『ダスクブラッド』宮崎Dインタビュー。「PvPvEは情報発信としてあまり正確ではなかった」「新しいというか、変なゲームだと思います」いろいろ訊いたら想像と違った

『ダスクブラッド』宮崎Dインタビュー。「PvPvEは情報発信としてあまり正確ではなかった」「新しいというか、変なゲームだと思います」いろいろ訊いたら想像と違った
 フロム・ソフトウェアが提供する、Nintendo Switch 2向けのマルチプレイアクション『The Duskbloods』(ダスクブラッド)。2026年8月21日(金)~24日(月)に開催されるネットワークテストに先立ち、メディア合同での体験会と、宮崎英高ディレクターへのグループインタビューが実施された。
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『The Duskbloods』宮崎ディレクターインタビュー。「PvPvEは情報発信としてあまり正確ではなかった」「新しいというか、変なゲームだと思います」いろいろ訊いたら想像と違った
 同社初のPvPvEタイトルとして注目が集まる本作。そんな中、宮崎氏の回答は予想外なものだった。

「本作をPvPvEというのは、最初の情報発信としてはあまり正確ではなかったかもしれません」
「自分で言うのもなんですが『ダスクブラッド』は新しいというか、変なゲームだと思います」

 フロム・ソフトウェアの完全新作である『
ダスクブラッド』はどのような意図で設計されているのか。宮崎氏のインタビューと体験会のリポート記事で想像を広げてほしい。なお、当記事の言及内容や掲載画像は開発段階のもの。製品版では仕様が異なる場合がある点はご了承いただきたい。
『The Duskbloods』宮崎ディレクターインタビュー。「PvPvEは情報発信としてあまり正確ではなかった」「新しいというか、変なゲームだと思います」いろいろ訊いたら想像と違った
本作のディレクターを務める宮崎英高氏。

血族は吸血鬼を超え、時をも越える存在

――発表時に任天堂のサイトで公開された“Creator’s Voice”のインタビューでお答えいただいている内容ではありますが、本作でPvPvEというゲームスタイルを選んだ理由を改めてお聞かせいただけますか。

宮崎
 そうですね、まず第一に、本作の最初の情報発信として“PvPvE”というのは、あまり正確ではなかったかもしれません。

 私としては、PvPの要素もあれば、PvEの要素もある、ただそれだけの事実として使った言葉なのですが、現状で“PvPvE”と言うと、もっと特定のフォーマット、たとえば脱出シューターのようなゲームを想像してしまうのかなと。ネットワークテスト版を触っていただければ、ご理解いただけると思いますが、本作はそれらとはまた違ったゲームですから。

 ともあれ、本作がオンラインゲームであることは間違いありません。なぜそれを作ったのか、という話であれば、我々の過去作と同様の答えになります。つまり「自分たちがおもしろそうだ、作りたいと思ったから作った」ですね。

 タイミングが『
ELDEN RING NIGHTREIGN』と被っているので、そのことについていろいろと聞かれることもあるのですが、両者のタイミングが被ったのは、ただの偶然です(笑)。我々の戦略が変化し、これからはオンラインゲームを中心に作っていく、といったことではありません。そもそもの話として、本作のはじまりは『ELDEN RING NIGHTREIGN』よりも前ですしね。

 以前、
“Creator’s Voice”でお答えした通り、たまたま任天堂さんに本作の原案をお話しする機会があり、興味を持っていただいた、というのがはじまりなのですが、そのときは、単に自分がおもしろそうだと思うことをしゃべっていただけで、会社としての戦略とか、そんなことはまったく考えていなかったと思います。

 ただ、もう少し深掘りすると、私自身が『
デモンズソウル』や『ダークソウル』を作る過程で、蓄積されたものはあった気がします。

 『ダークソウル』の誓約がわかりやすいですが、ああしたオンライン要素は私の好みでして、過去いろいろなアイデアを考えたのですが、シングルメインのゲームが前提だと採用しにくいものも多かったのです。

 そうしたアイデア、あるいは思考の蓄積を、どこかで活かしたかったのかなと。

――世界観について教えてください。近代的なゴシック調という点で、本作は『Bloodborne』(ブラッドボーン)を彷彿させるものがあると感じました。こういった世界設定を選ばれたのはなぜでしょうか。

宮崎
 今作のプレイヤーキャラクターである血族のモチーフは、いわゆる吸血鬼です。なので、吸血鬼ものとして、もっともストレートな世界観として、最初のマップとしては“ゴシック・ヴィクトリアン”を選択しています。

 ただ、今作の世界観はそれだけではありません。ネットワークテスト版では、マップはひとつだけですが、製品版ではほかにもマップがふたつ用意され、それぞれ“ゴシック・ヴィクトリアン”とは、また違った世界観を持っています。

 本作では、血族たちはいろいろな時代、場所の“黄昏”に呼ばれ、血授をめぐり戦います。戦いの舞台の共通点は、それが“黄昏”、つまり“人類の滅び、衰退、落日の時”であることです。


――マップは広大ですが、ワープもできるので思っていたよりも周りやすい印象があります。ほかにもマップがふたつあるとおっしゃっていましたが、広さや移動の感覚は今回のものと同じくらいでしょうか。

宮崎
 基本的には同じですね。ゲームバランスを考えると、適切なマップの大きさというのはだいたい決まっており、どのマップもその範囲内に収まるように調整されています。
『The Duskbloods』宮崎ディレクターインタビュー。「PvPvEは情報発信としてあまり正確ではなかった」「新しいというか、変なゲームだと思います」いろいろ訊いたら想像と違った
――ネットワークテスト版のゲーム内アイコンなどを見ていて、今作を象徴する月や血以外にも、車輪のモチーフが多いように思いました。車輪には、何かしらの意図があるのでしょうか。
宮崎
  車輪は、黄昏の戦いにおける召喚が“時空を超えている”ことを表現するためのモチーフですね。先ほどもお話しした通り、本作の戦いの舞台はいろいろな時代、場所の“黄昏”なので。

――いわゆる“吸血鬼もの”にはいろいろな神話伝承の影響や作家の世界観が強く、とくに欧米ではキリスト教の裏の歴史に紐づけるなど、皆が自由に作っている人気ジャンルだと思います。ファン的には、本作を宮崎版の吸血鬼ものとして、その世界設定を立てるにあたって、どのように考えを巡らせたのでしょうか。

宮崎
  そうですね……。本作ではプレイヤーキャラクターを吸血鬼ではなく、あえて“血族”と呼んでいます。それは、彼らが単なる怪物ではなく、知性と哲学、文化と歴史を持った種族である、といったイメージによるもので、その点は特徴と言えるかもしれません。

 また、これはある意味で私の癖なのですが、拡大解釈主義というか、「我々が血族であると言えば、それは血族なのだ」といった感じで、トラディショナルなイメージは大事にしつつ、キャラクターデザインの幅を広めに取っていることも挙げられると思います。

 ネットワークテスト版では、ゾークがわかりやすいと思いますが(笑)。

さまざまな遊びを提示する“美徳”と“烙印”

――フィールドの印象は、ソロで遊ぶ『エルデンリング』はもちろん、『エルデンリング ナイトレイン』ともまったく異なると感じました。PvPvEという形式やダイナミックなアクションに合わせて、どのようにフィールドを調整したのか、その意図を教えてください。

宮崎
 本作のプレイヤーキャラクターは機動力が高く、とくにジャンプや空中制御に優れていますので、それに合わせて、飛び回るのが楽しい立体マップを意識してデザインしています。もともと私自身が縦に積むマップが好きなので、それは楽しい作業でした。

 また、本作のマップでは、過去作ほど強い導線を引いていません。これは、本作のゲーム性を、くり返しプレイと自由な立ち回りを意識した結果ですね。

――試遊の前に行われたプレゼンテーションでは「上手でなくても楽しめる」という説明がありました。この点について、どのような目的意識や手法で取り組んでいるのでしょうか。

宮崎
 そうですね。大きく3つの点があると思います。

 ひとつ目は“美徳”のシステムです。美徳とは、いわゆる勝利点なのですが、最終戦を除いて、戦いの勝敗はこれの多寡により決まります。PvPなりPvEなりは、この美徳を得るための一手段でしかありません。

 こうすることで、純粋なアクションスキルだけでなく、立ち回りや戦略で勝利を目指すことが可能になっています。美徳システムにより、純粋なアクションスキルの比重を下げているのです。

 ふたつ目は、ロールプレイ的な楽しみです。本作は、純粋に勝ちを目指すのも、もちろん楽しいゲームだと思いますが、それとは別に、キャラクターを演じたり、戦いの最中に突発的に起こるドラマを楽しんだり、といった側面も重視しています。

 イベントや烙印、とくに後者にその色が濃いでしょうか。期せずして割り当てられる“受動烙印”には、時にドラマがあるものと思いますし、たまたま特定の組み合わせで烙印が成立した場合などに、専用のセリフが再生され、新しい物語の断片が手に入る、といった要素もあります。

 3つ目は、ネットワークテスト版では体験していただけないのですが、ストーリーの進行とキャラクタービルドです。本作の拠点である“夜の館”には2階があり、そこには何人かのNPCがいて、彼らと話すことでストーリーが進行します。

 また、オンラインプレイを通じてアイテムを入手し、それを使って血族キャラクターをカスタマイズできますし、アイテムテキストなどによる断片的なストーリーテリングも行われます。

 こうした要素は、必ずしもオンラインプレイにおける勝利を前提とするものではありませんので、まずは勝利にこだわらず、ストーリー進行とキャラクタービルドを楽しむ、といったことが可能です。
『The Duskbloods』宮崎ディレクターインタビュー。「PvPvEは情報発信としてあまり正確ではなかった」「新しいというか、変なゲームだと思います」いろいろ訊いたら想像と違った『The Duskbloods』宮崎ディレクターインタビュー。「PvPvEは情報発信としてあまり正確ではなかった」「新しいというか、変なゲームだと思います」いろいろ訊いたら想像と違った
――“美徳”に関して、もう少しお聞かせください。「盤面を見て、あなたがいちばん稼げる勝利点の方法で稼いでほしい」みたいな、ボードゲーム的な感覚が3フェーズ目までありました。宮崎さんはアナログゲームがお好きということですが、ボードゲームから得た発想もあったのでしょうか。

宮崎
 そうですね。美徳のシステムは、ボードゲームを参考にしている部分があると思います。

 本作には、美徳を得る手段のひとつとして“称賛”という要素もあるのですが、開発中には“ロンゲスト・ロード”(※)と呼ばれていましたからね(笑)。

 個人的には、この美徳のシステムが、ゲームの幅を大きく広げてくれたと思います。勝利を目指すための選択肢、立ち回りの幅という点でもそうですし、イベントや、血族の特殊能力を考えるという点でもそうだと思います。
※ロンゲスト・ロード……Longest Road(最長交易路)。ボードゲーム『カタン』で、交易路を結果的にいちばん伸ばしていたプレイヤーに贈られる勝利点。比較的獲得しやすく高得点だが、狙いがわかりやすく妨害や奪取もしやすいため、独自の駆け引きが生じる。

PvPが苦手でも楽しめる要素とは

――ただ、最後はどうしても上位3名による決闘になるわけですよね。

宮崎
 はい。最終戦のないパターンも試したのですが、どうしても締まりが悪く、現状の形に落ち着きました。

 ただ、ネットワークテスト版では体験していただけないのですが、最終戦がPvPではなく、ボス敵とのPvEになるパターンも用意しています。キャラクタービルドにより、そうした最終戦を希望する、ということもできるようにしています。

 また我々としては「最終戦を戦う最後の3人に残った」ということに、しっかりとした達成感を感じてほしいです。率直に申し上げれば、そのために、演出面ではネットワークテスト版にはまだ不足があると感じています。
『The Duskbloods』宮崎ディレクターインタビュー。「PvPvEは情報発信としてあまり正確ではなかった」「新しいというか、変なゲームだと思います」いろいろ訊いたら想像と違った
――Nintendo Switch 2で開発するということで、従来のフロム・ソフトウェア作品に触れてこなかったプレイヤー層も多くなると思います。そうした新規プレイヤーを意識した内容設計や導線についてはどのようにお考えでしょうか。

宮崎
 お恥ずかしい話ですが、私自身はあまり考えていません(笑)。

 もともとから特定のユーザー層を想定し、そこに向けて作る、ということが得意ではないこともあり、「まずは自分が楽しいと思えるもの、作りたいものを作る」ということを大事にしています。

 ただ、本作はシステムとルールで遊ぶ比重が大きく、また新しい要素も多いので、それらをしっかりとユーザーさんに伝えることは、過去作よりも重視しています。

 そして、その点では、任天堂さんの手厚いサポートにとても感謝しています。我々が勝手に「当たり前だ」と思っている事柄についても、そうではないよ、と指摘してくださったり。このあたりは、もともと我々が不得手であることもあり、とても助けられていますね。

――「フロム・ソフトウェアのゲームは好きだけど対戦ゲームは苦手」みたいな意見もあったのではないかと思うのですが、その辺りについてはどうお考えですか。

宮崎
 そうですね。先ほどお話した通り、純粋なアクションスキルによるPvP以外の幅もあり、また楽しみかたもある、といった設計になっています。私自身、純粋なアクションスキルは決して高くないプレイヤーなのですが、そんな私でも楽しめるようなゲームだと思います(笑)。

 ストーリー進行について言えば、いわゆるエンディングも複数用意しておりますので、そういった意味でシングルプレイ的な楽しみかたもできるのかなと。
『The Duskbloods』宮崎ディレクターインタビュー。「PvPvEは情報発信としてあまり正確ではなかった」「新しいというか、変なゲームだと思います」いろいろ訊いたら想像と違った
――極端な話、シングルプレイだけでも楽しめるということでしょうか。

宮崎
 いえ、そうではありません。ストーリー進行は、あくまでもオンラインプレイを前提にしています。本作の断片的ストーリーテリングは、オンラインプレイ、とくにそのドラマ性を意識して設計されており、それを楽しんでほしいと考えています。

 もちろんストーリー進行においては、オンラインプレイの勝利は必ずしも前提にされませんので、まずはストーリーを楽しみ、その過程で段々と勝てるようになり、また勝ちたくもなる、といった流れが理想ですね。

――シングルモードもあるということですが、キャラクターごとに用意されているということでしょうか。

宮崎
  シングルモードについては、あくまでもミニマムなものです。サーバーメンテナンスなどで、オンラインプレイができない状況でも、何もプレイできないということはないようにしておきたくて。

 具体的には、キャラクターカスタマイズや、中庭での練習、8人対戦の模擬戦などですね。

『ダスクブラッド』の方針と展望

――今回のネットワークテスト版では、育成要素はそこまで反映されていなかったのでしたが、製品版ではどのようになるのでしょうか。

宮崎
 血族キャラのカスタマイズ要素は用意します。

 キャラクターベースは、おそらく10体を大きく超える数を用意できると思います。各キャラクターで武器は固有ですが、血族技や、“権能”と呼ばれる特殊能力などをカスタマイズできます。

 また、仮面や入れ墨など、見た目に特徴をつけることも可能ですし、“烙印”と呼ばれるロール要素や、特定のイベントの発生確率を上げる、といったカスタマイズも可能です。

 本作のキャラクターカスタマイズは、能力や見た目だけでなく、そのキャラクターの運命、宿命といったものまで対象とするイメージなんです。

 そして、それらのカスタマイズ要素が、あるいはその収集が、断片的ストーリーテリングも担っているわけです。

――プレイヤーのモチベーションのひとつにランキングがあるかと思います。『ダスクブラッド』でも『アーマード・コアVI』のようなシーズン制のマッチングはお考えでしょうか。

宮崎
  はい。運営方法など検討中ではありますが、ランクマッチやランキング、シーズン制などは用意します。

 戦いに勝利し、ランクを上げる。当然ですが、そうしたことも、本作の楽しみのひとつと考えています。

――マルチプレイ前提となると、ゲームリリースから半年くらい時間が経つと最適化が進み、プレイヤー層が分かれていって新規が入りにくくなるという現象は、別タイトルでも見られます。こうした部分の対策はどうお考えですか?

宮崎
 これには、ふたつの答えがあると思います。

 ひとつ目は、これまでお話ししてきたように、本作にはさまざな楽しみ方があること。そのため、初心者が楽しみながら、熟練者になっていくことが可能なこと。

 たとえば、これもくり返しになってしまうのですが、まずはストーリーを楽しみ、その過程で段々と勝てるようになり、また勝ちたくもなる、といった流れですね。

 ふたつ目は、これはアップデートでの話になりますが、熟練者が、むしろ初心者のメリットになるような要素を考えています。

 たとえば、熟練者が特別な血盟相手になってくれたり、特別な強敵になってくれたり、あるいはレアなイベントをもたらしてくれたり、といったような。熟練者が感謝され、尊敬されるようになれば、と思っています。

 ただ、これはまだ構想の段階です。現状は、まず製品版の完成に全力を注いでおり、アップデートの内容、タイミングなどは、まだ未定の部分も多くなっていますので。
『The Duskbloods』宮崎ディレクターインタビュー。「PvPvEは情報発信としてあまり正確ではなかった」「新しいというか、変なゲームだと思います」いろいろ訊いたら想像と違った
――『エルデンリング ナイトレイン』と本作は関係がないというお話でしたが、マップ画面やフェーズが分かれたゲーム性などに似た部分を感じました。社内での技術共有などはあったのでしょうか。

宮崎
 同じ会社内で作られているゲームですし、オンラインゲームという共通点もありますから、技術や知見、フィードバックなどはしっかりと共有しています。

――ゲーム全体のバランス調整についてはいかがでしょうか。細かにやっていくのか、シーズンリセットのタイミングで一気にやっていくのか、現段階ではどのように計画されていますか。

宮崎
 こまめにやっていくつもりです。調整であれ拡張であれ、余地の大きいゲームデザインかと思いますし、実際にどういうふうにユーザーさんに遊んでもらえ、楽しんでもらえるのか、未知の部分も大きいので。

 そういう意味では、今回のネットワークテスト版の結果も重視しています。テストのフィードバックを受けて、できるだけ調整したいと考えています。

――ルールに関して、とくに調整に苦労した点、決断に迷った点などありましたら教えてください。

宮崎
 調整で重視したポイントはいくつかあるのですが、そのひとつは“PvPの比重”ですね。ここで言うPvPは、プレイヤーキャラクター同士の直接的な殴りあいを指すのですが、その勝利に対する重要度、あるいはプレイ時間に占める割合といったものです。

 この点については、ネットワークテストでも引き続き重視しており、いただいたフィードバックを踏まえて、製品版に向けた調整を行うつもりです。

――いずれの調整にも、根底にはさまざまなスタイルのプレイヤーに楽しんでほしいという点があるということでしょうか。

宮崎
 はい。美徳のシステムもそのために採用したものですし、PvP要素以外にもマップや敵など用意していますので、それらを含めて多くのユーザーさんに楽しんでほしいと思います。

 烙印などのロールプレイ、あるいはドラマ的な要素や、断片的ストーリーテリングやキャラビルドなど、勝利を目指すこと以外にも、楽しめる側面もさまざまに用意しているつもりです。

 自分で言うのもなんですが、本作は新しいというか、変なゲームだと思います。その変さも含めて、楽しんでもらえたらうれしいですね。

おまけ:どうしても気になった点も訊く

――キャラクターの造形について、フロム・ソフトウェアらしさは見て感じるものだと思っています。目元が見えないミステリアスなキャラが多かったり、ふつうの人間ではないとすぐにわかる外見であったり……これらのビジュアルは、今作の世界観に合わせたものなのでしょうか。それとも、宮崎さんご自身の好みが反映されたものなのでしょうか。

宮崎
  まあ、私自身の好みであることはとくに否定しません(笑)。

 ただ本作は、我々としては比較的、顔が見えるキャラクターが多いと思いますし、キャラクターをデザインし、モデルを制作する過程で、キャラクターの背景や人格などを丁寧に表現しようとしています。過去作で言えば
『SEKIRO』とか『Déraciné』(デラシネ)とかに近いでしょうか。

 なのですが、まあ隠したくはなってしまいます。おそらく、単に好きなんだと思います、隠されたものが(笑)。『
エルデンリング』などでもそうだったのですが、顔データをしっかり作っているのにフルフェイスみたいな。
『The Duskbloods』宮崎ディレクターインタビュー。「PvPvEは情報発信としてあまり正確ではなかった」「新しいというか、変なゲームだと思います」いろいろ訊いたら想像と違った
――さらに踏み入った質問になってしまいますが、宮崎さんとしては目元を隠した女性キャラクターや、凛とした少年キャラクターがお好きなのでしょうか。

宮崎
 そうですね。“お好き”なんだと思います(笑)、ミステリアスな存在や、自分とは縁遠い、憧れるような存在が。

 でも、それがなぜかは、あまり掘り下げないようにしています。あんまりよろしくないものが出てきたら、辛いですからね(笑)。まあ、これはもう受け容れるしかないのかなと。なので、本作でもおっしゃるような少年は登場します。大変申し訳ございません。

――宮崎さんのロマンティシズムは、烙印の“儚い恋の烙印”にも出ていると思っています。

宮崎
  そうですか? まあ、確かに好きな烙印ではありますし、同盟が最終戦直前までだったり、共闘がごく一時的なものだったりなど、関係性の儚さ、みたいなものは本作の特徴なのかもしれません。

 でも、烙印システム自体は作っていてとても楽しいですね。いまは、このシステム自体が新しいこともあり、比較的シンプルなものに留めていますが、製品版ではもう少し複雑なものも用意しておりますし、後々このシステムに慣れ、複雑なルールもある程度許容されるようになったら、さらにいろいろと遊べそうに思います。けっこう拡張性のあるシステムなのかなと。

      担当者プロフィール

      • カイゼルちくわ

        カイゼルちくわ

        フリーライター。MMORPGとブラウザゲームを黎明期から遊び続け、ゲームセンターに『ストII』の数年前から通いつつPCゲームで夜を明かしていたおじさん。アーケードゲーム雑誌のライター業を経て以来、ほぼ全ジャンルのゲーム記事を受け持っている。

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