子どものころからゲームが大好きで、とくにRPG作品を好んでプレイしていた。いまもふと、夢中になって『ファイナルファンタジー』(FF)や『ドラゴンクエスト』をプレイした日々を思い出すことがある。 そんな自分がいまもっとも注目している作品が、2026年10月22日(Steam版は10月23日)発売予定の『FF』シリーズの新作『ファイナルファンタジー レゾナンス』(FFレゾナンス)だ。対応機種はNintendo Switch 2、Nintendo Switch、プレイステーション5、Xbox Series X|S、PC(Steam、Windows)。


本作は、2015年から2025年まで運営していたスマートフォン向けタイトル『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』(FFBE)の1stシーズンをベースにしながら、システムやグラフィックを刷新。『FF』シリーズ初となる“HD-2D”を採用したタイトルとして再構築されている。
「もし『ファイナルファンタジー』シリーズがドットのまま進化し続けていたら」というテーマで制作され、原点回帰を目指したタイトルでもある『FFレゾナンス』。そんな本作の体験版が、9月4日から配信スタート。
今回は、体験版を先行してプレイできる機会を得たのでレビューをお届けする。グラフィックやバトルシステム、そして歴代『FF』シリーズのキャラクターたちが登場する“ビジョン”など、本作を彩る魅力を紹介していく。
ドットと3Dを組み合わせた圧巻の映像表現に感動
ドット絵のキャラクターと3DCG背景を組み合わせた映像表現“HD-2D”を採用している本作。ゲーム開始直後に流れるムービーは一見すると3Dに見えるが、美麗なドット表現で作られている。まさに圧巻のデキで、最初にこの映像を見たときは一瞬で心を奪われた。





プロローグでは、謎の少女を操作して火の海と化した戦場を進んでいく。チュートリアルも兼ねたシーンではあるものの、イベントシーンの演出が豪華。とくにカメラワークにこだわりが見られ、随所で視点が動き、ゲームの臨場感を生み出している印象。

バトル中も、ドット絵のキャラクターのなめらかなアニメーション、ド派手なエフェクトの技など、とにかく演出がすごい。歴代『FF』シリーズのキャラクターのビジョンから力を借りてくり出す必殺技“レゾナンス”、幻獣の召喚などの演出は、2Dと3Dの映像が見事に融合している。


単純に3D背景の上でドット絵キャラクターを動かす、というわけでじはなく、2Dと3Dの映像がうまく組み合わされていてプレイ中は圧倒されっぱなし。圧巻の映像表現や演出に、グイグイと引き込まれるように物語に没頭できた。

筆者はHD-2D作品を手掛ける浅野智也氏率いる“浅野チーム”作品のファンで、ほぼすべての作品をプレイしているが、これまでに発売された浅野チームの作品と比べても、その衝撃はトップクラスだった。ドット絵だからといって“古さ”は感じられず、むしろ進化した映像表現で“新しさ”を感じられるほどだ。

戦術を練るコマンドバトルRPGらしさの中に、快感を生む新たな要素
敵との戦闘はターン制コマンドバトルとなっており、タイムラインに沿って各キャラクターが行動していく。味方と敵の行動順が表示されているので、じっくりと戦術を練って、各キャラクターをどのように行動させるかを考えられる作りとなっている。
ボタンを押しっぱなしにすると疑似的にオートで戦えたり、倍速機能が搭載されていたりと、現代風の便利な機能も用意されていて、ゲームテンポが非常によく、心地がいいプレイフィールだ。

敵には弱点となる属性が設定されていて、その属性で攻撃して大ダメージを与えていく、といったオーソドックスなシステムが土台になっている。

ランダムエンカウント制が採用されているが、敵とのエンカウントが近くなるにつれ、ミニマップに表示されるエフェクトの色が緑→黄→赤と変わる便利な仕組みが導入されている。敵との戦闘になるタイミングがわかりやすいのはうれしい。
本作のバトルでキモとなるのは、“ブレイク”の仕組み。敵にはHPのほかにブレイクゲージがあり、そのゲージを削り切るとブレイク状態となり、そのターンの行動を阻止できるうえ、より多くのダメージを与えられるチャンスが生まれる。ブレイクゲージは、敵の弱点を突いたり、ゲージを削りやすい技を使ったりすることで効率よく削ることが可能だ。

敵の強力な攻撃をブレイクで阻止したり、ゲージを削ることを重視して大ダメージを与えたりと、さまざまな戦術を組み立てられるのがポイント。ブレイク時のド派手な演出も相まって、うまく戦術がハマったときはとにかく気持ちがいい。

攻撃するときにブレイクゲージがどのぐらい削れるかの予測が表示されるので、行動を組み立てやすい。
また、強敵との戦いでは、強力な攻撃を仕掛けてくる際に赤いエフェクトが表示される。防御してやり過ごすのか、攻撃が放たれる前にゲージを削り切るのか……どう対応するかはプレイヤーしだい。このあたりは、状況に合わせてコマンドを選ぶというコマンドRPGらしさをしっかりと感じられる作りになっている。
王道のコマンドRPGのシステムをベースにしながらも、ド派手な演出や気持ちよさを感じさせる仕組みを加えた本作のバトル。懐かしさは感じつつも古さはまったくなく、むしろ手触りはすごく心地がいい。
まさに「『FF』シリーズがドットのまま進化し続けていたら」を体現した作りで、昔からのコマンドバトルRPGファンはもちろん、初めてRPGに触れるという人でも十分に楽しめるだろう。

体験版では幻獣“セイレーン”を使ったバトルが楽しめた。召喚すると3ターンの間、自動で敵を攻撃したり、味方を支援したりしてくれる存在だ。戦闘開始直後に呼び出して敵のHPを削る、ブレイク直前に召喚して効率よく敵の体力を削るなど、使うタイミングも重要になりそう。

体験版の中でも、しっかりと戦術を練って挑まないと勝てない強敵も存在。ぜひともパーティを育成して勝利を目指してみて!

強敵との戦いではブレイクゲージが削りづらいため、どのように行動を組み立てていくかが重要になる。
歴代『FF』キャラが登場する“ビジョン”によってパーティ編成がさらに楽しく!
キャラクターはレベルアップによって新たな技を習得していく。それに加え、想いの力を結晶化した“ビジョン”を装備すると、別世界の戦士や魔道士たちの持つアビリティが使用できるようになるのが特徴。
装備するビジョンによって使えるアビリティはさまざまで、たとえば、白魔道士リーアのビジョンでは回復や支援に特化したアビリティ構成になっているが、黒魔道士トロンのビジョンでは3つの属性の魔法攻撃が使えるといった感じ。

ビジョンを装備すると、幻影として戦闘に参加。このビジョンの力を借りて戦うイメージだ。
ビジョンは、世界各地に点在する“光の祠”を訪れ、クリスタルに触れると獲得できる。本作では、このビジョンという形で、歴代の『FF』シリーズのキャラクターたちが登場するのも魅力のひとつだ。
新たなビジョンと出会うときは、そのキャラクターがどのような想いを持って戦うのかが解説されるのだが、原作の名シーンやBGMが流れる豪華な演出で、『FF』シリーズ作品のファンなら思わずニヤリとするはず。



また、ビジョン装備中は、同じターン内ですべての敵をブレイクさせて“フルブレイク”にすると、パーティメンバーに装備させたビジョンの中からひとりを選び、大技の“レゾナンス”をくり出すことができる。
レゾナンスを発動したときの演出は迫力満点。とくに歴代『FF』シリーズのキャラクターのレゾナンスを使用したときは、3Dモデルを使った演出が楽しめるのだ。その演出の豪華さに、初見でムービーを見たときは思わず「おぉ!」と声が出てしまったほど。

さらに、ビジョンを装備して戦闘を行い、マスタリーランクポイント(MRP)を貯めてマスタリーランクを上げるとアビリティが習得できる。仕組みとしては『FF5』のジョブとアビリティのシステムに近く、そこから各ビジョンの個性をさらに強めたイメージだ。

習得したアビリティは、ほかのビジョンを装備しているときにもセット可能。ただし、アビリティごとに装備コストがあり、総コスト内に収まるように装備する必要がある。
また、各キャラクターには、仲間を守る力に長けた“ディフェンダー”、回復や支援を得意とする“ヒーラー”といったロールが設定されている。このロールはビジョンにも設定されていて、どのキャラクターにどのビジョンを組み合わせるかが重要になるのだ。
同じロールのキャラクターとビジョンを組み合わせて長所を伸ばすもよし、攻撃魔法と回復魔法の両方が使える魔法特化のキャラクターにするもよしと、ビジョンを絡めてさまざまなパーティを編成できるのも本作の醍醐味のひとつだろう。

体験版の範囲では仲間になるキャラクターと入手できるビジョンは限られていたが、それでもどのビジョンを誰に装備させるか、試行錯誤しながら楽しめた。新たなアビリティを覚えるとパーティ編成の幅が広がっていくため、キャラクター育成のモチベーションを高めてくれるのもポイントだ。
求めていた「コマンドバトルRPGの『FF』」欲を満たしてくれる期待作
昔ながらのコマンドバトルRPGらしさを継承しつつ、最先端の映像技術、刷新されたバトル・育成システムによって、現代のRPGとして進化を遂げている『FFレゾナンス』。まさに、筆者のようなコマンドバトルRPG好きが抱く「こういう『FF』が遊びたかった」という願望を叶えてくれる作品で、体験版でもその魅力を十分に感じることができた。
『FFBE』のリメイク作品ではあるが、事前知識はまったく必要なし。実際、筆者も『FFBE』は未プレイながら、『FFレゾナンス』を“新しい『FF』作品”として夢中になってプレイできた。

チョコボやモーグリといったシリーズでおなじみのキャラクターたちも登場するなど、歴代『FF』シリーズのファンが楽しめる要素も満載。物語を彩る楽曲にも、『FF』シリーズで聴いたことがあるメロディーが取り入れられているなど、とにかく『FF』愛が込められている作品になっているのもうれしいポイント。


おなじみのポット系のモンスターも。今回のプレイでは「エーテルちょうだい」とねだられた。ちなみにエーテルをあげると大量のMRPが獲得できる。
今回の体験版では、序章となる第1章がまるごとプレイ可能だ。キャラクターのレベルは15まで、マスタリーランクは5までと一部制限はあるものの、無料で本作の魅力を感じるチャンスだ。さらに、セーブデータはそのまま製品版へと引き継ぎ可能だ。
筆者はこの体験版で『FFレゾナンス』に対する期待がさらに高まり、早くも続きが遊びたい衝動に駆られている。いち『FF』ファンとして、10月22日の発売日を心待ちにしたい。

そして名曲『ビッグブリッヂの死闘』とともに現れるアイツも……!
■動画でも体験版の模様を紹介しています!