ベラルーシのインディースタジオSad Cat Studiosによる『Replaced』は、サイバーパンクな描写が盛りだくさんのアクションアドベンチャーゲーム。対応プラットフォームはXbox Series X|SおよびPCで、2026年4月14日より日本語対応で配信。Xbox Game Passにも対応する。 ドット絵が立体化したような2.5Dグラフィックが印象的な本作のPCレビュー版をプレイしたので、その内容をご紹介しよう。
荒廃したディストピアの廃墟美も、サイバーパンク都市のネオンも、ひたすら美しい
さて本作、最大の魅力はやっぱりその特徴的なグラフィックだ。ゲームとしては若干の奥行きのある横スクロールのアクションアドベンチャーゲームとなっていて、キャラはドット絵で背景は3Dにドット絵スタイルのテクスチャーが貼り込まれていて、そこにモダンなライティングが入ってくるという感じ。
Steam等で公開されたデモでは“ウォール”の外側であるディストピア感あふれる廃墟地帯を舞台としていたが、本作の後半部ではサイバーパンク都市への潜入パートも存在。そしてこれがまぁ、どっちも描写自体は若干ベタなんだけど壮絶なまでに美しい!

序盤はサイバーパンクというより、廃墟世界で展開されるディストピアSFの雰囲気が強め。

割とコテコテなサイバーパンク都市なんだけど、これもまたいいんですわ。作り込みの暴力。
ロトスコープっぽいヌルっとしたキャラクターアニメーションもカッコよく決まっているし、炎や水面などのエフェクト(こちらはドット絵ではなくリアル系)も美しく、シンセウェーブ系のサウンドが気分をさらにもり立ててくれる。とにかく動かしているだけで画面に見とれてしまう。どこかで見たような話でも、絵面に説得力がありすぎる。

水まわりとか炎とかはドット絵感に固執せずにサラッと流体表現してるんだけど、それもまた綺麗。
没入感を阻害せずノセてくれる、流麗なアクション
さて本作、戦闘&探索のアクション部分の作りはちょっとライト寄りと言っていいだろうと思う。俊敏で精緻な操作はあまり要求されず、操作感は少々重め。だがそのぶん、敵の攻撃やマップ上の罠ギミックに対応するための猶予時間もそれなりに大きいので、“画面を見てから的確に判断すれば間に合う”というようなプレイ感だ。
これはまぁ、圧倒的なビジュアルに没頭させるためのバランスなのかもしれない。求められてる判断や実際の入力自体はシンプル、かつ割と“見てから反応”をくり返してるだけなのに、前述したようにキャラクターのモーションがロトスコープっぽく凝ったものになっているので、なんか流れるように敵をカッコよくバキバキ倒していく感じが味わえるのだ。

掴まれるところを飛び移りながら進んでいくプラットフォームアクション的なシーンはかなり出てくるけど、やっぱり反応時間の猶予は大きめ。

カメラ演出もモーションもバキバキだけど、別にカットシーンではなくて戦いの流れの中で普通に出るフィニッシャー攻撃です。
カウンター主体の戦闘は、3Dゲームだが『バットマン: アーカム』シリーズのプレイ感が近いと思う。カウンター可能な攻撃が来たら対応し、カウンター不能な攻撃が来たら避け、あとは適度に間合いを調整しながら殴る。この基本は最後まで変わらない。
だけど話の進行に応じて銃を使えるようになったり、敵の弾を反射できるようになったり、派生要素がどんどん増えていくのもあって意外と飽きない。まぁ戦闘シーンは必ず集団戦なので、連続するとさすがにちょっと疲れるけど……。

盾やアーマー持ちの敵はツルハシ攻撃で削ってからじゃないとダメージが入らないとか、3連続カウンターしないといけない攻撃を持ってる敵が出てくるとか、バリエーションが増えていく。
ストーリーに新たな驚きはないが、想像の倍の量でじっくり描く
ではアドベンチャー要素とストーリーの部分はどうだろうか? 本作の舞台は、現実とは異なる歴史を歩んだ1980年代アメリカ。核災害により社会が変貌し、企業体“フェニックスコーポレーション”が政府よりも強大な存在となっている世界だ。
主人公リーチは、そんなコーポの中枢で働くウォーレンの支援AI。しかしある日、原因不明の事故によりリーチが意識としてウォーレンの身体に宿ってしまうという事態が発生。警備に追われて命からがら街を隔てる巨大な壁“ウォール”の外側の危険地帯へと逃げ出したリーチが、ウォーレンとの再分離のために帰還を目指す……というのが本作のあらすじとなる。

リーチは誤解を解こうとするも銃撃されてしまい、ひとまず逃亡することに。

ひょんなことで出会って行動をともにすることになる、相棒のテンペスト。線路を走れるように改造した愛車がカッコいい。
まぁぶっちゃけ、企業が支配する世界とか、AIが人間社会に紛れ込んで奮闘するとか、テーマ自体はジャンル的によくあるもの。話の展開も大体想像の範囲内で進行していくんだけど、想像していた倍ぐらいのボリュームがあったのは心底驚いた。実際のクリアーまでは10時間強かかったのだが、“サクサク進行するアクション映画だと思ったら、4話構成ぐらいの連続ドラマだった”という印象だ。
さらに、よりディープに世界を楽しみたい人のために過去の日記や通信ログ、ニュース資料などのサブテキストがいろんなところに配置されているし、NPCとの関係性を深めるミニクエストなども各章に用意されている(内容はハブエリア内で完結するちょっとしたおつかい程度だけど)。

ミニクエストを完了するとステータスアップなどのご褒美が。フェイクアーケードゲームとかも遊べるヨ。

探索中にサブテキストとなるものをスキャンすると、作中内PDAで読める。
というわけで本作、ゲームシステムやストーリーに新鮮な驚きとかはあまりないんだけども、ディストピアものとかサイバーパンクものの“いつもの好きなやつ全盛り”をとにかく美しいビジュアルで存分に味わえるという作品で、個人的にはかなり満足。ビジュアルに惹かれていた人の期待を裏切らないものになっているんじゃないだろうかと思う。

PDAには音楽再生機能もついてるんだけど、コレ再生したまま先に進められるようにして欲しかったなぁ。(※現状では閉じると再生が止まってしまう)