリーズらしい流れ。ただし、ユニークなのは視点が多数あること。

じつは複数の操作キャラクターに
本作はシリーズでは珍しく、いわゆる“群像劇”形式となっており、多彩な視点から本作の謎を解き明かしていくスタイル。ちなみに2章からすぐ別キャラクターになる。


ストーリーを追うと本当にゲームの止めどきが見つからないのだが、幸いというか(?)けっこうゲーム自体が難しくて先に進めないところがちょくちょく出てきたりする。だからドラマパートも楽しめるし、ゲーム部分もしっかりと歯ごたえがある。ストーリーの興味でゲーム部分の進行を引っ張っている……という印象を受けた。


ネタバレにならないように物語の感想をお伝えすると、ざっくりと抽象的な表現になってしまうが、シリーズでもっとも“大人向けの『SILENT HILL』”になっていると感じた。
シリーズ初期作品や、リメイク版『サイレントヒル2』も扱っているテーマやシナリオは、大人向けのディープでシリアスな物語が基本となっている。が、そういった作品とはベクトルの異なる大人向け作品になっていて、社会経験が豊富であればあるほど味わい深くなるだろう。
なんか、恐怖の質が違う。


ある意味、身近でありえるテーマ性を含んでいるため、人によってはマジでキツいかも。グロいとか、怖いとかじゃなくて、“辛い”方向で。サイコロジカルホラーは“精神を蝕むような恐怖”を描いているが、ああ、こういう方向性もあるんだなと、『SILENT HILL』の新境地に近いものを感じた。
ゲームをストレス解消みたいな形で遊びたい人には、ハッキリ言って本作はまったく向いてない。
そういうシリアスで大人向けのゲームになっているので、逆にそれを聞いて興味が出たという人はきっとハマるはず。なお、シリーズ恒例のマルチエンディングになっている。

こだわりのサウンド体験
メロディアスなものがないので若干飽きが来る部分もあったりするが、その環境サウンドでいまピンチなのか、クリーチャーの反応はどうか、というゲーム的な情報もわかるようになっているので、ホラーゲームとしての体験を重視するBGMなんだなと感じた(そういう意味では、BGMというより“効果音”的なサウンド作りがなされている)。
そして効果音などのサウンドもかなりよく、クリーチャーのうめき声やCRTVから流れるノイズ、何かの物音などがジワジワと恐怖を演出してくれる。スピーカーよりも、ヘッドホンで遊ぶのがオススメ。というか、音響から、どこに何がいるのかを把握していかないと難しくなるゲームなので、ヘッドホンでないと難しさが倍増するパートがある点、ご注意を。
また、音声は英語音声と日本語ボイスを選択可能。英語音声は雰囲気バッチリなのでもちろんアリだが、個人的には日本語ボイスで遊ぶのがオススメだ。
本作はCRTVから流れてくる声や、小声の“セリフ未満”みたいなものが字幕として表示されない場合がある。物語をより深く考察・知りたい人は日本語ボイスのほうが楽しめるはずだ。

恐怖度は、シリーズ屈指
やはりそれよりも、『SILENT HILL』シリーズの伝統でもあると思うけど、ジャパニーズホラーのようなジワジワとくるホラー感に包まれていた。

ややグロテスクな演出もあるものの、直接的なシーンはほぼない。グロいシーンを見せたいというよりは、仕方なく気持ち悪いところに手を突っ込むみたいな(トイレに手を突っ込むワケじゃないけど)方面で、全体的な“異常度”を表現している。
また、本作の特徴でもある“主観だからこそ伝わるゲーム体験から来る怖さ”が目立っていたように思う。

特徴:主観で進む物語


画面上下に黒いエリアがあり、映画的な画面で楽しめるようになっている。遊んでいるとほぼ気にならなかったが、邪魔だと思う人はオフにするオプションもある。

作り込まれたマップの数々には、ゲームとは関係なく見て楽しめるものもたくさんある。しかし、実際に調べられる場所・アイテムは少なく、調べられるポイントのガイドはそこそこ離れていても現れるので、細かく探索しないと見つけられない場所はほとんどなかった。取りこぼしても重要アイテムは近づくだけでマップにメモされたりする。

特徴:ポケットテレビ“CRTV”
CRTVから流れてくる映像・音声は進行のヒントにもなるし、サイモンが覚えていない過去や、ほかの人の記憶を見るような使われかたもあり、ドラマの中心となっている。
ゲームとしてはCRTVをチューニングすると、向かうべき場所の映像の断片が流れたり、もしくは謎解きのヒントが流れる。たまに映像自体を受け取ってチューニングすることがあり、コントローラーを使ったミニゲームが用意されている。人によっては邪魔になるかもしれないが、まあそこそこ楽しいものだった。

序盤では、活用するタイミングはそこまで多くないが、敵と接することが増えるにつれて使用頻度が上がっていく。
CRTVは、敵の位置を障害物を透かして敵の位置を見ることができ、壁越しの状態で敵の位置を探れるのが強みであり、本作のおもしろいところ。敵の位置がわかっているからこそ、ドキドキの体験が味わえるようになっている。



武器が貴重な戦闘体験
敵を倒すと復活しなくなるので、邪魔な場所では排除するために戦うか……という程度に抑えられている。何なら戦ったほうがたいへんな場面もあったり、展開によってはそもそも戦えなくなったりするため、計画的に敵を倒す必要がある。

システムも“ガード”と“攻撃”のみのシンプルなもので、慣れていけばほぼ確実に敵を倒せる。しかし、近接武器は1個しか持ち歩けず、しかも耐久度があって使い切ると壊れる。壊れるとどこかで新たな武器を探す必要がある。用意されている数は少ない。
もし角材や鉄パイプを持っていたら、持っているあいだだけは聖剣として活躍してくれるわけだが、まっとうに戦うと1回だけで耐久度が半分も減ったりする。避けられる戦闘は避けたほうが賢いというバランスになっている。

途中で“銃”も登場するのだが、銃弾があまりにも貴重かつ、敵は頭に2発当てないと倒れないことが多い。外したら、もうそれだけで大ピンチ。
敵に気づかれないうちにヘッドショットを決める、暗殺用武器のような運用で使うしかない。近接武器と比べてとても頼りないのだ。


ちなみに筆者は、これより開発が進む前のメディア体験会でも本作を遊んでいる。けれど、そのときは同じ武器でそこそこバトルもこなせるバランスだった。が、製品版となって、より武器が壊れやすくなっているような気もする(気のせいかもしれない)。ま、とにかくバトルで打開する以外の方策を模索するのがよさそうだ。

緊迫する主観ステルス
敵の目はそこそこよく、耳もいい。しゃがんで身を隠して移動しないとすぐ気づかれてしまうので、誘導したり、行動パターンを読む、またはCRTVで姿を確認しながら進んでいく。

また、覗き込み(のぞき見る)ボタンを押しながら視点移動すると、ちょっとだけ角から奥の様子を見れたり、しゃがみだけでは隠せない身の隠しかたもできるため、視点の微調整によるドキドキの体験を味わえた。


ただ、プレイに慣れてくるとCRTVが心強すぎて怖さが薄れる瞬間もある。敵が周囲にいると“ジジッ”と音が鳴り、敵の位置のチャンネルが出現する。チャンネルがないということは周囲に絶対敵がいないので、警戒せずに探索できるのだ。ホラーに必要な緊張はこのとき皆無になる(その時間は心が休まる瞬間でもあるので、あえてそうしているのかもしれないが)。
なお、CRTVが使えない場合は基本的に自分の目で確認しながら進むステルスになるため、いきなり難度が高くなる。たとえば、ゾーイは武器を持つ瞬間が少ないので戦闘もできず、しかもポケベル持ち。そこで重要となるのが、敵の位置を音で把握することなので、先述したようにヘッドホンの使用を推奨する。
秀逸な謎解きの楽しさ
『SILENT HILL』シリーズは謎解きの難度変更があるものだが、本作にはそれがない。難度によって答えが変わるということはなく、答えはひとつのみに絞り切られている。そのぶん、ギミックが作り込まれている印象だった。

これを“ヒントあり”にすると、各種テキスト文章の一部が赤字で表示され、謎解きに関わるワードや数値がわかるようになっている。逆に表示されないものは、重要ではないので切り捨てられるため、ぐっと謎解きがしやすくなる。


謎解きと言えるのか微妙だが、ゾーイの視点でオペをするというシーンがある。そこはもう、なんか何を見ればいいのかたいへんだし、上司はずっとパワハラしてくるしで、すごく印象に残った。ぜひ体験してほしい。

現代社会の問題に通じる大人な物語
戦闘面での武器耐久度による辛さ、ステルスを強いられるシーンがとても多いことなど、力押しだけでは進めないような場所がとても多い。いわゆる“裏世界”的な場所はやはり高難度で、敵クリーチャーは強いし謎解きも難解で、かなり進めるのが難しいだろう。難易度選択に“ストーリー”があるので、最初はこちらを選んでもいいと思う。

一応、開発者のやさしいところとしてロッカーなどに“隠れる”ことができる。また、多少「見られた!?」と感じても見過ごされたりするので、ガッツリきびしくは作られていない部分も。扉のカギを閉めさえすれば敵はもう追ってこなくなるなど、無理やり進める箇所もある。


だけど、敵によってはコチラを倒したあともその場で留まることがある。そうなると、復活 → ボコられるとなり、コンティニューが意味をなさない場合もちらほらあった。このへんはもう少し調整してほしかったな、というのが正直なところ。



まとめ

















