ゲームシステムやオリジナリティー満載の世界が光る。数々の栄誉に輝いた大ヒット作
2025年(令和7年)4月24日は、プレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC(Steam、Epic Games Store)用『Clair Obscur: Expedition 33』(クレールオブスキュール:エクスペディション33)が発売された日。本日で記念すべき1周年となった。

本作は、元Ubisoftのスタッフが立ち上げたフランスのゲームスタジオSandfall Interactiveが贈るRPGだ。“The Game Awards 2025”でGame of the Yearを含む9部門を受賞した作品として記憶している方も多いだろう。なお、日本時間2026年4月18日開催の“BAFTA Games Awards 2026”で最優秀賞を獲得したため、本作は“5大GOTY”すべてを制覇する快挙を成し遂げた。

BAFTA Games Awards 2026ではベストゲーム賞を含む3部門を獲得。あの『エルデンリング』でも達成できなかった“5大GOTY”に輝いた。
本作の物語はこうだ。舞台は、年に一度“ペイントレス”という謎の少女が描いた数字の年齢の人々が強制的に消滅させられるという、呪われた世界。第33遠征隊に志願した主人公たちは、ペイントレス討伐へと乗り出す。彼女による、死の連鎖を終わらせるために。

何とも絶望的な物語だが、本作の世界は19世紀末のベル・エポック時代をモチーフとしている。美しく咲き誇る花々、巨大な数字が遠方に浮かぶ大海原、幻想的な祭りの風景……。儚くも華やかなオープニングムービーからは、まるで芸術作品のような深みさえ感じられる。

戦闘システムは、ターン制RPGという日本人にはなじみ深い形式。本作のリリース直前に、筆者はクリエイティブディレクターであるギョーム・ブロッシュ氏にインタビューを行い、氏が『ファイナルファンタジー』や『ペルソナ』シリーズなどのJRPGに影響を受けた世代だとうかがった。ターン制RPGへの想いと熱意が、本作を生み出したのだ。
ただし、本作は我々がイメージするターン制RPGとは少々異なり、敵の攻撃を“パリィ”で弾き、無効化できる。タイミングよくすべての攻撃をパリィするとカウンター攻撃のチャンスが生まれ、敵に大ダメージを与えられるという大胆な仕掛けには驚かされた。

また、敵の攻撃時はパリィだけでなく、“回避”(ジャストタイミングでパーフェクトドッジ)や“ジャンプ”といったアクションもくり出すことができ、場合によっては使い分ける必要もある。筆者はモニターを凝視し、敵の攻撃を必死で見極めつつプレイしたが、連続入力の際はミスしてしまうことも。


敵が大技“グラディエントアタック”を放つ。これを防ぐには画面がグレーに切り換わった瞬間に“グラディエントカウンター”を発動させるしかなく、こちらもタイミングが命となる。
プレイヤー側である遠征隊の攻撃でQTEが発生するのも、ほかのRPGとは異なる点だ。QTEを成功させればダメージ上昇やボーナス効果の追加などの恩恵が受けられるため、味方のターンであっても休んでいる暇はない。


コマンドの“エイム”を選択するとフリーエイムモードに。敵の弱点や飛行タイプの敵に効果的なダメージを与えられるほか、ギミックを解く際に必要なこともあり想像以上に使う機会は多かった。
敵の攻撃時にはパリィや回避、ジャンプを使ってダメージを抑え、遠征隊の攻撃時はQTEを成功させて有利な状況を作り出す。ともすれば作業的になりがちなターン制RPGにアクションの要素を取り入れたことで、本作の戦闘ではつねに緊張感溢れる体験ができるというわけだ。

勝てない場合は、パリィに比べて判定が緩めの回避を狙うと突破できた。ちなみに、難易度はいつでも変更可能。
これまでのRPGとは一線を画す仕様のおかげで、本作はリリース前から注目を浴びた。発売後には予想通りユーザーから大きな反響があり、リリースからわずか3日で100万本、1ヵ月後には330万本の累計販売本数を記録した。なお、現在の累計販売本数は500万本を突破している。
通常のバトルでも気を抜けず、強敵戦では高難度アクションかと錯覚するほど手ごたえのある本作。そう聞くと尻込みしてしまうかもしれないが、壁が高いほど乗り越えたときの達成感は大きいものだ。興味のある方は、数々の栄光に輝いたこの“フランス産JRPG”で独自の世界と手ごたえ抜群な戦闘を体験してほしい。
画面写真はPS5版のものです。