『リリンク』が品行方正だったので『エンドレスラグナロク』では『グラブル』らしいふざけかたを。『エンドレスラグナロク』開発陣が“振り切った”新システムの数々を語る

『リリンク』が品行方正だったので『エンドレスラグナロク』では『グラブル』らしいふざけかたを。『エンドレスラグナロク』開発陣が“振り切った”新システムの数々を語る
 2026年7月9日に発売される『グランブルーファンタジー リリンク:エンドレスラグナロク(以下、『エンドレスラグナロク』)。2024年2月1日に『グラブル』シリーズ初のアクションRPGとして発売された『グランブルーファンタジー リリンク(以下、『リリンク』)にさまざまな要素を追加した新作タイトルだ。
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『エンドレスラグナロク』ディレクター陣による開発秘話。『リリンク』が品行方正だったので『エンドレスラグナロク』では『グラブル』らしいふざけかたを。開発陣が“振り切った”新システムの数々

 発売に先駆けて開催されたメディア向け試遊会にはディレクターの福原哲也氏と日高三四郎氏(“高”はハシゴダカ)も同席。両ディレクターからは『エンドレスラグナロク』の制作秘話や今後の展開に関する発言がつぎつぎと飛び出した。
『エンドレスラグナロク』ディレクター陣による開発秘話。『リリンク』が品行方正だったので『エンドレスラグナロク』では『グラブル』らしいふざけかたを。開発陣が“振り切った”新システムの数々

福原哲也氏フクハラテツヤ

2012年サイゲームス入社。『グラブル』のディレクターとして、プロジェクトの立ち上げから2024年までの約11年間、開発・運営に携わる。現在は、本作『エンドレスラグナロク』を含め、『リリンク』や『グランブルーファンタジー ヴァーサス』など、スピンオフ作品のコンシューマー展開で総監修を務め、新たな『グラブル』シリーズの世界を広げ続けている。(文中は福原)

日高三四郎氏ヒダカサンシロウ

2016年サイゲームス入社。『リリンク』でナラティブディレクターとしてコンセプト制作、メインストーリープロット、演技監修などに携わった。『エンドレスラグナロク』ではディレクターとしてプロジェクト立ち上げから開発に携わり、おもに召喚やマスタースキルといった新システム部分のディレクションを担当している。(文中は日高。“高”はハシゴダカ)

楽しさと操作性を両立するのが“召喚”のポイント

――まずは本作のアピールポイントを教えてください。

福原
 『リリンク』では20名以上のプレイヤーキャラクターが登場するのですが、それぞれの個性を掛け合わせた連携が評価されました。そんな『リリンク』の超拡張タイトルが『エンドレスラグナロク』になります。じつは『リリンク』発売時点では開発計画がなかったのですが、反響の大きさに応えるべく開発が決まりました。遊んでくださった皆さんに感謝しています。ありがとうございます。

――『エンドレスラグナロク』の発売に合わせて『リリンク』に調整は入りますか?

福原
 クローズドベータの段階でも変更している箇所がすでにあり、製品版でもかなりの調整箇所があります。なので、『エンドレスラグナロク』発売直前のタイミングで変更箇所をまとめたパッチノートを公開できればと思っています。

――『エンドレスラグナロク』の目玉である“召喚”システムはどういった経緯で生まれたのでしょうか?

福原
 『リリンク』の開発初期には召喚を盛り込むというアイデアもありましたが、オミットされました。物語の中でルリアと離れている期間が長かったのがいちばんの要因です。作品の終盤に演出に近い形でプロトバハムートを操作したりはできましたが……召喚をシステム化するというアイデアには『エンドレスラグナロク』の開発が始まってから立ち戻った感じですね。

日高
 もともとキャラクターごとに独自のアクションを拡張したいという方針があったのですが、原作には召喚石や非戦闘キャラクターがたくさんいて、それを操作できればいいというアイデアがいまの召喚システムのベースとなりました。召喚した対象がこういうアクションができたら楽しいという“召喚キャラクターごとの魅力”と、呼び出した後の一瞬だけ操作ルールが変わっても“何をすればいいのか直感的にわかる操作性”が両立するように注力しています。

福原
 前作『リリンク』がわりと品行方正だったので、『エンドレスラグナロク』では『グラブル』らしいふざけかたをしようかというのも召喚石を入れるきっかけになりましたね。1996年に発売されたプレイステーションソフト『トバルNo.1』の続編『トバル2』のクエストモードで200体近いキャラクターを操作できたことが楽しかったという体験を思い出しつつ、この作品でもそれくらいはっちゃけられないかと日高たちに提案させてもらって……。それをみんなががんばって実現してくれた感じです。

――おふざけという話も出ましたが、具体的な内容もうかがいたいです。たとえば、エイプリルフールイベントで登場した“オイラ”なども出てきたり……?

福原
 さすがにそこまでは振り切れませんでした。オイラはエイプリルフールすぎるので(笑)。ただ、『リリンク』ではなぜかリトルスニッパーというカニを集めるシステムが入っていたこともあって、今回も一部でカニがフィーチャーされているのはおもしろい要素かと思います。海産物が登場するのも『グラブル』らしさなので。
『エンドレスラグナロク』ディレクター陣による開発秘話。『リリンク』が品行方正だったので『エンドレスラグナロク』では『グラブル』らしいふざけかたを。開発陣が“振り切った”新システムの数々

6人の新キャラクターを選んだきっかけ

――新プレイアブルキャラクターの選定基準を教えてください。

福原
 『リリンク』で敵として登場したマギラフリラにはプレイアブル化してほしいという声をたくさんいただき、彼女とガランツァを実装することがまず決まりました。仲間になるにあたって納得のいく動機づけも必要で、そこについては今回追加された物語でしっかり描いているので注目してほしいです。

 また、ベアトリクス、ユーステスもプレイアブル化を望む声が多く、ゼタとバザラガだけだった“組織”のメンバーを増やすことで、“四騎士”のように4人パーティーを組めるようにしました。フラウとフェディエルは『
グランブルーファンタジー ヴァーサス』に登場しておらず、原作でそれぞれが十賢者と六竜という特別な立ち位置にいます。『リリンク』できれいに終わったお話の続きを刺激的で興味深い物語にするために登場させることになりました。

――マギラフリラを原作『グラブル』に登場させる予定はありますか?

福原
 イドたちも含めて「『リリンク』組はいつ登場するんだ」という意見をいただくことは多くて、『エンドレスラグナロク』発表後にそういう声がさらに強まりました。本作が発売してからしばらく待っていただけたら実現する……かもしれません。

――『リリンク』に初めて触れるユーザーに向けてオススメのキャラクターを教えてください。

福原
 誰を使うか迷ってしまうという完全に初心者の方には、グラン・ジータを育ててほしいです。進める過程でいろいろなキャラクターも仲間になるので切り換えてもらえれば。あと、比較的簡単な操作で火力が出せるラカムもアクションが苦手な方にはオススメです。逆にアクションが得意な方には、新キャラクターのベアトリクスもコンボが気持ちよくてオススメしたいです。

日高
 まずメインストーリーから遊んでもらえるだろうと考えると、やはり主人公のグラン・ジータがいいのかなと。極まっていくとテクニカルなキャラクターも多いのですが、どのキャラクターも一定の取っかかりやすさは担保されているので、気に入ったキャラクターを選んでもらって大丈夫。困ったらアシストモードにしてもらえれば、キャラクターごとに強い連携を自動で発動してくれたりするので、そこから覚えてもらえればいいと思います。

キャラクターの戦術を劇的に変化させるマスタースタイル

――各キャラクターに3つ用意されているマスタースタイルについてはどのように構築されましたか?

日高
 既存のキャラクターへのアビリティの追加なども検討したのですが、最終的にはマスタースタイルという形で変化を持たせる形に落ち着きました。まずはそのキャラクターの基本となるスタイルを作ってから、“本当はこのキャラクターにはこんなこともさせたかったけれどうまくハマらない”という要素を考え、それを活かすにはどう派生させればいいかを検討しました。キャラクターが破綻せずに、アビリティも十分に分配できるということから3種類という数も決まりました。

福原
 王道、覇道、邪道といったイメージの方向性です。既存のキャラクターでもスタイルによってアビリティの性質がゴリッと変わったりもするので、アビリティの中にはエフェクトが変わったり、モーションが変更されていたりというものもあります。既存のキャラクターのアビリティ自体は増えていませんが、まったく違った体験はお届けできていると思います。

――開発内で評判になったマスタースタイルはありますか?

日高
 ラカムの“極意:コラテラルダメージ特化”などは、当初は開発内でもイロモノと呼ばれて話題となっていました(笑)。ほかにも調整を要したスタイルはいくつかあって、たとえばイドのディア・ゴッドというアビリティはものすごく気合いを入れてモーションキャプチャーしたのに使いづらくて使用率が低くて悔しくて……。どうにかディア・ゴッドを活かせないかと言い出したクリエイターがいて、それが“極意:ディア・ゴッド特化”というマスタースタイルの誕生につながりました。

 スキの大きさは変わらないものの、敵の動きを予測してディア・ゴッドを当てればそのまま連発できるというスタイルだったのですが、あまりにも強すぎて、だいぶ下方修正しました(笑)。いまはいい塩梅になっているはずなので、ぜひ使ってみてください。
『エンドレスラグナロク』ディレクター陣による開発秘話。『リリンク』が品行方正だったので『エンドレスラグナロク』では『グラブル』らしいふざけかたを。開発陣が“振り切った”新システムの数々

今後のアップデートについては“別ベクトル”で期待を!

――“極沌空所”を導入した理由を教えてください。

日高
 『リリンク』は物語クリアー後にクエストをひたすらくり返して遊ぶ構造になっていましたが、それだけだとゲームの体験として飽きてしまうだろうということで企画が始まりました。

 マルチプレイが苦手なユーザーのニーズに応えつつ、特殊なバフをたくさん重ねるというマルチプレイでは実現が難しいメカニクスだったので、シングルプレイのモードに落とし込むことで新しい楽しみを提供できるようにしました。『リリンク』を今回初めて触る方も、難易度“MANIAC”とともに解放される第3階層を遊べば攻略が楽になるはずです。

福原
 ユーザーごとのスタイルもあるので、10分以上のマルチプレイは敷居が高くなっているように感じます。その準備をじっくり整える場としても意識しました。

――本作にアシストモードを使用できないクエストはありますか?

福原
 『リリンク』ではアシストモード非対応のクエストでゲームを離れてしまったユーザーが多くてもったいなかったので、『エンドレスラグナロク』ではエンディング後に登場するシビアなバトルコンテンツ以外では使えるようにしています。ゲーム全体で見れば9割くらいはアシストモード、フルアシストモードで楽しめるようになっています。

――『エンドレスラグナロク』から各プラットフォームのクロスプレイが実装されますが、意識されたことを教えてください。

日高
 クロスプレイは『リリンク』でも実装を検討していましたが、難易度が高くて泣く泣く外しました。『エンドレスラグナロク』では「今回こそはやりたい!」というエンジニアのがんばりがあって実現しました。

 実装初期の段階から絵作りはうまくいっていたと思います。難点としては、本作がアクション部分を本格的に作り込んでいることもあって、快適に遊ぶためにはフレームレートを削れないこと。フレームレートを安定させたうえで違和感を持たせないように、どの水準でまとめるのかという点では苦労しました。

――コンテンツ追加のアップデートを配信する予定はありますか? たとえば、召喚石を追加したり。

福原
 召喚石の追加はできたらいいなとは思っています。もともと『リリンク』は単発でキャラクターやクエストを追加するという“点のアップデート”が成立しづらいゲームデザインで、“面のアップデート”である『エンドレスラグナロク』もそういった経緯から開発が決まりました。

 『エンドレスラグナロク』でも点のアップデートは難しいのですが、少しベクトルの違うコンテンツの追加は検討しています。現時点では詳しい話はできませんが、楽しみにしていただけるとうれしいです。
『エンドレスラグナロク』ディレクター陣による開発秘話。『リリンク』が品行方正だったので『エンドレスラグナロク』では『グラブル』らしいふざけかたを。開発陣が“振り切った”新システムの数々
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