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『ハンドレッドライン』飴宮怠美の前日譚小説は「ちょっと薄暗い話」。黒沢ともよさんサプライズ出演の朗読劇もあった1周年イベントを、インタビュー付きでリポート

『ハンドレッドライン』飴宮怠美の前日譚小説は「ちょっと薄暗い話」。黒沢ともよさんサプライズ出演の朗読劇もあった1周年イベントを、インタビュー付きでリポート
 2026年4月26日、日経ホールにて『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』(以下、『ハンドラ』)の発売1周年を記念したリアルイベント、“1周年記念学生祭(クラスフェスティバル) ”が開催された。
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『ハンドラ』飴宮怠美の前日譚小説は「ちょっと薄暗い話」。黒沢ともよさんサプライズ出演の朗読劇もあった1周年イベントを、インタビュー付きでリポート
 イベントは同日の昼、夜の2公演で実施。澄野拓海役の木村太飛さん、蒼月衛人役の櫻井孝宏さん、九十九今馬役の緒方恵美さん、九十九過子役の伊藤梨花子さんら声優陣に加え、TooKyoGames(トゥーキョーゲームス)の小高和剛氏が出演した。

 本稿では、朗読劇のサプライズゲストとして、霧藤希/柏宮カルア役の黒沢ともよさんが登壇した夜公演のリポートをお届けする。
なお、本イベントでは『ハンドラ』のネタバレが満載なので、これからプレイする方は注意してほしい
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夜公演の登壇者
  • 木村太飛さん(澄野拓海役)
  • 櫻井孝宏さん(蒼月衛人役)
  • 緒方恵美さん(九十九今馬役)
  • 伊藤梨花子さん(九十九過子役)
  • 黒沢ともよさん(霧藤希/柏宮カルア役)※サプライズゲスト
  • 小高和剛氏(ディレクション&シナリオ担当)
  • 田口尚平氏(MC)

最初にクリアーしたのは“真相解明編”が最多! アンケートをもとにトークを展開

 イベントは木村さん、櫻井さん、緒方さん、伊藤さんが参加したオリジナルの朗読劇からスタート。朗読劇の内容は、イベント開催直前の澄野たちのドタバタなやり取りを描くというもの。

 注目ポイントは途中で出現した選択肢。朗読劇に登場するのは、“1周目の猫かぶり蒼月”か“2周目以降の本性蒼月”かを選択肢で決める演出が採用されており、夜公演では櫻井さんが“2周目以降の本性蒼月”をファンの前で熱演し、大いに盛り上がった。

 朗読劇が終わると、4人のキャストと小高氏が挨拶を行い、事前に実施していたアンケートともとにしたトークをくり広げた。夜公演のトークテーマは下記の3つ。

夜公演のトークテーマ
  1. プレイ時間
  2. いちばん好きな部隊長
  3. 最初にたどり着いたエンディング・ルート

 “1”のプレイ時間はトップ10が公開され、1位はなんと870時間。小高氏によると、100ルートの想定クリアー時間は「じっくりセリフを聞いて約200時間」とのことなので、870時間という回答に出演者は驚いていた。ちなみに、10位のファンでも475時間も遊んでおり、会場には400時間以上プレイしたというファンもいた。

 “2”のいちばん好きな部隊長はトップ5が発表され、下記の結果となった。
いちばん好きな部隊長
1位:イヴァー
2位:ヴェシネス
3位:チューラムタミー
4位:アダムキュー
5位:ダルシャー
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 2周目以降に仲間になるうえ、専用ルートが用意されたイヴァーや、敵ながら専用ルートのあるヴェシネスが上位に輝く結果に。3位にチューラムタミーが選ばれた理由を小高氏は、「ツインテールのような見た目がかわいいですよね。あと、よく見かけた意見としては、マスクの下の素顔がかわいいんじゃないかと幻想を抱いているファンが多いみたいでした」とコメント。チューラムタミーの人気のヒミツを分析していた。
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 最後の“3”最初にたどり着いたエンディング・ルートも同じくトップ5が発表された。注目の結果はこちら。

最初にたどり着いたエンディング・ルート
1位:001.真相解明編「さよなら最終防衛学園」
2位:042.カリスマ澄野編「偶像」
3位:047.青春編「ここから、これから」
4位:041.カリスマ澄野編「支配者」
5位:062.恋しちゃったんだ編「正夢1」
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 お色気要素が強めな“恋しちゃったんだ編”や“カリスマ澄野編”がランクインしていたことで、会場のファンは大盛り上がり。緒方さんが会場に向けて「どんだけエロいルートにたどり着きたかったんですか!」とツッコミを入れると、笑いが起こっていた。
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 また、1位の“真相解明編”は、その名の通りストーリーの真相が明かされる言わばトゥルーエンド。それだけに小高氏は、「早めに真相をわかったうえで、いろいろなルートを遊んでもらったほうが、ゲーム体験としてはいい」と考えていたそう。「“真相解明編”にたどり着く選択肢はわかりやすくしていた」と続けて、「(“真相解明編”が1位になったのは)僕の計算通りですね」と豪語していた。そんな小高氏も、“カリスマ澄野編”が2位と4位に輝いたのは想定外だったようだ。
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 アンケートトークでは、ファンから届いた質問にクリエイターやキャストが答える一幕も。小高氏への質問は、「こだわったけれど、プレイヤーが気づいてなさそうな細かいポイントはどこですか?」というもの。

 小高氏は「強いて言うなら、オブジェクトを調べたときのコメントです。調べたタイミングによって異なるセリフを用意していて、全部は無理でしたがなるべくたくさん仕込みました」と教えてくれた。

 続いて「木村さんの考える、澄野がいちばん“極限と絶望”を味わったシーンはどこでしょうか?」という質問に、木村さんは1周目の95日で蒼月が裏切るシーンを回顧。「あのシーンは台本を読んでいて普通にビビりました。ド直球で殺しにくるうえに、蒼月がめちゃくちゃ強くて。澄野もビビったと思います」と選んだ理由を明かした。

 また、小高氏によると問題のシーンは最初に櫻井さんが蒼月の収録を行ったそう。「櫻井さんの演技を聞いて、ほかのキャストの方がここまでやるんだと知ったうえで収録に臨んでくれました」と明かした。
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 蒼月を演じた櫻井さんへの質問は、「(中略)95日以降&2周目以降の振れ幅の大きさについて、演じる際にこだわったポイントやここが辛かった!というポイントはありますか?」というもの。
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 櫻井さんは、「役になりきるじゃないですけど、人間が醜く見える蒼月の気持ちを考えると、辛いよなとちょっとだけ同情することもあって。蒼月は自分を傷つけるシーンも多いので、痛いところや苦しいとことはけっこう生々しく収録しましたね」と回答した。

 一方、緒方さんへの質問は、演じたキャラクターではなく付き合いの長い小高氏に関する内容。「“原作:小高さん作品の特徴”。どこに強く感じますでしょうか?」という問いかけに、緒方さんは「人とは違うぶっ飛んだものを作りたいという想いが先頭にあって、どの作品にもない絶望を描くのですが、その中で希望の光を見せようとする手法は、ゲームでもアニメでも一貫していると思います」と語り、ファンの共感を誘っていた。

 最後の伊藤さんへの質問は、要約すると「過子を演じるにあたって意識したことは?」なのだが、口調や内容がまるで今馬からの質問みたいだったことから、急遽緒方さんが今馬になりきって質問するサプライズも。
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 伊藤さんは、「過子ちゃんは最初、今馬くんに従っていましたが、成長するにつれて自分で考えて判断できるようになります。過子ちゃんが成長していくところを魅力的に演じたいと考えて、そこを意識して演じました」と答えていた。

木村さんのお祝いや黒沢さんの朗読劇などサプライズが満載

 続いてはバラエティーコーナーの“澄野・蒼月 説得ミッション”へ。このコーナーは、キャスト班とクリエイター班に分かれて行う対戦形式のチャレンジで、澄野と蒼月の説得にどちらのチームが成功したのか、ファンが判定するというもの。キャスト班が澄野と蒼月の説得に成功すると商品がプレゼントされるが、パーフェクトを逃した場合は代表者の木村さんが“100にまつわる罰ゲーム”が実施される。
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 澄野の希望は、あまりにも澄野自身がひどい目に遭うルートが多いことから、「ささやかな幸せを手にするルートを増やして!」だった。澄野を説得すべく、クリエイター班の小高氏とキャスト班の櫻井さんが考えたのがこちら。

小高氏:拓海はみんなのお母さんなんだから我慢しなさい。

櫻井さん:わかったよ。君はほんとに醜いなあ。もっとひどい目に遭いたいんだね。澄野“滅”ルートを用意してあげるよ。

 どちらも会場から笑いが起こっていたが、ファンの拍手が多かったのはキャスト班で澄野の説得は成功。この結果に小高氏も納得のようで、「(澄野“滅”ルートは)どんどんイメージが湧いてくるなあ。主人公交代かな」とコメントし、笑いを誘っていた。
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澄野の訴えは木村さん、蒼月の訴えは櫻井さんの生アフレコでそれぞれ行われた。

 澄野のつぎは蒼月の説得ミッションへ。蒼月の悩みは、「醜い人類たちを皆殺しにするルートを作って!」という無理難題。この訴えに対して、木村さんと小高氏が考えた説得は……。

木村さん:蒼月、これで終わりだ……。

小高氏:(丸子楽の手描きの似顔絵を添えて)俺の命だけは助けてくれ~。

 蒼月を抹殺(?)することを選んだ木村さんに対して、小高氏は方向性の異なる説得を用意。付き合いの長い緒方さんも、小高氏の描いたイラストを初めて見たそうで、「イラストを描けたんですね」と驚いていた。ファンの判定は、イラストを用意した小高氏の圧勝。
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 蒼月の説得は失敗となり、残念ながらキャスト班のパーフェクトは達成ならず……。罰ゲームとして、木村さんは強烈な苦みがあることで知られる“センブリ茶100ミリリットル”を一気に飲みすることに。「拓海コール」と手拍子の中、木村さんは見事、罰ゲームをクリアーし、会場は大きな拍手に包まれた。
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 体を張って会場を盛り上げる木村さんに、ここでうれしいサプライズが。第20回声優アワード新人声優賞を受賞した木村さんを祝して、本人には内緒でケーキがプレゼントされた。
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 このケーキは、木村さんと澄野の顔がプリントされた特別製。木村さんは「センブリ茶の苦みが吹き飛びました。胸がいっぱいです。本当に、本当にありがとうございます」と大喜びだった。また、緒方さんの発案で、ケーキは櫻井さんが食べさせてあげることになると、ふたりのやり取りに会場からは歓声が上がっていた。
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 バラエティーコーナーが終わると、キャスト陣による生アフレコが行われた。選ばれたシーンは、“蒼月たくさん編”と“真相解明編”のとあるシーン。前者では澄野(木村さん)と蒼月(櫻井さん)の緊迫したやり取りを、後者では澄野(木村さん)、今馬(緒方さん)、過子(伊藤さん)が中心のアドリブも入った掛け合いを堪能できた様子。会場からは大きな拍手が起こり、ファンも満足しているようだった。
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 『ハンドラ』の最新グッズや舞台化などの告知を挟んで、イベントはいよいよエンディングへ。出演者はつぎのようにファンにメッセージを贈った。

伊藤さん:本日はありがとうございました。いろいろな情報が発表されましたが、私はアニメ化を希望しています。こんなすごい作品に携わらせていただいて、すごく感謝しています。

緒方さん:“言弾(コトダマ)”というものがあるので、弾丸はぶち込んでおかなくてはなりません。アニメ化してほしいか!(会場から大きな拍手)。ありがとうございます。皆様の力をお借りして、今日は“言弾”として発射しておくので、希望を胸に前へ進んで、アニメ化の機会が巡ってきたらいいなと思っております。

櫻井さん:マンガ化されて舞台化もされると、アニメ化の欲も出てきますよね。僕もアニメは観てみたいです。『ハンドラ』の展開をお知らせできたのは本当にうれしかったですし、その場にいることができてとても幸せでした。

木村さん:皆さんの“ハンドラ愛”を全身で受けることができて、改めて『ハンドラ』はいい作品だなと心の底から思うことができました。今日は本当にありがとうございました。

小高氏:アニメ化だけではなく、いろいろなメディアミックスやダウンロードコンテンツ(以下、DLC)を展開して、『ハンドラ』が永遠に続くようなゲームにしていきたいと思います。今後も応援していただけたらうれしいです。

 エンディングが終わると、ステージには木村さんがひとり残る形に。そして木村さんから、「最後にサプライズで皆さんにお届けしたいものがあります。イベントのラストということで、“真相解明編”のラストシーンの朗読劇を行いたいと思います」とうれしい発表があった。

その後、暗くほのかに光が照らされたステージには、木村さんに台本を届ける謎の人物が登場。続いて、スクリーンに霧藤希/柏宮カルア役の黒沢ともよさんの姿とお名前が映し出されるというサプライズ演出で、謎の人物が黒沢さんだとわかると会場からは驚きと興奮のひときわ大きな歓声が上がった。
『ハンドラ』飴宮怠美の前日譚小説は「ちょっと薄暗い話」。黒沢ともよさんサプライズ出演の朗読劇もあった1周年イベントを、インタビュー付きでリポート

 木村さんと黒沢さんは、ファンの前で“真相解明編”のラストシーンを熱演。息のピッタリ合った朗読劇で感動のフィナーレを迎えた会場には、ハンカチで目頭を抑えるファンの姿が多く印象的だった。
『ハンドラ』飴宮怠美の前日譚小説は「ちょっと薄暗い話」。黒沢ともよさんサプライズ出演の朗読劇もあった1周年イベントを、インタビュー付きでリポート

『ハンドラ』の舞台化やDLCなど気になることを3人に直撃インタビュー!

 夜公演の後に、木村さんと小高氏、そして昼公演に出演していたトゥーキョーゲームスの打越鋼太郎氏(ディレクション&シナリオ担当)に、複数メディアによる合同インタビューを実施。DLCや舞台化、今後の野望などを伺った。
『ハンドラ』飴宮怠美の前日譚小説は「ちょっと薄暗い話」。黒沢ともよさんサプライズ出演の朗読劇もあった1周年イベントを、インタビュー付きでリポート
――本日のイベントを終えての感想や、1周年を迎えた感想を教えてください。

打越
 夜公演はお客さんとして観ることができましたが、“真相解明編”の朗読劇は感動しました。泣いたら恥ずかしいので我慢しましたけど、全体的にすばらしいイベントだったと思います。

小高
 好きなエンディング・ルート(※昼公演で発表)の3位に、“055.SF編;永遠の17人”がランクインしていたのはよかったですね。このルートはたどり着くためのハードルが高いので、まだエンディングを見ていない方も多いと思いますが、あえてこのルートで自分の持ち味を出す打越は、ユーザーを信じていてすごいなと感じました。あと、このエンディングは特防隊のメンバーが全員生存することを知らなくて。

打越
 最初に伝えたけどね(苦笑)。

小高
 そうだったっけ? プレイするときは忘れていたから、ハラハラしながら進めました。「頼むから全員生き残ってくれ」って。「全員生存するルートがれば丸く収まる」と思っていたので、エンディングを見たときは安心しましたね。

――木村さんはどうでしょうか?

木村
 たくさんのファンの方の前でイベントを行う機会は限られているので、貴重な体験ができました。ファンから力をたくさんもらえたので、『ハンドラ』がますます好きになった1日でしたね。1周年を迎えての感想は、発売から1年経ったことが未だに信じられなくて。収録は2年前になりますが、キャリアの最初に『ハンドラ』に関われたのは本当に幸せな体験でした。『ハンドラ』に参加できたことで、芝居の引き出しも広がったと実感しています。『ハンドラ』が大好きなので、『3』があるなら何ワードでもがんばります!

――イベントには女性のファンの姿も多かったです。この1年を通して、ファン層はどのように捉えていますか?

小高
 女性のファンの方は多いと思います。日本でファンと直接触れ合える『ハンドラ』だけのイベントは今回が初めてでしたが、『ハンドラ』を愛してくれる方がこんなにたくさんいるんだなと実感できてうれしかったですね。楽しんでくれているファンの顔を直接見ることができて、パワーをいただいた一方で、ますます盛り上げていかなければいけないという使命感も強くなりました。

木村
 『ハンドラ』は海外のファンの方も多いですよね。僕のフォロワーも1000人くらいは海外の方なので、『ハンドラ』はグローバルなんだなって。海外の方が翻訳しやすいように、SNSを書くようになりました(笑)。

小高
 海外での人気も考えると、『ハンドラ』にはまだまだポテンシャルがあると思っています。手前味噌ですが、去年の話題作はすべて遊びましたけど、客観的に見ても『ハンドラ』のシナリオがいちばんおもしろかった。 “真相解明編”のワンシーンを切り取っただけでも感動しているファンの方が多くいて、人の心を揺さぶるシナリオを書けたと自負しています。でも、それを知らない人は多いので、もっと多くの方におもしろさを伝えていきたいですね。
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――DLCに関して教えてください。小高さんと打越さんは、どのようなシナリオを書きたいですか? また、木村さんはどのようなシナリオに出演したいと思いますか?
小高
 メディアミックス展開を広げていく中で、DLCは『ハンドレッドライン3』と言える規模のものを出さなければ、負けだと思っていて。DLCをただのファンアイテムにはしたくなくて、DLCを目当てに買う人が出てくるようなものを作ってこそ、『ハンドラ』かなと考えています。心身を削るようなDLCを作りたいですが、そのためにはゲームを最初から作るくらいの予算が必要になる。予算を確保するためにも、『ハンドラ』をもっと広めて、新規のお客さんを獲得できるように、つねに構想を練り続けています。

 僕がDLCでやりたいのは、『ハンドラ』で明かされてない謎を描いてみたいですね。もちろん、語らないほうが浪漫を感じられる謎もあるので、どの謎を描くはきちんと取捨選択しつつですが。あとは、新しい価値観を提供するルートも作りたいですね。たとえば、新しい侵校生が登場してもいいし、東京団地だけで終わるようなシナリオがあってもいいかもしれない。『
天元突破グレンラガン』のように、ロージェノムを倒した後くらいのでかい規模で新たなシナリオを作れるとすごいなと思います。やりたいことや夢はどんどん広がっていきますね。僕は、『ハンドラ』規模の自社IPは、正直、最初で最後かなと考えているので、長く付き合い続けていきたいです。

打越
 やりたいことは小高に全部言われちゃった(苦笑)。登場人物が全員魅力的なので、キャラクターを活かしたいとは思いますね。東京団地で敵と戦わずに学園生活を送るとか。あとは、解決されていない問題を解決するとか。そういったシナリオを楽しみにしていただければなと思います。

木村
 洗脳攻撃を受けたときの学園モノはおもしろいなと思いました(笑)。学生編も気になりますし……。
『ハンドラ』飴宮怠美の前日譚小説は「ちょっと薄暗い話」。黒沢ともよさんサプライズ出演の朗読劇もあった1周年イベントを、インタビュー付きでリポート
小高
 『キメツ学園!』みたいなね。

木村
 そうそうそう。面影歪を保健室の先生にしてもおもしろいかも。

小高
 たしかにそれはおもしろい。あと、僕は“◯◯ライク”みたいなゲームは作りたくないと思っていて。そういう意味では、DLCを作るなら主人公たちが都市伝説を解体していくような斬新なストーリーであったり、魔法少女が出てきて学級裁判を開いたりするような、新しいゲームを作りたいですね。

一同 (笑)。

――小高さんが“魔女裁判ライク”なゲームを作ると、『ダンガンロンパ』から1周回ってもとに戻るような(苦笑)。

小高
 それをやるのが新しいかなって(笑)。

――(笑)。『ハンドラ』の舞台は、13公演中、10公演のエンディングが変化するとのこと。さらにオリジナルの結末もあるようですが、このような構成になった経緯は?

小高
 ルートを変えたらおもしろいんじゃないかというアイデアは、打ち合わせのときに僕がポロっと言ってしまいました。舞台チームは驚いていましたが、『ハンドラ』っぽいよねということでチャレンジすることになりました。どのルートを選ぶとお客さんは満足してくれるのか、エンディングを変えても成立するのかどうかは、舞台チームやアニプレックスのプロデューサーがうまくコントロールしてくれていて、僕はチェックをしながら気になったところに意見を出す形で進めています。

 いずれにせよたいへんな舞台になることは間違いありませんが、出演者の方たちは覚悟を持って仕事を請けてくれたと思いますし、『
ダンガンロンパ』に縁のある方もいらっしゃるので、ぜひすべての公演を見てほしいですね。『ハンドラ』のような舞台はなかなかないので、ファンの方はもちろん、初めて舞台を観る方も楽しめると思います。

――特典付きS席には、小高氏監修のオリジナル書き下ろし小説『特防隊前日譚FILE04飴宮怠美の変身』の小冊子が付属するそうですね。特典の内容も気になりますが……。

小高
 特典の小説は、トゥーキョーゲームスの小山(※シナリオライターの小山恭平氏)が執筆していて僕が監修しています。ちょっと薄暗い話になっていますが(苦笑)、彼が「どうしても怠美で書きたい」というだけあって、とてもおもしろいのでお楽しみに。
『ハンドラ』飴宮怠美の前日譚小説は「ちょっと薄暗い話」。黒沢ともよさんサプライズ出演の朗読劇もあった1周年イベントを、インタビュー付きでリポート
――直近で実現したい、『ハンドラ』に関する野望をそれぞれ教えてください。
小高
 直近はもちろんアニメ化ですね。本作はゲーム部分がシミュレーションRPGだったので、アニメ化するなら15人の生徒と侵校生が入り乱れて戦うアクションシーンを作りたくて。アニメでしか見せられないアクションシーンは、めちゃくちゃ伸び代があると思います。直近ではないですが、DLCで違法建築のようなゲームにしたいという野望もありますね。初めて遊ぶ人が「なんだこれは」と驚くような、10数年後にカルトゲームとしてゲームサイトに取り上げられるタイトルを残したいです。

木村
 野望……。澄野が『スマブラ』シリーズに出てほしい(笑)。

一同 (笑)。

小高
 それは無理(苦笑)。

――Nintendo Switchで販売されていますし、可能性はゼロじゃないと思います(笑)。

打越
 いろいろやりたいですが、スピンオフはおもしろいかもしれませんね。たとえば“面影の暗殺日記”みたいな、ひとりのキャラクターにフィーチャーしてもいいかなと。

――夢は広がりますね。最後に読者やファンに向けてメッセージをお願いします。

小高
 ファンの皆さんが応援してくれているおかげでトゥーキョーゲームスは生き延びられているので、本当に感謝しています。一方で、新作を出すたびにユーザーとの勝負だと思っていて、どの作品も絶対に魅了してやるという気持ちで作っています。とくに『ハンドラ』は、大きな借金をして長い年月をかけて開発し、勝負を仕掛けたタイトルだったので、日本ゲーム大賞2025やファミ通・電撃ゲームアワード2025などで結果を出させたのはよかったですね。もっと褒めてくれてもいいと思いますよ。そうしたらもっとやる気になるかもしれないと、強く言いたいです。

木村
 『ハンドラ』はファンの熱量が高い作品ですが、この熱量を今後も持ち続けてほしいですし、持ち続けられるように、僕もトゥーキョーゲームスさんといっしょに澄野拓海というキャラクターをこれからも演じいていきいたいと思います。今後もぜひ応援してください。

打越
 ファンの方たちの周囲には、『ハンドラ』をまだプレイしていない方や、おもしろさに気づいていない方がいると思うので、引き続き布教活動をしていただけるとうれしいです。布教するときは、このルートがオススメだよと伝えてあげてください。100ルートあると伝えると、忙しい方には敬遠されるかもしれませんが、オススメのルートなら数十時間のプレイで魅力がわかってもれると思いますし、遊んでもらえたらたぶんハマるはずです。エンディングをひとつだけでいいので、プレイしてもらえるとうれしいです。

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