
ウメハラ選手は現在日本を代表するプロゲーマーで、当時23歳。対するジャスティン・ウォン選手は当時弱冠18歳ながら、アメリカの凄腕ゲームプレイヤーとして人気を集めていた。
奇跡の逆転劇が起こったのは、トーナメントの準決勝(ルーザーズファイナル)。ウメハラ選手はケンを、ジャスティン選手は春麗を使い、一進一退の対戦をくり広げていた。

お互いに1ラウンドを奪い、最終ラウンドを勝ち取ったプレイヤーの勝利となる展開。ジャスティン選手が細かくダメージを奪い、ウメハラ選手があと1発食らえばK.O.となる状況となった。ここで、ジャスティン選手は堅実にスーパーアーツの鳳翼扇を発動。本作では必殺技をガードしたとしても“削り”で少量のダメージを受けてしまうため、この鳳翼扇をガードしてしまうとウメハラ選手の負けが確定となる。攻撃のスピードも速いため、鳳翼扇を発動した段階でジャスティン・ウォン選手は勝利を確信していたはずだ。

しかし、ウメハラ選手から1ラウンドを奪うことは、ひと筋縄ではいかなかった。本作には特定の方向からの攻撃に対してタイミングよく前方向か下方向を入れることで、攻撃を無効化して反撃に転ずることができる“ブロッキング”というシステムが存在する(※)。ウメハラ選手はこのブロッキングをフル活用し、鳳翼扇を全段、しかも最後の1撃を空中ブロッキングして、大逆転を勝ち取ったのだ。


文字で書くと簡単なように見えるが、このブロッキングを成立させるには、攻撃に対してジャストタイミングで方向を入力しなければいけない。鳳翼扇は攻撃数が多いスーパーアーツなうえ、ブロッキングするタイミングも一定ではない。もちろん、ブロッキングの入力に失敗した場合はそのままダメージを受けてK.O.となってしまう。これだけの難しい操作を大会の土壇場で成功させるウメハラ選手のテクニック・胆力は相当なものだと言えるだろう。
このできごとはのちに“背水の逆転劇”と呼ばれるようになり、いまでもゲーマーたちのあいだで語り草となっている。大会が開催された会場では、まさかの展開にギャラリーは大盛り上がり。ジャスティン選手が鳳翼扇を発動するタイミングでギャラリーが「レッツゴージャスティーン!」と声援を送っていたことも印象深く、こちらも格ゲーマーのあいだで語り継がれることになった。
この動画についてはニコニコ動画やYouTubeを検索すれば観ることができるが、いずれもオフィシャルなものは存在しない。REJECTのYouTubeチャンネルにて配信されたウメハラ選手とMenaRD選手の対戦を中継した動画の4時間20分付近からのウメハラ選手のインタビューシーンでチラリと観ることができるので、観たことがないという人はこちらをチェックしよう。
■【公式日本語放送】ウメハラ vs MenaRD: Evo Legends Live














